Z世代社会人は、なぜドラッグストアを選ぶのか―注目したいコスト・タイム・メンタルパフォーマンスという視点―|「感情」が動くマーケティング

更新日:2026年04月21日(火)

医薬品はもちろん、日用品や食料品も充実しているドラッグストアの存在感は年々高まっています。特にZ世代社会人にとって、ドラッグストアは単なる「薬を買う場所」ではなく、日常消費の中で欠かせない選択肢の一つになりつつあります。

マーケティング・広報ラボの調査では、Z世代社会人がドラッグストアをどのように利用しているのか、実態を明らかにしました。

そのデータと今後の消費トレンドを基に、マーケターの視点でZ世代社会人のインサイトを読み解いていきます。

今回はこの調査をマーケター目線で深掘り!

Z世代社会人は「堅実」な世代なのか

Q.スーパーなどの他業態と比べたとき、ドラッグストアを選ぶメリットは何だと感じていますか?

Q.スーパーなどの他業態と比べたとき、ドラッグストアを選ぶメリットは何だと感じていますか?

(n=314 内訳:【男性】n=156、【女性】n=158)

本調査でドラッグストアの利用理由として上位に挙がったのは、「価格の安さ」「クーポン・ポイントが使える」「家や職場から近い」といった非常に合理的な項目です。この結果から見えてくるのは、Z世代社会人が衝動や気分で買い物をしているわけではないという事実。日頃彼らは日常消費において、「コスパの良さ」「タイパの良さ(家から近いなど)を大切にしている様子が見えてきます。

Z世代の堅実さは、リーマンショックやコロナ禍などで経済が不安定な時代背景の中で育ったということも少なからず影響しています。さらに近年の物価高のニュースは毎日のように消費者に伝えられ消費者を悩ませています。物は高くなるが給料が上がりづらいこの時代にZ世代の社会人も、より堅実思考を強めているのではないでしょうか。

また特に女性は「クーポンが使える」「ポイント制度」の回答が高く、低価格というだけでなく、お得に購入できる仕組みであることがメリットと感じていると思われます。

ドラッグストアが支持される“利便性”と“お得感

Q.ドラッグストアに求めることはなんですか?

Q.ドラッグストアに求めることはなんですか?

(n=314 内訳:【男性】n=156、【女性】n=158)

ドラッグストアがコンビニよりも選ばれる理由として、「安いから」「コスパがいいから」という声は確かにあります。しかし、この“安さ”は、単純な価格の話だけではないように思えます。

Z世代社会人は、最安値を徹底的に探すほどの手間はかけない一方で、「高く買ってしまった」という感覚を嫌がる傾向にあります。

近年のドラッグストアは食品などの品ぞろえも良く、お得なプライベートブランドを展開する店も増えてきており、一か所で欲しいものが揃うタイパとコスパの両立も支持されてる要因かもしれません。

衝動買いも失敗リスクの低い嗜好品を選ぶ傾向か

Q.ドラッグストアでよく購入する商品を全て選んでください。

Q.ドラッグストアでよく購入する商品を全て選んでください。

(n=314 内訳:【男性】n=156、【女性】n=158)

ドラッグストアでよく購入する商品については、「医薬品(市販薬)」39.2%に次いで「スキンケア」「ヘアケア」「ボディケア」などケア用品、また「掃除用品」などの日用品が上位に並びます。

Q.ドラッグストアに行った際、購入予定以外のものでつい購入してしまう商品カテゴリはありますか?

Q.ドラッグストアに行った際、購入予定以外のものでつい購入してしまう商品カテゴリはありますか?

(n=314 内訳:【男性】n=156、【女性】n=158)

また購入予定以外のものでつい購入してしまう商品カテゴリとして菓子類と飲料が上位に入りました。医薬品や洗剤、スキンケア用品など生活必需品を買いにいったついでに、価格帯も失敗リスクも低いお菓子や飲料を買っているのかもしれません。

Z世代社会人の衝動買いは、感情に任せた浪費ではなく、気力を削られない範囲でのみ許容されている消費だと考えられます。

メンタルパフォーマンスという視点で読み解く

日経BPでは「メンタルパフォーマンス」が今後消費トレンドになると予想しました。メンタルパフォーマンス、略して“メンパ”は、集中力や気力をできるだけ消耗せず、日常を安定した状態で過ごすことを重視する思考です。消費においても、悩んだり失敗して後悔したりといった“気持ちを浪費しない”ことが大事な時代になっていくと予想されます。特に日用品や必需品の消費にはメンパを重視し、その分自分の好きなものへの消費には一層の時間や労力をかけるようになるのかもしれません。

本調査の結果からも、Z世代社会人が日常消費においては、判断や後悔によるメンタル消耗を避けたいと考えている片鱗が見えるような気がしました。

ドラッグストアは、価格・立地・品揃え・お得施策のすべてが、「迷わずに済む」「後悔しにくい」設計になっています。だからこそ、Z世代社会人にとっては、メンタルパフォーマンスの高い買い物空間として生活の中に定着しているのでしょう。

おわりに

Z世代は、派手な消費よりも堅実な選択を好む世代です。それは節約志向というより、自分の好きなものには積極的にお金をかけ、日用品や生活必需品などの、自分の中での優先順位の低いものは効率的に安く済ませるというメリハリ消費の傾向が根底にあります。

今後の消費トレンドであるメンタルパフォーマンスがその傾向を後押しし、「日常の小さな判断で気力を削られたくない」という意識は強まっていくでしょう。

本記事では、Z世代社会人がドラッグストアを選ぶ背景にある価値観や思考を考察してきました。下記調査記事では、利用実態や購買行動をより詳しいデータとともに整理しています。
ぜひ、合わせてご確認ください。

 

調査データのご案内

本記事で使用したデータの詳細はこちらでご覧いただけます

  • 調査対象

    23~29歳/未婚/子どもなし/正社員、公務員・団体職員/東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県在住/直近3カ月以内にドラッグストアに行った

  • 有効回答数

    314件

  • 調査時期

    2025年6月

  • 方法

    インターネット調査

この記事を書いた人
マイナビベアの写真
桑野 好絵(くわの・このえ)|株式会社マイナビ
2007年マイナビ入社。 女性向けメディアや若年層トレンド領域に従事し、現在は『マイナビニュース』『マイナビウーマン』などの広告企画を担当。 Z世代に特化した調査チーム「マイナビティーンズラボ」のプランニングやデータ解説、企業向けの講演も行う。 高校1年生の息子を育てる母として、「調査データ」と「リアルな声」の両面から若者インサイトを掘り下げている。

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