Z世代は“なんとなく贈らない”。~ギフト消費から見える人間関係の変化~|感情が動くマーケティング

更新日:2026年05月21日(木)

ギフトは、単なる贈り物ではなく、人との関係性を映し出す行為でもあります。
今回、1829歳のZ世代社会人を対象に行った調査からは、ギフトが「誰にでも同じように贈るもの」ではなく、関係性に応じて発生し、慎重に選ばれる行動であることが見えてきました。

「プレゼント」と「ギフト」は何が違うのか

まず、「プレゼント」「ギフト」は何が違うのでしょうか。
明確な定義があるわけではありませんが、プレゼントが物を渡す行為そのものを指すのに対し、ギフトはそこに意味や意図が含まれる言葉として使われることが多いように感じます。

今回の調査結果を見ると、Z世代社会人にとってのギフトはまさに、相手との関係性の中で成り立つコミュニケーションとして捉えられているようです。

働き方改革やリモートワークの浸透により、社内の人間関係は以前よりもフラットになり、バレンタインのような慣習的なやり取りも虚礼として見直される動きが広がっています。

これまで当たり前とされていた贈り物の文化が揺らぐ中で、人は誰に、どんなときに、どんな想いでギフトを贈るのか。

今回の調査を見ていくと、令和における人間関係のあり方そのものが浮かび上がってきます。

 

ギフトは誰にでも贈るもの”ではない

では実際に、Z世代は誰にギフトを贈っているのでしょうか。

今回の調査でまず見えてきたのは、ギフトが誰に対してでも行われるものではないという点でした。

Q.以下のそれぞれの方に、1年間でギフトを贈る回数をお答えください。(単一回答)

以下のそれぞれの方に、1年間でギフトを贈る回数をお答えください。(単一回答)

n:304

親や恋人といった関係性の近い相手には、年に複数回ギフトが贈られている一方で、職場の同僚や取引先に対しては「贈らない」という回答が最も多くなっています

たとえば「この人にはギフトを贈らない」と回答した割合は、

以下のそれぞれの方に、1年間でギフトを贈る回数をお答えください。
(単一回答)

n:304

  • 職場の同僚:45.4%
  • 職場の先輩・後輩:48.0%
  • 職場の取引先:60.2%

となっており、仕事上の関係よりも、私的で近い関係のほうがギフトが発生しやすいことがわかります。

つまりギフトは、すべての関係性において均一に行われるものではなく、関係性の深さによって発生するかどうかが決まる行動になっているのです。

 

ギフトはイベント中心だが、日常の気持ちもきっかけになる

Q.あなたが誰かにギフトを贈るタイミングをお答えください。(複数回答可)

あなたが誰かにギフトを贈るタイミングをお答えください。(複数回答可)n:304

では、若手社会人はどんなタイミングでギフトを贈っているのでしょうか。調査では、贈るタイミングとして多かったのは、

  • 誕生日:54.6%
  • 母の日:49.0%
  • 父の日:40.1%
  • バレンタイン:38.2%
  • クリスマス:29.6%

など、まずは定番イベントでした。

一方で、

  • 感謝の気持ちを表すとき:24.3%
  • 差し入れ:17.8%
  • 何かを頑張った・成し遂げたとき:10.2%

という回答も見られ、イベント以外の場面でもギフトが生まれていることがわかります。
つまり、若手社会人のギフトはイベントを軸としつつも、感謝や気遣いといった日常の感情をきっかけに発生することもある、というのが実態に近いのではないでしょうか。

 

だからこそ、なんとなくができない

では、なぜここまで慎重なのでしょうか。

その理由のひとつが、ギフトの「失敗経験」にあります。

Q.だれかにギフトを贈ったとき、失敗したと感じた経験はありますか?(単一回答)

だれかにギフトを贈ったとき、失敗したと感じた経験はありますか?(単一回答)

n:304

調査では、52.3%が「ギフトを贈って失敗したと感じた経験がある」回答しました。

「相手の好みに合わなかった」
「すでに持っていた」
「使ってもらえなかった」

こうした声から見えてくるのは、
気持ちだけでは成立しない難しさです。

だからこそ、ギフトは
贈るならちゃんと選ばないといけない行動になっているのです。

 

