エモ消費とは? Z世代の心を動かすポイントや消費行動の変遷を解説

更新日:2025年04月04日(金)

消費行動は時代とともに変化し、市場に大きな影響を与えます。東日本大震災やコロナを経て、消費者はこれまでとは異なる価値観を持つようになったと考えられています。

今回は「エモ消費」について取り上げ、概要や消費行動の変遷について詳しく紹介。また「エモ消費」の特徴をふまえたマーケティングのポイントについても解説していきます。

エモ消費とは

まずは「エモい」の意味と、エモ消費について解説します。

 

「エモい」とは

「エモい」とは、心が揺さぶられたり、感情が高まったりしている状態を表す形容詞です。「emotional(エモーショナル)」を語源としており、に響いた時深く感動した時など、言葉では言い表せない“特別な感情”を表現する際に使われるようになりました。

「エモい」という言葉は『三省堂 辞書を編む人が選ぶ「今年の新語2016」』に入選したことをきっかけに、広く知られるようになりました。2016年以前も一部で使われていましたが、同賞により多くの人々に認知され、Z世代を中心に感情の共有に欠かせない表現となっています。

 

エモ消費とは

エモ消費は、コラムニストの荒川和久氏が提唱した概念で、「理屈では説明できないが、心のままに突き動かされてしまう消費」のことを指します(出典:エモ消費『好き』が『しあわせ』を拡散する)。商品・サービスに対して、「楽しい」、「ワクワクする」などといったポジティブな感情が購買動機になり購入後の精神的満足度も重視されているようです。

Z世代の特徴は?

エモ消費の中心にいるZ世代は、他の世代とは異なる価値観を持っていると考えられています。彼らの特徴と、次世代にあたるα(アルファ)世代についても合わせてチェックしましょう! 

参考記事:Z世代、α世代「α(アルファ)世代」の特徴とは? Z世代との違いや価値観を徹底解説

 

エモ消費の具体例

エモ消費に共通するのは「楽しい」、「ワクワクする」、「なつかしい」などといったポジティブな感情を起点に消費が生まれるところ。消費を通じて、仲間と共感しあったり、精神的な満足に結びついているのが特徴です。

SNSで話題のスイーツを食べに行く

話題のスイーツを食べ、自らもSNSで発信する

 

推し(アイドルやアーティスト、アニメキャラなど)の誕生日を祝う

推しのイメージカラーの服を着たり、小物を身に着ける。
仲間で集まり、豪華な装飾をしたり、ケーキや推しの好きな食べ物などを食べる。

 

・フィルムカメラ、昔のデジタルカメラで撮影する

あえて手間のかかるフィルムカメラで撮影し、自分で現像する
昔のデジタルカメラで画質を落とし、雰囲気のある写真を撮る

 

・古着を着る

リバイバルファッションとして着こなす
一点ものの古着を着て、独自のオシャレをする

 

エモ消費の重要性

続いては、エモ消費が重要視されている理由を理解しましょう。

 

エモ消費が注目される理由

エモ消費は2010年以降に見られるZ世代を中心とした消費行動と考えられています。

購入前の情報収集

エモ消費の起点とされる2010年代以降はモノが大量にあふれ、Web上で簡単に口コミなどの情報収集が可能になり、自分に合うものを見つけやすくなったことが背景にあります。そのため商品・サービスを選ぶ上で、事前に情報収集することが日常になりました。

そのような状況の中、消費者は価格や機能性、ブランド自体には魅力を感じにくくなり、商品・サービスの背景にあるストーリーや価値観などを重視して、共感できるものを選ぶ傾向に。そのため消費者から共感を得ることが購買につながると考えられています。

SNSでの影響力

また、エモ消費が広がる背景にはSNSの普及も関係しています。SNSを通じて、共通の趣味や価値観を持った人と簡単につながることができるようになり、好きなものに没頭することに幸せを感じやすくなっています。Z世代は高い情報発信力を持ち、市場への影響も大きいことからも注目されています。

 

エモ消費と消費行動の変遷

1970年代以降の消費行動の変遷

エモ消費と消費行動の変遷

1970年頃の「モノ消費」から2020年頃の「ヒト消費」まで、消費行動の変遷を一覧でまとめました。時代や社会的背景によって人々の価値観も変わり、消費行動も変化していきます。これらの消費行動の変遷を把握しましょう。

 

「モノ消費」1970年頃~1990年頃

モノ消費

モノ消費とは、商品・サービスを購入し、所有することを重視する消費行動を指します。1970年代から80年代にかけての消費傾向で、商品・サービスそのものに魅力を感じ、人より新しいものや特別なものを所有したいと思う傾向です

1950年代半ば以降の高度経済成長期により、生活必需品をそろえることから始まり、家電製品や自動車など新しくて便利なものを購入し、物質的な豊かさを求める動きが広がりました。そこから高級品やハイブランドなど、ステータスを満足させる精神的な消費に変化していきます。

合わせてチェック!

