【座談会】育休明け、就学後、そして中学受験。令和のワーママは「子育ての壁」をどう越えている?│「感情」が動くマーケティング

更新日:2026年03月04日(水)

育休明け、就学後。令和のワーママは「二度の壁」をどう越えている?

令和の共働き夫婦の実態とは?

令和の共働き夫婦の実態とは?

今日は「育休明け」と「就学後」、ワーキングマザーが直面する二つの壁について伺いたいと思います。私自身、高校生と3歳の子どもを育てるワーママとして、いわゆる平成の子育て令和の子育ての両方を経験しています。

長男を育てていた頃は、育児や家事は母親が中心で、仕事との両立は「気合と根性」で乗り切るもの、という空気がまだ強くありました。一方で、今3歳の子どもを育てる日々は、テレワークといった働き方の変化、そして夫の家事育児の主体化など、生活そのものを設計し直している感覚があります。

今回の座談会では、令和のワーママたちが、育休明けと就学後という二つの転換点をどのように乗り越えているのか。そのリアルな声から、今の時代ならではの消費行動や価値観の変化をひも解いていきます。

前編では、恋愛の「入口」となる部分に焦点を当て、今、若者たちがどのように出会い、どんな基準で関係を築こうとしているのかをひも解いていきます。

 

登場マーケターのプロフィール

桑野 好絵(くわの・このえ)|株式会社マイナビ

桑野 好絵(くわの・このえ)|株式会社マイナビ

2007年マイナビ入社。
女性向けメディアや若年層トレンド領域に従事し、現在は『マイナビニュース』『マイナビウーマン』などの広告企画を担当。
Z世代に特化した調査チーム「マイナビティーンズラボ」のプランニングやデータ解説、企業向けの講演も行う。
高校1年生の息子を育てる母として、「調査データ」と「リアルな声」の両面から若者インサイトを掘り下げている。

 

座談会出席者

Sさん(43歳/子ども3人/時短勤務)

Sさん

Kさん(41歳/子ども1人/フルタイム勤務)

Kさん

Mさん(37歳/子ども2人/フルタイム勤務/家族で地方→東京)

Mさん

 

第一の壁|育休明けで起きる「生活設計の総入れ替え」三人目で、ようやくやらないと決められた」

桑野

まずは育休から復帰するタイミングの話を聞かせてください。生活や消費、かなり変わりましたか?

Sさん

変わりましたね。三人目でやっと、「これはもうやらない」って決められました。

桑野

一人目、二人目のときは、まだ頑張ろうとしちゃいますよね。

Sさん

そうなんです。食洗機、洗剤自動投入の洗濯機、ミールキットをフル稼働して暮らしています。献立もローテーションを決めました。考えなくていい状態を作る感じです。

桑野

生活を設計し直した、という印象ですね。

Sさん

40代になると、お金で時間を買う感覚がはっきりします。

 

テレワークで変わった、夫婦の役割分担

コロナ禍以降、働き方が大きく変わった共働き世帯も

コロナ禍以降、働き方が大きく変わった共働き世帯も

桑野

コロナ以降、働き方も変わりましたよね。

Sさん

劇的に変わりました。夫のテレワークが増えて、送りはパパ、お迎えはママ、習い事はパパ、みたいに自然に役割分担できています。

桑野

家事や育児が「手伝い」ではなく、役割として回っている感じがしますよね。

 

「あったら便利」から「ないと回らない」へ

都内の共働き世帯の強い味方“子ども乗せ電動自転車”

都内の共働き世帯の強い味方“子ども乗せ電動自転車”

桑野

Kさんはいかがでしたか?

Kさん

電動自転車は買いましたね。保育園は徒歩10分くらいだったので、なくてもいいだろう、気合で行こうみたいな感じだったのですが、結局買ってみると行動範囲も広がるし、かなり便利で。ないと生活が回らなくなりました

桑野

生活の前提が変わりますよね。ほかに変化はありましたか?

Kさん

外食も増えました。平日は自炊が難しい日も多くて、外食や中食で月に34万円くらいは使っていると思います。

桑野

それ、かなりリアルな数字ですね。

Kさん

でも贅沢という感覚はなくて、家庭を回すための必要経費という感じです。

桑野

どんなお店に行きますか?

