「α(アルファ)世代」の特徴とは? Z世代との違いや価値観を徹底解説

更新日:2024年09月30日(月)

Z世代」の次の世代にあたる「α(アルファ)世代」には、どのような特徴があるのか知っていますか。α世代は歴史上最大の世代になるとも言われており、今後、経済面でも影響力を増していくでしょう。

この記事では、α世代の概要や特徴、彼らを取り巻く環境について取り上げ、Z世代との違いや共通点なども詳しく解説します。

α世代とは?

α世代とは

α世代の定義

α世代とは、2010年代以降に生まれた世代を指し、全員が21世紀生まれ。2024年の現在では、中学生以下の子どもたちがα世代に該当します。また1980年〜1990年代半ばごろに誕生した「ミレニアル世代」の子どもにあたる世代です。

オーストラリアの社会学者マーク・マクリンドル氏が「α世代」と名付け、彼の試算によると2025年にα世代は全世界で約20億人となり、歴史上最大の世代になると考えられています。

 

α世代の人口の割合

α世代の人口の割合

日本は近年、深刻な少子化問題を抱えていますが、世界の人口は増えており、α世代も増えていくとみられています。現時点での日本におけるα世代は、約11%です。

 

α世代5つの特徴

α世代5つの特徴

α世代はまだ幼少期の子どもたちのため、特徴を断定することはできませんが、将来的に期待されていることも含めて、5つの特徴を深堀りします。

 

デジタルネイティブ

α世代は生まれた時からスマートフォンやタブレットなどデジタル機器が広く普及しており、幼少期から当たり前のように使いこなしています。

パソコンやスマートフォンを使うことは日常で、小学校ではタブレットを使用して学ぶ機会もあります。またオンラインゲームやSNSを楽しんだり、早くからキャッシュレス決済などを利用したりと、デジタル環境に囲まれた生活に慣れているでしょう。

また、α世代の親にあたるミレニアル世代はデジタル技術の進化とともに成長しており、デジタルリテラシーに強い世代とも言われています。そのような親の影響もあり、Z世代以上にデジタルネイティブの特徴が強いと言われています。

α世代の親が使う子育てアプリは?

マイナビのマーケティング広報ラボでは、25歳~35歳の共働き子育て層が愛用している「子育てアプリ」について調査を実施しました。ジャンル別で使っているアプリや、どのぐらい課金しているかもレポートしています。

参考記事:共働き層が愛用する子育てアプリランキング

 

新しい学習環境

先述したように、α世代は小学生の時から授業でパソコンやタブレットなどのデジタル機器を積極的に活用。デジタル教材やオンライン学習、教育アプリなども広く普及しており、早ければ幼児期からデジタル機器を使った学習始めています。

2024年にはICT教育も本格的に導入され、教育現場でのデジタルやITテクノロジーの活用はさらに高まります。従来は教師一人が複数人の生徒を指導するという方法でしたが、ICT教育ではデジタル機器などを利用して生徒一人ひとりのレベルに合わせて指導できるので、個人の能力や特性をより伸ばすことができるでしょう。

 

タイムパフォーマンス重視

α世代は効率重視で、特に「タイパ(タイムパフォーマンス)」を重視する傾向日常生活や学習面でも、より簡単で効率のよい方法を求めています。

α世代は幼少期からインターネットを活用しているため情報処理能力が高く、探している情報をいかに早く見つけるかが重要になっています。近年、若年層にはショート動画が人気の上、倍速機能を使って動画を見る傾向があることも、タイパのニーズから生まれたものでしょう。

今後、時間を効率的に使うためのサービスやツールはますます増えてくると考えられています。

 

バーチャル空間での交流

α世代はバーチャル空間でのコミュニケーションも日常化しています。例えばオンラインゲームを友人と楽しむことや、バーチャルリアリティ(VR)、メタバース、アバターなどの最新技術も身近で体験しています。バーチャル空間で初対面の人と交流することも違和感なく受け入れる傾向です。

今後もバーチャル空間の活用は増えていくとされており、日常生活に変化をもたらすでしょう。既存の価値観や生活スタイルに縛られず、新しい感性や行動様式を自然に受け入れていく世代としても期待されています。

 

社会的な問題への興味関心

環境問題をはじめとして、紛争、貧困、ジェンダーによる社会問題など、現代社会が抱えている問題は多岐にわたります。α世代にとっては自分たちの将来に大きく関わってくることであり、幼少期からこれらの問題に対する教育を受けているため、関心が高くなっています。

また様性に対しても寛容に受け入れる傾向があり、ジェンダーや人種、他者の価値観などを尊重する風潮も。学校教育でも多様性やSDGsに関するカリキュラムが導入され、知識を習得しています。

 

