ぬい活とは? トレンドが広がる背景と4つの特徴を徹底分析

更新日:2025年06月27日(金)

SNSでぬいぐるみが主役の愛らしい投稿を見たことはありませんか? 大好きなぬいぐるみの写真を撮影したり、一緒に外出したりなどと、さまざまな形で「ぬい活」を楽しむ人が増えています。

今回はぬい活について、トレンドの背景から4つの特徴、事例について詳しく解説します。

ぬい活とは

ぬい活とは

まずは「ぬい活」とは何か、詳しく解説します。

 

ぬい活の概要

ぬい活とは、「ぬいぐるみ活動」の略語で、ぬいぐるみを集めたり、お気に入りのぬいぐるみをかわいくカスタマイズしたりなどと、ぬいぐるみと一緒にさまざまな活動を楽しむことを指します。

SNSでは特に「#ぬい撮り」「#ぬい旅」の投稿を中心に人気を集めており、ぬいぐるみを大切にしつつ自分に合ったスタイルで楽しめることが魅力で、幅広い年代でトレンドが広がっていると考えられています。

ぬい活の主な活動

・ぬいぐるみを集める

 

・SNSにぬいぐるみの写真・動画を投稿する(ぬい撮り)

 

・ぬいぐるみと一緒にお出かけをする、イベントに参加する

 

・旅先や観光地などでぬいぐるみの写真を撮る(ぬい旅)

 

・ぬいぐるみに洋服や被り物、アクセサリーを使ってカスタマイズする

 

・ぬいぐるみのための衣装や家具類を手作りする

 

・ぬいぐるみをきっかけに仲間と交流する

 

「ぬい活」は、ぬいぐるみの存在に癒されるだけでなく、行動範囲が広がったり、新しい趣味を見つけたり、同じ価値観を持つ仲間のつながりができたりと、自由な楽しみ方ができるのが魅力のようです。

さらに、ぬいぐるみの衣装のコーディネイトや撮影などを通じて、さりげなく自己表現することができるのも醍醐味でしょう。

 

ぬい活の傾向

「ぬい活」を楽しむマインドについて、4つの面から解説します。

推し

アイドルやアニメキャラクターなど推しをモチーフとしたぬいぐるみと過ごすことで、推しとの距離感も縮まり、日々の楽しみが増したり、モチベーションや活力にもつながっているでしょう。

自分の「分身」

ぬいぐるみを通して、さりげなく自己表現をしますSNS上で顔出しを避けたい人や自分自身を晒すのが苦手な人でも、ぬいぐるみを自分の「分身」として登場させることで、発信しやすくなる面も。投稿へのハードルが下がり、SNSをより気軽に楽しむ傾向があります。

友達のような存在

ぬいぐるみを家族や友達のような大事な存在として捉えており、心の支えに。ぬいぐるみに愛情を注ぎ一緒に出かけたり、カスタマイズしたりすることで、趣味や活動の幅を広げているようです。

お守り

ぬいぐるみは見ているだけで癒されたり、元気をもらえたり、時には心強い“お守り”のような役割も果たすこともあります。常にそばにいることで安心感が得られ、不安やストレスの軽減にもなっているようです。

10代女子が愛するキャラクターは?

マイナビのマーケティング・広報ラボでは、10代女子を対象に【2025年版】人気キャラクターランキングを発表。2023年の歴代ランキングとも比較し、圧倒的な人気を確立しているキャラクターや最新トレンドの傾向など詳しくまとめています。

参考記事:【2025年版】10代女子が選ぶ!人気キャラクターランキング

 

ぬい活ブームの背景

ぬい活ブームの背景

近年では、アイドルやアーティストなどが公式グッズとしてぬいぐるみを発売する傾向も。推しをモチーフにした“推しぬい”を持つ人が増えたことも、ぬい活ブームを加速させる一因でしょう。ぬい活ブームの背景について、市場規模と所有実態を把握していきましょう。

 

ぬいぐるみの市場規模

日本玩具協会の「国内玩具市場規模データ」によると、2023年度の日本の玩具市場規模は1兆193億円となり、前年度に引き続き過去最高額を記録しました。

ぬいぐるみの2023年度の市場規模は前年から67億円伸ばし391億円となり、前年比120.7%の伸び率をマークキャラクターぬいぐるみが大きく牽引したと考えられています。商品ジャンルで見ても、2位の伸び率の高さで、ぬいぐるみの消費熱が高まっていることがわかります。出典:日本玩具協会「2023年度玩具市場規模調査結果データ【主要10分野】」

 

ぬいぐるみの所有実態

またBANDAI SPIRITEの「大人のぬいぐるみユーザー実態調査」によると、18歳~59歳の男女のうち、現在のぬいぐるみの所有数は10~19個が【20.9%】で最も多く、次いで6~9個が【15.7%】という結果に。現在、約3人に1人がぬいぐるみを【6~19個】持っているようです。