選び方はかなり現実的

Q.ギフトを選ぶ際に最も重視していることをお答えください。(単一回答)

ギフトを選ぶ際に最も重視していることをお答えください。

n:304

その結果、ギフト選びはかなり現実的なものになっています。最も重視されているのは「相手の好み・趣味」です。

また、重視する項目としては

  • 相手の好み・趣味:57.9%
  • 価格・予算感:43.1%
  • 使いやすさ・実用性:39.1%

が上位となっており、ギフト選びは感覚だけでなく、予算や実用性も踏まえた現実的な判断で行われていることがわかります。

Q.ギフトを探す際の方法・手段として当てはまるものをすべてお答えください。(複数回答可)

ギフトの購入場所として当てはまるものをすべてお答えください。(複数回答可)

n:304

情報収集の面では、

  • Webで相手が好きそうなものを探す:53.0%
  • Webでレビューがいいものを探す:32.0%
  • Instagramで探す:27.3%
  • 実店舗を見にいく:30.6%

が上位でした。

Q.ギフトの購入場所として当てはまるものをすべてお答えください。(複数回答可)

 ギフトを探す際の方法・手段として当てはまるものをすべてお答えください。(複数回答可)

n:304

一方、実際の購入場所では

  • ショッピングモール・商業施設:62.1%
  • 百貨店:41.1%
  • 路面店:24.3%

が上位で、総合ECモール22.7%を上回っています。
つまりZ世代社会人のギフト選びは、WebSNSで情報を集めつつ、最後は実店舗で確認して購入するという、かなり慎重なプロセスをたどっているようです。

 

ギフトは共有される体験にもなっている

Q.ギフトを贈るとき、SNSに載せること(写真映えすること)を意識していますか?(単一回答)

ギフトを贈るとき、SNSに載せること(写真映えすること)を意識していますか?

n:304

さらに、ギフトとSNSの関係も見逃せません。

ギフトを贈る際には、SNSでの見え方を意識する人が多く、

  • 意識している:22.0%
  • やや意識している:31.9%

という結果に。

Q.誰かにギフトをもらったときに、SNSに投稿したことはありますか?(単一回答)

Q.誰かにギフトをもらったときに、SNSに投稿したことはありますか?(単一回答)

n:304

実際に、もらったギフトを投稿した経験がある人も49.0%と約半数にのぼっています。

ギフトはもはや、贈る・受け取るという二者間の行為にとどまらず、
第三者にも共有される体験として広がりつつあります。

 

~まとめ~

今回の調査から見えてきたのは、
ギフトが単なる贈り物ではなく、関係性そのものを映し出す行動であるということです。ギフトは誰にでも贈るわけではなく、関係性に応じて発生し、相手のことを考えながら慎重に選ばれる。

また、イベントが大きなきっかけである一方、感謝や気遣いといった日常の感情も、ギフトを生む理由になっています。

人間関係がフラットになった今、ギフトは当たり前に贈るものではなく、相手との関係性を表す特別な行為になっている。だからこそ、贈るときには慎重さや気持ちの込め方がより重視されているのかもしれません。

 

  • 調査対象

    18歳~29歳/男性145名 女性156名/正社員・公務員・団体職員

  • 有効回答数

    304名

  • 調査時期

    2026年2月25日~3月1日

  • 方法

    インターネット調査

この記事を書いた人
マイナビベアの写真
桑野 好絵(くわの・このえ)|株式会社マイナビ
2007年マイナビ入社。 女性向けメディアや若年層トレンド領域に従事し、現在は『マイナビニュース』『マイナビウーマン』などの広告企画を担当。 Z世代に特化した調査チーム「マイナビティーンズラボ」のプランニングやデータ解説、企業向けの講演も行う。 高校2年生の息子を育てる母として、「調査データ」と「リアルな声」の両面から若者インサイトを掘り下げている。

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