Z世代とは

Z世代とは

続いてα世代に対してZ世代の定義や人口割合について説明します。

Z世代の定義

Z世代とは、おおよそ1990年代の中盤から2010年ごろに生まれた世代です。

2024年現在では10代後半~20代後半あたりの年齢層がZ世代に該当します。日本ではZ世代と同年代を示す言葉として「さとり世代」や「スマホ世代」などもありますが、Z世代(Generation Z)という呼び方は全世界で共通して使用されています。

 

Z世代の人口の割合

Z世代の人口の割合


日本のZ世代の人口は少子化が進んでいることもあり約1,800万人ほどで、人口の割合からは約15%がZ世代です。

世界基準で見てみると約24億人がZ世代に該当し、世界の総人口(約82億人)のうち3人に1人がZ世代となっています。

 

Z世代5つの特徴

Z世代5つの特徴

インターネットの普及とともに成長し、技術の進化を体感してきたZ世代。これまで育ってきた社会的背景などもふまえて彼らの価値観について解説します。

安定志向

Z世代は、2008年のリーマンショック以降、長引く不況を身近に感じて育ってきました。東日本大震災や新型コロナウイルスの感染など、災害や非常事態を実際に経験している世代でもあります。

このように社会が不安定な状態の中で育ってきたために、Z世代は物事を冷静に捉え、現実主義で安定志向の人が多いと言われています。

 

価値観を重視

Z世代が商品を購入する際やサービスを利用する時に重視しているのは、「自分の価値観にあっているかどうか」という点。商品の実用性や使いやすさといった本質的な価値よりも、ブランドの理念やコンセプトに共感できるか、自分の生き方に合うかどうか、価値観を大切にしています。

安定志向のZ世代は買い物の時も慎重ですが、自分が価値を感じるものに対しては惜しまずお金をかけるのも特徴です。

 

ワークライフバランス

Z世代の働き方はワークライフバランスを重視しており、仕事と私生活は切り離して考え、私生活の充実をとても大切にしています。彼らは仕事をしてお金をたくさん稼ぐことよりも、自分の生活のために働くという考えが強く、プライベートで得られる充実感や幸せに重点を置いています。

 

SNSをフル活用

SNSをフル活用し、情報収集やコミュニケーションを頻繁に行っています。YouTube、TikTokなどのコンテンツをシェアして楽しんだり、X(Twitter)やInstagramでは複数アカウントを持ち、プライベートや趣味に合わせて使い分けたりと、SNSで人とつながることが日常生活の一部となっています。

またSNSを通じて気軽に情報を得るだけでなく、自らコンテンツを発信することにも積極的で、リアルタイムで情報をシェアするのが特徴。消費の面からも、SNSでの投稿やレビューに影響を受けており、大切な情報源です。

 

Z世代のSNS利用実態

マイナビのマーケティング広報ラボでは、Z世代の新社会人にアンケート調査を実施。ネットで何を検索しているのか、SNSをよく利用する時間帯や情報収集の仕方、信用して見ているコンテンツなど、リアルな実態を明らかにしました。

参考記事:SNS上での情報収集と広告に対する感じ方~新社会人編~

環境や社会問題への関心

先述した通り、幼少期からリーマンショックや東日本大震災、コロナ禍などを経験してきたZ世代は、環境問題や人権問題などのさまざまな社会問題にも関心を持っています。

またSNSを日常的に利用しているため、他人の考えに触れる機会も多くあります。そのためZ世代は自分なりの見解や意見を持っていることも特徴であり、実際にコンテンツを通じてそのような自分の考えや価値観を発信している人もいます。

 

α世代とZ世代の共通点・相違点

α世代とZ世代は年齢層も近く共通点も多いですが、相違点にも着目するのが大切です。α世代とZ世代の特徴をそれぞれ比較し、共通点と相違点を見ていきましょう。

α世代とZ世代の共通点・相違点

価値観「タイパ」

α世代とZ世代の共通の価値観として、タイムパフォーマンスを重視していることが挙げられます。

Z世代はインターネットの普及とともに育ち、時間を有効に使うことに価値を感じていますが、α世代はさらに発展したデジタル環境で育っていることからも、これまでより強く「タイパ」は重視されており、短時間で効率よく物事を行う傾向です。

短時間・簡潔・効率化は今後もキーポイントとして引き継がれるでしょう。

Z世代は自炊にもタイパの傾向!

マイナビのマーケティング広報ラボが行った調査によると、Z世代の新社会人が自炊で重視しているのは「食費をおさえる」に続き、「時短」が2位にランクイン。Z世代の食生活や自炊の実態に迫っています。

参考記事:Z世代社会人の自炊事情とは?

