SNSをビジネス活用するには? 選び方から成功のポイントまで解説

更新日:2025年01月30日(木)

SNSは日常のコミュニケーションツールとして、人々の生活に定着しつつあります。今後はビジネス面においても、SNSの活用はさらに重要になるでしょう。

今回は、SNSをビジネス活用する際のメリット・デメリット、成功ポイントを詳しく紹介。SNS選定の方法も解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

SNSの利用者数の推移と予測

日本のソーシャルメディア利用者数の推移および予測

日本のソーシャルメディア利用者数の推移および予測

出典元:総務省『令和6年版 情報通信白書』

総務省のデータによると、国内のソーシャルメディア利用者数は、2019年より増加傾向が続いています。コロナ禍に「家族や友人の近況を知りたい」、「人とつながっていたい」という人が増えたことや、在宅中心の生活により、幅広い年代層でSNSが使われるようになったことが要因でしょう。

また今後のSNS利用者は、1憶580万人(2023年)から、1憶1,360万(2028年)まで増加するとの予測も。SNSがコミュニケーションツールとして定着し、さらにゆるやかな増加が見込まれていることがわかります。

主要SNSのユーザー層は?

幅広い年代層に使われているSNSですが、主要SNSにはそれぞれ特性があり、ユーザー層にも違いがあります。各SNSの年齢層や利用目的なども把握しましょう!

参考記事:【2024年版】主要SNSの年齢層を比較! 利用率や特徴、最新の傾向は?

 

SNSのビジネス活用状況

社外に向けたSNSの活用状況

出典:帝国データバンク「企業におけるSNSのビジネス活用動向アンケート」

出典:帝国データバンク「企業におけるSNSのビジネス活用動向アンケート」

帝国データバンクのアンケート調査によると、SNS上に企業のアカウントを持ち、社外に向けた情報発信(広報・販促)ツールとして「活用している」企業の割合は、約4割でした。

業界別で見ると、個人消費関連の業種小売、飲食店、旅館・ホテル、娯楽サービス、教育サービス)は「活用している」割合が約75%と一番高く、小売業でも約7割サービス業では約半数(約48%)が活用。一般消費者を対象とした「BtoC」企業の多くが、SNSを活用していることがわかりました。

活用しているSNS媒体(複数回答)

出典:帝国データバンク「企業におけるSNSのビジネス活用動向アンケート」

社外に向けたSNS活用の目的(複数回答)

出典:帝国データバンク「企業におけるSNSのビジネス活用動向アンケート」

出典:帝国データバンク『企業におけるSNSのビジネス活用動向アンケート』

SNS活用している企業のうち、実際に使っている媒体(複数回答)を聞いてみると「Instagram」(21.0%)がトップで、「Facebook」(17.4%)「LINE」(16.5%)と続きました。

またSNS活用の目的は、「会社の認知度・知名度の向上」(67.6%)がトップ。次いで、「商品・サービスのプロモーション」(59.2%)、「会社や商品等のイメージの向上」(42.4%)、「顧客とのコミュニケーションの促進」(41.2%)という結果でした。SNS別で利用目的を見ても、「LINE」や「YouTube」以外の媒体はすべて「会社の認知度・知名度の向上」が1位でした。

調査の結果から、SNSをビジネス活用している企業は、「Instagram」で画像や動画などの視覚的コンテンツを使って、会社の認知度を上げるのが主流のようです。

 

SNSビジネス活用のメリット5つ

SNSをビジネス活用するメリットとして、主に5つ紹介します。

メリット

・ブランディング
・認知度向上
・ユーザーとの交流
・UGCの創出
・分析

ブランディング

SNSは企業のブランディングにも活かせます。ブランドの方向性をもとに【ロゴ、メインカラー、サブカラー、フォント、グラフィック】などを決め、投稿コンテンツに統一感を持たせましょう。投稿でブランドイメージを構築しておけば、情報発信する度にブランディング効果を期待できます。

またフォロワーはブランドに興味を持っている潜在層も含まれるので、投稿で定期的に商品の魅力に触れることで、新規顧客につながりやすいのもメリット。既存顧客ともSNS上で長期的な関係性が作りやすいでしょう。