Kさん

住んでる地域が子育てに優しい街づくりを提唱していて、居酒屋でもレストランでも子連れ家族が来ることを想定したサービスや店作りを行っているんです。
だから独身の時と同じように居酒屋にもイタリアンにも行きますよ。行きづらいとか思ったことないんですよね。

桑野

最近、キッズスペースがあったりお子様サービスがあるような店舗も増えましたよね。

Kさん

仕事終わりにサクッと寄れて親も子どももうれしいし、お店も潤うので経済を回しているんだって思うようにしています()

桑野

完璧さより、続けられる生活を優先する消費は、令和らしい変化だと感じます。

 

地方で見えた「生活インフラとしての消費」

桑野

Mさんは、ご家族で地方に住まれていた経験がありますよね。

Mさん

はい。家族で金沢に行きました。地方は自転車に乗らないので、セカンドカーが必須でした。維持費も含めると、月に5万円前後はかかっていたと思います。

桑野

東京とは前提がまったく違いますね。

Mさん

違いますね。皆さんと同じようにミールキットやロボット掃除機、乾燥機は本当に助けられました。特に食事は、平日の8割くらいはミールキットを頼りにしていました。

桑野

環境によって、必需品の定義そのものが変わることがよく分かります。

 

第二の壁|就学後に増える「マネジメント負荷」

子育てのフェーズが進むと新たな問題も出てくるという

子育てのフェーズが進むと新たな問題も出てくるという

桑野

一人目、二人目のときは、まだ頑張ろうとしちゃいますよね。

Sさん

そうなんです。食洗機、洗剤自動投入の洗濯機、ミールキットをフル稼働して暮らしています。献立もローテーションを決めました。考えなくていい状態を作る感じです。

桑野

正直、小学生になったら少し楽になると思っていませんでしたか?

Sさん

思ってました(笑)。全然違いました。

学童、習い事、プリント管理、行事対応……全部調整が必要で、管理する仕事が増えました。

桑野

体力的というより、マネジメント的な大変さですね。

Sさん

上の子は育児のフェーズが終わって、手がかかる時期から、お金がかかる時期へ移行しつつあります。

 

令和の習い事と放課後設計とは?

共働き世帯にはスケジュールが合うかどうかが大きな問題。

共働き世帯にはスケジュールが合うかどうかが大きな問題。

桑野

習い事の考え方も、かなり変わってきていますよね。

Sさん

そうですね。くもん、英語学童、算数教室で、月にトータル56万円くらいかかっています。

桑野

結構な金額ですが、迷いはなかったですか?

Sさん

教育投資というより、放課後をどう安全に、どう安心して過ごしてもらうかという感覚です。

桑野

Kさんのお子さんはスポーツをやられているとか。

Kさん

野球教室も同じですね。少年野球って親がつきっきりのイメージあると思うんですが最近は共働きの両親前提のスケジュールでやっている教室があるんです。
ただ、地域のボランティアチームとは違って月謝は23万円くらいで高いすね。でも、送迎や時間設計まで含めて考えると、とても納得しています。

桑野

習い事が「学ばせる場」から、共働き家庭の生活設計を支えるインフラになっている印象を受けます。

 

ランドセル・お受験に見る「感情消費」と価値観の二極化

共働き世帯にはスケジュールが合うかどうかが大きな問題。

平成から令和へ、時代とともにラン活も変わる

桑野

ランドセルの話も、時代の変化を強く感じたポイントでした。私自身、長男が小学校に入学した2015年頃は、ラン活といってもお盆明けくらいから動き出す家庭が多かった記憶があります。それが今は、GWから展示会に行くのが当たり前になっていますよね。

Sさん

そうですね。GWから動きました。展示会にも行って、いろいろ見ました。

桑野

首都圏だと、10万円近いランドセルを選ぶ家庭も珍しくなくなりました

Sさん

そうですね。価格というより、後悔しない選択をしたかったです。

桑野

一方で最近は、ニトリやワークマンなど、低価格帯のランドセルも話題になっていますよね。

Kさん

周りでもいます。必要十分でいい、という考え方も増えていると思います。特に男の子は10万円のランドセルでもすぐにボロボロにしてしまったり……SNSでもそういう男の子あるあるみたいな先輩の声から低コストのランドセルでいいな、、、と思う人も増えていると思います。

桑野

なるほど。ランドセル消費は今、「長く使う特別なものにしっかりお金をかける」層と、「合理性・コスパを重視する」層に分かれつつあるのかもしれませんね。

 

中学受験という選択肢|都内共働き世帯で広がるもう一つの大きな消費

桑野

もう一つ、就学後の話で外せないのが中学受験です。都内では、中学受験を前提に子育てを考える家庭が、以前よりも明らかに増えていると感じます。

Sさん

うちは、子どもたち全員、中学受験は視野に入れています。やるかどうかは別として、選択肢としては持たせたいですね。

桑野

その感覚、すごく今っぽいですね。主体性や自主性を重んじる教育ですよね。

Mさん

うちは子どもも受験したいというので、小4の夏くらいから本格的に考えようと思っています。一般的には小3の冬からが勝負だと聞きますが。

桑野

費用面のインパクトも大きいですよね。

Mさん

はい。塾代や教材費を含めると、トータルで300万円前後は見ておいたほうがいいと言われています。個別指導だと、月に8万円くらいかかることもあります。

Kさん

うちはしない予定です。本人が野球を本気でやりたいと言っていて、時間的にも体力的にも両立は難しいので。

 

