デジタル販促とは? 主な手法とメリット、効果を出すコツと注意点を紹介

更新日:2024年11月11日(月)

デジタル技術の進化は進み、従来のアナログ販促だけでなく、デジタル販促の重要度も増しています。デジタル販促はターゲットを絞り込んで効果的にアプローチできるため、わずかな費用で大きな成果を得ることもあります。

この記事では、デジタル販促の定義やメリット、アナログ販促との違いなどについて言及し、具体的な手法や効果を引き出すコツまで解説します。

デジタル販促とは

デジタル販促とは

まずは、デジタル販促がどのようなものであるかを説明します。

 

デジタル販促の定義

デジタル販促は、インターネットやデジタル技術を活用した商品・サービスのプロモーション活動のことを指します。さまざまな手法がありますが、Google広告などのインターネット広告や、SNSでの広告・キャンペーン、デジタルクーポンなどWeb上で提供されるサービスを中心として、消費者に情報を届けます

一方でアナログ販促は、展示会など現場でのイベント開催や、チラシやポスター、看板、新聞広告など紙媒体で現物をベースとしたプロモーション活動などが該当します。

 

デジタル販促とアナログ販促の違い

デジタル販促とアナログ販促の違いを具体的に見ていきましょう。それぞれ「メディア&チャネル」、「ターゲティング精度」、「コスト」、「効果測定」、「双方間コミュニケーション」、「信頼性」の項目で比較してみました。

デジタル販促とアナログ販促の違い

デジタル販促は、年齢や性別、地域などをはじめとして、興味・関心、Web上での行動などでもターゲットを絞り込みできるため、ターゲティング精度が高いのが一番のメリットです。運用データをもとに効果測定もスムーズにでき、施策の改善点の把握もしやすいでしょう。

アナログ販促は一定の金額が発生し、それなりの予算を確保しなければなりませんが、デジタル販促は予算の調整もしやすく少額から始めることができます。SNSなどを活用すれば、ターゲットと直接コミュニケーションを取ることも可能に。一方で、アナログ販促と比べると情報の信頼性はやや劣ることもあります。

アナログ販促もチェック!

マイナビのマーケティング広報ラボでは、チラシの効果について詳しく解説! チラシに適した業種やメリット・デメリット、宣伝効果を上げる方法についてもまとめています。

参考記事:チラシの効果を高めるには? 種類別のメリットや反響を上げるコツを解説

 

「OMO」と「O2O」

消費者は商品を購入する際に、オンラインとオフラインどちらのパターンも存在します。デジタル・アナログ販促に関連して、「OMO」や「O2O」のマーケティング用語も知っておきましょう。

 

OMO【Online Merges with Offline(オンライン マージズ ウィズ オフライン)】

オンラインとオフラインの区別なく、どちらも融合させてシームレスな顧客体験を提供することを指します。

例えば、ECサイト(オンライン)と実店舗(オフライン)の双方のサービスを融合することで、より便利で快適なサービスを提供する取り組みなどが該当します。ECサイトから注文した商品を実店舗でも受け取れるのは「OMO」のサービスです。オンラインと実店舗を分断することなく、消費者にとって便利な買い物を実現しています。

 

O2O【Online to Offline(オンライン トゥ オフライン)】

「O2O」もオンライン上で販促活動を行いますが、実店舗への集客などがメインの目的になり、オンラインとオフラインのサービスはそれぞれ明確に区別して考えているのが違いです。例えばオンライン上でキャンペーン情報やデジタルクーポンを配信し、店舗への集客を図る施策などが「O2O」に該当します。

 

デジタル販促のメリット・デメリット

デジタル販促のメリット・デメリット

続いては、デジタル販促のメリット・デメリットを押さえていきましょう。

メリット

・低コスト
・ターゲットの強化
・データ分析
・リアルタイム
・バイラル(拡散効果)

 

低コスト

デジタル販促のメリットは、低コストで予算の管理もしやすいことです。施策により必要な金額は異なりますが、Web広告やSNS広告であれば従来の広告より比較的低い予算から始められるのが大きなメリットです。

アナログ販促の場合は、チラシやクーポンなどの広告物に対してデザイン代や印刷代がかかり、その上で配布をするのにも人件費が発生するため、コストが重なります。一方でデジタル販促は自身で金額の設定も簡単に調整でき、低コストで実施可能です

SNSプロモーションに注目!

