【後編】平成は“レトロ”ではなく“憧れ”? シール帳、平成プリから見えた10代女子のコミュニケーション消費|感情が動くマーケティング

前編では、M!LKやモナキを中心に、「共感からテンション共有へ」という変化について考察してきました。

一方で今回のランキングを見ると、もうひとつ大きな特徴があります。

それが平成レトロブームです。

モノ部門では「シール帳」が1位、コト部門では「DEAR令和&平成ウチらの伝説プリ」が3位にランクインしました。
さらにモノ部門では「トモコレ」、コト部門では「ズートピア2」や「レスラー会見」なども上位に並んでいます。

一見するとバラバラなトレンドにも見えますが、そこには今の10代らしい共通点が隠れているようです。
今回はコト部門、モノ部門を中心に、10代女子の消費行動やコミュニケーションについて考察していきます。

登場マーケターのプロフィール

中西舞

中西 舞(なかにし・まい)|株式会社マイナビ

コンテンツメディア事業本部 マーケティング部ディレクター。
大学生向けメディア『学生の窓口』の立ち上げに関わり、デジタル・アパレル・金融・食品・医薬化粧品など多様な業界の広告企画を担当。
現在は大学生をはじめとしたZ世代向け案件を中心に、年間約200件以上のプランニングおよび営業同行を行う。

桑野 好絵(くわの・このえ)|株式会社マイナビ

桑野 好絵(くわの・このえ)|株式会社マイナビ

2007年マイナビ入社。
女性向けメディアや若年層トレンド領域に従事し、現在は『マイナビニュース』『マイナビウーマン』などの広告企画を担当。
Z世代に特化した調査チーム「マイナビティーンズラボ」のプランニングやデータ解説、企業向けの講演も行う。
高校1年生の息子を育てる母として、「調査データ」と「リアルな声」の両面から若者インサイトを掘り下げている。

 

シール帳はなぜ流行ったのか

モノ部門_2026年上半期トレンドランキング

中西

まず印象的なのが、モノ部門1位がシール帳だったことです。
私たち世代からすると懐かしいアイテムですが、今の10代にとっては全く違う意味を持っているのかもしれませんね。

桑野:

そうなんです。私たちからすると「懐かしい」ですが、今の10代は平成を実際に体感していた世代ではないんですよね。
だから彼女たちにとってシール帳はレトロではなく、新しいカルチャーなんです。

中西:

ただ、単純にシールがかわいいから流行ったわけでもなさそうですよね。

桑野:

私もそう思います。シール帳の本質って、実はシールそのものではないんですよね。
「交換すること」そこに価値があります。

友達と見せ合う
交換する
集めたものを自慢する

そうしたコミュニケーションも含めてシール帳文化だったと思うんです。

中西:

なるほど。モノが流行っているというより、モノを通じたコミュニケーション、いわば「平成コミュニケーション体験」が流行ってるってことですね。
そういう意味でも今回のランキングは「平成レトロ」という言葉だけでは説明できない気もしています。

桑野:

私もそう思います。例えばコト部門3位の「DEAR令和&平成ウチらの伝説プリ」もそうですよね。
あれも単に平成風のデザインが人気なのではないと思うんです。

中西:

どういうことでしょうか。

桑野:

平成プリって、誰と撮るか、どう落書きするか、撮ったあとどう見せ合ったり交換するかまで含めて楽しかったじゃないですか。
だから今流行っているのは平成のデザインではなく、平成時代のコミュニケーション体験そのものなのかもしれません。

中西:

それは面白いですね。シール帳もプリクラも、結局は友達との関係性の中で楽しむものですから。

桑野:

そうなんです。前編では「テンション共有」という言葉が出ましたが、後編で出てくるシール帳や平成プリも、結局はその延長線上にあるんですよね。

 

平成は“レトロ”ではなく「憧れ」になった

中西:

そもそも不思議なのは、平成を知らない世代が平成に惹かれていることです。我々こそ平成世代ど真ん中じゃないですか()

桑野:

本当にそう思います()ただ、今の10代はSNSを通じて平成カルチャーに触れ続けています。

中西:

たしかに。ここ数年は平成カルチャーそのものが再評価されていますよね。
ORANGE RANGEの楽曲がTikTokで再び注目されたり、新たに公開されたMVでも平成あるあるが詰め込まれて話題になったりしてましたし。
平成を体験した世代だけではなく、平成を知らない世代がそこに反応しているのが面白いところです。

桑野:

SNSには、まさに私のような親世代や中西さんのような30代の大人たちが

「あの頃は楽しかった」
「平成最高だった」

という投稿をたくさんしています。
今の10代は、その空気感を日常的に見ているんですよね。だから平成は過去の時代というより、

なんだか楽しそうな時代

として映っているのかもしれません。

中西:

なるほど。今の10代が憧れているのは平成そのものではなく、平成マインドなのかもしれませんね。

 

なぜギャル文化は今の10代に刺さるのか

桑野:

その象徴がギャル文化だと思うんです。

中西:

確かにここ数年、平成ギャルブームも続いていますね。

桑野:

ギャル文化って、とにかくパワーがあるんですよ。好きなものを好きと言う。やりたくないことはやらない。かわいいと思ったら“かわいい”を全力で楽しむ。
周囲の目を気にするより、自分たちが楽しむことを優先する。

中西:

今のSNS環境とは少し対照的かもしれません。
今はどうしても、

空気を読む
失敗しない
炎上しない

という意識が強くなりがちです。その中でギャル文化を見ると、「自分たちが楽しければそれでいいじゃん」という強さを感じます。

桑野:

まさにそうですよね!今の10代は常に誰かとつながっていて、誰かに見られている感覚があると思います。
だからこそ、平成ギャル文化の持つ自由さや開放感が新鮮に映るのかもしれません。

中西:

つまり平成への憧れというより、パワーのある時代への憧れとも言えそうですね。

 

デジタル時代だからこそ、アナログに愛着が生まれる

中西:

シール帳人気も、そう考えると納得できますね。

桑野:

私は今回のランキングを見ていて、デジタル時代だからこそのアナログ回帰も感じました。

中西:

ここ数年アナログの魅力を再発見という風潮もありますが、特に2026年は強まっていますか?

桑野:

SNSの投稿もDMも、全部データなんですが、シール帳は違いますよね。

手で集める
交換する
残る

だから今までとはジャンルが違う愛着が湧くんですよね。

中西:

なるほど。デジタル化が進んだからこそ「自分のもの」、さらに言えば「自分だけのもの」と実感できるモノの価値が上がっているとも言えそうです。

桑野:

本当にそう思います。今の女子高生のカバンを見ていると、ぬいぐるみ、チャーム、キーホルダーでいっぱいなんですよ(笑)。
極端な話、教科書よりチャームやぬいぐるみの方が重いんじゃないかと思うこともあります。

中西:

でもそれは象徴的ですね()。モノが欲しいというより、愛着を持てるモノが欲しい。そんな気持ちの表れなのかもしれません。

 

ズートピア2は「平成コンテンツ×令和的拡散」の象徴だった

コトバ部門_2026年上半期トレンドランキング

中西:

コト部門1位のズートピア2も興味深いですね。

桑野:

ズートピアの1作目が公開されたのは2016年です。今回の調査対象だった10代女子は、当時4歳から8歳くらい。
ちょうどアニメ映画を見始める時期にズートピアの1作目で公開されたんです。私の息子もハマってアマプラでダウンロードした記憶があります。

中西:

公開が平成とはいえ、まったく知らない作品ではなく、幼い頃に触れていた作品なんですね。

桑野:

だから今回のヒットは、「小さい頃に好きだったものとの再会」という側面もあるのかもしれません。

中西:

それに令和世代がブームを広めたのも今回のランクインになった気がしますね。

桑野:

そうですね。ズートピア2は、映画がヒットしただけではないんです。
主題歌が広がる、ダンスが広がる、キャラクターが広がる、TikTok投稿が広がる。
作品そのものだけではなく、その周辺の楽しみ方まで含めて広がっていった。

中西:

なるほど。
平成のコンテンツだけど、広がり方は完全に令和ですね。

桑野:

まさにそう思います。
今の10代はコンテンツを受け取るだけではなく、自分も参加したいんです。
ズートピア2は、令和のティーンによって、令和らしい楽しみ方で再発見された作品だったのかもしれません。

 

時代は“コミュニケーション消費”の時代へ

中西:

こうして見ていくと、モノ部門のランキングは全部バラバラのようで共通していますね。

桑野:

そうなんです。どれもコミュニケーションのきっかけとなるモノが人気なんです。

中西:

確かに女子高生の座談会でもドバイチョコ餅も「食べた?」「どこに売ってた?」みたいなコミュニケーションが生まれてましたよね。
つまり今の10代は、モノを消費しているのではなく、コミュニケーションを消費している。そう考えると、今回のランキングが一本につながりますね。

桑野:

本当にそう思います。

 

「広さ」より「深さ」へ、10代が求める心地よい共有とは

中西:

今回のランキングは、単なる「何が流行ったか」ではなく、「今の10代は、どんな時間を誰と共有したいのか」を映し出したランキングだったのかもしれません。

桑野:

確かに、「みんなに見てもらう」よりも、「仲のいい友達と一緒に楽しむ」ことを大事にしている印象がありますよね。

中西:

そうですね。また、「誰と楽しみたいか」の輪郭も少しずつ変わってきているように感じます
顔の見える範囲の友達との何気ない共有に、心地よさや価値を見出している。そんな空気感が今回のランキングにも表れていました。

桑野:

平成ブームもそうですし、「ぷりきゅきゅ」のような言葉もそうですが、「わかる人同士」でその場で盛り上がる感覚がありますよね。

中西:

手の届く距離だからこそ通じる空気や、同じ時間を一緒に味わう感覚が、今の10代にとっての楽しさの軸になっているのかもしれません。

桑野:

SNSがあるからこそ、逆に身近な友達との共有や、一緒に盛り上がれる空気感の価値が高まっているのかもしれませんね。

中西:

そうした流行の背景には、「広さ」よりも「深さ」を大切にする価値観の変化が静かに流れているように思います。

桑野:

「たくさんの人に知られること」よりも、「好きな人たちと一緒に楽しめること」。そんな価値観が、今の10代のトレンドを形づくっているのかもしれませんね。

中西:

そして、この「広さより深さ」という価値観は、流行のランキングだけでなく、10代の日常そのものにも表れているように感じます。
限られた友達同士でつながるサービスや、身近な人とリアルを共有するコミュニケーションが支持されている背景にも、同じ流れがあるのではないでしょうか。

桑野:

確かに、SetlogBeReal.、位置情報アプリなども、まさにそうした価値観の延長線上にありそうですね。

中西:

そうですね。次回はトレンドランキングを少し離れて、そうしたサービスを切り口に、「広くつながる」から「深くつながる」へと変化する10代のコミュニケーションを掘り下げていきたいと思います。2026年後半に向けて、新たな発見が見えてくるかもしれません。

桑野:

ぜひ、引き続きマイナビティーンズラボのトレンドランキングや記事をチェックしていただけるとうれしいです!

