AIは“相棒”なのか、“ただのツール”なのか? ワーキングマザーたちが語る、仕事と暮らしのリアルなAI活用|感情が動くマーケティング

更新日:2026年07月14日(火)

生成AIの利用が広がる中、仕事やプライベートで日常的に活用する人も増えています。

一方で、仕事・家事・育児を並行してこなすワーキングマザーにとって、AIはどのような存在になっているのでしょうか。

今回は、日常的にAIを活用しているワーキングマザー3名に集まっていただき、仕事や暮らしの中での活用実態について話を聞きました。

登場マーケターのプロフィール

桑野 好絵(くわの・このえ)|株式会社マイナビ

桑野 好絵(くわの・このえ)|株式会社マイナビ

2007年マイナビ入社。
女性向けメディアや若年層トレンド領域に従事し、現在は『マイナビニュース』『マイナビウーマン』などの広告企画を担当。
Z世代に特化した調査チーム「マイナビティーンズラボ」のプランニングやデータ解説、企業向けの講演も行う。
高校1年生の息子を育てる母として、「調査データ」と「リアルな声」の両面から若者インサイトを掘り下げている。

座談会出席者

Aさん(40代/子ども2人/メーカー勤務)

Aさん

Bさん(30代/子ども1人/IT企業勤務)

Bさん

Cさん(40代/子ども1人/広告関連勤務)

Cさん

 

「まずAIに聞いてみる」が当たり前になっている

マルチタスクにはAIが欠かせない⁉

マルチタスクにはAIが欠かせない⁉

桑野

皆さんは普段どのような場面でAIを使っていますか?

Aさん

仕事では翻訳やリサーチですね。会社に提出する書類の下書きにも使っています。とくに外資系は翻訳作業があるので、その点でもかなり優秀だなと思います。

Bさん

私はメール、資料作成、データ分析、議事録作成など、本当に幅広く使っています。正直、無いと仕事にならないです()。

桑野

かなり使い込んでいるんですね、それは2025年くらいからですか?

Bさん

仕事柄AIツールは便利だよっていう話は2023年ごろから聞いていました。資料を作る時も、まずAIに相談しますし、メールのたたき台も作ってもらいます。

ゼロから考える時間がかなり減りました。

Cさん

私は会議準備で使うことが多いですね、あの準備時間嫌いなんですよ()

会議のアジェンダを考えるのって意外と効率よく進まない、そういう時によく参加者や目的を伝えて、「この会議で話すべきことを整理して」とお願いしています。

桑野

単純作業というより、考えるのに時間がかかる仕事を任せているんですね。

Cさん

そうですね。企画のたたき台や資料の構成案もそうです。完成品を作ってもらうというより、「まず形にするところ」を手伝ってもらっています。

Bさん

私も完成品を期待しているというより、まず6080点くらいまで持っていってもらう感覚です。

そこから自分で仕上げています。

 

AIによって生まれたのは「時間」よりも「余裕」

膨大な資料作りから解放されたとの声も。

膨大な資料作りから解放されたとの声も。

桑野

AIを使うようになって、何か変化はありましたか?

Aさん

仕事が早く終わることは増えました。でも、その時間でさらに仕事をするというより、家族との時間に回せたり、気持ちに余裕ができたりすることの方が大きいです。

Bさん

私は「考える体力」が残る感覚ですね。仕事が終わっても、夕飯や子どものことなど考えることはたくさんあります。AIに任せられる部分があると、その分だけ余力が残るんです。

Cさん

仕事が終わったら終わりじゃないですからね。そこから夕飯や家のことが始まるので…。

桑野

本当に夕方からワーキングマザーの第二ラウンドですもんね。

 

仕事だけではなく、暮らしの中にもAIがいる

中学受験の情報も効率的に。

中学受験の情報も効率的に。

桑野

プライベートではどのように使っていますか?

Aさん

私は息子の受験について相談しています。もちろん最終的に判断するのは自分なんですけど、情報を整理したり、選択肢を考えたりする時に使っています。

ただ、受験に関しては自分の考えていることを大きく超える答えが返ってくることはあまりないですね。

Bさん

私は子どもの夏休みの宿題ですね。調べ学習のテーマを一緒に考えたり、まとめ方のヒントをもらったりしています。

Cさん

私は献立づくりや旅行計画です。冷蔵庫にある食材を伝えてメニューを考えてもらうこともあります。

Bさん

あと買い物リストですね。

Aさん

それは使います。仕事終わりって本当に頭が回らないんですよね。

Bさん

何を買うか考えることすら面倒な時があるので、AIに整理してもらっています。

Cさん

私は冷蔵庫にある食材を伝えて、「3日分の献立を考えて」とお願いすることもあります。買い物リストまで作ってくれるので助かっています。

 

AIは「相棒」なのか、「アシスタント」なのか

桑野

皆さんにとって、AIってどんな存在ですか?

Aさん

私はアシスタントですね。必要な時に手伝ってくれる存在です。

Bさん

私はパートナーかもしれません。私のタスクを6080%くらいの完成度で出してくれるので。ゼロから作るより圧倒的に楽です。

Cさん

私はどうだろう……。談相手でもあるし、便利なツールでもあるような。

Aさん

まだ確定はできない存在ではありますよね。受験相談とかは最後は自分で考えます。

AIが決めてくれるわけではないので。

 

1万円払ってでも使いたい

桑野

有料プランは利用していますか?

