インスタグラムのUGCとは? 効果や増やす方法、事例を徹底解説

更新日:2025年02月20日(木)

Instagramは写真や動画を共有して楽しむSNSですが、企業と消費者をつなぐマーケティングツールとしても活用されています。その中でも、重要視されているのが「UGC」です。

今回はInstagramのUGCを取り上げ、UGCの重要性や効果、集める手順まで詳しく紹介。またUGCを増やす方法やポイント、具体的な活用事例も解説します。マーケティング強化する際に、参考にしてみてください。

インスタグラムのUGCとは

インスタグラムのUGCとは? 効果や増やす方法、事例を徹底解説

InstagramのUGC

UGC(User Generated Content)とは、「ユーザーが自ら、商品・サービスなどに関して投稿したコンテンツ」のことを指します。商品の写真レビュー口コミなどが該当し、商品の紹介や活用方法、実際に使ってみた感想・意見が含まれます。

Instagramでは、フィード投稿、リール動画、ストーリーズなど、写真や動画で、さまざまなUGCが投稿されています。UGCを見て、かわいいバッグに一目ぼれしたり、便利なアイテムに興味を持ったりなどと「私も欲しい!」、「使ってみたい!」と感じ、消費につながりやすいのが特徴です。

Instagramは、ファッションやグルメ、インテリアなどライフスタイル系の情報が好まれる傾向他のSNSと比較すると、独自のオシャレな世界観が反映されたUGCで、商品の魅力が伝わりやすいのもメリットです。

 

InstagramのUGCが重要な背景

SNSの普及により、消費者の購買行動モデル「VISAS」へ変化していると考えられています。

SNS普及後の購買行動モデル「VISAS」

SNS普及後の購買行動モデル「VISAS」

まずは、購買行動モデル「VISAS」を詳しく解説していきます。

購買行動モデル「VISAS」

Viral(口コミ)          :商品購入者が口コミ(レビュー)を発信する

Influence(影響)   :口コミ情報から、商品・サービスに興味を持つ

Sympathy(共感)    : 共感が生まれる

Action(行動)             : 商品・サービスを購入する

Share(共有)              : 商品・サービスの口コミ(レビュー)を共有する

購買モデル「VISAS」で注目すべき点は、口コミが起点になっていることです。消費者は、まず口コミで商品の存在を知り、影響を受けます。そこから共感が生まれ、購入に結びついています。さらに購入したものを自らも口コミを発信しシェアしています。

 

従来の購買行動モデル「AIDMA」「AISAS」との違い

従来の購買行動モデル「AIDMA」や「AISAS」は、まず【Attention(注意)】から始まり、広告などを通して商品・サービスが【認知】されることが起点となります。その後【Interest(興味)】を持って、消費へとつながる流れでした。

一方で、SNS時代の購買モデル「VISAS」は、口コミが起点になっているのが大きな違いです。他のユーザーの口コミを参考にして商品の購入を検討し始める人が多く、自らも購入後に口コミを発信するのが特徴。UGCは循環して、拡散していくと考えられています。

 

合わせてチェック!

購買行動モデル「VISAS」をもとにした、Instagramマーケティングの主な5つの手法を徹底解説!  戦略や成功ポイント、事例など、知っておきたい基本情報を網羅しています。

参考記事:【2024年】Instagramマーケティングの最新戦略とは? 成功事例と実施の流れを解説

 

InstagramのUGCの効果

InstagramのUGCの効果

InstagramのUGCには、主に3つの効果が得られると考えられています。詳しく見ていきましょう。

 

幅広いユーザーへリーチ

Instagramの投稿は、基本的にフォロワーにしか届きません。通常、企業が商品・サービスの認知を上げるためには、企業のアカウントをフォローしてもらう必要があります。

一方でUGCは、あらゆるユーザー層から作られる可能性があり、投稿したユーザーのフォロワーにリーチし、その先のフォロワーへリーチすることも。企業アカウントのフォロワー以外や、想定外の新規層にも情報を広められるのが利点です。

またユーザーとフォロワーには共通の興味があり、属性も近い傾向なので購入につながりやすいでしょう。エンゲージメントの高い投稿は、アルゴリズムによって拡散されやすいため、さらに幅広いユーザーへとリーチしやすくなります。

 

商品への還元

UGCは、特定の商品・サービスに対して、ユーザーからのリアルな意見や要望が反映されており、企業が想定していなかった活用アイディア消費者の潜在ニーズを発見できます。一方で「この部分が使いづらい」、「効果は感じなかった」などといったネガティブな意見も、商品の改良に役立ちます。

UGCを分析すればユーザーへの理解が深まりますし、商品開発する上でも消費者の本音を自然に集めることができ、アイディアとして活用できるでしょう。

 

情報の信用度・親近感

UGCはユーザーが自らの意志で情報発信しているため、通常の広告よりも親近感があり、信用されやすいのが特徴。商品の購入を検討しているユーザーにとっても、“実際に買った人のリアルな意見が見れる”UGCを参考にしたいと考えているでしょう。

商品を購入する際、「口コミが良い」のも購入理由の一つになりますし、「自分もこんな風に使ってみたい」と買った後の活用イメージが湧きやすいのもUGCのメリット。 このようなUGCの利点を活かして、企業のホームページに掲載したり、広告のクリエイティブとして使用するのも効果的です。

信用して見ているSNS投稿は?