 

教育環境

Z世代とα世代の教育環境の大きな違いは、プログラミング教育の有無です。これまでのZ世代は学校教育でパソコンやインターネットを学び、オンライン授業なども経験してきました。

一方でα世代は、2020年から小学校でプログラミング教育が導入され、より早い段階でデジタルリテラシーを養うことが義務教育となりました。幼少期からプログラミング思考を養うことで、柔軟な対応力や問題解決能力が期待されています。

またα世代には、ゲーム感覚で学べるエデュテインメントやAIを活用した個別指導も充実しており、個々のペースに合わせて楽しみながら効率的に学ぶ体制が整えられつつあります。

 

デジタル環境

Z世代、α世代ともにデジタルネイティブでデジタル機器を使いこなし、SNSでコミュニケーションを楽しむことも共通しています。

Z世代はSNSやオンラインコミュニティでの交流がメインで、リアルタイムでの情報共有、発信が盛んです。一方でα世代はメタバースやバーチャル空間での交流も盛んで、状況に合わせてフレキシブルに場を選び、意見を発信しています。

 

社会問題への関心の高さ

Z世代とα世代は、両者とも社会課題への関心度が高い世代です。しかし、関心の方向性や具体的な取り組み方には違いがあると考えられています。

Z世代は、どちらかというと環境問題、気候変動やエシカル消費などに強い関心があります彼らが成長期の間に環境問題や倫理的消費がメディアで大きく取り上げられてきたことが影響しています。

一方、α世代の関心はより多様化しています。幼少期から環境問題に限らず、ジェンダーや多様性、人権問題にも敏感SDGsや環境問題、多様性への理解を深める教育プログラムが導入されていることが関係しているでしょう。

 

α世代とZ世代に注目されるSNS

Z世代とα世代に注目されるSNS

Z世代やα世代にとって生活の一部となっているSNS。個々のアイデンティティを表現するZ世代に対し、α世代は娯楽や学びの場として活用しているのが違いです。今後の社会でも重要視されているSNSについて紹介します。

「TikTok」

TikTokは主にショート動画を視聴・投稿・共有し、楽しむSNS。在でも若年層の利用が顕著で、10代~20代のZ世代やα世代にあたる層が多く視聴しています。

約1分のショート動画が、スワイプするだけの簡単操作で次々と再生されるので、ちょっとしたスキマ時間に見て楽しめることがメリット。またYouTubeと比較した際、動画の編集も簡単に可能で投稿しやすいのも人気の理由でしょう。タイパ重視のα世代には、今後も利用が欠かせません。

 

「BeReal.」

日常のリアルな写真を共有することのできるSNSで、2022年より利用者数が増え、Z世代からの支持も集めています。

1日1回アプリから通知が来たら、2分以内に写真を投稿し友達とシェア。撮影した写真は加工ができず、「盛らないこと」が大きな特徴。今自分がどこにいて何をしているのか、ありのままの姿を共有して楽しみます。

また通知時間はランダムで、投稿しないと友人の投稿は見れない設定。他のSNSにある「いいね」や「フォロワー数」など人気度を測る機能もなく、友人と“ゆるくつながる”のがZ世代とα世代の感性に合っており、今後も人気が高まるでしょう。

 

「Bondee」

2022年にリリースされ、「メタバースSNS」として、20代の女性を中心に利用者数が増えています

「Bondee」では自分のアバターを作成し、仮想空間の中で自由に友達との交流を楽しめます。アバターの表情で自分の気持ちを表したり、好きなアイテムを身につけさせたりと、現実社会と同様に友人とのコミュニケーションが繰り広げられます。

招待できる友達は50人で、仮想空間で新しい友達をみつけることも可能。今後も仮想空間でのコミュニケーションツールは増えてくると予想されており、α世代にさらに活用されていくと考えられています。

 

「noplace」

20247月にリリースされ、公開と同時にApp Storeのランキング1位を獲得した注目のSNS

テキストベースの投稿がメインで、写真や動画は無し。個人ページでプロフィールを細かく設定することで自分を表現し、友人と交流します。

具体的には、今していることや聞いている音楽、見ているもの、食べているもの、読んでいる本についてプロフィールを更新し、今の気持ちを色で表現します。また共通の興味に基づいて、他のユーザーと出会うことも可能。使いこなすほどレベル表示が上がり、ゲーム感覚で楽しめます

友人とゲーム感覚で楽しむスタイルが、Z世代とα世代の価値観に合っているのかもしれません。

 

まとめ

α世代の概要から特徴、Z世代との相違点などについて詳しく紹介しました。α世代の成長とともに、デジタルテクノロジーもさらなる進化を遂げ、人々の生活も大きく変化していくでしょう。各世代の価値観を理解し、彼らに合わせたプロモーション施策を考え続けていくことが大切です。

 


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マイナビのキョ―ソウPROJECTは、Z世代の認知拡大・新規顧客化を狙いとしたプロモーション施策です。企業からの課題に対し、Z世代のメンバーがアイデアを提案、企画書として仕上げます。

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この記事を書いた人
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【マイナビ】マーケティング・広報ラボ
みなさんのライフステージに合わせた5つのメディア運営を行っています。

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