【前編】10代は「共感」から「テンション共有」へ? 2026年上半期トレンドランキングから見えた、“空気感”を楽しむ時代|感情が動くマーケティング

マイナビティーンズラボでは毎年、6月と11月に「10代女子が選ぶトレンドランキング」を発表しています。

2026年6月に発表した2026年上半期のランキングを振り返ると、昨年まで続いていた「共感」や「等身大」の流れはありながらも、少し違う変化が見えてきました。

ヒト部門ではM!LK1位、モナキが2位、CUTIE STREET3位。さらにコトバ部門では「○○すぎて滅」「ば・く・れ・つ」「ほんまやでなんでやねんしらんけど」が上位を占め、ウタ部門でもM!LKの「爆裂愛してる」、モナキの「ほんまやでなんでやねんしらんけど」、中島健人さんの「最初はキュン!」がランクインしました。一見するとバラバラなトレンドにも見えますが、ランキング全体を眺めていると、ある共通点が見えてきます。

今回は2026年上半期のヒト・コトバ・ウタ部門を中心に、今の10代女子の価値観について考察していきます。

登場マーケターのプロフィール

中西舞

中西 舞(なかにし・まい)|株式会社マイナビ

コンテンツメディア事業本部 マーケティング部ディレクター。
大学生向けメディア『学生の窓口』の立ち上げに関わり、デジタル・アパレル・金融・食品・医薬化粧品など多様な業界の広告企画を担当。
現在は大学生をはじめとしたZ世代向け案件を中心に、年間約200件以上のプランニングおよび営業同行を行う。

桑野 好絵(くわの・このえ)|株式会社マイナビ

桑野 好絵(くわの・このえ)|株式会社マイナビ

2007年マイナビ入社。
女性向けメディアや若年層トレンド領域に従事し、現在は『マイナビニュース』『マイナビウーマン』などの広告企画を担当。
Z世代に特化した調査チーム「マイナビティーンズラボ」のプランニングやデータ解説、企業向けの講演も行う。
高校1年生の息子を育てる母として、「調査データ」と「リアルな声」の両面から若者インサイトを掘り下げている。

M!LK3冠達成。見えてきた「参加したくなるトレンド」

2026年上半期トレンドランキング

中西

まず印象的だったのは、やはりM!LKですね。ヒト部門、コトバ部門、ウタ部門で1位を獲得し、3冠を達成しました。

桑野:

ここまで複数部門を横断して存在感を見せたのは久しぶりかもしれません。
ただ、面白いのは単純に彼らが「人気アイドルだから」というだけでは説明できないところなんですよね。

中西:

確かに、「爆裂愛してる」が流行り、「ば・く・れ・つ」が流行り、「好きすぎて滅!」から派生した「○○すぎて滅」が流行る。
楽曲、コトバ、コミュニケーションが全部つながっています。

桑野:

おっしゃる通りです!少し前までは、楽曲は楽曲、流行語は流行語という形で広がることが多かったと思います。でも今回は違う。

楽曲の一部が切り取られ、そのままコミュニケーションの道具になっているんです。
「爆裂愛してる」を聴いて終わりではなく、「ば・く・れ・つ」を友達同士で言い合ったり、SNSで使ったりする。
音楽を聴くだけではなく、音楽を使っている感覚に近いのかもしれません。

中西:

音楽が流行を生み出すというより、音楽がコミュニケーションの素材になっているんですね。

桑野:

まさにそうですね。今の10代は音楽を

聴く
踊る
真似する
投稿する
言葉として使う

という形で楽しんでいます。だからヒット曲の条件も、「いい曲」であること以上に、「切り取れるか」「共有できるか」が重要になっているのかもしれません。

 

【ヒト部門】モナキ、CUTIE STREETも上位に。共通していたのは「参加できること」

ヒト部門_2026年上半期トレンドランキング

中西:

ヒト部門を見るとM!LKだけではなく、2位のモナキ、3位のCUTIESTREETも印象的でした。

桑野:

そうですね。一見すると全然違うグループに見えるんですが、実は共通点もあると思っています。

中西:

どんなところでしょうか。

桑野:

どのグループも「遠いスター」というより、「一緒に楽しめる存在」なんですよね。M!LKは楽曲やSNSでの親しみやすさ。
モナキはネタ感や親近感。CUTIE STREETは、「ぷりきゅきゅ」のような、意味を説明するというよりも、かわいい気分や楽しいテンションを共有できるキャッチーなフレーズが魅力です。

中西:

なるほど。憧れだけではなく、きっと参加できる余白があるんですね。真似したりSNSで共感したりと。

桑野:

そう思います。近年ずっと参加型コンテンツが支持されやすい風潮でしたが、それがエンタメに最も強く出た2026年上半期でした。
今回のランキング全体を見ても、受け身で楽しむものより、みんなで一緒に楽しめるものが支持されています。

 

【コトバ部門】「メロい」から「ば・く・れ・つ」「滅」へ。流行語の変化

コトバ部門_2026年上半期トレンドランキング

中西:

コトバ部門もかなり特徴的でした。昨年は「メロい」が1位でしたし、「両手に○○でーす」や「#モンタ界隈」など、SNS発の言葉が目立っていました。

桑野:

そうなんです。昨年はSNSの中で自然発生した言葉が、そのまま流行語になっているものが多くありました。

一方で今回は、「○○すぎて滅」「ば・く・れ・つ」「ほんまやでなんでやねんしらんけど」と、すべて楽曲由来のコトバが上位にランクインしています。

中西:

面白いですね。以前はSNSそのものがトレンドの発生源でした。でも今回は、音楽やアイドルといったコンテンツが起点になり、SNSがそれを増幅しました。

SNS中心の時代から、コンテンツ回帰が起きているようにも見えます。

桑野:

私もそう感じます。

SNS発の言葉から、コンテンツ発の言葉へ。今はSNSそのものが流行を作るというより、爆発力のあるコンテンツを拡散する装置になっているのかもしれません。

 

「ば・く・れ・つ」「滅」が象徴する、今の10代のテンション

中西:

そして今回のコトバは、とにかく勢いがありますよね。

「爆裂(ば・く・れ・つ♡)
「滅」
「なんでやねん」

どれもインパクトがあって、響きも強い……。

桑野:

私もそこは印象的でした。それこそ昨年の「メロい」は、感情をじんわり表現する言葉でした。でも今年は違う。
「好き」ではなく「好きすぎて滅」。「とても」や「すごく」ではなく「爆裂(ば・く・れ・つ♡)」。

感情を説明するというより、感情を一気に増幅させるための言葉なんですよね。

中西:

今回の上位ワードは、「考える前に反応してしまう」ものばかりです。
言葉の意味というより、言葉が持つエネルギーそのものが支持されているようにも感じます。

桑野:

そうなんです。もちろん今の10代は感情がないわけではありません。
むしろ感情を共有したい気持ちは強いと思います。ただ、その共有の仕方が少し変わってきている。深く語り合うというより、

一瞬で盛り上がる
一瞬で空気を変える

そんな瞬発力が求められているように感じます。

中西:

「爆裂(ば・く・れ・つ♡)」や「滅」は、感情を説明する言葉ではなく、感情を一気に増幅させるための言葉なのかもしれません。

 

モナキに見る「意味」よりも「みんなで言う楽しさ」

中西:

今回、個人的に気になったのがモナキです。
「ほんまやでなんでやねんしらんけど」が流行語としてランクインしましたが、正直どんな場面で使うのか不思議です()

桑野:

実は私も気になって、高校生の息子に聞いてみたんです。
すると、「ほんまやで!」と言いたくなる場面で、そのまま「ほんまやでなんでやねんしらんけど」まで言うことがあるらしいんですよ。

中西:

そのままの流れで言っちゃうんだ、面白いですね()

桑野:

さらに誰かが言うと、周りが続きを歌うこともあるそうです。
そう考えると、この言葉って意味を伝えるための言葉というより、みんなでその一瞬の空気を共有するためのフレーズなんですよね。

中西:

それって、ある意味で言葉がコミュニケーションの道具から、コミュニケーションそのものになっているということかもしれませんね。

桑野:

まさにそう思います。今回の流行語は、「意味」よりも「みんなで言う楽しさ」に価値があるように見えます。感情を説明するためではなく、

みんなで言う
みんなで盛り上がる
みんなで楽しむ

ための言葉が支持されているのかもしれません。

 

「今日好き」人気は健在。ヒト部門の顔ぶれに広がりが見えた上半期

中西:

もうひとつ感じたのは、ヒト部門の顔ぶれがより多様になったことです。
2025年は「今日、好きになりました。」出演者の存在感が特に際立っていましたが、2026年上半期はアイドルやアーティストなど、さまざまなジャンルの人気者が存在感を見せました。

桑野:

そうですね。
「今日、好きになりました。」の人気は今も変わらず高く、今回もヒト部門には3人がランクインしています。
恋愛リアリティショーがティーンに与える影響力は依然として大きいと感じます。

一方で、今回のランキングではM!LKやモナキ、CUTIE STREETといったアーティストやアイドルも上位に入り、ヒト部門全体を見ると人気の広がりが感じられました。

中西:

音楽やSNSをきっかけに支持を集める人たちも目立ちましたね。

桑野

そう感じます。どのグループも「遠いスター」というより、「一緒に楽しめる存在」なんですよね。
M!LKは楽曲やSNSでの親しみやすさ。モナキはネタ感や親近感。CUTIE STREETは「ぷりきゅきゅ」のような、思わず口にしたくなるキャッチーなフレーズも魅力です。

憧れの対象として見るだけでなく、一緒に真似したり、盛り上がったりできることが支持されている。
2026年上半期は、そんな参加できる楽しさを持つ存在に、より注目が集まった印象があります。

 

「聴かせる音楽」から「楽しむ音楽」へ

ウタ部門_2026年上半期トレンドランキング

中西:

ウタ部門を見ると、ここ数年存在感を見せていたMrs. GREEN APPLEの勢いが少し落ち着いたようにも見えます。

桑野:

瞬間的に曲が流行るというフェーズが終わり、人気アーティストとしての地位が定着したのだと思います。
Mrs. GREEN APPLEは、もはや一過性のブームではなく、10代にとってのスタンダードになったんでしょう。
だからこそ今回のトレンドランキングでは、今まさに盛り上がっている楽曲が上位に出てきたのかもしれません。

中西:

確かにそうですね。「聴かせる音楽」が弱くなったということではなく、定番があるからこそ、新しいトレンドには別の価値を求め始めたとも言えそうです。

桑野:

そう思います。今回ランクインした楽曲を見ると、共通しているのはとにかく楽しいことです。

思わず口ずさみたくなる
踊りたくなる
友達と真似したくなる

メッセージ性の強い聴かせる音楽というよりも、みんなで楽しむ音楽が支持された半年だったように感じます。

 