 

認知向上

SNSは幅広い世代の人が利用しており、投稿がシェアされることで自然な形で拡散が可能に。多くのユーザーにアプローチし、企業やブランドの認知向上に期待できます。

コンテンツをバズらせる方法には、チャレンジ企画やキャンペーン、コンテストの実施、影響力のあるインフルエンサーとのコラボレーションなどがあります。SNSの拡散力によって短期間で認知拡大を狙えることも利点です。

ハッシュタグの活用方法

SNSでの拡散を狙うためには、ハッシュタグの活用が重要。Instagramのハッシュタグを付けるメリットや最適な個数、注意すべきポイントなどを詳しく解説します。

参考記事:最適なInstagramハッシュタグの数は? 探し方から付け方まで徹底解説

 

ユーザーとの接点

SNSでは双方間コミュニケーションで、企業とユーザーと接点を持つことができます。顧客と交流を深めれば、商品や企業に対しても好意を持ってもらえるきっかけになるでしょう。人は接触回数の多いものに好意を抱く傾向があるため、SNSを活用してファンやコミュニティを作るのにも向いています。

企業の発言は、さまざまな人が見ているので、投稿への返信コメントなど、誠意をもって対応することが大事です。

 

UGCの活用

UGCとはユーザーにより作られたコンテンツのこと。SNS上に投稿された商品の写真やイラスト、口コミ・商品レビューなどが該当します。

UGCはユーザー目線での商品紹介になるので、企業側が思いつかなかった目新しい活用方法や付加価値などが生まれやすいのがメリット。またユーザーにとって自身と似た家族構成や好みが合う人の意見は参考になりやすく、購買意欲高められます。

 

投稿の分析

主要SNSのビジネスアカウントにはアナリティクス機能があり、インプレッション数、クリック数、フォロワー数、コメント数などをのデータをリアルタイムで閲覧することができます。

つまり「プロモーションの反響はどうだったか?」「どのような投稿の反応が良いのか?」を分析し、反響の多い投稿の共通点や法則を見つけることができます。データ分析して短期間でPDCAを回すことで、より多くのエンゲージメントが獲得しやすいでしょう。

 

SNSビジネス活用のデメリット

デメリット

・炎上リスク
・SNS運用の手間

SNSをビジネス活用する上で、気を付けておくべきデメリットもあります。

 

炎上リスク

SNSには炎上リスクが常にあり、企業の言動がSNS上で物議を醸し、思わぬ形で拡散されることもあるので注意が必要です。

これまでにもSNSの投稿内容やプロモーションの文言、社員の言動など、数々の炎上が起こってきました。企業側の不適切な発言や対応などが問題視され、SNSで拡散されると大きな議論を巻き起こします。対応を間違えれば会社の信頼を失うだけでなく、事業の停止に迫られてしまうほど大きな影響が出ることもあります。

これまでの炎上のケースを理解して、細心の注意を払わなければなりません。SNS運用のルールを作成したり、ーシャルメディアポリシーを策定して備えておきましょう。

 

運用の難しさ

SNS運用を始めてみたものの、日々の投稿ネタが尽きてしまったり、分析の仕方がわからなかったり、思うようにフォロワー数が増えなかったりと、成果に悩むこともあるでしょう。先述した通り、企業とユーザーが直接交流できるのはメリットですが、ユーザーからの質問やメッセージの返信など手間がかかる作業も多々あります。

SNSは運用を継続するのが難しく、労力もかかります。日々の運用が負担になってしまっている場合は、SNS運用代行会社の利用もおすすめします。

マイナビのSNS運用支援

「SNS担当になったけど、何から始めていいかわからない」、「リソースが無くて更新頻度があげられない…」などと、悩みに合わせて運用支援ができます。ブランディングからプロモーションまで幅広くサポートできます。

 資料SNSマーケティング運用支援施策

 

主要SNS 6つのビジネス活用とポイント

SNSをビジネスで活用するためには、それぞれの特性を理解することが重要です。各SNSの特徴とビジネス活用する際のポイントについて解説します。

主要SNS6つのビジネス活用とポイント

 

