Z世代部下とY世代上司、両者への調査で見えてきた“仕事と価値観”のリアルとは?

更新日:2026年05月26日(火)

職場の“世代間コミュニケーション”の実態とは?

職場の“世代間コミュニケーション”の実態とは?

「最近の若手は何を考えているかわからない」
「上司との距離感が難しい」
そんな世代間コミュニケーションは、近年さまざまな場面で語られるテーマになっています。

一方で実際には、Z世代部下だけでなく、Y世代上司側もまた、コミュニケーションに悩みながら関係構築を模索している実態があります。
マイナビティーンズラボでは今回、入社1年目のZ世代社会人と、35〜49歳のY世代管理職層を対象に、「職場コミュニケーション」「評価」「働き方」「飲み会・懇親会」「ハラスメント意識」などについて調査を実施しました。
本記事では、調査を企画・分析した中西ディレクターとともに、調査実施の背景や、結果から見えてきた今の職場について話を聞きました。

マイナビティーンズラボから発表したリリースはこちら

登場マーケターのプロフィール

中西舞

中西 舞(なかにし・まい)|株式会社マイナビ

コンテンツメディア事業本部 マーケティング部ディレクター。
大学生向けメディア『学生の窓口』の立ち上げに関わり、デジタル・アパレル・金融・食品・医薬化粧品など多様な業界の広告企画を担当。
現在は大学生をはじめとしたZ世代向け案件を中心に、年間約200件以上のプランニングおよび営業同行を行う。


桑野 好絵(くわの・このえ)|株式会社マイナビ

桑野 好絵(くわの・このえ)|株式会社マイナビ

2007年マイナビ入社。
女性向けメディアや若年層トレンド領域に従事し、現在は『マイナビニュース』『マイナビウーマン』などの広告企画を担当。
Z世代に特化した調査チーム「マイナビティーンズラボ」のプランニングやデータ解説、企業向けの講演も行う。
高校1年生の息子を育てる母として、「調査データ」と「リアルな声」の両面から若者インサイトを掘り下げている。

「世代ギャップ」を語る前に、お互いに悩んでいる実態があった

桑野:

まず、今回この調査を実施した背景から教えてください。

中西

毎年4月になると、新入社員に関する話題ってSNSでもすごく増えるんですよね。
「最近の若手はこうだ」
「上司から理不尽に怒られた」
みたいな声が並ぶんですが、実際には片側だけの問題ではなく、お互いが手探り状態なんじゃないかと思ったんです。
特に今は、ハラスメントや多様性配慮なども含めて、どう接するのが適切なのかが見えづらい時代です。
だからこそ今回は、Z世代部下だけではなく、Y世代上司にも同じテーマで調査を行い、両者の視点を比較しました。

上司(部下)とのコミュニケーションで悩んだりトラブルになった経験

桑野:

実際、半数以上が「コミュニケーションで悩んだ経験がある」と回答していました。

中西:

そうなんです。
しかも興味深かったのが、解決方法でした。

 

上司も部下も「まずAIに相談する」時代へ

上司・部下のコミュニケーション改善に向けた取り組み(上位5位抜粋)

 

中西:

今回、上司・部下ともに最多だったのが「ChatGPTなどAIに聞く」でした。
以前なら、「同僚に相談する」「上司に相談する」が中心だったものが、今は まずAIに整理してもらう形に変わってきています。 

桑野:

まずいったんAIに壁打ちするみたいな感覚でしょうか?

