平成女児ブームとは? Z世代もハマる魅力とトレンド傾向を解説

更新日:2025年05月16日(金)

近年、SNSを中心に「平成女児」という言葉が注目を集めています。キャラクターグッズやコラボ商品、キラキラとした小物類など、さまざまなアイテムが女性たちの間でトレンドに。「かわいい」「癒される」などと盛り上がりを見せています。

この記事では、平成女児の定義から注目されている背景、平成女児カルチャーの特徴と魅力、具体的な事例について詳しく解説します。

平成女児とは

まずは「平成女児」という言葉の定義から理解しましょう。

 

平成女児の定義

平成女児とは、平成時代(1989年~2019年)に生まれ育った女性を指す言葉です。具体的には1990年代後半から2000年代初頭に子供時代を過ごした世代が該当し現在20代〜30代のZ世代やミレニアル世代がメイン層と考えられています。

彼女たちは、キャラクターグッズやコラボアイテム、キラキラアクセサリー、シール帳や香りつきの文房具など、平成時代を象徴するアイテムに愛着を持っています。かわいいキャラクターやポップな色使いなど「平成レトロ」の世界観に夢中になるのが特徴で、自己表現の一部としても楽しんでいます。

「平成女児」という言葉はネットスラングから広まりましたが、近年ではブームを牽引するほどの影響力を持っています。

 

平成女児が注目されている背景

令和元年(2019年)頃より、平成時代のアイテムやカルチャーが「平成レトロ」として再評価されるようになりました。Y2Kファッション(2000年頃に流行したファッションスタイル)やセーラームーン、たまごっち、サンリオなどの人気キャラクターグッズがリバイバルし、大きな話題を集めました。

消費の活発化

平成女児ブーム

「平成レトロ」のリバイバルに、ミレニアル世代からは「なつかしい!」、Z世代からは「かわいくて映える!」と大きな共感が生まれ、関連グッズやコンテンツの売れ行きが急増するなど、消費が急成長。2つの世代が交わり、大きな消費を生んでいるのが特徴です。また消費を通じて、癒しや自己表現にもつながっているとされています。

SNSによる市場への影響

また平成女児はSNSでの発信力や拡散力も持っているのが特徴です。「平成女児」の世界観をより魅力的に見せるのに長けており、SNSの投稿が消費行動にも大きな影響を与えています。こうした流れに合わせて、企業側からイベントや復刻コラボ・限定商品の展開も増え、市場は拡大しています。

経済効果を生み出すブームの一つとして、平成女児カルチャーは今後もさらに注目されていくでしょう。

リバイバル消費に注目!

「平成女児」と同様に、おもちゃ業界でもリバイバル消費が活発になっています。「キダルト」と呼ばれる彼らの特徴や、具体的な事例について詳しく紹介しています。

参考記事:玩具市場を牽引する「キダルト」とは? 注目される理由や特徴を解説

 

平成女児カルチャーの4つの特徴 

平成女児カルチャーの4つの特徴

続いては、「平成女児」カルチャーの4つの特徴を見ていきましょう。

 

キャラクター

平成女児カルチャーの核ともいえるのが、当時の子どもたちの心をときめかせたキャラクターの存在です。セーラームーン、たまごっち、サンリオや、アパレルブランド「エンジェルブルー」や「メゾピアノ」など、当時大流行したキャラクターは、今も多くの人の記憶に強く残っています。

ポップでカラフルなデザインのキャラクターは「なつかしい」だけでなく、Z世代からも「新鮮でかわいい」と再評価されており、世代を超えた人気に。またキャラクターアイテムはSNS映えし、共感を得やすいのも魅力。多くの人が気軽にSNS投稿し情報拡散されていくため、新たなブームが生まれやすくなっています。

企業から復刻アイテムやファッション・コスメとのコラボレーショングッズも多数発売されており、キャラクターによるコレクション価値を加えて、購買意欲を強く刺激しています。

10代女子の人気キャラクターは?