LINE

国内のSNSユーザー数1位で、約9,700万人(2024年3月末時点)が利用。全世代にユーザーがおり、日常のコミュニケーションに欠かせないツールでしょう。

自社の公式アカウントに登録してくれた「友だち」に対して、プッシュ通知で即時に届けたい情報やクーポンを配信できるのがメリット。LINEは1日に何回も開く人が多いため、メッセージは比較的読まれやすい傾向です。

また連携した顧客管理システム(CRM)を使って、セグメント配信や、メッセージの開封率やリンクのクリック率、クーポンなどの利用率も把握可能。これらのデータを使って、どのような情報を配信すれば喜んでもらえるのか戦略を考え、1to1コミュニケーションが取れることが利点です。

 

YouTube

国内ユーザー数2位の7,120万人(2023年5月時点)が利用する動画共有サービスで、全世界で見ると約25億人の利用者数。幅広い年代層が娯楽や教養として楽しんでいます。

動画のジャンルは多種多様ですが、購入品レポートやレビュー動画なども人気。企業はオフィスツアーや社員インタビュー、商品開発の秘話などを取り上げるのもおすすめです。

動画1本作成するのにはコストも時間もかかりますが、テキストや画像と比較するとユーザーの印象に残りやすいのが特性。動画の視聴数を増やすために、人気YouTuberやインフルエンサーとコラボしたり、広告を出稿するのも一つの手です。定期的に発信することでファン化もしやすいでしょう。

 

X(Twitter)

X(Twitter)はリアルタイムでの情報配信と、拡散性が強みです。140文字以内のつぶやきや最新情報の収集を通じて、コミュニケーションを取り合っています。

X(Twitter)の特性は、RP(リポスト)機能。RP機能によって、他人の投稿も自身のタイムラインに共有することができるため、短期間での拡散性があります。拡散が続くとトレンド入りし、さらに多くの人に見てもらうことができます。

即時性・拡散力が強いことから、ビジネス活用する際には新商品の発売情報やイベントの実況、キャンペーン企画などがおすすめ。投稿を拡散させたい場合は、トレンドのハッシュタグを使用したり、RPキャンペーンを開催したりするのも効果的です。

合わせてチェック!

X(Twitter)の広告は種類も豊富で、活用しやすいのがメリット。選び方や成功させるためのポイント、注意点など、詳しく解説しています。

参考記事:X(Twitter)広告の出し方は? 種類と選び方、設定方法まで詳しく紹介

 

Instagram

Instagramは画像や動画を使って、製品やサービスの魅力を直感的に伝えることができるのが特徴。ビジュアル重視のオシャレな世界観で、女性ユーザーに人気の傾向です。

Instagramでは、画像だけでなく、リール投稿やストーリーズ、ライブ配信など、さまざまなコンテンツを投稿可能です。

ユーザーはハッシュタグ検索で欲しい情報を探すため、ハッシュタグの付け方や人気のタグの活用など、戦略を立てるのが大切です。また購入につながりやすい点も強みで、インフルエンサーを活用した購入促進も有効です。

 

Facebook

実名登録制のため、情報の信頼度が高く、他のSNSと比較して炎上しにくいのが特性です。

Facebookの投稿は画像と文章がメインで、グループ機能を使えばコミュニティを作ることもできます。グループ内の公開範囲は自由に選べ、ファイルや写真などの共有も可能。会員サイトのように、限定イベントを実施したり、特別なお得情報を配信したりするのもおすすめです。

広告はターゲティングオプションが豊富で、属性に基づいて配信できるため、適切なターゲット層にアプローチできます。

 

TikTok

若年層に人気のショート動画系SNS。ユーザーはスクロール画面から偶然流れてきた動画で情報収集するが大きな特徴で、高いバイラル効果をもっています。

TikTokでは撮影から編集、投稿までアプリで行え、誰でもクオリティの高い動画を簡単に作れます。トレンド性が強いため、TikTok内で流行の音楽気のチャレンジ企画ンフルエンサーやTikTokerとのコラボによって、短期間で高いエンゲージメントを生み出せるでしょう。