中西:

そうですね。特に社内コミュニケーションって、正解が一つではないじゃないですか。
「これを言って大丈夫かな」「どう伝えたら角が立たないかな」「どこまで踏み込んでいいのかな」みたいなことを、まずAIと一緒に整理する。
今回興味深かったのは、 “ハラスメントを気にする上司”の構図だけではなく、Z世代部下側もかなり手探りだったこと です。

桑野:

確かに、昨今は上司だけが悩んでいるみたいな構図が取り上げられがちだけど、Z世代側も悩んでいるんですね。

中西:

はい。
部下側も、「どこまで踏み込んでいいのか」「どう返すのが正解なのか」「主体性ってどこまで求められているのか」をかなり気にしていました。
つまり、 上司だけではなく、部下側もまた“正解が分からない状態” なんですよね。

桑野:

しかも、その解決方法として、上司・部下ともに「まずAIに聞く」が最多だったのは象徴的でした。

中西:

以前なら、こうした悩みは人に相談するものだったと思うんです。ただ今は、
「まずAIに聞いてみる」「言い方を整理する」「自分の感覚がズレていないか確認する」という行動が、世代を問わず広がっている。
 AIが、単なる業務効率化ツールではなく、“コミュニケーションの補助役”になり始めている のかもしれません。

 

「主体性を出して」と言われても、どこまでやっていいのかが分からない

上司から指摘・注意・声かけしてほしい場面について

桑野:

今回、指摘や声がけに関する質問での自由回答もかなり印象的でした。

中西:

そうですね。
特に象徴的だったのが、「大丈夫か聞かれると、大丈夫と言ってしまう」
「どこまでが許される主体性なのかわからない」という声でした。

桑野:

というのは具体的に言うと、どういうことなんでしょう?

中西:

最近は主体性が大事と言われる一方で、Z世代部下側には、
「勝手に動いて怒られたくない」
「確認不足と思われたくない」
「空気を読み間違えたくない」
という不安もかなりあります。
だから、主体性が無いというより、 “どこまで任されているのか分からない状態” に近いのかもしれません。

桑野:

なるほど。「自分で考えて動いて」と言われるほど、逆に怖くなるケースもありそうですね。
たしかに“主体性”って捉え方次第でひとりよがりにも見えてしまう危険性もあるから難しいですね。

中西:

特にZ世代は、SNSやオンライン環境の中で、失敗が可視化されやすい世界を経験してきています。
だからこそ、「まず確認したい」「減点されない状態をつくりたい」という意識は強いのではないでしょうか。

 

「仕事そのものを見てほしい部下」と、「安心して任せられるか」を見ている上司

部下が評価されたい基準/上司が部下評価で重視する点

桑野:

評価に関する結果も、かなり興味深かったです。

中西:

そうですね。部下側は、「成果や業績」「努力や成長プロセス」を見てほしいという回答が多く、仕事そのものに対する評価を求めている傾向が見られました。
一方で上司側は、「誠実さなど人間性」「チームワークや協調性」を重視していました。

桑野:

成果だけでなく、人としての基礎的な部分も重視しているという印象でしょうか。

中西:

もちろん上司も成果を見ていないわけではないんです。
ただ、組織で働くという前提で考えると、「社内外で失礼がないか」「安心して任せられるか」「周囲と円滑に進められるか」という部分もかなり重要になってくる。

桑野:

なるほど。部下側からすると、「そこよりまず、仕事の中身を見てほしい」という感覚もありそうですね。

中西:

あると思います。
特にZ世代部下は、 “頑張った過程”や“成長”も含めて見てほしい 意識が強い。
結果だけではなく、「ちゃんと考えていた」「試行錯誤していた」という部分も評価対象であってほしいんですよね。

桑野:

何をもって評価されるのかの前提が、少し違うんですね。

中西:

そうですね。
 上司側は“信頼できる組織人か”を見ていて、部下側は“仕事そのものを見てほしい” と思っている。
このズレが、評価への納得感やコミュニケーションのすれ違いにつながっている可能性があります。

 

「飲み会は避けたい」でも、「雑談したくない」わけではない

上司を含む飲み会・懇親会への参加意向

桑野:

飲み会の結果も印象的でした。

中西:

「できるだけ参加したくない」が4人に1人でした。
ただ、ホワイトペーパー全体を見ると、人間関係そのものを拒否しているわけではないんです。
実際、プライベートな雑談は「時々する」が双方で半数近くいました。

桑野:

距離感を自分で調整したい感覚に近いんでしょうか。

中西:

