縦型ショートドラマとは? 人気が加速する背景と成功戦略・事例を徹底解説

更新日:2025年09月09日(火)

スマートフォンの普及とともに、動画コンテンツの視聴スタイルも大きく変化しています。「縦型ショートドラマ」は、Z世代をはじめ幅広い年齢層で人気を確立しており、企業での活用も急速に増えています。

そこで、今回は縦型ショートドラマについて解説。人気が加速している背景やメリット・デメリット、企業の活用ポイントや成功事例まで詳しく紹介します。

縦型ショートドラマとは

まずは、縦型ショートドラマとはどんなものか、説明します。

 

縦型ショートドラマの定義

縦型ショートドラマとは、スマートフォンの縦画面に合わせて制作された短尺ドラマ動画(1分~数分)のことを指します。 TikTok、YouTubeショート動画、InstagramリールのSNSなどで配信されており、いつでもどこでもスマホで気軽に楽しめる動画として注目を集めています。

2019年頃から中国でショートドラマ(ショードラ)として爆発的な人気を集め、2023年頃からは日本でも広まり、ショートドラマ専用アプリ「BUMP」や「DramaBox」などが続々と登場。2025年7月には「FOD SHORT」もリリースされ、恋愛・裏切り・ヒューマンドラマなど、さまざまなジャンルのオリジナル作品が配信されています。

さらに企業がショートドラマを制作し、ブランディングやマーケティング活用する動きも増えてきました。

 

縦型ショートドラマの人気が加速している理由

縦型ショートドラマの人気が加速している背景の1つには、現代人のタイムパフォーマンス重視の視聴スタイルと相性が良いことが挙げられます。短時間で満足感を得たいというニーズに対して、く・濃く・感情に訴える縦型ショートドラマは支持されやすく、SNSでの拡散により、爆発的な広がりを見せていると考えられています。

 

トレンド化

2023年頃から日本でもショートドラマが広まり、一般人からプロのクリエイターまで多様なジャンルの作品が急増。次第に多くの注目を集めるようになり、「TikTokトレンド大賞2024」では「ショートドラマ」が特別賞を受賞し、ブームを裏付けました。出典:TikTok公式プレスリリース「TikTokトレンド大賞2024」

市場規模

2024年、中国ショートドラマ市場は約1兆円(504.4億元)に伸長し、映画興行収入の約470億元を初めて超えたとされています。出典:東洋経済オンライン 「中国で成長著しい『ショートドラマ』 日本でも急速に動き出す市場 どこまで根付くか」

またトレンドの影響を受け、日本の国内市場も2026年に約260億円、2029年には約470億円にまで拡大すると予測されています。出典:日本能率協会総合研究所

国内ドラマの人気ジャンルは?

マイナビのマーケティング・広報ラボでは、【2025年4月~6月期ドラマ】と【2025年4月以降に公開された映画】について、人気ランキングを発表! 社会人・大学生・高校生の年代別に人気の傾向を探りました。また地上波ドラマを見るきっかけや好きなジャンル、有料動画配信サービスの視聴カテゴリなど、最新のトレンドも分析しています。

参考記事:【2025年春】年代別ドラマ・映画ランキング 好きなドラマの要素や映画館・有料動画配信サービスの利用実態など社会人・大学生・高校生の特徴を徹底分析!

 

縦型ショートドラマの3つの特徴

縦型ショートドラマの3つの特徴

縦型ショートドラマには、主に3つの特徴があると考えられています。詳しく見ていきましょう。

 

スピード展開

縦型ショートドラマは、1話あたり約1~3分程度で完結するものが中心。短時間でストーリーが楽しめ、通勤時間や待ち時間、仕事や家事の合間など、スキマ時間に視聴できる手軽さもあります。

短尺ではあるものの「起承転結」があるため、ストーリー展開に刺激を受けたり、視聴後の満足感にもつながりやすい傾向。また、数分以内で終わるため気軽に視聴でき、視聴することへのハードルが低いことも消費者のニーズにマッチしているのでしょう。たった数分で、ドラマの世界に没入できるのが魅力のようです。

 

Z世代を中心に市場拡大  

縦型ショートドラマは、Z世代を中心に“タイパの良いコンテンツ”として共感が集まり、幅広い年齢においても市場拡大しています。

デジタル・SNSネイティブであるZ世代は、何か別の作業をしながら動画を見る“ながら視聴”を日常的に楽しみ、おもしろいと思った動画はすぐにSNSでシェア。話題の作品はあっという間にSNS上で拡散されていきます。Z世代を中心に積極的にシェアされることで爆発的な拡散が生まれていると考えられています。

 

