20~30代女性のぬい活の実態
行っているぬい活やかけるお金、情報収集について調査

更新日:2026年07月27日(月)

「ぬい活」とは、ぬいぐるみの着せ替えをしたり、外出や食事に連れて行ったり、写真を撮影したりして楽しむ活動の総称です(ぬい活について、詳しくはこちらの記事で解説しています)。近年、ぬい活市場は拡大傾向にあります。東京商工リサーチの報告によると、ぬいぐるみ関連企業の売上高は2021年から2025年にかけて1.7倍に伸び、最終利益はほぼ2倍です。さらに、ぬい活は子どもだけでなく、大人も楽しむものとして定着しつつあります。広がるぬい活市場の中で、ぬいぐるみや関連アイテムの購入、ぬい活のための外出といった消費行動はどうなっているのでしょうか。

今回は、未婚・子なしのぬい活をしている20~30代女性を対象として調査を実施。その結果、ぬい活にかける金額は二極化傾向にあり、特に「かわいさ」と「推しとの関連」が購買の後押しになることがわかりました。このほか、ぬい活のジャンルや持っているぬいぐるみの数、情報収集の方法などについても解説します。

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1,ぬい活歴は5年未満が多数派である一方、10年以上のベテランも約1割

ここでは、ぬい活をどれくらい続けているのか、どのようなジャンルのぬいぐるみを楽しんでいるのか、ぬいぐるみを何体持っているのかを見ていきます。全体としては比較的新しい層が多いものの、30代ではぬい活を長く続けていたりぬいぐるみを多く持っていたりする傾向がやや強く見られました。

Q.あなたのぬい活歴は何年ですか?

Q7_あなたのぬい活歴は何年ですか?

(n=306 20代n=106、30代n=200)

全体では、ぬい活歴5年未満の人が65.4%と多数派でした。内訳を見ると、「2年以上3年未満」が18.3%で最も高く、「1年以上2年未満」15.4%、「10年以上」13.4%と続きます。ここ数年でぬい活を始めた人が多い一方、10年以上続けているベテランも約1割いることがわかります。

20代と30代を比べると、20代は5年未満が70.7%で、30代の62.5%を上回りました。反対に「10年以上」は20代10.4%に対し30代15.0%で、30代のほうが長く続けている人が多めです。

 

Q.あなたのぬい活の主なジャンルは何ですか?【複数回答】

Q8_あなたのぬい活の主なジャンルは何ですか?(いくつでも選択可)

(n=306 20代n=106、30代n=200)

主なジャンルは、全体では「キャラクター(ちいかわ、パペットスンスン等)」が46.1%で最多でした。次いで「アイドル」34.3%、「アニメ・漫画」23.9%、「動物」22.9%と続いています。

年代別では、20代は「アイドル」39.6%、「VTuber」10.4%が30代を上回りました。一方、30代は「キャラクター」48.5%、「アニメ・漫画」25.5%が20代を上回り、年代によって選ばれるジャンルに違いが見られました。

 

Q.あなたが持っているぬいぐるみの数を教えてください。

Q11_あなたが持っているぬいぐるみの数を教えてください。

(n=306 20代n=106、30代n=200)

保有数は全体で「10体以上」が22.9%と最多で、ぬい活をしている人の中には、ぬいぐるみを数多く集めている人が一定数存在するようです。一方で「1体」13.4%、「2体」14.1%、「3体」14.4%も比較的多く、1〜3体保有の合計は41.9%でした。厳選して楽しむ人と、たくさんコレクションしている人の両方がいることがわかります。

20代は「1体」17.9%、「3体」17.9%の割合が相対的に高く、1〜3体保有の合計も48.1%と約半数に達しました。対して30代は「10体以上」27.0%が最多で、20代の15.1%を大きく上回ります。30代はぬい活歴も比較的長い傾向にあり、活動期間の違いが保有数に表れている可能性があります。

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2,ぬい活にかける金額は人によって差が大きい傾向

ここでは、ぬい活関連アイテムや外出にどのくらいお金をかけているのかを見ていきます。結果としては、どの項目でも「お金は使わない」層が約半数を占める一方で、ある程度お金をかける層も一定数存在しており、使わない人と使う人の差が目立つ構造になっています。

Q.ぬい活に関連する以下のアイテムについて、1年間に使う平均金額を教えてください。

Q13_ぬい活に関連する以下のアイテムについて、1年間に使う平均金額を教えてください。

(n=306)

各項目で最も多いのは「お金は使わない」で、約半数程度の割合に上ります。

一方で、ある程度お金を使う人も存在します。たとえば、「洋服・アクセサリー(既製品)」はお金を使わない人の割合が比較的低く、「1,000円以上3,000円未満」「3,000円以上5,000円未満」に合計で23.2%が分布しています。さらに、1万円以上使う人も13.4%の割合で存在します。「ぬい撮り用の小物」では「1,000円以上3,000円未満」「3,000円以上5,000円未満」の合計が23.8%です。「収納・ディスプレイ」もお金を使わない人の割合が他の項目と比べて低く、「1,000円以上3,000円未満」「3,000円以上5,000円未満」に合わせて21.9%が分布しています。

この結果から、自身の目的に合わせてお金を使うコアなぬい活ファンも一定数いることが予測されます

 

Q.あなたは、ぬい活を目的として外出した経験がありますか?