マイナビ マーケティング・広報ラボ「情報収集についてのアンケート」

マイナビ マーケティング・広報ラボ「情報収集についてのアンケート」より:18-20歳の学生/n=160件/2023年11月22日~2023年12月31日

 

マイナビのマーケティング広報ラボでは、新大学生を対象に、SNSでの情報収集の仕方を調査! X(Twitter )では、美容情報の信頼度が高く、一般人の投稿も約3割が信用して見ていることがわかりました。そのほか、SNSを使う時間やアカウントの使い分けについても詳しく調べています。

参考記事:SNS上での情報収集と広告に対する感じ方~新大学生編~

 

インスタグラムのUGC生成を促す手順

では実際にInstagramのUGCが生成されるには、どのような手順で進めればよいのでしょうか。4つのステップで紹介します。

インスタグラムのUGC生成を促す手順

1.アカウントを作りこむ

まずは、Instagramのビジネスアカウントを作成します。ターゲットを設定し、色調やフォントなどトンマナを統一して、ブランドの世界観を魅力的に構築しましょう。UGCは循環して拡散していくためフォロワー数が増えると、UGCが増える可能性も上がりますアカウント開設後は、フォロワー数も増やしていくのが重要です。

ユーザーからのコメントに返信したり、普段から積極的にコミュニケーションを取りフォロワーを地道に増やしていきましょう。

 

2.オリジナルのハッシュタグを作成

次にユーザーがUGCを投稿しやすくするために、オリジナルのハッシュタグを作成します。ランド名や商品名が含まれており、シンプルで覚えやすいハッシュタグであることが重要です。また考案したら、同じハッシュタグが使われていないか必ず確認しましょう。

指定のハッシュタグを付けて投稿した人にプレゼントをするなど、キャンペーンを絡めるのも、UGCを促す上でおすすめです。

 

3. ユーザーの投稿を探す

商品名や企業名のハッシュタグ、もしくはオリジナルのハッシュタグを定期的に検索して、UGCを探しましょう。また商品名や企業名以外で、関連するハッシュタグが付けられている可能性もあります。企業アカウントにいいねやコメントをしてくれるユーザーの投稿を確認すると、UGCが見つかる場合もあるので、チェックしましょう。

 

4.UGC掲載の可否を確認

UGCを見つけたら、リポストしてよいかどうか、投稿者に承諾を得ましょう。UGCの著作権は、基本的に投稿者のため、UGCを使用する場合は必ず許可を取ってください。また、UGCを利用する場合は、クレジットを付けるなど引用元を記載します。UGCの画像や文章などの改変はNGで、誠実な対応を心がけましょう。

 

インスタグラムのUGCを増やす施策4つ

インスタグラムのUGCを増やす施策4つ

UGCを見つけられたら、増やす機会を作りましょう。施策を4つ紹介します。

 

リポスト

リポストは、自身のアカウントで、他のユーザーが投稿したコンテンツを再投稿することです。特定の投稿に共感・同意している時や、情報を広めたい時に使われる機能です。リポストは、ユーザーからは親近感がわき、コミュニケーションも活性化します。

また企業アカウント内で、ユーザーからの投稿(UGCをリポストする旨を表記して、投稿を募るのもおすすめです。リポストされることで、投稿者も自身のアカウントが幅広くリーチされるメリットがあります。先述した通り、リポストする場合は、事前に投稿者への許可をとりましょう。

 

イベント

イベントを開催してUGCを増やす方法もあります。イベント参加者が「情報をシェアしたい」と思う、プレミアムな体験を提供することが大切です。

例えば、現地でのリアルイベントの場合、写真映えするフォトブースを設置し、「#イベント名」など指定のハッシュタグを付けて投稿するようにPRしたり、フォトコンテストを開催して投稿を盛り上げるのも一つの手です。

 

ユーザー参加型キャンペーン

アカウント開設後の初期は、ユーザーが気軽に参加できるキャンペーンを実施しましょう。アカウントのフォローやいいねだけで参加できるものや、「#企業名_キャンペーン」や「#企業名_チャレンジ」など、オリジナルハッシュタグを付けた投稿を促せば、UGCが集まりやすくなります。

またコストはかかりますが、サンプリングキャンペーンも効果的。ユーザーは気になる商品を実際に試すことができますし、企業側は実際に商品を使った直後のUGCを集めることができるため、リアルタイムで有益な情報が得られ、情報拡散も見込めます。

主要SNSの使い分け方は?

SNSのキャンペーンはユーザーも参加しやすく、応募を集めやすいのがメリット。SNSごとに年齢層や特徴があるため、ターゲットに合わせて使い分けるのが成功の秘訣です。主要SNSの年齢層や最新の傾向について詳しくまとめています。

参考記事:【2024年版】主要SNSの年齢層を比較! 利用率や特徴、最新の傾向は?