スマホ視聴に最適

縦型ショートドラマは、スマートフォンで視聴しやすいように制作されています。スマートフォンの画面を横にする必要がなく、通学・通勤時間やスキマ時間にも片手で気軽に視聴できる点も魅力でしょう。

ショート動画と似ていますが、目的や視聴体験などに違いがあります。ショート動画はエンタメ要素が強いコンテンツで、商品紹介やライフハック、チャレンジ企画など、すばやく情報を理解できるように制作されています。

一方、縦型ショートドラマは起承転結のストーリーがあり、短時間で心に残るコンテンツが特徴。演出や脚本にこだわり、インパクトのある映像や衝撃の展開などで視聴者を惹きつけて印象づけることが大きな違いです。

 

縦型ショートドラマのメリット・デメリット

縦型ショートドラマのメリットとデメリットについて、それぞれ見ていきましょう。

 

メリット

・低コストで制作できる

・効果的にターゲティング

・エンゲージメントが高い

・SNSで拡散

低コストで制作できる

縦型ショートドラマはスマートフォンでも撮影できる上に、専門の機材なども特に必要ありません。一般的なドラマ制作よりも短尺のため、脚本の執筆や撮影、編集時間が短時間で済み、制作コストを抑えられるでしょう

また低予算でもクオリティの高い作品を作ることができ、ストーリーが共感されれば自然と情報拡散されるため、多くの人にリーチすることも可能。個人も企業でも、アイデア勝負で制作できる点がメリットです。

スマホ視聴に適した構図設計や演出など新しいスキルの習得は必要ですが、企業はブランドの認知向上にも適しています。

 

効果的にターゲティング

TikTokやInstagramなどは独自のアルゴリズムによって、ユーザーの視聴履歴や興味関心に基づいたコンテンツがレコメンド表示されます。そのためショートドラマを投稿すると、自然と興味・関心の高い層にアプローチできます。

また専門的な趣味やニッチなジャンルでも、SNSを通じて熱量の高いユーザーにリーチできるのも利点でしょう。さらにSNSでの広告配信は通常投稿になじむ形で配信されるものが多く視聴者に「広告」と嫌悪感を抱かれにくいという点もメリットです。

 

エンゲージメントが高い

縦型ショートドラマは視聴完了率が高く、エンゲージメントの高い動画として注目されています。冒頭からインパクトのあるシーンで始まり、次々とストーリーが展開されるため自然と惹きこまれ、離脱率が低くなる傾向があります。

またSNS上で「いいね」をしたり、コメントや考察をしたりなどと、参加型で作品を楽しんだり盛り上げたりできる点も強みで、エンゲージメント率も上昇しやすく、視聴完了率が高くなります。

TikTokなどでは、視聴完了率の高い動画ほどおすすめに表示されやすくなり、露出が増えるため、さらに多くの視聴につながる“好循環”が生まれやすいでしょう。

 

SNSで拡散

縦型ショートドラマはSNSとの相性が良く、視聴者が「感動・共感・おもしろい」と感じた瞬間に、いいねやコメント、動画シェアなどのアクションを起こしてもらいやすくなります。

特にストーリー性があるため「予想外の展開」や「このオチがすごい!」「感動したから他の人にも伝えたい」などといった、つい誰かにシェアしたくなる仕掛けも工夫されています。SNSを通じた動画の拡散により、広告効果を最大限に高める可能性もあるでしょう。

ドラマを見るきっかけは?

マイナビのマーケティング・広報ラボが行った調査によると、女子大学生がTVドラマを見始めたきっかけの一つとして「TikTokで話題になっていたから」がランクイン。他のSNSよりも情報源にしている人が多いことがわかりました。そのほか大学生の好きなジャンルや魅力的に感じる要素についても詳しく調べています。

参考記事:【2024年下半期】大学生が選ぶ国内ドラマランキング 視聴するきっかけは番宣?SNS?好きなジャンルや視聴後の行動も調査

 

デメリット

情報量が少ない

情報量が少ない

縦型ショートドラマは画面の横幅が狭く、尺も短いため、伝えられる情報量が限られてしまいます。大人数を登場させるのは難しく、構図やカットにも工夫が必要。そのため登場人物は数人程度に絞り、伝える情報も最小限に整理することが大切です。

従来の動画と比べると、一度に届けられる情報量は限定的になってしまうのがデメリットでしょう。また企業が活用する際には「企業のイメージや、商品・サービスなどの宣伝をどのように盛り込むか?」がポイントとなるでしょう。

 