マイナビのマーケティング・広報ラボでは、最新のキャラクター人気を徹底調査! 10代女子が今持っているキャラクターグッズや、購入したいと思うコラボ商品のカテゴリ、今年流行りそうなキャラクターについて、最新のトレンドをまとめています。

参考記事:【2025年版】10代女子が選ぶ!人気キャラクターランキング

 

Z世代とミレニアル世代 2つの層

先述した通り、平成女児カルチャーは「Z世代とミレニアル世代」の2つの世代を中心に広がっているのが特徴です。

Z世代は、SNSで映えるアイテムカラフルポップなデザインに惹かれ購入する傾向で、ミレニアル世代は「平成女児」としてリアルな記憶と結びついており「なつかしい」が消費の原動力になっていると考えられています。同じカルチャーを別視点で楽しむ2つの層が存在することで、市場に広がりと深みが生まれています。

 

コラボ・限定・体験

平成女児カルチャーブームの高まりとともに、復刻版やコラボ商品、限定アイテムの展開も活発になっています。化粧品や雑貨、アパレルといった日常的に使えるアイテムがブームの中心に。ポップでカラフルな色使い、キャラクターやブランドロゴを踏襲したデザインは、多くの女性の心を掴んでいます。

コラボ商品はレトロとトレンドがほどよく融合されており、“今っぽさ”もあるため、取り入れやすいのが魅力。また限定販売や体験イベントなどが購買欲を刺激し、今しか手に入らない・体験できないといったレミアム要素がSNSでの話題性も高めています。

企業にとっても、既存ファンの囲い込み新規顧客の開拓ランドイメージの再構築にもつながる重要な施策でしょう。

 

SNSで発信  

平成女児カルチャーは、SNSでの発信を通じて加速度的に広がりを見せています。中でも、人気キャラクターのコラボアイテムや復刻グッズは、InstagramやX(旧Twitter)などでたびたび話題となり多くの反響を生み出しています。

ユーザーの発信意欲は強く、「どのようにかわいく撮るか」、「平成っぽさも取り入れて撮影をしたい」などと、発信すること自体が楽しさを生むエンタメになっている傾向も。「より多くの人に見てもらいたい」「共感を得たい」という気持ちが、イベントへの参加や消費に結びついています。

またSNSでの交流でファンが強く結びつくため、購入後の満足度も格段に高まります。SNSでの盛況が消費行動を生み、現在進行形のトレンドとして支えています。

Z世代のSNS利用の実態

マイナビのマーケティング・広報ラボでは、新大学生を対象にSNSに関する調査を実施。X(Twitter)やInstagram、TikTokなど、どのように使い分けて情報検索しているのか、情報ジャンルや信用して見ているコンテンツの傾向、よく使う機能についても詳しくまとめています。

参考資料:SNS上での情報収集と広告に対する感じ方 ~新大学生編~

 

「平成女児」ブームとして人気を集めた事例6つ

最後に、平成女児ブームを生んだ人気事例について詳しく解説します。

 

ナルミヤインターナショナルのキャラクター

イベント「ニュートロ with ナルミヤキャラクターズ ~ウチらの平成がアプデしてカムバ!?~」

出典:ナルミヤオンライン

ナルミヤインターナショナルが展開する「ANGEL BLUE(エンジェルブルー)」は1989年に誕生し、2000年代前半に小中学生の女の子から圧倒的な支持を集めたアパレルブランド。2010年にはブランドを一時終了したものの、近年インフルエンサーが「エンジェルブルー」を着たコーディネイトを投稿すると人気が再燃。平成アイテムを現代風に着こなすスタイルが人気を集めました。

アパレル人気にとどまらず、文房具や雑貨、小物など多くのコラボ商品も登場し、人気を確立。また2025年にはイベント「ニュートロ with ナルミヤキャラクターズ ~ウチらの平成がアプデしてカムバ!?~」をルミネエスト新宿にて開催すると、平日にもかかわらず整理券が即配布終了となるなど、ブームを裏付けています。

 

クレアボーテ×美少女戦士セーラームーンのコラボコスメ 

クレアボーテ×美少女戦士セーラームーンのコラボコスメ

出典:プレミアムバンダイ

バンダイの化粧品ブランド「クレアボーテ」より、2024年にセーラームーンの限定版フェイスパウダーが発売されました。

「美少女戦士セーラームーン」は1990年代を代表する日本の少女向け漫画・アニメシリーズで、国内外で社会現象を起こした人気作。同ブランドはこれまでもセーラームーンのコスメシリーズを発売してきましたが、スーパーセーラームーンに変身するアイテム「クライシスムーンコンパクト」をモチーフにした商品は初登場。キラキラ輝く羽根つきコンパクトの再現度の高さに、ファンが熱狂しSNSで話題となりました。

さらにコンパクトの魅力だけでなく、フェイスパウダーも本格コスメとして評価されており、人気が加速。なつかしさとときめきを感じる機能性アイテムとして反響を集めました。

 

たまごっち リップ&チーク

たまごっち リップ&チーク

出典:ライフスタイルバンダイ

「たまごっち」は1996年に誕生し、発売当初から爆発的にヒットした“デジタルペット育成玩具”。育て方によってキャラクターが進化し、性格も異なる個性的なキャラクターたちが人気を集めました。