SNSプロモーションは低コストで始められることからも、企業での活用も非常に増えています。メリットや成功事例など、合わせてチェックしましょう!

参考記事:SNSプロモーションとは?メリット・効果的なコツ・成功事例を解説

 

リアルタイム

デジタル販促はリアルタイムでタイムリーな訴求ができるのも強み。例えばセールのタイミングに合わせてキャンペーンを開始・終了したりすることも自在で、急にセールが決まった場合でも、デジタル販促であれば即座に対応できます。リアルタイムでトレンドに合わせたプロモーションを迅速に展開できるのがメリットです。

またSNSのキャンペーンなどはユーザーからの反応も即確認し、効率的にPDCAサイクルができますさらにはユーザーからのコメントを通して、率直な意見やアイディアを得ることができ、ブランディング等にも活かせるでしょう。

 

ターゲットの強化

ターゲット層に対していろんなセグメント方法がありますが、デジタル販促で一般的によく使われるものを下記の表でまとめました。

ターゲティングの種類

ターゲティングの種類

デジタルツールによりユーザーのデータ収集が簡単になり、年齢や性別、家族構成などの【基本情報】から、趣味や興味、閲覧履歴など【インサイト】まで解析することで、ターゲットを絞り込んだアプローチが可能に。例えばSNSの機能では、特定のキーワードを使った・見ているユーザー層など、より詳細にターゲットを設定できます。

そのため、既存のターゲット層だけでなく潜在層まで見極めた上でアプローチができ、ターゲティングが強化されます。精確なターゲティングを適切に行うことで、プロモーションの効果が高まるでしょう。

 

データ分析

デジタル販促はデータの収集・分析がしやすく、WebサイトやSNSへのアクセス解析として「クリック数」や「閲覧数」、「エンゲージメント数」、「コンバージョン数」など、細かなデータをリアルタイムで取得可能。そのため、どのような広告が効果的であるか具体的な数値で把握し、効果測定にも活かせます。

また、ユーザーのWeb上での行動をトラッキングすることも有効。Web上でユーザーが「どのページに訪問したのか?」、「どのコンテンツに関心を持ったのか?」を分析すれば、パーソナライズ化しニーズに合った情報を届けることができます。ユーザーの関心や行動を把握した上で、戦略を考えられます。

 

バイラル(拡散効果)

デジタル販促はバイラル(拡散効果)も期待でき、短時間で一気に情報を広めて多くの人に影響を与える可能性もあります。X(Twitter)やTikTokは特に拡散力が高いのが特長。広告を配信してもリツイートされた分は課金対象とならないため、拡散されるほどコスパの面でもよいでしょう。

一度拡散が始まると、しばらく情報が自然に広がり続けるのが利点。バズりやすい企画やコンテンツ、トレンド傾向を把握するのも重要です。またコンテンツシェアに対してインセンティブを付与し、拡散されやすいように露出を高めるのも1つの戦略です。

 

デメリット

競合とセキュリティ面
専門的な知識・スキルが必要

競合とセキュリティ面

Web上の情報は常にあふれ、最新情報がリアルタイムで更新されています。そのため競合も多く、情報が埋もれてしまいがちになる点はデメリットでしょう。またWeb上のサービスなどは、ハッキングや不正利用などセキュリティ面での不安もあります。セキュリティ対策は必須で、十分な対策を続けていくことが重要です。

 

専門的な知識やスキルが必要

デジタルツールやサービスを使いこなすのに、専門的な知識やスキルを身につける必要があります。

ツールの使い方やデータ分析など基本的な作業はもちろん、SNSの活用でもそれぞれの機能・サービス・特徴など、より専門的な知識も求められます。このような知識やスキルを身につけ実際に使いこなすようになるまでは時間がかかり、やりたい時にすぐに始められなかったりとマイナス面も。ツールやサービスは更新されていくので、常に新しい知識を得ることが大切です。

主要なSNSをチェック!