“共感”から“テンション”の共有へ

中西:

今回のランキングを見ていると、「何が流行ったか」以上に、「どうやって一緒に楽しむか」が重視されているように感じます。
M!LKも、モナキも、今回の流行語も、形は違うけれど、すべて“参加できるトレンド”なんですよね。

桑野:

「共感からテンションの共有へ。」今回のランキングをひと言で表すなら、そんな変化なのかもしれません。
もちろん共感がなくなったわけではありません。

ただ2026年上半期は、

みんなで言える
みんなで踊れる
みんなで盛り上がれる

そんな体験そのものに価値が集まっているように見えました。

中西:

たしかに、「爆裂」「滅」「ほんまやで」といった勢いのある言葉も、感情を説明するためではなく、みんなでテンションを共有するための言葉だったのかもしれませんね。

桑野:

そして実は、その傾向は後編で取り上げるコト部門やモノ部門にも共通しています。
一見すると、「シール帳」や「DEAR令和&平成ウチらの伝説プリ」は平成レトロブームの延長線上にあるようにも見えます。
しかし、ランキングを読み解いていくと、単に平成風のデザインやアイテムが人気なのではなく、平成時代のコミュニケーションそのものに魅力を感じているようにも見えるんです。

後編では、シール帳や平成プリが支持される背景から、今の10代女子が求めるコミュニケーションや消費行動について、さらに深掘りしていきます。

後編はこちら

「便利そう。でも正直まだ怖い」 AIネイティブ世代を育てる親たちの本音とは?|感情が動くマーケティング

生成AIの普及に伴い、若年層のAI活用は急速に進んでいます。

マイナビマーケティングラボが実施した大学生のAI活用調査では、AIを「相談相手」や「壁打ち相手」として活用する学生も見られ、AIが日常の一部になりつつある実態が明らかになりました。

その一方で、子どもたちの変化を間近で見ている親世代は、AIをどのように受け止めているのでしょうか。

AIは便利そうだと感じるものの、情報の正確性や安全性、プライバシーへの不安を抱く人も少なくありません。また、学習や進路選択など、子どもの成長に関わる場面でAIが使われることに戸惑いを感じる声も聞かれます。

今回は高校生・中学生の子どもを持つワーキングマザー3名に集まっていただき、AIとの距離感や子どもとの関わり方について率直な意見を聞きました。

救世主か、新たな壁か?AIを使いこなす子供たちとママはどう向き合うのか。

仕事も子育ても全力投球のママにとってAIとは?

仕事も子育ても全力投球のママにとってAIとは?

登場マーケターのプロフィール

桑野 好絵(くわの・このえ)|株式会社マイナビ

桑野 好絵(くわの・このえ)|株式会社マイナビ

2007年マイナビ入社。
女性向けメディアや若年層トレンド領域に従事し、現在は『マイナビニュース』『マイナビウーマン』などの広告企画を担当。
Z世代に特化した調査チーム「マイナビティーンズラボ」のプランニングやデータ解説、企業向けの講演も行う。
高校1年生の息子を育てる母として、「調査データ」と「リアルな声」の両面から若者インサイトを掘り下げている。

 

座談会出席者

Mさん(38歳/時短勤務/高1息子と中2息子

Mさん

Rさん(41歳/フルタイム勤務/高3息子)

Rさん

Aさん(43歳/フルタイム勤務/中3娘と小4娘)

Aさん

 

AIを使う子どもたちに、親のほうが戸惑っている

教育現場ではAIとの向き合い方に課題も⁉

教育現場ではAIとの向き合い方に課題も⁉

桑野

まず皆さんご自身は、普段AIを使っていますか?

Mさん

私はほとんど使っていないです。というか、最初にAIを意識したきっかけが子どもでした。中2の息子が宿題の作文をAIで作っていたことがあって、それが学校にバレてしまったんです。三者面談で先生から注意を受けました。

桑野

それは驚きますね()。

Mさん

かなり驚きましたよ!しかも本人は悪気がなくて、「だって便利だから」という感覚なんですよね。でも私は、「いや、自分で考えようよ」と思ってしまいました。罪悪感もないのが怖いなあと不安になりました。

Rさん

うちも似ています。高校3年生の息子が進路の相談をAIにしているんです。

志望校や受験方法について聞いているらしくて。聞いた時は正直びっくりしました。

桑野

大学生調査でも、AIを相談相手のように使っている学生は少なくありませんでした。

でも親世代からすると驚く部分もありますよね。うちの高2の息子は歯が痛いんだけどどうしたらいい?ってAIに聞いてて体調のことまでAIに決めてもらうのは親として心配です。

Rさん

そうなんです。私たちの世代って、進路のことは先生や親、先輩や友人に相談するものでしたよね。だからAIに相談するという発想自体がありませんでした。もちろん参考にする程度なのかもしれませんが、人生の大事な選択をAIに聞くということに戸惑いがあります。

うちはスポーツ推薦で高校に入ったこともあって、受験への向き合い方が少し甘いのではと感じることもあります。だからこそ余計に、AIがこう言ったから」で決めてほしくないなと思ってしまいます。

 

「便利」は分かる。でもその過程にも意味がある

AIと子どもの関係に口出しすると……⁉

AIと子どもの関係に口出しすると……⁉

桑野

皆さん自身はAIを使ってみようと思ったことはありますか?

Mさん

息子から「ママも使ってみなよ」と言われて、一度だけ夕飯のレシピを聞いてみたことがあります。でも正直、「クックパッドでよくない?」と思いました(笑)。

Aさん

分かります(笑)。自分で探したほうが早いなぁって思うこともありますよね。

Mさん

もちろん答えはすぐ出るんです。でも私は料理を作る時に、「あれもおいしそう」「これもいいな」って見ながら探す時間も好きなんですよ。

桑野

なるほど。とっても分かる気がします。

Mさん

効率だけを考えたらAIのほうが早いんだと思います。でも、そのレシピにたどり着くまでの過程も含めて楽しんでいるんです。

答えがすぐ出てしまうと、なんだか愛着がわかないというか。だから子どもにも思うんですよね。遠回りしたり、悩んだり、試行錯誤したりする時間って、一見無駄に見えても大事なんじゃないかなって。

Aさん

それで「自分でも調べなさい。」って子供に注意すると嫌そうにされますよね(笑)。悩ましい問題です。

 

AI時代、子どもたちの将来はどうなるのか

今学んでいることが将来活きるのか?という葛藤も。

今学んでいることが将来活きるのか?という葛藤も。

桑野

Aさんはどんなことに不安を感じますか?

Aさん

私は子どもの将来ですね。中学3年生の子がいるんですが、今なりたいと思っている職業が10年後もあるのかなって。AIがここまで進化すると、どんな仕事が残るのか想像がつかないんです。

Mさん

それはありますね。ほんとにこの子たちの将来ってどうなってるんだろう。

Aさん

勉強しなさいとは言うんですけど、じゃあ何を目指せばいいのかは親の私も分からない。私たちが子どもの頃よりも、将来の予測が難しくなっている気がします。

 

AIそのものより、自分たちが分かっていないことが不安

AIそのものより、自分たちが分かっていないことが不安

桑野

皆さんのお話を聞いていると、AIそのものへの拒否感というより、距離感がまだ分からないという印象を受けます。

Rさん

まさにそうです。AI反対というわけではないんです。便利なんだろうなとは思っています。でも何が正しくて何が危険なのかが分からない。

Mさん

情報の正確性は気になりますね。AIが言っていることが本当に正しいのか。子どもはそのまま信じてしまわないのか。

Rさん

個人情報も気になります。名前や学校名を入力して大丈夫なのかとか。会話の内容はどう扱われるのかとか。正直、よく分かっていません。だから怖いっていうのもありますね。

桑野

AIのように、まだ実態がつかみきれないものが急速に広がっていくことに、不安を感じる方も多いと思います。ここ最近、生成AIが一気に広がってきたことで、戸惑いを感じる場面もありますよね。

Mさん

結局、一番不安なのは親のほうが分かっていないことかもしれません。子どもはどんどん使う。でも親は正しい向き合い方を教えられない。そこに戸惑いがあります。

 

子どもたちは「どう使うか」を考え、親たちは「使って大丈夫か」を考えている

大学生への調査では、AIを相談相手や壁打ち相手として日常的に活用する姿が見えてきました。一方で今回の座談会では、「情報は正しいのか」「個人情報は守られるのか」「子どもの考える力に影響はないのか」といった声が多く聞かれました。

子どもたちはすでに「どう使うか」を考え始めています。

その一方で親たちは、「使って大丈夫なのか」を考えている。

同じAIを見ていても、世代によって向き合い方は大きく異なるようです。スマートフォンやSNSとの付き合い方を親子で学んできたように、これからはAIとの付き合い方についても、親子で一緒に考えていく時代に入っているのかもしれません。

 

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AIは“相棒”なのか、“ただのツール”なのか? ワーキングマザーたちが語る、仕事と暮らしのリアルなAI活用|感情が動くマーケティング

生成AIの利用が広がる中、仕事やプライベートで日常的に活用する人も増えています。

一方で、仕事・家事・育児を並行してこなすワーキングマザーにとって、AIはどのような存在になっているのでしょうか。

今回は、日常的にAIを活用しているワーキングマザー3名に集まっていただき、仕事や暮らしの中での活用実態について話を聞きました。

登場マーケターのプロフィール

桑野 好絵(くわの・このえ)|株式会社マイナビ

桑野 好絵(くわの・このえ)|株式会社マイナビ

2007年マイナビ入社。
女性向けメディアや若年層トレンド領域に従事し、現在は『マイナビニュース』『マイナビウーマン』などの広告企画を担当。
Z世代に特化した調査チーム「マイナビティーンズラボ」のプランニングやデータ解説、企業向けの講演も行う。
高校1年生の息子を育てる母として、「調査データ」と「リアルな声」の両面から若者インサイトを掘り下げている。

座談会出席者

Aさん(40代/子ども2人/メーカー勤務)

Aさん

Bさん(30代/子ども1人/IT企業勤務)

Bさん

Cさん(40代/子ども1人/広告関連勤務)

Cさん

 

「まずAIに聞いてみる」が当たり前になっている

マルチタスクにはAIが欠かせない⁉

マルチタスクにはAIが欠かせない⁉

桑野

皆さんは普段どのような場面でAIを使っていますか?

Aさん

仕事では翻訳やリサーチですね。会社に提出する書類の下書きにも使っています。とくに外資系は翻訳作業があるので、その点でもかなり優秀だなと思います。

Bさん

私はメール、資料作成、データ分析、議事録作成など、本当に幅広く使っています。正直、無いと仕事にならないです()。

桑野

かなり使い込んでいるんですね、それは2025年くらいからですか?