また、1つのぬいぐるみを10年以上所有している人は半数以上。年代別にみると、18~29歳で10年以上持っている人は【46.9%】、30~39歳は【54.3%】、40~49歳は【58.5%】、50~59歳は【66.3%】。ぬいぐるみを長期間大切にしている人が多く、30代以降は特にこの傾向が顕著に出ている傾向でした。出典:BANDAI SPIRITE「大人のぬいぐるみユーザー実態調査」(18歳~59歳の男女1,032人、2024年12月)

世代を超えて愛されるハローキティ

マイナビのマーケティング・広報ラボでは、10代女子を対象にトレンドランキングを発表。2024年上半期の【モノ部門】では、マクドナルドの「ハッピーセット」に付いてくる全50種類のハローキティのぬいぐるみが1位にランクイン。10代にとどまらず、キティのぬいぐるみ目当てで購入する人が多く話題となりました。そのほか注目のトレンドもまとめています。

参考記事:【2024年上半期】10代女子が選ぶトレンドランキングを発表!

 

ぬい活の特徴4つ

ぬい活の特徴4つ

ここでは、ぬい活の特徴を4つ紹介します。

 

1.推し活の一環  

ぬい活は、アーティストやアニメキャラクターなどし」への愛情を表現する手段として親しまれています。推しをデフォルメした“推しぬい”を持つことで、いつも一緒に過ごしているかのような幸福感を味わえるのが大きな魅力です。

SNS上で趣味の合うぬい仲間と交流したり、推しぬいをライブやイベント会場に連れて記念写真を撮るのは定番化。また、アニメや作品の舞台となった「聖地」を巡る際にも、推しぬいは欠かせない存在になっています。このように推し活の一環として、ぬい活を楽しんでいます。

Z世代の推し消費

Z世代はさまざまな分野で「推し」をつくり、応援するためにお金を使う人が増えています。「推し消費」は精神的な満足度が重視され、市場への影響力も増しています。Z世代の特徴も合わせてチェックしましょう。

参考記事:Z世代のSNS利用率は? 情報収集・使い分けの特徴も徹底解説

 

2.SNSの発信が盛ん

ぬいぐるみはかわいらしく、誰でも簡単に映える写真が撮れるため、SNSでの発信がしやすいのが特徴です。また多くの人から「かわいい!」と共感が生まれやすいのも、投稿が増える理由でしょう。

「#ぬい撮り」では、ぬいぐるみが本当に暮らしているかのような温かみのある日常写真が人気の傾向。季節に合わせて衣装やコスチュームを変えたり、撮影小物を作ったりして、創作活動を楽しむ人もいます。ぬい活の特性「見せたくなる・共感されやすい・自己表現」が、SNSとの相性の良さにもなっており、投稿が盛んです。

 

3.自己表現

ぬいぐるみに衣装やコスチュームを着せたり、自分好みにカスタマイズすることで、自分らしさや推しへの愛情表現につながっています。

着ぐるみやトレンドを取り入れたコスチューム、アーティストの推しカラーやコンサート衣装を再現したものなど、衣装や小物などで、ぬいぐるみの魅力をさらに格上げ。こういったアイテムの創作活動・写真や動画撮影においても、自分の価値観や世界観を表現できる点から、多くの人の心を捉えています。

 

4.日常生活を楽しむ

ぬいぐるみと一緒に過ごすことで、日常生活がより楽しく、特別なものになるでしょう。ごはんの時間やちょっとしたお出かけ、趣味のひとときなど【いつもの時間】が、ぬいぐるみと写真を撮ることで【思い出】として残りますし、いつもの日常が温かく感じられるのかもしれません。

日常生活のワンシーンを切り取ったようなぬいぐるみの写真が人気を集めていることからも、何気ない毎日に楽しみを見出そうとしている姿がうかがえます。

 

「ぬい活」トレンド事例5つ

最後に「ぬい活」のトレンドについて、具体的な事例を5つ紹介します。

 

BTS×LINE FRIENDS:「BT21」

BT21日本公式サイト

出典:BT21日本公式サイト

BT21は韓国のアイドルグループBTS(防弾少年団)とLINE FRIENDSのコラボレーションにより、2017年に誕生したキャラクターブランド。BTSのメンバーがキャラクタースケッチからストーリー、商品企画に至るまでの全工程に参加し、全8種類のキャラクターが生まれました。

キャラクターはメンバーの個性や特徴を反映しており、“推しの分身”としてファンに愛されています。また「共に作り上げるBT21」というブランド価値を追求し、グローバルファンからの意見やアイディアを積極的に取り入れ、「BT21 UNIVERSE」というユニークな世界観を創造。短編アニメやブランドコラボ、モバイルゲームなど幅広く展開されています。

 BT21の成功をきっかけに、「アーティストとモチーフキャラクターの推し活」という新たなトレンドが定着しました。

 