もっとSNSを活用したい方に、2024年版の主要なSNS17選を徹底解説!  今注目のSNSサービスや特長、知っておきたい基本情報を詳しくまとめています。

参考記事:【2024年版 有名SNS一覧】17種類の特長と使い分け方を紹介

 

デジタル販促の主な手法

デジタル販促の手法は多岐に渡りますが、今回は代表的な手法を7つご紹介します。

デジタル販促7つの比較

デジタル販促7つの手法の比較

 

代表的な7つの手法に加え、新規顧客(潜在層・顕在層)と既存顧客、どこの層にアプローチしやすいかについても比較してまとめました。それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

SNS広告

ターゲット層:潜在層、顕在層、既存顧客

SNSのターゲット広告は、潜在層から既存顧客まで幅広い層にアプローチが可能。InstagramやX(Twitter)、TikTokなどの主要なSNSでは細かいターゲティングをもとに、出し分けもできるでしょう。

例えば「興味・関心」で絞り込んで【潜在層】にアプローチ、「検索キーワード」を分析して【顕在層】への訴求も可能に。また、カスタムオーディエンスの機能を使用すれば、既存顧客に対しても特別感のある広告を配信することもできます。

各SNSにはトレンドや特長があり、広告のビジュアルにこだわったり、トレンド要素を取り入れることで、爆発的な拡散も望めるでしょう。

X(Twitter)広告の出し方

X(Twitter)は拡散力も高く、若年層にも効果的にアプローチが可能で、広告を始めやすいでしょう。広告のフォーマットや予算相場、成功のポイントについても紹介しています。

参考記事:X(Twitter)広告の出し方は?種類と選び方、設定方法まで詳しく紹介

 

公式アプリ

ターゲット層:顕在層、既存顧客

公式アプリは、商品やブランドのファンである既存顧客、または顕在層にアプローチする際に有効。アプリの登録ユーザーは、ブランドの最新情報やお得な情報を得るために登録していることが多く、定期的に接点を持つことができます。

公式アプリを頻繁に見てもらうためには、価値ある情報を提供することが大切。ユーザーの購入履歴から興味を持ちそうな商品を表示したり、限定特典を提供したりすることで関心を惹きつけることができます。ユーザーと長期的な関係性を築きやすいのもメリットです。

ただしアプリをインストールするまでのハードルはやや高く、開発費や維持費などにもコストがかかる点は要注意です。

 

デジタルクーポン

ターゲット層:顕在層、既存顧客

デジタルクーポンはWeb上の行動データと紐づけると効果的で既存顧客顕在層に適しています。

例えば、ECサイトは訪問しているけれど商品購入に至らないユーザーに「初回限定クーポン」を配信することで購入のハードルを下げられます。「お気に入り」や「商品かご」には入っているけれど購入完了まで進まないユーザーには「限定クーポン」を配信することで、購買を後押しすることもできるでしょう。

また潜在層には、一部効果的な面も。購入頻度が高いユーザーには「購入金額に応じた限定特典」や「会員ランクごとの特典」など特別感を出せば、ファン化にもつながるかもしれません。

 

コンテンツマーケティング

ターゲット層:潜在層、顕在層、既存顧客

コンテンツマーケティングは、潜在層、顕在層、既存顧客と幅広い顧客にアプローチすることができます。ユーザーにとって価値ある情報を提供し続けることで、ブランドの認知度を高め信頼も得やすくなります。

コンテンツマーケティングを成功させるためには、徹底的にユーザー視点で役立つ情報を伝え、広告色を抑えること。さまざまなコンテンツを通して企業のコンセプトや想いなども伝え、共感してもらうことで、関係性を築いていけます。

Z世代の情報収集は?