Bさん

仕事柄AIツールは便利だよっていう話は2023年ごろから聞いていました。資料を作る時も、まずAIに相談しますし、メールのたたき台も作ってもらいます。

ゼロから考える時間がかなり減りました。

Cさん

私は会議準備で使うことが多いですね、あの準備時間嫌いなんですよ()

会議のアジェンダを考えるのって意外と効率よく進まない、そういう時によく参加者や目的を伝えて、「この会議で話すべきことを整理して」とお願いしています。

桑野

単純作業というより、考えるのに時間がかかる仕事を任せているんですね。

Cさん

そうですね。企画のたたき台や資料の構成案もそうです。完成品を作ってもらうというより、「まず形にするところ」を手伝ってもらっています。

Bさん

私も完成品を期待しているというより、まず6080点くらいまで持っていってもらう感覚です。

そこから自分で仕上げています。

 

AIによって生まれたのは「時間」よりも「余裕」

膨大な資料作りから解放されたとの声も。

膨大な資料作りから解放されたとの声も。

桑野

AIを使うようになって、何か変化はありましたか?

Aさん

仕事が早く終わることは増えました。でも、その時間でさらに仕事をするというより、家族との時間に回せたり、気持ちに余裕ができたりすることの方が大きいです。

Bさん

私は「考える体力」が残る感覚ですね。仕事が終わっても、夕飯や子どものことなど考えることはたくさんあります。AIに任せられる部分があると、その分だけ余力が残るんです。

Cさん

仕事が終わったら終わりじゃないですからね。そこから夕飯や家のことが始まるので…。

桑野

本当に夕方からワーキングマザーの第二ラウンドですもんね。

 

仕事だけではなく、暮らしの中にもAIがいる

中学受験の情報も効率的に。

中学受験の情報も効率的に。

桑野

プライベートではどのように使っていますか?

Aさん

私は息子の受験について相談しています。もちろん最終的に判断するのは自分なんですけど、情報を整理したり、選択肢を考えたりする時に使っています。

ただ、受験に関しては自分の考えていることを大きく超える答えが返ってくることはあまりないですね。

Bさん

私は子どもの夏休みの宿題ですね。調べ学習のテーマを一緒に考えたり、まとめ方のヒントをもらったりしています。

Cさん

私は献立づくりや旅行計画です。冷蔵庫にある食材を伝えてメニューを考えてもらうこともあります。

Bさん

あと買い物リストですね。

Aさん

それは使います。仕事終わりって本当に頭が回らないんですよね。

Bさん

何を買うか考えることすら面倒な時があるので、AIに整理してもらっています。

Cさん

私は冷蔵庫にある食材を伝えて、「3日分の献立を考えて」とお願いすることもあります。買い物リストまで作ってくれるので助かっています。

 

AIは「相棒」なのか、「アシスタント」なのか

桑野

皆さんにとって、AIってどんな存在ですか?

Aさん

私はアシスタントですね。必要な時に手伝ってくれる存在です。

Bさん

私はパートナーかもしれません。私のタスクを6080%くらいの完成度で出してくれるので。ゼロから作るより圧倒的に楽です。

Cさん

私はどうだろう……。談相手でもあるし、便利なツールでもあるような。

Aさん

まだ確定はできない存在ではありますよね。受験相談とかは最後は自分で考えます。

AIが決めてくれるわけではないので。

 

1万円払ってでも使いたい

桑野

有料プランは利用していますか?

Cさん

私は複数のAIサービスに課金していて、月1万円くらい使っています。

桑野

結構な金額ですね。

Cさん

そうですね。でも高いとは思わないです。仕事でも使いますし、プライベートでも毎日使っています。

会議のアジェンダ作成や資料構成、献立づくり、旅行計画まで考えると十分元は取れている感覚があります。

Bさん

私もわかります。仕事だけだったら迷うかもしれないですけど、仕事も生活も両方で使うので。

 

頼りたい。でも頼りすぎるのも少し怖い。

桑野

逆にAIへの不安はありますか?

Aさん

あります。便利だからこそですね。

桑野

例えば?

Aさん

部下が何でもAIに聞いている様子を見ると、自分で考える機会が減ってしまわないかな、と感じることがあります。

Bさん

それは分かるかもしれません。あ、これAIに聞いて書いたな?とかわかるし。

Cさん

私も子どもに対しては少し思います。時代の流れにうまく乗ることも大切だけど、自分で考えることも大切。

Aさん

私自身も使っているんですけどね。頼りすぎるのは怖い。でも頼りたい。そこが難しいです。

Bさん

だって我々は時間がないですからね。

Cさん

本当に時間がないです。AIが発達しても1日は24時間しかない()。だから使うんですけどね。

 

AIって、もはや時短家電じゃないですか?

AIは余白の時間をくれる、ルンバと同じ⁉

AIは余白の時間をくれる、ルンバと同じ⁉

桑野

皆さんの話を聞いていると、AIって仕事のツールというより生活全体のインフラみたいですね。

Cさん

なんとなくルンバに近い気がします。

Bさん

それ、とっても分かります。

桑野

ルンバですか?

Cさん

ルンバも掃除を全部やってくれるわけじゃないじゃないですか。でもあると全然違う。AIもそんな感じです。

Aさん

私は洗濯乾燥機かもしれません。洗濯物がなくなるわけじゃないんですよ。

でも干さなくていいだけで生活が全然違う。AIも同じで、仕事や家事がなくなるわけじゃないけど、AIが頑張ってくれると余白の時間が生まれて助かるんですよね。

Cさん

あ、それかもしれません。AIがやってくれているのって、家事や仕事ではなく、余白の時間を生んでくれることなんですよね。

Bさん

確かに。献立もそうですし、買い物もそうですし。何をするか決めるところが意外と疲れるから考えてくれるとその分時間も無駄にしないし。

桑野

皆さんの話を聞いていると、AIが助けているのは家事や仕事そのものではなく、「考える部分」のようにも聞こえます。

Cさん

そうですね。手を動かす前の部分です。

 

ワーキングマザーにとって仕事と家庭は、まだ地続きなのかもしれない

ワーキングマザーは仕事、家事、育児を切り分けられないこともある

ワーキングマザーは仕事、家事、育児を切り分けられないこともある

桑野

皆さんの話を聞いていて、仕事の話と家庭の話が自然につながっているのが印象的でした。

Aさん

確かにそうですね。私の中では全部同じかもしれません。仕事も家事も育児も、やることリストの中に入っている感覚です。

Bさん

分かります。仕事でAIを使っている話をしていたつもりだったんですけど、気付いたら宿題の話をしていました。

Cさん

でもそれがリアルですよね。仕事が終わったら次は家のことが始まるので、常にマルチタスクで頭がパンパンです。

Bさん

だからAIも仕事用ツールという感覚じゃないんです。生活を回すためのツールとして戦力として活用しています。生活も仕事もうまく回れば、余暇の時間が生み出せる、そのための大事なツールです。

桑野

そういう意味で、ルンバと同じってことですね!

 

AIがワーキングママザーに刺さる背景には、考える家事の存在があるのかもしれない

今回の座談会では、「生活を回すためのツール」「考える部分が意外と疲れる」といった言葉が印象的でした。

参加者たちはAIを「パートナー」と呼んだり、「アシスタント」と表現したりしていましたが、その捉え方以上に興味深かったのは、仕事の話と家庭の話が自然につながっていたことです。会議のアジェンダ作成や資料構成の話をしていたはずが、気付けば受験や宿題、献立、買い物リストの話になる。

その様子からは、ワーキングマザーにとって仕事と家庭が完全には切り離されておらず、一つの生活の延長線上にあるのかもしれないと考察できます。

近年は共働き世帯が増え、男性の育児参加も進んでいます。一方で今回の座談会では、献立を考えることや学校の予定を管理すること、受験情報を集めることなど、目には見えにくい「考える家事」を担っている実態も見えてきました。

その論拠としても、参加者たちがAIをルンバや洗濯乾燥機に例えていたのも印象的でした。家事や仕事そのものをなくしてくれるわけではない。しかし、「何をするか」「どう進めるか」を考える負担を少し軽くしてくれる。

AIは今、そんな存在として働くママの日常の中に入り始めているのかもしれません。

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細分化時代の高校生市場で、なぜ高校スポーツ大会が注目されるのか|感情が動くマーケティング

高校生マーケティングは全体に届きにくい時代へ

インターハイの予選が始まった

今年も夏のインターハイ予選がスタート。白熱する試合が全国各地で繰り広げられます。

高校生の夏が始まっています。

インターハイ予選、夏の甲子園予選、国スポ(旧国体)予選など。
全国の頂点を目指す戦いは、すでに各地で始まっています。

近年、Z世代・高校生向けマーケティングは難化していると言われています。SNSの普及によって若者の趣味嗜好は細分化され、同じ高校生でも触れているコンテンツも大きく異なります。TikTokのおすすめも違えば、推しも違う。かつてのように、全員が見ているテレビ番組誰もが知っている流行は生まれにくくなりました。

すなわち企業にとって、「高校生全体に認知される」ことは以前より難しくなっています。だからこそ今、高校スポーツ大会という存在は、マーケティング視点でも改めて注目すべき接点になっています。

 

高校スポーツ大会は出場者以外にも広がっている

SNSで広がる話題

インターハイや甲子園に出場する選手たちのSNSは同級生もチェックし広がりを見せる。

実際、インターハイや甲子園に出場する高校生は、全体から見ればほんの一握りです。しかし重要なのは、出場者数ではありません。
高校スポーツには、地区予選、県予選、ブロック大会といった長い予選のプロセスがあります。

つまり全国大会だけでなく、その過程も含めて、多くの高校生が何らかの形で接触しているのです。同じクラスの生徒が県大会へ進む。
友人がレギュラー争いをしている。吹奏楽部として応援に行く。学校全体が応援ムードになる。
競技者本人でなくても、高校スポーツは学校コミュニティを通じて自然に認知が広がります。これは、現在の高校生市場においてかなり珍しい特徴ではないでしょうか。

今の高校生市場は界隈化が進み、同じ高校生でも接触している情報が大きく異なります。一方で、高校スポーツ大会は、多かれ少なかれ多くの高校生が認知しており、さらに少しでも関わりがある層は熱量を持って見つめています。
つまり高校スポーツ大会は、「認知の広さ」と「興味の深さ」が両立している数少ないイベントとも言えます。
これはマーケティング視点では非常に大きな特徴です。

 

SNS時代、高校スポーツ大会は“UGCが生まれやすい場になっている

インハイエールプロジェクト

大塚製薬が近年行っている施策エールコップも盛り上がりを見せます。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000082938.htmlより引用

さらに現在の高校スポーツ大会を語る上で欠かせないのが、SNSの存在です。
従来、スポーツ大会におけるスポンサー価値は、会場看板やテレビ中継、現地来場者への露出などが中心でした。しかし今、高校スポーツ大会ではまったく違う形の露出が生まれています。