Cさん

私は複数のAIサービスに課金していて、月1万円くらい使っています。

桑野

結構な金額ですね。

Cさん

そうですね。でも高いとは思わないです。仕事でも使いますし、プライベートでも毎日使っています。

会議のアジェンダ作成や資料構成、献立づくり、旅行計画まで考えると十分元は取れている感覚があります。

Bさん

私もわかります。仕事だけだったら迷うかもしれないですけど、仕事も生活も両方で使うので。

 

頼りたい。でも頼りすぎるのも少し怖い。

桑野

逆にAIへの不安はありますか?

Aさん

あります。便利だからこそですね。

桑野

例えば?

Aさん

部下が何でもAIに聞いている様子を見ると、自分で考える機会が減ってしまわないかな、と感じることがあります。

Bさん

それは分かるかもしれません。あ、これAIに聞いて書いたな?とかわかるし。

Cさん

私も子どもに対しては少し思います。時代の流れにうまく乗ることも大切だけど、自分で考えることも大切。

Aさん

私自身も使っているんですけどね。頼りすぎるのは怖い。でも頼りたい。そこが難しいです。

Bさん

だって我々は時間がないですからね。

Cさん

本当に時間がないです。AIが発達しても1日は24時間しかない()。だから使うんですけどね。

 

AIって、もはや時短家電じゃないですか?

AIは余白の時間をくれる、ルンバと同じ⁉

AIは余白の時間をくれる、ルンバと同じ⁉

桑野

皆さんの話を聞いていると、AIって仕事のツールというより生活全体のインフラみたいですね。

Cさん

なんとなくルンバに近い気がします。

Bさん

それ、とっても分かります。

桑野

ルンバですか?

Cさん

ルンバも掃除を全部やってくれるわけじゃないじゃないですか。でもあると全然違う。AIもそんな感じです。

Aさん

私は洗濯乾燥機かもしれません。洗濯物がなくなるわけじゃないんですよ。

でも干さなくていいだけで生活が全然違う。AIも同じで、仕事や家事がなくなるわけじゃないけど、AIが頑張ってくれると余白の時間が生まれて助かるんですよね。

Cさん

あ、それかもしれません。AIがやってくれているのって、家事や仕事ではなく、余白の時間を生んでくれることなんですよね。

Bさん

確かに。献立もそうですし、買い物もそうですし。何をするか決めるところが意外と疲れるから考えてくれるとその分時間も無駄にしないし。

桑野

皆さんの話を聞いていると、AIが助けているのは家事や仕事そのものではなく、「考える部分」のようにも聞こえます。

Cさん

そうですね。手を動かす前の部分です。

 

ワーキングマザーにとって仕事と家庭は、まだ地続きなのかもしれない

ワーキングマザーは仕事、家事、育児を切り分けられないこともある

ワーキングマザーは仕事、家事、育児を切り分けられないこともある

桑野

皆さんの話を聞いていて、仕事の話と家庭の話が自然につながっているのが印象的でした。

Aさん

確かにそうですね。私の中では全部同じかもしれません。仕事も家事も育児も、やることリストの中に入っている感覚です。

Bさん

分かります。仕事でAIを使っている話をしていたつもりだったんですけど、気付いたら宿題の話をしていました。

Cさん

でもそれがリアルですよね。仕事が終わったら次は家のことが始まるので、常にマルチタスクで頭がパンパンです。

Bさん

だからAIも仕事用ツールという感覚じゃないんです。生活を回すためのツールとして戦力として活用しています。生活も仕事もうまく回れば、余暇の時間が生み出せる、そのための大事なツールです。

桑野

そういう意味で、ルンバと同じってことですね!

 

AIがワーキングママザーに刺さる背景には、考える家事の存在があるのかもしれない

今回の座談会では、「生活を回すためのツール」「考える部分が意外と疲れる」といった言葉が印象的でした。

参加者たちはAIを「パートナー」と呼んだり、「アシスタント」と表現したりしていましたが、その捉え方以上に興味深かったのは、仕事の話と家庭の話が自然につながっていたことです。会議のアジェンダ作成や資料構成の話をしていたはずが、気付けば受験や宿題、献立、買い物リストの話になる。

その様子からは、ワーキングマザーにとって仕事と家庭が完全には切り離されておらず、一つの生活の延長線上にあるのかもしれないと考察できます。

近年は共働き世帯が増え、男性の育児参加も進んでいます。一方で今回の座談会では、献立を考えることや学校の予定を管理すること、受験情報を集めることなど、目には見えにくい「考える家事」を担っている実態も見えてきました。

その論拠としても、参加者たちがAIをルンバや洗濯乾燥機に例えていたのも印象的でした。家事や仕事そのものをなくしてくれるわけではない。しかし、「何をするか」「どう進めるか」を考える負担を少し軽くしてくれる。

AIは今、そんな存在として働くママの日常の中に入り始めているのかもしれません。

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この記事を書いた人
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桑野 好絵(くわの・このえ)|株式会社マイナビ
2007年マイナビ入社。 女性向けメディアや若年層トレンド領域に従事し、現在は『マイナビニュース』『マイナビウーマン』などの広告企画を担当。 Z世代に特化した調査チーム「マイナビティーンズラボ」のプランニングやデータ解説、企業向けの講演も行う。 高校1年生の息子を育てる母として、「調査データ」と「リアルな声」の両面から若者インサイトを掘り下げている。

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