 

インフルエンサー

インフルエンサーは、フォロワーからの信用が厚く、購買への影響力も大きいのがメリット。インフルエンサーに商品をPRしてもらうのも効果的ですし、コラボ商品の発売は、注目度も増し購買にもつながりやすい傾向です。

インフルエンサーを起用する場合は、彼らの個性を活かしたクリエイティブを尊重することが大切です。コアなファンが彼らのコンテンツに共感したり、模倣することでUGCも増えやすくなり、拡散が見込めます。インフルエンサーに長期間PRを依頼したい場合は、ブランドアンバサダーとして任命するのも有効です。

インフルエンサーに仕事を依頼するときは、投稿に必ず【PR表記】が必要になるので注意しましょう。

 

インスタグラムのUGCの活用事例

最後に、InstagramのUGCの活用事例4つを参考に、戦略ポイントをおさえましょう。

 

「日の出自炊部」:サンプリング×UGC

出典:日の出みりん公式Instagram


出典:日の出みりん公式Instagram

出典:日の出みりん公式Instagram

日の出みりんは、公式Instagramにて「日の出自炊部」を立ち上げ、料理好きな人をメンバーに招待しました。オリジナルレシピと日の出調味料のセットをプレゼントし、料理が楽しめる機会を創出。オリジナルレシピや商品を使って料理を作ってもらい、料理の写真をInstagramに投稿するよう呼びかけました。

独自のハッシュタグ「#日の出自炊部 〇期生」のもとに、調理風景やアレンジを加えた料理、こだわりの盛り付け写真など、多くのUGCが集まりました。メンバー内での交流が盛り上がり、エンゲージメントも向上。実際に商品を使う機会を提供したことで、ブランドのファン化にもつながりました。

詳しくチェック!

マイナビのマーケティング・広報ラボでは、キング醸造の「日の出自炊部」Instagram施策について、より詳しく記事でまとめています。参加者のリアルな声や成功ポイントをチェックしましょう。

参考記事:Instagramでファン化・コミュニティ形成×キング醸造

 

カルビーフルグラ:キャンペーン×UGC

出典:カルビーフルグラ公式Instagram

出典:カルビーフルグラ公式Instagram

カルビーのザクザク食感のグラノーラ「フルグラ」では、Instagramの公式アカウントにて定期的にキャンペーンを開催して、UGCを増やしています。

「#私のフルグラの大正解」のハッシュタグキャンペーンでは、フルグラのおすすめの食べ方について投稿を募集しました。賞も用意されたコンテスト形式で、抽選でプレゼントが当たる特典。フルグラを使った色とりどりのメニューや、子どもが笑顔で食べている様子など、さまざまなUGCが作られ、見ているだけでも楽しく役立つコンテンツが集まりました

既存のファンだけでなく、新規層にもフルグラのアレンジの仕方が魅力的に伝わり、購買促進にもつながっています。

 

Canon「EOS M」:リポスト×UGC

canon eosm公式Instagram

出典:canon eosm公式Instagram

Canonのミラーレスカメラ「EOS M」シリーズは、快速・快適・高画質で、手軽に美しい写真を撮影できるのが特徴。Instagramの公式アカウントでは、同カメラで撮影した写真を「オリジナルハッシュタグ+機材名」で募集し、UGCで運用しています。

UGCを用いた投稿には、さりげない日常を切り取った写真がメインで掲載されており、親近感が湧きやすく、UGC投稿ハードルも下がるのがメリット。また実際に撮影された写真を見ることができ、カメラの性能の良さをより魅力的に伝えることに成功しています。フォトコンテストも開催され、ファンの支持を得ています。

 

ジョンソンヴィル:模倣したくなる投稿×UGC

出典:ジョンソンヴィル公式Instagram

出典:ジョンソンヴィル公式Instagram

出典:ジョンソンヴィル公式Instagram

ジョンソンヴィルのInstagramの公式アカウントでは、ソーセージを使ったオリジナルレシピを投稿。週末のブランチ、アウトドア、おつまみなど、ニーズに合わせたメニューや、ハロウィンやクリスマスなど季節イベントに合わせた盛り付けアレンジなど、幅広く紹介しています。

オシャレで映えるお手軽メニューが、ユーザーの心をつかみ、公式の投稿を参考に「作ってみた!」と模倣するUGCが増加。ストーリーズでUGCを積極的に紹介したことで、さらにUGCが増えました。ユーザーのニーズに合った模倣したくなる投稿興味喚起させ、UGCを促しています。

 

まとめ

InstagramのUGCは、オシャレな世界観を活かして商品やサービスの魅力が伝わりやすい投稿が多く、ユーザーの興味喚起や購入につながりやすいのがメリットです。今回ご紹介したように、いろんな活用の仕方があるので、ぜひ参考にしてみてください。


マイナビティーンズUGC企画

マイナビティーンズUGC企画

マイナビでは、マイナビティーンズの会員として女子高校生が所属しており、トレンド感の高い彼女たちのリアルな声を集めてプロモーションに活用することができます。

 

また女子高校生に刺さるタレント、インフルエンサー、YouTuberなどのアサインも可能。お気軽にご相談ください。

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