それが、高校生自身によるUGC(ユーザー生成コンテンツ)です。大会前日になるとInstagramTikTokにはゼッケンやユニフォームの写真が並びます。

「#応援よろしくお願いします」
「#絶対勝つ」
「#最後の夏」
「#このメンバーで戦えるのも最後」

そんな投稿には、多くの高校生のいいねやコメントが集まります。しかも重要なのは、これらが企業主導ではなく、高校生自身の感情によって自然発生していることです。企業は本来、UGCを生み出すためにハッシュタグ施策や投稿キャンペーン、インフルエンサー施策などを実施します。

一方、高校スポーツ大会では、投稿したくなる感情そのものが存在しています。
努力、緊張、達成感、悔しさ、仲間意識。高校スポーツは感情が大きく動く場であり、その瞬間は記憶にも深く刻まれます。
だからこそ、企業が仕掛けなくても、高校生たち自身が大量の投稿を生み出していきます。

これはマーケティング視点で見ると、非常に特徴的な構造だと言えるのではないでしょうか。さらに、高校スポーツ大会におけるUGCは、単なるSNS投稿では終わりません。そこには、同級生、他校の友人、部活動仲間、後輩、保護者、OBOGなど、リアルなコミュニティが存在しています。
つまり高校スポーツのUGCは、アルゴリズム上で流れていくだけの投稿ではなく、「リアルな人間関係の熱量」を伴って拡散されるUGCでもあるのです。

そして、その写真や動画には、自然な形でスポンサー企業のロゴも写り込みます。ゼッケン、大会で配られるサンプル商品、ユニフォーム、看板。
本人たちはスポンサーを宣伝している意識はありません。しかし結果として、企業ロゴは青春の記録の一部としてSNS上へ拡散されていきます。
今の高校生は広告への感度が高く、いわゆる“案件”や売り込み感にはシビアです。一方で、高校スポーツ大会のスポンサー企業は、「大会を支えてくれている存在」として肯定的に受け取られやすい特徴があります。

高校スポーツ大会は、「広告感が薄いまま、強い感情と一緒にブランド接触できる場」になっているのです。

 

なぜ企業は高校スポーツ大会に協賛するのか

インハイエールプロジェクト 部活動応援ポスター

大塚製薬の2025年インターハイのまさに感情が動く広告ビジュアル

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000082938.htmlより引用

高校スポーツ大会には、飲料メーカーだけでなく、スポーツ用品、交通、旅行、人材など、多くの企業が関わっています。背景には、競技人口だけでは測れない接点価値があります。
たとえば、ポカリスエットを展開する大塚製薬は、近年インターハイへの協賛を続けてきました。夏の大会会場で繰り返し目にするあの青いロゴは、多くの高校生にとって「部活」「汗」「夏」と結びついた象徴的な存在になっています。

また、ミズノやアシックスなどスポーツブランドにとっても、高校スポーツは重要な接点です。高校時代に使っていたシューズやウェアは、競技人生の記憶として残りやすく、全国大会という特別な舞台でのブランド接触は、単なる商品認知以上の意味を持っています。
さらに、マイナビも、近年インターハイに協賛を行う企業の一つです。進学や将来、キャリアについて考え始める世代に対する認知はビジネスの生命線とも言えるほど重要なものです。高校スポーツへの協賛は、挑戦する若者を応援する企業としてのブランド形成にもつながっています。

 

高校スポーツ大会は地域経済も動かしている

インターハイ2026

今年のインターハイの開催地は近畿地方。各府県がSNSチャンネルを開設し盛り上げる。

高校スポーツ大会は、競技だけでなく地域経済への影響も大きいイベントです。

選手、保護者、学校関係者、応援団など、多くの人が全国から移動することで、宿泊・飲食・交通など地域消費も発生します。そのため、自治体にとっても大会誘致は重要です。実際、自治体が大会専用SNSを立ち上げるなど、若年層との接点として大会を活用する動きも見られます。高校スポーツ大会は今、単なるスポーツイベントではなく、学校コミュニティ、SNS、地域、企業を横断する巨大な接点になっています。

 

共通体験が少ない時代だからこそ価値がある

令和は全員に届くコンテンツが減った時代です。だからこそ企業は今、「広く認知され、なおかつ強い感情が動く場」に価値を見出しています。
高校スポーツ大会は、多くの高校生が認知しており、学校コミュニティを通じて自然に広がり、SNSで熱量が可視化され、さらに選手自身が発信者になります。そこには、学校単位の応援文化や、最後の夏のような強い感情、リアルな人間関係による拡散があります。

つまり高校スポーツ大会は、「認知」「感情」「UGC」「コミュニティ」が同時に発生する場になり得るのです。さらに高校スポーツ大会では、企業が大きく仕掛けなくても、高校生自身が感情を伴ったUGCを生み出し、リアルなコミュニティの中で拡散していきます。この構造は、細分化が進む高校生マーケットにおいて、非常に貴重な接点だと私は感じています。

最も難解とも言われる高校生マーケットを捉える上で、高校スポーツ大会は、今後あらためて注目すべきマーケティング接点の一つになっていくでしょう。

働く女性は今、「頑張る健康」から「整える健康」へ~ 調査から見えた、ヘルスケア意識の変化~|感情が動くマーケティング

令和の働く女性のヘルスケア調査からみえた“現状のリアル”と“意識の変化”とは?

近年、働き方やライフスタイルの変化に伴い、健康との向き合い方も大きく変わりつつあります。
特に働く女性にとっては、仕事・プライベート・体調のバランスをどう取るかが、日々の大きなテーマになっています。

Q.あなたは、日頃から「ヘルスケア」を意識していますか?

※「ヘルスケア」とは健康の維持・増進、病気の予防、心身の不調管理に関する包括的な活動・サービスのことです。

あなたは、日頃から「ヘルスケア」を意識していますか?

n:301

今回実施した調査では、ヘルスケアを「とても意識している」「やや意識している」と答えた人は54.8%と、半数を超えました。
一方で、「やったほうがよいと思いながらできていないこと」や「情報の多さへの疲れ」も見られ、意識と実行の間にギャップがあることもわかりました。

 

ヘルスケアは「特別なこと」から「日常を整えること」へ

Q.普段あなたが行っている行動をすべてお答えください。【複数回答】

普段あなたが行っている行動をすべてお答えください。

n:301

調査では、普段行っていることとして

  • 美容(肌・髪・見た目)に気を遣う:38.5%
  • 身体の健康管理:28.9%
  • 睡眠の質を上げる:25.9%
  • 仕事と私生活のバランスをとる:25.9%

などが上位に挙がりました。

ここから見えてくるのは、今のヘルスケアが単なる病気予防ではなく、美容・睡眠・ストレス・働き方まで含めて生活全体を整えるものとして捉えられているということです。
健康そのものだけでなく、毎日の過ごしやすさや気分の安定も、ヘルスケアの対象になっているようです。

 

「なんとなく不調」が行動のきっかけに

Q.「ヘルスケア」を意識したきっかけはなんですか?【複数回答】

「ヘルスケア」を意識したきっかけはなんですか?

n:301

ヘルスケアを意識し始めたきっかけとして多かったのは、

  • 疲れを感じやすくなった:33.9%
  • なんとなく意識するようになった:29.6%
  • 睡眠の質が悪くなった:21.6%
  • 体調を崩した:20.3%

でした。
大きな病気や明確な出来事がきっかけよりも、疲れやすさや眠りの浅さ、なんとなくの不調といった日々の変化が行動の起点になっています。
つまり、今のヘルスケアは劇的な改善を目指すものというより、日々の調子を少しでも整えたいという感覚に近いのかもしれません。

 

情報は多い。でも、信じられるものは限られている

Q.健康に関する情報を信頼できると感じるポイントは何ですか?【複数回答】

健康に関する情報を信頼できると感じるポイントは何ですか?

n:301

ヘルスケアに関する情報は、SNSや検索を通じて日常的に接触されています。

その中で信頼されているのは、

  • 同世代の体験談がある:34.6%
  • 続けやすそうである:30.2%
  • 発信元が明確である:29.6%
  • 売り込み感・PR感がない:26.9%

といった要素でした。

一方で、「情報が多すぎる」「何が正解かわからない」といった声も多く、情報環境そのものが負担になっている側面も見られます。

 

「やったほうがいい」はわかっている。でもできない。

Q.健康のために「やったほうがよい」と思いながら、できていない理由は何ですか?【複数回答】

健康のために「やったほうがよい」と思いながら、できていない理由は何ですか?

n:301

健康のために必要だとわかっていながら実践できていない理由としては、

  • モチベーションが湧かない:36.1%
  • 疲れて気力がない:35.7%
  • 続けるのが面倒:31.7%
  • 忙しくて時間がない:31.7%

が上位に挙がりました。

ここから見えてくるのは、ヘルスケアが軽視されているのではなく、生活の負荷の中で後回しになりやすいという実態です。

女性の生き方が多様化する中で、仕事もプライベートも忙しい令和の女性たち。頑張る余白が少ない毎日の中では、正しいことを知っているだけでは続きません。

だからこそ、ヘルスケアには“努力を求める設計”よりも、自然と続けられる設計が求められているのではないでしょうか。

 

コンディションは「常に揺らぐ」もの

Q.生理が日常生活に影響していると感じますか?

生理が日常生活に影響していると感じますか?

n:301

では、女性ならではのヘルスケアに関してはどうでしょうか。
生理が日常生活に影響していると感じる人は7割以上
にのぼり、コンディションの変化は多くの働く女性にとって身近な課題となっています。
一方で、その不調は「限られた人にしか相談できない」など、今もなお個人で抱える傾向が強いことも明らかになりました。

つまり女性にとってのヘルスケアは、生理などによる日々の揺らぎも含めて、同じ状態が続くわけではない。という前提を踏まえなければなりません。

 

これからは「頑張らせない設計」が選ばれる

今回の結果から、働く女性に向けたヘルスケア領域のコミュニケーションにおいては、以下の視点が重要になると考えられます。

共感・伴走型のコミュニケーション

  • 「こうすべき」と正解を押し付けるよりも、「これならできそう」と感じられる伝え方が好まれる

効果と続けやすさの両立

  • 効果実感は求められる一方で、続ける負担が大きいと選ばれにくい

信頼できる情報設計

  • 同世代の体験談
  • 発信元の明確さ
  • PR感の弱さ

といった要素が信頼につながりやすい。

揺らぎを前提にした提案

  • 元気な日だけでなく、調子が悪い日にも取り入れられる
  • できない日があることも前提にした設計が支持されやすい

まとめ

情報も選択肢も増えた今、必要なのは「正しい健康法」ではなく、自分にとって無理のない整え方です。
働く女性のヘルスケアは今、頑張るから整えるへと、大きな転換期を迎えています。

 