縦型ショートドラマ配信におすすめのSNS

縦型ショートドラマ配信におすすめのSNS                                 

※動画の長さは、アカウントやエリアによって異なる場合もあります。

縦型ショートドラマを配信するにあたり、主要SNS3つで比較してみました。それぞれの利点を見ていきましょう。

 

YouTubeショート

YouTubeメイン層として圧倒的なユーザー数を誇るため、全年代において幅広くリーチできます。検索性も高く、短尺動画から長尺動画への導線も作りやすいので、ブランディングにおすすめです。

一方で縦型ショートドラマだけでの戦略は難しく、長尺コンテンツとの掛け合わせが重要。再生数を伸ばすのにも独自の工夫が求められ、長期的に活用していくことが大切です。

 

 Instagramリール

20代〜30代の女性をメインターゲットとする場合に効果的で、ファッションや美容、ライフスタイル系のジャンルに強いのが特徴。ビジュアル重視のコンテンツが好まれ、消費にもつながりやすいのがメリットでしょう。

Instagramリールはハッシュタグの活用や購入への導線設計がポイント。ブランディングのほか、購買促進にも適しています。

 

TikTok

10代〜20代の若年層を中心に支持されており、拡散力が非常に高いのが強み。視聴履歴や興味関心に基づいたレコメンド機能があるため、フォロワー数が少ないアカウントでも動画を視聴してもらいやすく、短期間での成果にもつながりやすいでしょう。

TikTokは縦型ショートドラマの活用に適しており、ドラマの導入部分やテンポのよい展開、ストーリー性が重要。トレンドが生まれやすく、認知拡大も狙えます。

主要SNSを全チェック!

SNSは次々と新しいサービスや機能も生まれ、進化しています。現在の主要なSNSの種類やサービス内容、おさえておきたい特長について一覧でまとめましたので、合わせてチェック!

参考記事:【2024年版 有名SNS一覧】17種類の特長と使い分け方を紹介

 

縦型ショートドラマの戦略ポイント3つ

縦型ショートドラマの戦略ポイント3つ

縦型ショートドラマを作成する上で、押さえておきたいポイントを3つ紹介します。

 

インパクト重視・共感型コンテンツ

縦型ショートドラマは、最初の数秒が重要。冒頭シーンで視聴者の興味をつかまなければ、すぐにスキップされてしまう可能性があるからです。

例えばインパクトのあるビジュアルやキャッチーなセリフなど、一瞬で視聴者の心をつかむ演出が欠かせません。思わず惹きこまれる展開や予想外のセリフなど「意外性」が効果的で、ドラマの世界観に没入しやすくなるでしょう。

ただしインパクトを与えただけでは、最後まで視聴されません。身近な出来事や感情移入しやすいキャラクター設定など、共感しやすいストーリーを組み立て、視聴者の“心に響くか”も大事なポイント。共感性の高いテーマは、自然と拡散につながる傾向です。

 

ターゲット層の明確化

縦型ショートドラマを制作・配信する際に欠かせないのは、誰に届けたいのかを明確にすることです。誰でも気軽に視聴できるSNS動画は、視聴者の率直な反応がそのまま表れやすくなります。

共感できる動画には好意的なコメントが集まり、アルゴリズムによって拡散されやすくなります。一方で不適切な内容や表現があると、批判が寄せられ、炎上に発展する可能性も否めません。ターゲット層を具体的に設定し、この動画は誰の心に響くのかを起点にストーリーを設計することが不可欠です。

 

プラットフォームの特性

縦型ショートドラマを配信する際は、どのプラットフォームで配信するかという選択が結果を大きく左右します。なぜなら、プラットフォームごとにユーザー層やエンゲージメント率、特徴など、さまざまな要素が異なるためです。

YouTubeショートやInstagramリール、TikTokなどの特性は先述した通りですが、好まれる企画やジャンル、コンテンツの傾向などもよく見極めた上で、配信先を選定しましょう。

10代女子のスマホ利用の実態は?

マイナビのマーケティング・広報ラボでは、10代女子を対象にスマホやSNSの利用方法について詳しく調査! スマホの使用時間から各SNSの使っている機能、情報収集方法まで詳しく解説し、SNSのリアルな使い分けが明らかになります。

参考記事:10代女子のスマホ利用実態を調査! 使用時間からSNSの利用方法まで徹底解説

 

縦型ショートドラマの成功事例

最後に、企業での縦型ショートドラマの活用事例を見ていきましょう。どのようなターゲットに、どんなコンテンツを配信し反響を得ているのか、詳しく解説していきます。

 