平成リバイバルを牽引した一つが「たまごっち」で、2010年代後半に再ブームがくると、新機種の玩具やスマートフォン向けのアプリ版もリリース。さらにぬいぐるみやTシャツ、文房具、バッグ、がちゃがちゃなどの雑貨類をはじめとして、アニメや映画などと幅広く展開され、ファンを広げていきました。

近年ではコスメも登場し、「たまごっち リップ&チーク」はSNS上で大きな話題に。初代たまごっちをモチーフにしたデザインに「かわいすぎる!」「持っているだけで楽しい気分になれる!」とパケ買いする人が多く、SNSの投稿が拡散され爆発的なヒットとなりました。

 

ハローキティ展

ハローキティ展

出典:ハローキティ展

2024年より、ハローキティ50周年を記念した展覧会「Hello Kitty展 –わたしが変わるとキティも変わる–」が日本各地で開催。同展覧会は「キティとわたし」の50年をテーマに、キティの展示史上最大量のグッズ展示をはじめ、アーティストとのコラボ作品、オリジナル映像コンテンツなどが公開されました。

時代によるキティのデザインの変化や、初期のコラボアイテム、ご当地キティシリーズなど、なつかしいアイテムも勢ぞろいし、SNS映えする魅力的な空間を演出。またオリジナルのフォトスポットや、「もじもじハローキティシリーズ」など多彩な限定グッズも発売され、多くのUGC(ユーザー生成コンテンツ)が拡散されました。展覧会に体験価値も高めたことで、SNSでの話題化につながりました。

10代女子にも圧倒的人気のキティ

マイナビのマーケティング・広報ラボでは、10代女子を対象としたトレンドランキングを発表。2024年上半期のトレンドランキングでは、マクドナルドの「ハッピーセット」とコラボしたハローキティのぬいぐるみが、モノ部門で1位にランクイン。若年層からも圧倒的な人気を確立しています。そのほか最新のトレンドも合わせてチェック!

参考資料:【2024年上半期】10代女子が選ぶトレンドランキングを発表!

 

オシャレ魔女 ラブ and ベリー展 

出典:PARCO ART

「オシャレ魔女 ラブandベリー」は、2000年代前半にブームを巻き起こした女の子向けカードゲーム。「オシャレまほうカード」を使ってキャラクターを着せ替え、ダンスバトルをするゲームスタイルは熱狂的な人気を博し、ラブベリの愛称で親しまれています。

2024年よりラブベリの20周年を記念した展覧会「オシャレ魔女 ラブ and ベリー展 ~オシャレまほうミュージアム~ 」が全国各地で開催。当時の「オシャレまほうカード」や懐かしいグッズの展示、ゲーム内の衣装やラブとベリーの部屋、ダンスステージなどと、オリジナルの世界観が再現されました。

ラブベリの世界観に没入できる展示なりきり撮影ブース復刻・限定グッズも発売され、ファンは熱狂。またコラボカフェでは、キャラクターやファッションをイメージした色鮮やかなオリジナルメニューが発売され、ファンの満足度も高めました。さらにインフルエンサーやコスプレイヤーなどの来場レポがSNSで反響を呼ぶと、ファンだけでなく若年層の来場にもつながり大盛況となりました。

 

平成女児チョコ

平成女児チョコ

最後に、企業事例ではありませんが「平成女児チョコ」も平成女児ブームの一つとして紹介します。

平成女児チョコは、アルミカップに溶かしたチョコレートを流し込み、アラザンやチョコスプレーで飾りつける手作りスイーツのこと。ピンクや水色などパステルカラーを基調とし、ハートや星、リボンなどのトッピングで飾られた“レトロかわいい”仕上がりになっているのが特徴です。

平成女児チョコがSNSで注目を集めると、「作ってみた!」とチョコ作りを楽しむ人が続出。トッピングのアレンジにこだわったり、かわいくラッピングしたりなどと、Z世代を中心にブームとなりました

平成女児チョコブームに続き、関連グッズやキーホルダー、ガチャガチャなども登場。サンリオキャラクターズの手作りおやつチャーム(平成女児チョコ)はキャラクター人気も相まり、一層話題に。SNS映えやアレンジ性により、トレンドとして広がりました。

 

まとめ

平成女児ブームは単なるノスタルジーではなく、Z世代やミレニアル世代の今の感性と結びついた新たなカルチャーとして広がりを見せています。なつかしさとかわいさが融合した独自の世界観は、今後も市場を大きく動かしていくでしょう。


ティーンズキョーソウPROJECT

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