  • 調査対象

    22歳~35歳/女/未婚/子どもなし/正社員・公務員・団体職員・派遣社員

  • 有効回答数

    301件

  • 調査時期

    2026年2月15日~2月18日

  • 方法

    インターネット調査 
    ※四捨五入の関係で、合計が100.0%ちょうどにならない場合があります。

Z世代は“なんとなく贈らない”。~ギフト消費から見える人間関係の変化~|感情が動くマーケティング

ギフトは、単なる贈り物ではなく、人との関係性を映し出す行為でもあります。
今回、1829歳のZ世代社会人を対象に行った調査からは、ギフトが「誰にでも同じように贈るもの」ではなく、関係性に応じて発生し、慎重に選ばれる行動であることが見えてきました。

「プレゼント」と「ギフト」は何が違うのか

まず、「プレゼント」「ギフト」は何が違うのでしょうか。
明確な定義があるわけではありませんが、プレゼントが物を渡す行為そのものを指すのに対し、ギフトはそこに意味や意図が含まれる言葉として使われることが多いように感じます。

今回の調査結果を見ると、Z世代社会人にとってのギフトはまさに、相手との関係性の中で成り立つコミュニケーションとして捉えられているようです。

働き方改革やリモートワークの浸透により、社内の人間関係は以前よりもフラットになり、バレンタインのような慣習的なやり取りも虚礼として見直される動きが広がっています。

これまで当たり前とされていた贈り物の文化が揺らぐ中で、人は誰に、どんなときに、どんな想いでギフトを贈るのか。

今回の調査を見ていくと、令和における人間関係のあり方そのものが浮かび上がってきます。

 

ギフトは誰にでも贈るもの”ではない

では実際に、Z世代は誰にギフトを贈っているのでしょうか。

今回の調査でまず見えてきたのは、ギフトが誰に対してでも行われるものではないという点でした。

Q.以下のそれぞれの方に、1年間でギフトを贈る回数をお答えください。(単一回答)

以下のそれぞれの方に、1年間でギフトを贈る回数をお答えください。(単一回答)

n:304

親や恋人といった関係性の近い相手には、年に複数回ギフトが贈られている一方で、職場の同僚や取引先に対しては「贈らない」という回答が最も多くなっています

たとえば「この人にはギフトを贈らない」と回答した割合は、

以下のそれぞれの方に、1年間でギフトを贈る回数をお答えください。
(単一回答)

n:304

  • 職場の同僚:45.4%
  • 職場の先輩・後輩:48.0%
  • 職場の取引先:60.2%

となっており、仕事上の関係よりも、私的で近い関係のほうがギフトが発生しやすいことがわかります。

つまりギフトは、すべての関係性において均一に行われるものではなく、関係性の深さによって発生するかどうかが決まる行動になっているのです。

 

ギフトはイベント中心だが、日常の気持ちもきっかけになる

Q.あなたが誰かにギフトを贈るタイミングをお答えください。(複数回答可)

あなたが誰かにギフトを贈るタイミングをお答えください。(複数回答可)n:304

では、若手社会人はどんなタイミングでギフトを贈っているのでしょうか。調査では、贈るタイミングとして多かったのは、

  • 誕生日:54.6%
  • 母の日:49.0%
  • 父の日:40.1%
  • バレンタイン:38.2%
  • クリスマス:29.6%

など、まずは定番イベントでした。

一方で、

  • 感謝の気持ちを表すとき:24.3%
  • 差し入れ:17.8%
  • 何かを頑張った・成し遂げたとき:10.2%

という回答も見られ、イベント以外の場面でもギフトが生まれていることがわかります。
つまり、若手社会人のギフトはイベントを軸としつつも、感謝や気遣いといった日常の感情をきっかけに発生することもある、というのが実態に近いのではないでしょうか。

 

だからこそ、なんとなくができない

では、なぜここまで慎重なのでしょうか。

その理由のひとつが、ギフトの「失敗経験」にあります。

Q.だれかにギフトを贈ったとき、失敗したと感じた経験はありますか?(単一回答)

だれかにギフトを贈ったとき、失敗したと感じた経験はありますか?(単一回答)

n:304

調査では、52.3%が「ギフトを贈って失敗したと感じた経験がある」回答しました。

「相手の好みに合わなかった」
「すでに持っていた」
「使ってもらえなかった」

こうした声から見えてくるのは、
気持ちだけでは成立しない難しさです。

だからこそ、ギフトは
贈るならちゃんと選ばないといけない行動になっているのです。

 

選び方はかなり現実的

Q.ギフトを選ぶ際に最も重視していることをお答えください。(単一回答)

ギフトを選ぶ際に最も重視していることをお答えください。

n:304

その結果、ギフト選びはかなり現実的なものになっています。最も重視されているのは「相手の好み・趣味」です。

また、重視する項目としては

  • 相手の好み・趣味:57.9%
  • 価格・予算感:43.1%
  • 使いやすさ・実用性:39.1%

が上位となっており、ギフト選びは感覚だけでなく、予算や実用性も踏まえた現実的な判断で行われていることがわかります。

Q.ギフトを探す際の方法・手段として当てはまるものをすべてお答えください。(複数回答可)

ギフトの購入場所として当てはまるものをすべてお答えください。(複数回答可)

n:304

情報収集の面では、

  • Webで相手が好きそうなものを探す:53.0%
  • Webでレビューがいいものを探す:32.0%
  • Instagramで探す:27.3%
  • 実店舗を見にいく:30.6%

が上位でした。

Q.ギフトの購入場所として当てはまるものをすべてお答えください。(複数回答可)

 ギフトを探す際の方法・手段として当てはまるものをすべてお答えください。(複数回答可)

n:304

一方、実際の購入場所では

  • ショッピングモール・商業施設:62.1%
  • 百貨店:41.1%
  • 路面店:24.3%

が上位で、総合ECモール22.7%を上回っています。
つまりZ世代社会人のギフト選びは、WebSNSで情報を集めつつ、最後は実店舗で確認して購入するという、かなり慎重なプロセスをたどっているようです。

 

ギフトは共有される体験にもなっている

Q.ギフトを贈るとき、SNSに載せること(写真映えすること)を意識していますか?(単一回答)

ギフトを贈るとき、SNSに載せること(写真映えすること)を意識していますか?

n:304

さらに、ギフトとSNSの関係も見逃せません。

ギフトを贈る際には、SNSでの見え方を意識する人が多く、

  • 意識している:22.0%
  • やや意識している:31.9%

という結果に。

Q.誰かにギフトをもらったときに、SNSに投稿したことはありますか?(単一回答)

Q.誰かにギフトをもらったときに、SNSに投稿したことはありますか?(単一回答)

n:304

実際に、もらったギフトを投稿した経験がある人も49.0%と約半数にのぼっています。

ギフトはもはや、贈る・受け取るという二者間の行為にとどまらず、
第三者にも共有される体験として広がりつつあります。

 

~まとめ~

今回の調査から見えてきたのは、
ギフトが単なる贈り物ではなく、関係性そのものを映し出す行動であるということです。ギフトは誰にでも贈るわけではなく、関係性に応じて発生し、相手のことを考えながら慎重に選ばれる。

また、イベントが大きなきっかけである一方、感謝や気遣いといった日常の感情も、ギフトを生む理由になっています。

人間関係がフラットになった今、ギフトは当たり前に贈るものではなく、相手との関係性を表す特別な行為になっている。だからこそ、贈るときには慎重さや気持ちの込め方がより重視されているのかもしれません。

 

  • 調査対象

    18歳~29歳/男性145名 女性156名/正社員・公務員・団体職員

  • 有効回答数

    304名

  • 調査時期

    2026年2月25日~3月1日

  • 方法

    インターネット調査

Z世代社会人は、なぜドラッグストアを選ぶのか―注目したいコスト・タイム・メンタルパフォーマンスという視点―|「感情」が動くマーケティング

医薬品はもちろん、日用品や食料品も充実しているドラッグストアの存在感は年々高まっています。特にZ世代社会人にとって、ドラッグストアは単なる「薬を買う場所」ではなく、日常消費の中で欠かせない選択肢の一つになりつつあります。

マーケティング・広報ラボの調査では、Z世代社会人がドラッグストアをどのように利用しているのか、実態を明らかにしました。

そのデータと今後の消費トレンドを基に、マーケターの視点でZ世代社会人のインサイトを読み解いていきます。

今回はこの調査をマーケター目線で深掘り!

Z世代社会人は「堅実」な世代なのか

Q.スーパーなどの他業態と比べたとき、ドラッグストアを選ぶメリットは何だと感じていますか?

Q.スーパーなどの他業態と比べたとき、ドラッグストアを選ぶメリットは何だと感じていますか?

(n=314 内訳:【男性】n=156、【女性】n=158)

本調査でドラッグストアの利用理由として上位に挙がったのは、「価格の安さ」「クーポン・ポイントが使える」「家や職場から近い」といった非常に合理的な項目です。この結果から見えてくるのは、Z世代社会人が衝動や気分で買い物をしているわけではないという事実。日頃彼らは日常消費において、「コスパの良さ」「タイパの良さ(家から近いなど)を大切にしている様子が見えてきます。

Z世代の堅実さは、リーマンショックやコロナ禍などで経済が不安定な時代背景の中で育ったということも少なからず影響しています。さらに近年の物価高のニュースは毎日のように消費者に伝えられ消費者を悩ませています。物は高くなるが給料が上がりづらいこの時代にZ世代の社会人も、より堅実思考を強めているのではないでしょうか。

また特に女性は「クーポンが使える」「ポイント制度」の回答が高く、低価格というだけでなく、お得に購入できる仕組みであることがメリットと感じていると思われます。

ドラッグストアが支持される“利便性”と“お得感

Q.ドラッグストアに求めることはなんですか?

Q.ドラッグストアに求めることはなんですか?

(n=314 内訳:【男性】n=156、【女性】n=158)

ドラッグストアがコンビニよりも選ばれる理由として、「安いから」「コスパがいいから」という声は確かにあります。しかし、この“安さ”は、単純な価格の話だけではないように思えます。

Z世代社会人は、最安値を徹底的に探すほどの手間はかけない一方で、「高く買ってしまった」という感覚を嫌がる傾向にあります。

近年のドラッグストアは食品などの品ぞろえも良く、お得なプライベートブランドを展開する店も増えてきており、一か所で欲しいものが揃うタイパとコスパの両立も支持されてる要因かもしれません。

衝動買いも失敗リスクの低い嗜好品を選ぶ傾向か

Q.ドラッグストアでよく購入する商品を全て選んでください。

Q.ドラッグストアでよく購入する商品を全て選んでください。

(n=314 内訳:【男性】n=156、【女性】n=158)

ドラッグストアでよく購入する商品については、「医薬品(市販薬)」39.2%に次いで「スキンケア」「ヘアケア」「ボディケア」などケア用品、また「掃除用品」などの日用品が上位に並びます。

Q.ドラッグストアに行った際、購入予定以外のものでつい購入してしまう商品カテゴリはありますか?

Q.ドラッグストアに行った際、購入予定以外のものでつい購入してしまう商品カテゴリはありますか?

