Z世代、何が変わって何が変わらなかった?——マイナビトレンドランキング11年分から見えたリアル│「感情」が動くマーケティング

更新日:2026年02月04日(水)

“モノが売れる理由”は、価格や機能だけじゃない。心が動く瞬間にこそ、消費の本質があります。
この連載では、日常のなかのちょっと気になるトレンドをテーマに、マーケターの視点からその背景やヒントを紐解いていきます。

登場マーケターのプロフィール

    

中西 舞(なかにし・まい)|株式会社マイナビ

 

コンテンツメディア事業本部 マーケティング部ディレクター。
大学生向けメディア『学生の窓口』の立ち上げに関わり、デジタル・アパレル・金融・食品・医薬化粧品など多様な業界の広告企画を担当。
現在は大学生をはじめとしたZ世代向け案件を中心に、年間約200件以上のプランニングおよび営業同行を行う。

桑野 好絵(くわの・このえ)|株式会社マイナビ

 

2007年マイナビ入社。
女性向けメディアや若年層トレンド領域に従事し、現在は『マイナビニュース』『マイナビウーマン』などの広告企画を担当。
Z世代に特化した調査チーム「マイナビティーンズラボ」のプランニングやデータ解説、企業向けの講演も行う。
高校1年生の息子を育てる母として、「調査データ」と「リアルな声」の両面から若者インサイトを掘り下げている。

 

インスタ映えからTikTok、そして“共体験”へ

桑野

「トレンドランキング」も気づけば11年目。
振り返ると、Z世代って“手段”や“表現”はどんどん進化してるけど、根底の価値観って意外とブレてないよね。

中西

そうですね。2015年あたりは完全に「インスタ映え全盛期」。
カフェで花かんむり、タピオカ、スイーツ…“盛る”ことが全てでした。

桑野

あの頃は「自分をどうキレイに見せるか」がテーマだった。
でも2019年頃からTikTokの影響で一気に変わったよね。 「静止画の映え」から「短尺動画での表現」へ 

中西

今ではTikTokが単なる動画投稿アプリじゃなくて、「トレンドの発信源」ですからね。
新しいアーティストやキャラも、まずTikTokでバズってから話題になる。

女子高生の発信源=TikTok。バズは縦動画から生まれる時代へ。

「界隈」はさらに細分化し、界隈仲間の絆もさらに強固なものに。

桑野

あともうひとつの大きな変化は “界隈”の細分化。 昔は「K-POP好き」「原宿系」みたいな大きな括りだったけど、今はもっと粒度が細かい。

中西

たしかに。
大学生向けのプランニングでも、「韓国系×Y2Kっぽいけど、性格診断はN型で、メイクはナチュラル」みたいに、 多層的な属性や価値観がセット で語られることが増えました。

桑野

SNSの発達で、同じ価値観の“界隈”を探しやすくなったんだよね。
うちの高校生の息子も、クラスの友達よりX(旧Twitter)でつながる“推し仲間”の方が本音で話してるっぽい。

中西

でも一方で、「変わっていないもの」も明確にありますよね。
たとえば“情報の入り口”は、ずっとSNS。

桑野

そう。
テレビや雑誌より、「たまたまTikTokで流れてきた」ものに興味をもつ構造は、10年前からずっと変わってない。
 偶然性と拡散性が鍵。 

中西

それと“映え”の概念もアップデートされながら、やっぱりしぶとく生き残ってますよね。
昔は静止画でレイアウトを整えるのが命、今は動画の“音ハメ”や“意外性”でバズを狙う。 キラキラしたもの、かわいいものだけがもはや映えじゃない。 

 

アフターコロナで帰ってきた「みんなで一緒に」というマーケット。

桑野

もう一つ見逃せないのが、「共体験」へのシフト。
コロナ禍以降、一人で楽しむものから 「誰かと一緒に盛り上がる」体験型コンテンツ に人気が戻ってきたよね。

中西

そうですね。特に大学生界隈では「ライブ行こう」「推しカフェ行こう」みたいな“リアルな場”への欲求が強くなってる。
自己分析からMBTIブームが来て、自分を知ることからもう一歩世界が広がって、それが “誰と過ごすか” の文脈に進化した印象です。

桑野

言葉にもそれが表れてるよね。最近流行るのは、「一言で共感できる言葉」。
「今日ビジュいいじゃん」なんて、見た瞬間に“仲間だ”って思える。

中西

流行語って文脈より体感が大事。
「なんで流行ったか」はあまり考えられてないですよね。
それこそ以前、桑野さんが高校生の息子さんに「エッホエッホってなんで流行ったの?」って聞いたら、「大人だけだよ、理由気にするの」って返されたって話、印象的だった(笑

桑野

本当にあれが今のリアル。
感覚で拾って、感覚で広める。予測できないからこそ、Z世代のカルチャーって面白いんだよね。

中西

11年分のランキングを振り返ると、「変わるもの」と「変わらないもの」がくっきり見えてくる。
表層はどんどん変わるけど、 “自分らしくありたい”とか“誰かとつながりたい”という根本の欲求は普遍的。 

桑野

その本音の部分を、マイナビとしてこれからも見逃さずにキャッチしていきたいよね。
現場の声、SNSの空気感、そして生活者のリアル。
それをちゃんと拾って、マーケティングに活かしていくのが私たちの使命だと思う。

中西

私たちの仕事柄、結構これから何がZ世代に流行ると思いますか?って聞かれるけど、予測が一番難しい世代ですよね。

桑野

偉そうにペラペラとお話したんですが、よく「これから10代に何が流行るんですか?」と聞かれます。
正直、何が流行るかの未来予想はかなり難しいです。だからこそ、常に女子高生と「会話をすること」を大切にしています。座談会で本音を聞き出すことで、彼女たちの「今」を自分の中でアップデートし続けるしかない。言葉にするのが難しいんだけど、座談会をしていると彼女たちの空気感みたいなのも感じない?あれが実はすごく大事な気がしてる。だから勝手に大人が10代のトレンドを予測するのは実は結構危険なことかもしれない。

中西

本当にそう思います。座談会で盛り上がる話題、逆に盛り上がらない話題とかそういうリアルを感じ取ることが大事ですよね。10代の子たち自身も計画しているわけじゃなくて、ピンときたものを何気なくSNSでシェアして、それが自然に広がるんですよね。
若い子たちは理由を考えず、ただ純粋に楽しんでいるその『感覚』みたいなものを企業はなるべく早くキャッチしたい。

桑野

だから、予想できないからこそ10代の文化は面白い。
彼女たちの自然な楽しみから、次々に新しい流行が生まれては消えたり、形を変えて定番化していったりね。
そこを私たちマイナビは、10代マーケティングの第一走者として、常に彼女たちと話しながらリアルな声をキャッチし、最前線を皆さんにお届けしたいと思っています。

この記事を書いた人
マイナビベアの写真
桑野 好絵(くわの・このえ)|株式会社マイナビ
2007年マイナビ入社。 女性向けメディアや若年層トレンド領域に従事し、現在は『マイナビニュース』『マイナビウーマン』などの広告企画を担当。 Z世代に特化した調査チーム「マイナビティーンズラボ」のプランニングやデータ解説、企業向けの講演も行う。 高校1年生の息子を育てる母として、「調査データ」と「リアルな声」の両面から若者インサイトを掘り下げている。

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