マイナビのマーケティング広報ラボは、Z世代を対象にネットで何を検索しているか、信用して見ているコンテンツやWeb広告に対する好感度まで徹底調査しました!

参考記事:SNS上での情報収集と広告に対する感じ方~新社会人編~

 

ジオターゲティング広告

ターゲット層:顕在層、既存顧客

ジオターゲティング広告は、ユーザーの現在地や訪問場所など位置情報に基づいて広告を配信できます。特定の場所で行動をするユーザーに対して情報を提供するため地域イベントや店舗集客などに効果的です。

ジオターゲティング広告を成功させるためには、クリエイティブにこだわるのも大切ですが、配信タイミング重要。ターゲットエリアにいるユーザーに向けて、日にちや時間限定のクーポンを配信するなど、タイムリーなプロモーションも実現できます。

 

検索広告

ターゲット層:顕在層、既存顧客

検索広告は、商品の情報を収集している顕在層や既存顧客へのアプローチに向いている手法です。ユーザーが特定のキーワードを検索する理由は「〇〇について知りたい」、「〇〇へ行きたい」、「〇〇を購入したい」と明確なニーズを持っているためです。

キーワードへの興味や関心が高いタイミングでアプローチできるため、商品購入などにつながりやすい傾向があります。検索広告を成功させるためには、適切なキーワード選定や魅力的な広告文の作成、ランディングページ(LP)の最適化をすることが大切また運用データをもとに少しずつ調整して変化を見ていくことで、より成果が得られやすくなります。

 

ニュースレター、メルマガ配信

ターゲット層:顕在層、既存顧客

ニュースレターやメルマガは低コストで大量に送ることができ、定期的にユーザーとコンタクトを持てる点で優れています。情報量にも制約がないため、パーソナライズ化したアプローチをタイムリーに行うことが可能例えば過去の購入履歴をもとに商品をレコメンドするメールなどは高い開封率になりやすい傾向です。

どちらの手法も定期的にコンタクトを取っておくのが大切で、曜日や時間帯など特定のタイミングで送り、印象付けるのも有効。新商品の情報や限定クーポンなどだけでなく、ユーザーにとって特別な情報・役立つ情報を送ることで、価値を高めましょう。

 

デジタル販促の効果を高めるポイント

デジタル販促の効果を高めるポイント

段階的に行う(スモールスタート)

デジタル販促での効果を把握するために、まずは段階的(スモールスタート)に取り組むようにしましょう。デジタル販促は低コストでできるため、いろんな施策を組み合わせて実施できますが、段階的に取り組んでいくことで、どの施策で効果が出ているのか、より明確に測定しやすくなるからです。また失敗のリスクも最小限にとどめることができます。

最初は段階的に行い、少しずつ効果が出始めたら予算を増やしてスケールアップすることがポイントです。

 

アナログ販促と組み合わせる

デジタル販促の効果をより高めるには、アナログ販促と組み合わせることが効果的です。デジタル販促はターゲティングや効果測定などのデータ分析が強みですが、インターネットをあまり使わない層や、信頼性の面ではアナログ販促が有効なことも。デジタルとアナログを補完し合うことで効果を高めやすくなります。

例えばイベントを実施する上で、開催地周辺の人にはポスターで告知し、若年層に向けてSNSで来店を促進するキャンペーンをし双方の施策を組み合わせると、幅広い年代層の人が集まりやすい傾向に。イベント会場では参加者と直接交流でき、ブランドのファン化につながることも。イベント後、参加者にデジタルクーポンを送ればさらにエンゲージメントを高められるでしょう。

デジタル販促でできることとアナログ販促の強みを組み合わせて活用するのが重要です。

 

まとめ

デジタル販促は、リアルタイムでターゲットを細かく絞り込んだ上で情報提供できるのが強みで、運用データをもとに効果測定も簡単に行えます。デジタル販促を取り入れつつアナログ販促を組み合わせて、適切な戦略を考えていきましょう。

 


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