NTTドコモ

出典:NTTドコモ公式TikTok

出典:NTTドコモ公式TikTok

NTTドコモはTikTokにて 「#等身大の青春」をテーマ に、縦型ショートドラマを展開。2024年3月から縦型ショートドラマの投稿を開始し、週2本のペースで配信。TikTok公式アカウントではフォロワー数約38万人、1動画の再生数は900万回を超えるものも。YouTubeショートでも配信され、注目を広げています。(2025年7月時点)。

同アカウントは 高校生をメインターゲットに設定 し、席替えやテスト、放課後など、高校生の日常・恋愛・友情などを中心とした青春ドラマを繰り広げます。スマホを通じた気持ちのやり取りや人との絆などが描かれる場面もあり、サービスを想起させています。

それぞれの動画キャプションには「部活で悔しい想いをしたことありますか?」「今日ビジュいいじゃんって感じたことある?」「転校生に一目ぼれしたことありますか?」「あなたならどうしますか?」などの問いかけが入り、やコメント欄も活発に盛り上げているのが特徴的です。

身近なテーマで、感情移入しやすいストーリーに加え、ユーザー同士の交流も活性化することで、若年層からの支持が厚くなっています。

 

洋服の青山

出典:洋服の青山公式TikTok

出典:洋服の青山公式TikTok

洋服の青山は、「働く人たちを応援する」という想いのもと、TikTokにて縦型ショートドラマやショート動画を配信。2023年より開設され、 学生~若手社会人の若年層がメインターゲット です。

2025年より公開中の縦型ショートドラマ「アオドラッ」は職場での出来事をテーマにした、ちょっぴりシュールなオフィスドラマ。クセの強い登場人物たちのちょっと笑えるストーリーが話題となっています。

ドラマのほか、ショート動画では「社会人デビュー」「リアル通勤コーデ」「新社会人の戸惑い」など身近なテーマをピックアップ。スーツや関連アイテムも動画内で積極的に取り上げ「神アイテム」「爆盛れアイテム」「ちょっと差がつくコーデ」などを紹介し、商品の魅力もしっかりとアピールしています。

縦型ショートドラマや商品の魅力を伝えるショート動画、女優やアーティストを起用したショート動画など、多角的な企画でブランドへの親近感好感度の向上につなげています。

 

JAPAN AIRLINES



JAPAN AIRLINES

出典: JAPAN AIRLINES公式TikTok

日本航空(JAL)は2022年よりTikTokにて、 同社を利用したことのない若年層をターゲット に、現場の社員の活気あふれる様子やダンス動画、縦型ショートドラマなどを展開。フォロワー数64万人の人気を確立しています(2025年7月時点)。

2024年には、沖縄の離島「久米島」の魅力を伝える縦型ショートドラマ(前・後編)を公開。久米島へ旅行するカップルの旅先でのケンカをテーマに描き、投稿後1カ月で2本の総再生数1000万回を超えるほどの反響を集めました。

久米島の風景や観光地としての魅力を伝える映像の美しさはもちろんのこと、誰もが共感しやすい旅先での出来事やカップルのサプライズネタを展開し、CAの存在がストーリーにアクセントを添える演出に。CAの仕事観をさりげなく伝え、ブランディングにつなげています。

キャンペーン展開も

また TikTokの同ドラマとX(Twitter)キャンペーンの掛け合わせ も実施。同社のXアカウントをフォローし、指定のハッシュタグとドラマに関するクイズの答えを記載した引用リポストを促したことで、情報拡散。キャンペーンによる往復航空券のプレゼントや、ドラマのカップルと同じ久米島の旅行プランの販売も魅力的で、話題を集めました。

縦型ショートドラマで共感性を呼ぶだけでなく、関連するキャンペーンを行うことで、さらなる認知拡散・購買にもつなげています。

 

まとめ

縦型ショートドラマは、視聴の手軽さやストーリー性、SNSとの相性の良さなどによって、幅広い年齢層から大きな支持を得ています。今後もトレンドは加速していくでしょう。今回ご紹介した戦略ポイントや企業の成功事例を参考に、新たな施策として取り入れてみることをおすすめします。


YouTube番組タイアップ企画 Human -ヒューマン-

YouTube番組タイアップ企画 Human -ヒューマン-

マイナビでは動画制作や縦型ショートドラマ制作にも注力しています。

 

「YouTube番組タイアップ企画 Human -ヒューマン-」は、企画から撮影、配信・拡散まで一気通貫で対応。オリジナル企画の考案やタレントのアサイン、豊富なオプションメニューも用意しています。企画・制作統括は元ゴールデンタイムのテレビ番組ディレクターが担当します。

 

若年層に刺さる動画や、ブランディングを目的とした動画制作など、さまざまなニーズに合わせてプランニング可能ですので、お気軽にご相談ください。

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【マイナビ】マーケティング・広報ラボ
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