(n=314 内訳:【男性】n=156、【女性】n=158)

また購入予定以外のものでつい購入してしまう商品カテゴリとして菓子類と飲料が上位に入りました。医薬品や洗剤、スキンケア用品など生活必需品を買いにいったついでに、価格帯も失敗リスクも低いお菓子や飲料を買っているのかもしれません。

Z世代社会人の衝動買いは、感情に任せた浪費ではなく、気力を削られない範囲でのみ許容されている消費だと考えられます。

メンタルパフォーマンスという視点で読み解く

日経BPでは「メンタルパフォーマンス」が今後消費トレンドになると予想しました。メンタルパフォーマンス、略して“メンパ”は、集中力や気力をできるだけ消耗せず、日常を安定した状態で過ごすことを重視する思考です。消費においても、悩んだり失敗して後悔したりといった“気持ちを浪費しない”ことが大事な時代になっていくと予想されます。特に日用品や必需品の消費にはメンパを重視し、その分自分の好きなものへの消費には一層の時間や労力をかけるようになるのかもしれません。

本調査の結果からも、Z世代社会人が日常消費においては、判断や後悔によるメンタル消耗を避けたいと考えている片鱗が見えるような気がしました。

ドラッグストアは、価格・立地・品揃え・お得施策のすべてが、「迷わずに済む」「後悔しにくい」設計になっています。だからこそ、Z世代社会人にとっては、メンタルパフォーマンスの高い買い物空間として生活の中に定着しているのでしょう。

おわりに

Z世代は、派手な消費よりも堅実な選択を好む世代です。それは節約志向というより、自分の好きなものには積極的にお金をかけ、日用品や生活必需品などの、自分の中での優先順位の低いものは効率的に安く済ませるというメリハリ消費の傾向が根底にあります。

今後の消費トレンドであるメンタルパフォーマンスがその傾向を後押しし、「日常の小さな判断で気力を削られたくない」という意識は強まっていくでしょう。

本記事では、Z世代社会人がドラッグストアを選ぶ背景にある価値観や思考を考察してきました。下記調査記事では、利用実態や購買行動をより詳しいデータとともに整理しています。
ぜひ、合わせてご確認ください。

 

調査データのご案内

本記事で使用したデータの詳細はこちらでご覧いただけます

  • 調査対象

    23~29歳/未婚/子どもなし/正社員、公務員・団体職員/東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県在住/直近3カ月以内にドラッグストアに行った

  • 有効回答数

    314件

  • 調査時期

    2025年6月

  • 方法

    インターネット調査

「塾代」だけでは語れない!中学受験を終えた母たちが語る、家庭とお金が動く3年間~vol.1~|感情が動くマーケティング

2026年、今年の中学受験市場の高まりをリアルレポート!

中学受験の実態とは!

2026年、中学受験市場をリアルレポート!

昨今、首都圏を中心に中学受験の熱は高まりを見せています。少子化が進むなかで、子ども一人あたりにかける教育費は増え、家庭単位での意思決定もより慎重かつ戦略的になっていると言われています。

本日は、実際にお子さんが中学受験を経験されたお二人に、できるだけリアルなお話を伺います。今年次女が第一志望に合格されたHさん、そして2年前に長女が受験を終えたKさんです。

登場マーケターのプロフィール

桑野 好絵(くわの・このえ)|株式会社マイナビ

桑野 好絵(くわの・このえ)|株式会社マイナビ

2007年マイナビ入社。
女性向けメディアや若年層トレンド領域に従事し、現在は『マイナビニュース』『マイナビウーマン』などの広告企画を担当。
Z世代に特化した調査チーム「マイナビティーンズラボ」のプランニングやデータ解説、企業向けの講演も行う。
高校1年生の息子を育てる母として、「調査データ」と「リアルな声」の両面から若者インサイトを掘り下げている。

座談会出席者

Hさん(43歳/子ども2人/正社員)

Hさん

Kさん(46歳/子ども1人/正社員)

Kさん

 

塾選びは「実績」だけでは決めない、親に必要な審美眼とは?

塾選びの秘訣とは

中学受験の最初の難関は塾選びにあり!?

桑野

まずは塾選びから伺います。寄り添い型と自走型という言い方もありますが、実際はどうでしたか。

Hさん

先生が細かく伴走してくれる寄り添い型と、自分で回せる子向けの自走型があります。うちは寄り添ってもらうほうが合っていました。

Kさん

志望校に強い塾かどうかも見ますが、それだけでは決めませんでした。小5、小6になると本当に長時間過ごすので、相性や雰囲気も大事です。

桑野

かなり比較されましたか。

Hさん

かなりしました。説明会にも何度も行きましたし、ネットも相当見て知らない塾はほとんどないくらいでした()

Kさん

受験はナイーブな話題なので、ママ友に細かく相談するのは難しいんです。だからネットの情報やSNSは本当に頼りになりました。

桑野

匿名の体験談や比較記事が判断材料になるんですね。

Kさん

はい。全部を信じるわけではないですが、比較の軸にはなりました。中学受験には親のWEBリテラシーも必要だなと実感しますね。

 

「塾代は入り口にすぎない」というリアル

受験必須アイテムプリンター

塾以外の出費の筆頭格はプリンター!?

桑野

費用についても率直に伺います。

Hさん

3年生からの3年間、塾代だけで300万〜350万円くらいでした。

Kさん

そこに季節講習、模試代、受験料が加わります。併願校が増えると受験料も数十万円になります。私はトータル500万は超えていますね。

桑野

かなり大きな金額が動きますし、費用面での決断も慎重になりますよね。

Hさん

もちろんです。他塾との費用比較もしましたし、何にどれくらいかかるのかは細かく調べました。

Kさん

交通費や軽食代もあります。毎週のことなので積み重なります。

Hさん

プリンターも必須でした。過去問を大量に印刷しますから。

桑野

プリンター、みなさん買われますよね。企業も中学受験の家庭をターゲットにしているなと感じることも多くなってきました。どんな基準で選びましたか。

Hさん

実は、マイナビ子育てのタイアップで紹介されていたモデルを買いました(笑)。受験家庭向けと書いてあって。あとは受験の先輩ママの声がかなりリアルに掲載されていたので、共感できたし信頼できたのも大きかったです。

桑野

それはうれしいです。タイアップ、効いていますね(笑)。

Hさん

でもちゃんと比較しましたよ。印刷速度やインク代まで調べました。中学受験は情報戦なので、プリンターも大きな戦力です。

 

気晴らしや息抜きも「学び」に寄る

伴走する親

子どもだけじゃなく“伴走”する親も大変な中学受験

桑野

ストレスケアはどうされていましたか。

Kさん

息抜きは必要でした。ただ、せっかく出かけるなら学びにつながる場所に行こうと思って、世界遺産や歴史に関係する場所を選ぶことが多かったです。

Hさん

旅行も自然と教育文脈になりますよね。うちはゲームも、楽しく学べるものをさりげなく勧めてみたりしました。

 

住まい・健康にも広がる受験

桑野

通塾のために引っ越す家庭もあると聞きます。

Kさん

あります。通塾時間はほぼ毎日のことなので、住環境を見直す家庭もあります。

Hさん

受験直前は健康管理も本気です。加湿器や空気清浄機を新しくしましたし、免疫ケアの飲料も取り入れました。

 

教育費は「貯める」より「設計する」

桑野

教育費の準備はどうされていましたか。

Hさん

資産運用をしています。これからもできる限り運用に回して、将来の教育費にしようと思っています。

Kさん

私も旦那もつみたてNISAをしていて、子どもにも投資を身近に感じてもらいたいと思っています。

桑野

中学受験となると学資保険だけでは足りませんか。

Hさん

学資保険は高校や大学の費用を想定していることが多いので、中学受験は別に考えています。

Kさん

周りでも資産運用している家庭は多いです。教育費は貯めるというより設計する感覚です。

 

令和の中学受験は「共働きが前提」

桑野

ここ数年で、保護者側の変化はありますか。

Kさん

共働き家庭が圧倒的に多いです。今までは母親の伴走が多かったと思いますが、父親の積極的な参加も増えています。中学の説明会にもPCを持ってきて最前列にいるお父さんとか珍しくないんですよ。

Hさん

受験は家族全体のプロジェクトですね。そりゃ父親にも頑張ってもらわないと()

 

お子さんの受験を振り返って

努力の過程

合否に関わらず親も子も成長できるきっかけに。

桑野

最後に、受験を終えて感じていることを教えてください。

Hさん

かなりお金は使いました。でも、子どもの未来への投資だと割り切っていました。消費ではなく投資です。だから意味のある出費だったと思っています。

Kさん

私も同じです。比較検討を重ねて決めたことなので、納得感があります。それに、親も成長できる機会でした。子どもの特性を深く知ることができましたし、自分自身も長期視点で考えるようになりました。

Hさん

受験は合否だけではなく、その過程にも価値があると思います。

桑野

数百万円という数字の裏には、時間をかけた比較と情報収集があります。中学受験家庭は衝動では動きません。調べて、考えて、納得してから選んでいるのですね。

 

加熱する受験市場、企業が向き合うには?

中学受験家庭は、「高いから買わない」のではなく、「納得できないと買わない」層です。

ママ友に相談しづらい分、ネットで情報を集め、比較し、裏を取り、慎重に判断します。

タイアップ記事であっても、具体性があり、生活文脈に沿っていればきちんと読まれます。一方で、曖昧な表現や過度な煽りはすぐに見抜かれます。

この市場に必要なのは、不安を刺激するコミュニケーションではなく、判断材料を誠実に提示する姿勢。

中学受験は、家族の未来をかけた意思決定です。その重みを理解し、生活に寄り添う情報を届けられるかどうか。

そこが、選ばれる企業とそうでない企業の分かれ目になるのだと思います。

なお、今回は母親の視点から中学受験のリアルを伺いましたが、ここ数年で明らかに存在感を増しているのが“父親の参加”です。

次回は、実際に伴走したパパたちに、意思決定の裏側や情報収集のリアルを聞いていきます。母とはまた違う視点から見える、中学受験市場とは?ぜひVol.2もご覧ください。

関連記事のご紹介

 

子育て層向けマイナビメディアのご紹介

夫婦一緒に子育て!
「マイナビ子育て」

 

【メインユーザー層】
第一子妊娠中・共働きで育児中のママパパ

 


 

  • テレビの接触が少ないワーキングマザーへInstagramでもアプローチ可能
  • 医師・専門家監修の信頼性の高い記事を提供

中学受験にまつわる情報を網羅
「中学受験ナビ 」

中学受験ナビ

 

【メインユーザー層】
中学受験を検討中のお子さんを持つ保護者

 


 

  • 小学生のお子様を持つ35歳以上・全国都心部に在住の保護者様から支持
  • 現役指導者や専門家の方による、信頼性ある情報をお届け

 

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【座談会】育休明け、就学後、そして中学受験。令和のワーママは「子育ての壁」をどう越えている?│「感情」が動くマーケティング

育休明け、就学後。令和のワーママは「二度の壁」をどう越えている?