まとめ|平成と令和をまたいで見えてきた、共働き世帯の姿

今回の座談会を通して、あらためて感じたのは、令和のワーママは頑張っていないのではなく、頑張り方が変わったということでした。

長男を育てていた頃は、多少無理をしてでも母親が抱え込むのが当たり前で、時間をどう捻出するかは個人の工夫に委ねられていました。しかし今は、テレワークやサービス、そして夫の主体的な関与を前提に、生活全体をどう設計するかが問われています。

気合より設計、我慢より仕組み。時間を軸に消費を選び、家族単位で意思決定する共働き世帯が、令和のスタンダードになりつつあります。夫婦どちらも生活マネージャーとして家庭を回している姿が印象的でした。

また、教育面では、同じ都内でも、「中学受験をする/しない」は価値観や子どもの意向によって分かれているのが印象的でした。

ただ共通しているのは、どの家庭も 「わが子にとって何がベストか」を考えた結果の選択だということ。

中学受験は、単なる教育投資ではなく、 時間・お金・家族の生活設計すべてを巻き込む大きな意思決定になっています。

共働き世帯にアプローチする企業マーケターにとって重要なのは、「ママ向け」という切り口にとどまらず、家族全体の生活がどう回るかという視点で価値を語ること。商品やサービスが、どの時間を生み、どの負担を減らすのかを具体的に描くことが、選ばれるための条件になっていきそうです。

マイナビ子育てでは、共働き世帯や子育て家庭を対象に、復職準備や家事・育児分担、お金の使い方などに関する情報や調査結果を発信しています。今回の座談会で見えてきた40代ワーママの実感は、2030代の共働き夫婦を対象としたこれらの調査で示されている変化の流れとも重なります。あわせて参考にしてみてください。

マイナビ子育ての詳細はこちら

関連記事のご紹介

この記事を書いた人
マイナビベアの写真
【マイナビ】マーケティング・広報ラボ 桑野好絵
2007年マイナビ入社。 女性向けメディアや若年層トレンド領域に従事し、現在は『マイナビニュース』『マイナビウーマン』などの広告企画を担当。 Z世代に特化した調査チーム「マイナビティーンズラボ」のプランニングやデータ解説、企業向けの講演も行う。 高校1年生の息子を育てる母として、「調査データ」と「リアルな声」の両面から若者インサイトを掘り下げている。

おすすめのお役立ち記事

他の記事も見る
Z世代社会人が使っているスマホの通信キャリア・ブランドは? 選んだ理由や毎月の支払額、格安スマホの認知度も調査!

2026年03月12日(木)

Z世代社会人が使っているスマホの通信キャリア・ブランドは? 選んだ理由や毎月の支払額、格安スマホの認知度も調査!

Z世代社会人の健康意識は? 運動習慣と食事回数・外食傾向、健康にかける予算感まで詳しく調査!

2026年03月10日(火)

Z世代社会人の健康意識は? 運動習慣と食事回数・外食傾向、健康にかける予算感まで詳しく調査!

【座談会】育休明け、就学後、そして中学受験。令和のワーママは「子育ての壁」をどう越えている?│「感情」が動くマーケティング

2026年03月04日(水)

【座談会】育休明け、就学後、そして中学受験。令和のワーママは「子育ての壁」をどう越えている?│「感情」が動くマーケティング

おすすめのお役立ち資料

他の資料も見る
大学生のAI利用実態

大学生のAI利用実態

Z世代社会人の時間の使い方

Z世代社会人の時間の使い方

【 プライベート編 】スイッチのオンとオフ ~Z世代/30代社会人の気持ちの変化による消費と行動~

【 プライベート編 】スイッチのオンとオフ ~Z世代/30代社会人の気持ちの変化による消費と行動~

おすすめのお役立ち動画

他の動画も見る
【Z世代コミュニティを活用した事例から見る】「共創」マーケティングでZ世代をファン化させる鍵とは?

【Z世代コミュニティを活用した事例から見る】「共創」マーケティングでZ世代をファン化させる鍵とは?

広告掲載やメディアに関するお問い合わせはこちらから

お問い合わせ
050-5443-2281

受付時間:平日10:00〜18:00(弊社所定の休業日を除く)