時代に沿った消費行動を見ていく上で、各世代の特徴も把握しておくことが大切です。団塊の世代からα(アルファ)世代まで、おさえておくべきポイントを詳しくまとめています!

参考記事:【各世代の特徴一覧】価値観の違いや効果的なマーケティング方法を比較

 

「コト消費」1990年代後半頃~2000年代頃

コト消費

コト消費とは、どこかに行く・何かをするなど「体験」に価値を見出す消費行動を指します。1990 年代後半から2000年代にかけての消費傾向で、非日常の体験が重視されているのが特徴です。

1990年代初頭のバブル崩壊後、日本は長引く不況に突入し、モノに対する執着が薄れる一方で「体験」に価値を見出す人々が増加しました。海外旅行や国内観光、スポーツジム、料理教室、ヨガやマッサージなどのリラクゼーションサービス、さらにはテーマパークやフェスなどの体験型レジャーが人気を集めるようになりました。

当時は就職氷河期とも重なり、少しでも良い企業に就職するためのスキルアップが求められ、資格取得やビジネススクール、英会話スクールなどの学びに投資する人も増えました。こうした流れの中で、コト消費はさらに活発化し、経験を積むこと自体が価値を持つという考え方が定着しました。

 

「トキ消費」2010年頃~

トキ消費

トキ消費とは、「その時」「その場」でしか味わえない特別な体験を楽しむ消費行動を指します。2010年以降にみられる消費行動の1つとされ、博報堂生活総合研究所が提唱しました。

具体的には、野外フェスやコラボイベント、オリンピックやスポーツ観戦、ハロウィン仮装イベントなどが該当します。

SNSの普及により、個人的な体験が数多く共有される中で「その場の感動や熱狂を共有したい」、「自慢できる特別な体験をしたい」という欲求が強まったことも、トキ消費が加速した要因でしょう。

 

「イミ消費」時代:2010年頃~

イミ消費

イミ消費とは、商品・サービスの機能面だけではなく、社会貢献や文化的価値などを重視する消費行動を指します。この概念は、ホットペッパーグルメ外食総研エヴァンジェリストの竹田クニ氏が提唱し、2011年の東日本大震災以降、傾向が強まっていると考えられています。

具体的には、フェアトレード商品やふるさと納税、クラウドファンディングなどが該当します。「この商品は環境に優しいか?」、「自分が購入することで社会貢献につながるか?」、「このブランドの理念や活動に共感できるか?」などの付加価値により、商品を選ぶことが該当します。

商品やサービスを購入することで、自分自身だけでなく、他者や社会、未来によい影響を与えることに意義を見出しているのが特徴です。

 

「エモ消費」時代:2020年頃~

エモ消費

先述しましたが、コラムニストの荒川和久氏が提唱した概念で、「理屈では説明できないが、心のままに突き動かされてしまう消費」のことを指します。2020年頃からの消費行動と考えられています。

エモ消費をわかりやすく説明すると、自分の好きなモノ・コトにお金や時間をかけ、幸せを感じるこです。モノを所有することが目的ではなく、モノを通じて自分らしさ(自身の価値観)を表現し、感情が豊かになることにも重点を置いています。

 

「ヒト消費」時代:2020年頃~

ヒト消費

ヒト消費とは、「人」の持つ魅力やストーリーに価値を見出す消費行動を指します。単なる商品・サービスの購入ではなく「特定の人物を応援したい」、「特定の人物と関わりを持ちたい」という気持ちが消費行動につながるのが特徴です。

具体的には、推しが愛用する商品の購入や応援するためのグッズ購入、聖地巡礼(好きな作品にまつわる場所への観光)、ライバーへの投げ銭などが該当します。

2020年代からのコロナ禍では、対面でのイベントや直接の交流が制限される状況を経験しました。その結果、「誰と一緒に、どのように楽しむか」という要素が重要視されるようになり、ヒト消費が注目を浴びるようになりました。

Z世代のお金の使い道は?