令和の共働き夫婦の実態とは?

令和の共働き夫婦の実態とは?

今日は「育休明け」と「就学後」、ワーキングマザーが直面する二つの壁について伺いたいと思います。私自身、高校生と3歳の子どもを育てるワーママとして、いわゆる平成の子育て令和の子育ての両方を経験しています。

長男を育てていた頃は、育児や家事は母親が中心で、仕事との両立は「気合と根性」で乗り切るもの、という空気がまだ強くありました。一方で、今3歳の子どもを育てる日々は、テレワークといった働き方の変化、そして夫の家事育児の主体化など、生活そのものを設計し直している感覚があります。

今回の座談会では、令和のワーママたちが、育休明けと就学後という二つの転換点をどのように乗り越えているのか。そのリアルな声から、今の時代ならではの消費行動や価値観の変化をひも解いていきます。

 

登場マーケターのプロフィール

桑野 好絵(くわの・このえ)|株式会社マイナビ

桑野 好絵(くわの・このえ)|株式会社マイナビ

2007年マイナビ入社。
女性向けメディアや若年層トレンド領域に従事し、現在は『マイナビニュース』『マイナビウーマン』などの広告企画を担当。
Z世代に特化した調査チーム「マイナビティーンズラボ」のプランニングやデータ解説、企業向けの講演も行う。
高校1年生の息子を育てる母として、「調査データ」と「リアルな声」の両面から若者インサイトを掘り下げている。

 

座談会出席者

Sさん(43歳/子ども3人/時短勤務)

Sさん

Kさん(41歳/子ども1人/フルタイム勤務)

Kさん

Mさん(37歳/子ども2人/フルタイム勤務/家族で地方→東京)

Mさん

 

第一の壁|育休明けで起きる「生活設計の総入れ替え」三人目で、ようやくやらないと決められた」

桑野

まずは育休から復帰するタイミングの話を聞かせてください。生活や消費、かなり変わりましたか?

Sさん

変わりましたね。三人目でやっと、「これはもうやらない」って決められました。

桑野

一人目、二人目のときは、まだ頑張ろうとしちゃいますよね。

Sさん

そうなんです。食洗機、洗剤自動投入の洗濯機、ミールキットをフル稼働して暮らしています。献立もローテーションを決めました。考えなくていい状態を作る感じです。

桑野

生活を設計し直した、という印象ですね。

Sさん

40代になると、お金で時間を買う感覚がはっきりします。

 

テレワークで変わった、夫婦の役割分担

コロナ禍以降、働き方が大きく変わった共働き世帯も

コロナ禍以降、働き方が大きく変わった共働き世帯も

桑野

コロナ以降、働き方も変わりましたよね。

Sさん

劇的に変わりました。夫のテレワークが増えて、送りはパパ、お迎えはママ、習い事はパパ、みたいに自然に役割分担できています。

桑野

家事や育児が「手伝い」ではなく、役割として回っている感じがしますよね。

 

「あったら便利」から「ないと回らない」へ

都内の共働き世帯の強い味方“子ども乗せ電動自転車”

都内の共働き世帯の強い味方“子ども乗せ電動自転車”

桑野

Kさんはいかがでしたか?

Kさん

電動自転車は買いましたね。保育園は徒歩10分くらいだったので、なくてもいいだろう、気合で行こうみたいな感じだったのですが、結局買ってみると行動範囲も広がるし、かなり便利で。ないと生活が回らなくなりました

桑野

生活の前提が変わりますよね。ほかに変化はありましたか?

Kさん

外食も増えました。平日は自炊が難しい日も多くて、外食や中食で月に34万円くらいは使っていると思います。

桑野

それ、かなりリアルな数字ですね。

Kさん

でも贅沢という感覚はなくて、家庭を回すための必要経費という感じです。

桑野

どんなお店に行きますか?

Kさん

住んでる地域が子育てに優しい街づくりを提唱していて、居酒屋でもレストランでも子連れ家族が来ることを想定したサービスや店作りを行っているんです。
だから独身の時と同じように居酒屋にもイタリアンにも行きますよ。行きづらいとか思ったことないんですよね。

桑野

最近、キッズスペースがあったりお子様サービスがあるような店舗も増えましたよね。

Kさん

仕事終わりにサクッと寄れて親も子どももうれしいし、お店も潤うので経済を回しているんだって思うようにしています()

桑野

完璧さより、続けられる生活を優先する消費は、令和らしい変化だと感じます。

 

地方で見えた「生活インフラとしての消費」

桑野

Mさんは、ご家族で地方に住まれていた経験がありますよね。

Mさん

はい。家族で金沢に行きました。地方は自転車に乗らないので、セカンドカーが必須でした。維持費も含めると、月に5万円前後はかかっていたと思います。

桑野

東京とは前提がまったく違いますね。

Mさん

違いますね。皆さんと同じようにミールキットやロボット掃除機、乾燥機は本当に助けられました。特に食事は、平日の8割くらいはミールキットを頼りにしていました。

桑野

環境によって、必需品の定義そのものが変わることがよく分かります。

 

第二の壁|就学後に増える「マネジメント負荷」

子育てのフェーズが進むと新たな問題も出てくるという

子育てのフェーズが進むと新たな問題も出てくるという

桑野

一人目、二人目のときは、まだ頑張ろうとしちゃいますよね。

Sさん

そうなんです。食洗機、洗剤自動投入の洗濯機、ミールキットをフル稼働して暮らしています。献立もローテーションを決めました。考えなくていい状態を作る感じです。

桑野

正直、小学生になったら少し楽になると思っていませんでしたか?

Sさん

思ってました(笑)。全然違いました。

学童、習い事、プリント管理、行事対応……全部調整が必要で、管理する仕事が増えました。

桑野

体力的というより、マネジメント的な大変さですね。

Sさん

上の子は育児のフェーズが終わって、手がかかる時期から、お金がかかる時期へ移行しつつあります。

 

令和の習い事と放課後設計とは?

共働き世帯にはスケジュールが合うかどうかが大きな問題。

共働き世帯にはスケジュールが合うかどうかが大きな問題。

桑野

習い事の考え方も、かなり変わってきていますよね。

Sさん

そうですね。くもん、英語学童、算数教室で、月にトータル56万円くらいかかっています。

桑野

結構な金額ですが、迷いはなかったですか?

Sさん

教育投資というより、放課後をどう安全に、どう安心して過ごしてもらうかという感覚です。

桑野

Kさんのお子さんはスポーツをやられているとか。

Kさん

野球教室も同じですね。少年野球って親がつきっきりのイメージあると思うんですが最近は共働きの両親前提のスケジュールでやっている教室があるんです。
ただ、地域のボランティアチームとは違って月謝は23万円くらいで高いすね。でも、送迎や時間設計まで含めて考えると、とても納得しています。

桑野

習い事が「学ばせる場」から、共働き家庭の生活設計を支えるインフラになっている印象を受けます。

 

ランドセル・お受験に見る「感情消費」と価値観の二極化

共働き世帯にはスケジュールが合うかどうかが大きな問題。

平成から令和へ、時代とともにラン活も変わる

桑野

ランドセルの話も、時代の変化を強く感じたポイントでした。私自身、長男が小学校に入学した2015年頃は、ラン活といってもお盆明けくらいから動き出す家庭が多かった記憶があります。それが今は、GWから展示会に行くのが当たり前になっていますよね。

Sさん

そうですね。GWから動きました。展示会にも行って、いろいろ見ました。

桑野

首都圏だと、10万円近いランドセルを選ぶ家庭も珍しくなくなりました

Sさん

そうですね。価格というより、後悔しない選択をしたかったです。

桑野

一方で最近は、ニトリやワークマンなど、低価格帯のランドセルも話題になっていますよね。

Kさん

周りでもいます。必要十分でいい、という考え方も増えていると思います。特に男の子は10万円のランドセルでもすぐにボロボロにしてしまったり……SNSでもそういう男の子あるあるみたいな先輩の声から低コストのランドセルでいいな、、、と思う人も増えていると思います。

桑野

なるほど。ランドセル消費は今、「長く使う特別なものにしっかりお金をかける」層と、「合理性・コスパを重視する」層に分かれつつあるのかもしれませんね。

 

中学受験という選択肢|都内共働き世帯で広がるもう一つの大きな消費

桑野

もう一つ、就学後の話で外せないのが中学受験です。都内では、中学受験を前提に子育てを考える家庭が、以前よりも明らかに増えていると感じます。

Sさん

うちは、子どもたち全員、中学受験は視野に入れています。やるかどうかは別として、選択肢としては持たせたいですね。

桑野

その感覚、すごく今っぽいですね。主体性や自主性を重んじる教育ですよね。

Mさん

うちは子どもも受験したいというので、小4の夏くらいから本格的に考えようと思っています。一般的には小3の冬からが勝負だと聞きますが。

桑野

費用面のインパクトも大きいですよね。

Mさん

はい。塾代や教材費を含めると、トータルで300万円前後は見ておいたほうがいいと言われています。個別指導だと、月に8万円くらいかかることもあります。

Kさん

うちはしない予定です。本人が野球を本気でやりたいと言っていて、時間的にも体力的にも両立は難しいので。

 

まとめ|平成と令和をまたいで見えてきた、共働き世帯の姿

今回の座談会を通して、あらためて感じたのは、令和のワーママは頑張っていないのではなく、頑張り方が変わったということでした。

長男を育てていた頃は、多少無理をしてでも母親が抱え込むのが当たり前で、時間をどう捻出するかは個人の工夫に委ねられていました。しかし今は、テレワークやサービス、そして夫の主体的な関与を前提に、生活全体をどう設計するかが問われています。

気合より設計、我慢より仕組み。時間を軸に消費を選び、家族単位で意思決定する共働き世帯が、令和のスタンダードになりつつあります。夫婦どちらも生活マネージャーとして家庭を回している姿が印象的でした。

また、教育面では、同じ都内でも、「中学受験をする/しない」は価値観や子どもの意向によって分かれているのが印象的でした。

ただ共通しているのは、どの家庭も 「わが子にとって何がベストか」を考えた結果の選択だということ。

中学受験は、単なる教育投資ではなく、 時間・お金・家族の生活設計すべてを巻き込む大きな意思決定になっています。

共働き世帯にアプローチする企業マーケターにとって重要なのは、「ママ向け」という切り口にとどまらず、家族全体の生活がどう回るかという視点で価値を語ること。商品やサービスが、どの時間を生み、どの負担を減らすのかを具体的に描くことが、選ばれるための条件になっていきそうです。

マイナビ子育てでは、共働き世帯や子育て家庭を対象に、復職準備や家事・育児分担、お金の使い方などに関する情報や調査結果を発信しています。今回の座談会で見えてきた40代ワーママの実感は、2030代の共働き夫婦を対象としたこれらの調査で示されている変化の流れとも重なります。あわせて参考にしてみてください。

マイナビ子育ての詳細はこちら

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