世界文化社:ムック本「nui nui nui! 大人だってぬいぐるみが好き!」

世界文化社:ムック本「nui nui nui! 大人だってぬいぐるみが好き!」

出典:世界文化社公式HP

ぬい活を特集したムック本「nui nui nui! 大人だってぬいぐるみが好き!」(世界文化社、2025年1月9日発売)は、発売後に大きな反響を呼び、重版によって累計3万部以上のヒット作となりました(2025年3月時点)。

同書は「2025年 開運ぬいぐるみ」や、SNSで注目の「クラフトぬい」、「最新機能を搭載した多機能ぬい」、「動物園・水族館のご当地ぬい」、「テディベアの120年の歴史やヴィンテージテディベア」など、多彩な切り口からぬいぐるみ文化を深堀りしており、”ぬい”好きの”ぬい”好きによる”ぬい”好きのための、丸ごとぬいぐるみMOOKです。

同社のプレスリリースによると、発売後に読者からは「大人だってぬいぐるみを好きでいいんだ!」「同じ気持ちの人がこんなにいるなんて嬉しい」などと共感の声が多数寄せられており、ぬいぐるみの魅力をさらに感じられる一冊となっています。

 

星野リゾート BEB5土浦:「いばらき絶景推しぬい旅」

星野リゾート BEB5土浦:「いばらき絶景推しぬい旅」|

出典:星野リゾート公式HP

星野リゾート BEB5土浦では、2024年10月から「いばらき絶景推しぬい旅」の宿泊プランを提供。推しぬいと一緒に「陸・湖・空」のアクティビティを通じて、茨城ならではの絶景を楽しめます。

絶景スポットまでは「推しぬい」を自転車にセットできる「ぬい活自転車」でサイクリングし、アクションカメラで「推しぬい」と絶景を余すことなく撮影可能。またパラグライダーやSUPなどの他アクティビティも、推しぬいと一緒に楽しめます。

推しぬいとステキな思い出を作るためのサービスが充実しているのが魅力です。

 

サンキューマート:「ぬい撮り」フォトスポット

サンキューマート:「ぬい撮り」フォトスポット

出典:エルソニック株式会社プレスリリース

アパレル雑貨ストア「サンキューマート」は推し活アイテムを多数展開しており、推し活をもっと楽しんで欲しいという理由で、一部店舗ではぬい撮り専用のフォトスポットが期間限定で設置されました。

「ぬい撮り」フォトスポットは、2023年に第一弾としてクリスマステーマのデザインを展開。ぬいを固定できるスタンドやアクリルスタンド、かわいい撮影アイテムや小物も豊富にそろい、“映える”と話題になり、多くの人が撮影を楽しみました。

また同フォトスポットで撮影した写真の「ぬい撮りフォトコンテスト」もInstagramやX(旧Twitter)にて開催され、投稿が拡散されました。

 

ぬいぐるみに関するその他サービス「旅行代行」「保育園」「病院」

ぬいぐるみその他サービス

ぬいぐるみを愛する人をメインターゲットに、「ぬいぐるみの旅行代行」「ぬいぐるみ保育園」「ぬいぐるみ病院」などといった、多岐にわたるサービスも注目を浴びています。

例えば「旅行代行」では、愛用しているぬいぐるみを預かり、観光地巡りなど、ぬいぐるみが旅する様子を撮影するサービスを展開。「保育園」では、入園式や身体測定、クラブ活動や遠足、運動会などイベントの様子などを写真に収め、アルバムを作ることができます。

また「病院」にて、ぬいぐるみのクリーニングサービスや修繕を依頼することが可能。このような各サービスは、ぬいぐるみをかけがえのない大切な存在として受け入れているのが特徴です。ぬいぐるみへの愛情を満たすサービスはあらゆる領域に広がっています。

 

ぬいぐるみ振り向き界隈

ぬいぐるみ振り向き界隈

InstagramなどのSNSや、特にTikTokでは「ぬいぐるみ振り向き界隈」が注目の高いジャンルとなっており、ぬいぐるみが振り向く姿をシェアするのが人気に。ある音源にのってぬいぐるみが振り向くTikTok投稿がかわいいと話題になったことをきっかけに、派生した投稿が急速に増え、拡散されています。

個性的なぬいぐるみが登場したり、楽曲や展開の仕方など演出にもこだわったりなどと、多彩な投稿があふれており、多くのユーザーが惹きつけられています。

 

まとめ

「ぬい活」は年齢層問わず気軽に楽しめるだけでなく、さまざまな楽しみ方ができることからも人気を集めています。ぬいぐるみは、日常生活を楽しく豊かにしてくれる存在として今後も愛されていくでしょう。

マイナビでは、日々トレンドを分析し、消費者のインサイトを深堀りしています。新規企画やプロモーション等、お気軽にご相談ください。


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