かなり近いと思います。
仕事とプライベートを完全に切り分けたいというより、 “強制されること”への慎重さ なんですよね。

桑野:

出席がマストです!みたいな飲み会は消滅しつつありますもんね。

中西:

自分で決定権を持てないことへの抵抗感は、Z世代の特徴の一つかもしれません。

 

上司側もまた、「どう接していいかわからない」

ハラスメントを意識して控えた行動

桑野:

一方で、上司側もかなり慎重になっていました。

中西:

7割が、ハラスメントを意識して何かしら行動を控えた経験があるという結果でした。特に、

  • プライベートな会話
  • 飲み会
  • 叱咤激励

このあたりは、どこまで踏み込んでいいかわからない状態なんだと思います。

桑野:

「距離を縮めたいけど、踏み込みすぎるのも怖い」という。

中西:

そうですね。
だから今回の調査は、「若手理解」だけじゃなく、上司側の難しさもかなり見えた調査だったと思います。

 

必要なのは、世代論ではなく期待値の共有

桑野:

一方的に正しい関わり方を探すというより、お互いが探り合っている時代なのかもしれませんね。
今回の調査は、単なる「Z世代理解」や「若手マネジメント論」ではなく、令和の働き方そのものにおける価値観の変化や、そのギャップを企業がどう捉えていくべきかを考えるヒントにもなりそうです。

中西:

そうですね。
働き方やコミュニケーションの正解が一つではなくなっている今、重要なのは世代で一括りにすることではなく、 それぞれが何を不安に感じ、何を求めているのかを理解しようとすること なのかもしれません。

そして今は、そのすり合わせの途中にAIが入り始めている時代でもあると思います。
コミュニケーションを避けるのではなく、AIを使いながらでも、お互いが安心して対話できる形を探していくことが、これからの職場ではより重要になっていくのではないでしょうか。

 

ダウンロード資料のご案内

今回のホワイトペーパーでは、

  • 上司・部下それぞれが感じている不安
  • ビジネスマナーや評価に対する認識差
  • 「主体性」をめぐるギャップ
  • 飲み会・雑談・ハラスメント意識のリアル
  • Z世代が求める働き方と、上司世代から見えている現実
  • 自由回答から見えてきた本音

など、本記事では紹介しきれなかった詳細データや考察を多数掲載しています。

特に、若手育成・採用広報・組織開発・マネジメント設計に関わる方にとっては、いま職場で起きている変化を読み解くヒントとしてご活用いただける内容となっています。
「最近の若手は分からない」「上司が何を考えているのか分からない」で終わらせるのではなく、今の時代の働く価値観をどう受け止めるか。
そして、世代を超えてどうコミュニケーションを設計していくか。
そのヒントとして、ぜひホワイトペーパーもご覧ください。

調査資料ダウンロードはこちら

 

【調査概要】マイナビティーンズラボ「Z世代部下とY世代上司の関わり方に関する調査」

・Z世代部下調査

  • 調査対象

    22歳~25歳/2026年3月末時点で社会人1年目/日常業務で関わりのあるY世代の上司がいる方

  • 有効回答数

    303件

  • 調査時期

    2026年3月24日~4月8日

  • 方法

    インターネット調査  

・Y世代上司調査

  • 調査対象

    35歳~49歳/2026年3月末時点で主任・係長以上の役職者/日常業務で関わりのある社員で、Z世代の入社1年目部下がいる方

  • 有効回答数

    303件

  • 調査時期

    2026年3月24日~3月26日

  • 方法

    インターネット調査 

この記事を書いた人
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桑野 好絵(くわの・このえ)|株式会社マイナビ
2007年マイナビ入社。 女性向けメディアや若年層トレンド領域に従事し、現在は『マイナビニュース』『マイナビウーマン』などの広告企画を担当。 Z世代に特化した調査チーム「マイナビティーンズラボ」のプランニングやデータ解説、企業向けの講演も行う。 高校2年生の息子を育てる母として、「調査データ」と「リアルな声」の両面から若者インサイトを掘り下げている。

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