マイナビのマーケティング・広報ラボでは、Z世代の大学生を対象にお金事情についてアンケート調査を実施。お金を稼ぐ方法や目的、使い道などを調べ、何にお金をかけているのか詳しく分析しました。

参考記事:一人暮らし大学生のお金事情を調査! 働き方や生活・趣味にかけるお金の内訳など詳しく解説

 

エモ消費の特徴とマーケティング戦略ポイント5つ

エモ消費を押さえた上で、どのようなマーケティング戦略を考えていけばいいのでしょうか。ここではZ世代の特徴とともに戦略ポイントを紹介します。

 

1.ビジュアル重視

デジタルネイティブでSNSも使いこなすZ世代には、商品などのビジュアルも大切な要素の一つです。

Z世代は自己表現の一部としてSNSでの発信をしている傾向がありますし、“SNS映え”を意識したビジュアルや魅力的なコンテンツは共感が集まりやすくなります。SNSで最新のトレンドや人気のコンテンツを分析し、参考にするのも一つの方法です。

合わせてチェック!

“SNSネイティブ”とも言われるZ世代は、SNSの活用や使い分けのスキルも高いのが特徴。主要SNSの利用率や利用時間から消費行動まで詳しくまとめています。

参考記事:Z世代のSNS利用率は? 情報収集・使い分けの特徴も徹底解説

 

2.自己表現

エモ消費では、商品・サービスを購入・所有することで自分の感情や価値観を表現し、自己表現の一部としても捉えているのが特徴です。そのため、アレンジを加えたり自分らしさを出せるような要素を組み込むことも大切です。

例えば、ドリンクに好みのトッピングを加えてオリジナルドリンクに仕上げることができたり、色や素材を選んでオリジナルのスニーカーを作れるサービスなどがあげられます。自分の好みに合わせてカスタマイズできることが自己表現になり、満足度を高めます。

 

3.ブランドストーリーや理念

企業の理念やブランドストーリーを伝え、消費者からの共感を得ることも大切です。

例えば商品開発のきっかけや開発者の想い、商品づくりへの理念やこだわりなど「なぜこの商品が生まれたのか?」、「商品が誕生するまでどのような苦労をしたのか?」という背景をしっかりと説明することで、消費者の共感や感動を得やすくなります。

他社との差別化や企業への好感にもつながるため、印象に残るブランドストーリーを発信しましょう。

 

4.パーソナライズされた情報

パーソナライズされた情報は、消費者の心に響きやすく有効でしょう。

例えば、誕生日に特別限定クーポンを送ったり、購入履歴に基づくおすすめアイテムの紹介、商品購入後に見れる限定コンテンツなどがおすすめです。ユーザーの興味関心や過去の行動に合うパーソナライズされたコンテンツは関心も高く、満足感も得られやすいでしょう。

 

5.体験型アプローチ

エモ消費への戦略として、体験型アプローチも欠かせません。実際に体験をすることで、消費者の感情が動きやすく、強い印象を残すことができるでしょう。

例えばカフェで飲む一杯のコーヒーでも、店員さんがコーヒーの豆を挽き、丁寧にドリップしている過程が見える「体験型」の方が、購入後の満足度は高められるでしょう。ポジティブな体験をすることで、リピートにもつながりやすく、企業への好感や信頼も得やすくなるのがメリットです。

 

まとめ

エモ消費とは、感情的な高まりや精神的満足度を重視した消費行動のことを指します。商品・サービスに対して消費者にどのように共感してもらうかが重要で、SNSの普及からもエモ消費の影響が広がってきています。今回紹介したポイントを参考に、マーケティング戦略を考えましょう。

 


Z世代の認知拡大に! マイナビのキョーソウPROJECT

キョーソウPROJECT

マイナビのキョーソウPROJECTは、Z世代の認知拡大・新規顧客化を狙いとしたプロモーション施策です。企業からの課題に対し、Z世代のメンバーがアイデアを提案、企画書として仕上げます。

プロジェクトを通して、企業の理念や商品・サービスに込められた思いを伝えることも可能。Z世代のリアルな声を反映できる新しいプロモーション施策です。

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【マイナビ】マーケティング・広報ラボ
みなさんのライフステージに合わせた5つのメディア運営を行っています。 ナビゲーターのマイナビベアが、消費者調査からサービス紹介まで最新情報を配信。 また、今すぐ使えるインサイトデータからお得なセールス情報まで マーケター・広報のための最新情報をお知らせしていきます。

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