インフィード広告や、ブランデッドハッシュタグチャレンジなど、ユーザーが自然にコンテンツに触れる形式の広告が好まれます。

 

SNSビジネス活用の成功ポイント6つ

SNSをビジネス活用して成果を出すためのポイントは6つあります。知識として入れておきましょう。

 

1.インフルエンサーとのコラボ

インフルエンサーは魅力的な情報発信を得意とし、フォロワーからの信頼や消費への影響力も大きいのが特徴。インフルエンサーに商品レビューやコラボ商品を依頼すれば、ターゲット層に対して効果的にアプローチでき、認知拡大や販売促進の効果が狙えます。

インフルエンサーとのコラボをする際は、広告であることを隠すステルスマーケティングにならないように気をつけましょう。

 

2.ユーザーとのコミュニケーション

SNSでは、ユーザーとのコミュニケーションを楽しみましょう。企業とユーザーが直接コミュニケーションを取れるのはSNSのメリットですし、「いいね」やメッセージのやり取りなどで認知され、親近感や信用も生まれます。

ユーザーとの関係性を築くことで、投稿にも反応してもらいやすくなり、エンゲージメントも高められます。商品への意見やコメントなどももらえるようになれば、新商品の開発にも活かせるでしょう。

SNSのアルゴリズムにより、ユーザーからの反応があるコンテンツが優先表示される傾向。エンゲージメントを高めるためにも、ユーザーとのコミュニケーションを積極的に取りましょう。

 

3.一貫したブランドメッセージ

ブランディング効果や認知拡大を狙いたい場合は、一貫したブランドメッセージを発信し続けましょう。ブランドコンセプトをもとに【ロゴ、メインカラー、サブカラー、フォント、グラフィック】などを決めて、統一感のある投稿をしましょう。

SNS上には大量の情報があふれているため、投稿ごとにイメージが変わると、認知されづらくなることも。一貫したブランディングをすることで、認知されやすくなりファン化にもつながります。

 

4.明確なターゲット設定

SNSを運用する際は、必ずターゲットを設定した上でコンテンツを配信するのが重要です。ターゲットを定めるときは、「ペルソナ」を細かく設定しましょう。

ペルソナとは、年齢・性別・家族構成・趣味・ライフスタイルなど、顧客プロファイルのことを指します。ペルソナを作成しておくと「どのような情報を好むか?」、「どのようなクリエイティブに興味を示すか?」が押さえられて、エンゲージメントが高められやすくなります。投稿への反応を見ながら、「ペルソナ」を微調整していくのも有効です。

 

5.データ・競合分析

SNSはリアルタイムで、データを分析して改善することが大切です。アナリティクス機能を見れば、インプレッション数・クリック数・フォロワー獲得数・コメント数などが把握可能。データ分析をすることで、投稿内容や投稿タイミングなど改善できます。

また、競合分析することも重要です。競合他社の配信日時や頻度、人気投稿の内容を分析し、運用の参考にしましょう。

有名SNSもチェック!

SNSは複数組み合わせて活用することで、異なるターゲットにアプローチしたり、効果をさらに高めることもできます。主要SNSのほか、チェックしておきたい有名SNSを詳しく紹介しています。

参考記事:【2024年版 有名SNS一覧】17種類の特長と使い分け方を紹介

 

6.シェアしたくなるコンテンツ

SNSで成果を得るためには、ユーザーがシェアしたくなるコンテンツづくりも欠かせません広告配信するよりも効果的に投稿を拡散することができます。

ユーザーがシェアしたくなるのは、トレンド感のある話題のコンテンツ、日常生活に役立つライフハック系コンテンツ、かわいい・面白い・感動系などの共感コンテンツ、自己表現につながるコンテンツなど心理的に働きかける必要があります。見ていてポジティブな内容になるようにしましょう。

 

まとめ

SNSの利用者は増え続け、今後もゆるやかに増加していくと予想されています。各SNSの特性やビジネス活用のポイントを把握して、ビジネスアカウントを作成してみましょう。運用の手間や投稿内容に悩んだら、運用代行を利用するのもおすすめです。


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この記事を書いた人
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みなさんのライフステージに合わせた5つのメディア運営を行っています。

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