(n=306 20代n=106、30代n=200)

全体では、「ある」54.6%が過半数を占めました。ぬい活は自宅内だけではなく、外出先でも楽しむものとして定着しつつあるのかもしれません。

20代では外出経験ありが61.3%で、30代の51.0%を10ポイント以上上回りました。20代のほうが、ぬい撮りや外食、イベント参加など、ぬいぐるみを外に連れ出すタイプのぬい活をより積極的に楽しんでいる様子がうかがえます。

 

Q.ぬい活を目的とした外出について、1年間に使う平均金額を教えてください。

Q15_ぬい活を目的とした外出について、1年間に使う平均金額を教えてください。

(n=167)

ぬい活を目的とした外出経験者を見ると、年間の食費は「3,000円以上5,000円未満」28.1%が最も高く、1万円以上使う人も25.2%でした。

交通費・宿泊費では「3,000円以上5,000円未満」19.8%が最も高く、1万円以上が31.8%を占めています。

ぬい活を目的とした外出では、比較的少額で楽しむ人がいる一方、食費や移動・宿泊に1万円以上かける人も一定数見られました。

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3,ぬい活の情報源はSNSが主流

ここでは、ぬい活に関する商品やサービスの情報を、どこから得ているのか見ていきます。全体ではX、InstagramといったSNSの存在感が大きく、ぬい活市場において重要な接点になっているようです。

Q.ぬい活に関する商品やサービスの情報を、主にどこから得ていますか?【複数回答】

Q19_ぬい活に関する商品やサービスの情報を、主にどこから得ていますか?(いくつでも選択可)

(n=306 20代n=106、30代n=200)

全体で最も多かったのは「X(Twitter)」37.6%で、次いで「Instagram」31.7%でした。一方で「情報収集は特にしない」と回答した人も20.3%と、積極的な情報収集を行わない人も一定数見られました。

20代は「YouTube」23.6%の割合が30代より高く、動画から情報を得る傾向が強めです。「ファンコミュニティ」10.4%も30代の6.5%をやや上回っており、推し活的なつながりの中で情報を収集している様子もうかがえます。

30代では「X」41.5%や「Web記事」11.5%が20代を上回り、テキストを中心とした媒体の利用率が比較的高い結果となりました。

 

4,ぬい活における購買を後押しする要素は「かわいさ」「推しとの関連」

ここでは、ぬい活関連の商品やサービスを購入するとき、何が決め手になるのかを見ていきます。全体では「見た目のかわいさ」と「推しに関係していること」が購買を後押しする重要な決め手になっているようです。

Q.ぬい活に関する商品やサービスを購入する際の、重要な決め手となる要因は何ですか?【複数回答】

Q20_ぬい活に関する商品やサービスを購入する際の、重要な決め手となる要因は何ですか?(3つまで選択可)

(n=306 20代n=106、30代n=200)

「デザイン・見た目のかわいさ」47.4%が最も高く、「『推し』に関連していること」39.2%が続きました。3位は「価格」21.6%で、商品自体のかわいさや推しとの関連性に加え、価格も購入判断の材料になっていることがわかります。

年代差を見ると、30代は「デザイン・見た目のかわいさ」51.0%が20代の40.6%を10ポイント以上上回りました。「価格」も30代のほうが高くなっており、30代のほうが「かわいさを重要な指標にしつつ、納得できる価格かどうか」をより強く見ている人もいるようです。前述したように30代は20代と比べてぬい活歴が長くぬいぐるみ保有数も多い傾向にあるため、よりシビアに取捨選択する人が多いのかもしれません。

一方、20代は「友人・知人のおすすめ」14.2%が30代をやや上回りました。20代は、実際の評判や周囲の反応を参考にしながら選ぶ傾向がやや強いようです。

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5,約7割がぬい活の写真や体験をSNSでシェア

ここでは、ぬい活で撮った写真や体験を、どのSNSでどのようにシェアしているのかを見ていきます。全体では約7割が何らかの形で発信しており、ぬい活は個人で楽しむだけでなく、見せる・共有するまで含めた活動になっていることがわかります。

Q.ぬい活で撮った写真や体験について、SNSでシェアしますか?【複数選択】

Q22_ぬい活で撮った写真や体験について、SNSでシェアしますか?(いくつでも選択可)

(n=306 20代n=106、30代n=200)

全体では「特に何もしない」が約3割であり、 約7割は何らかの形でSNSに写真や体験をシェア しています。特に多かったのは「Instagramのストーリーズにアップする」27.8%、「Instagramのフィード投稿にアップする」27.5%、「X(Twitter)にアップする」25.5%です。

20代では「Instagramのストーリーズ」35.9%が特に多く、30代の23.5%を大きく上回りました。ストーリーズは24時間で消えることから、いいねやコメントをあまり気にせず気軽に投稿できる点が支持されているのだと推測できます。

一方、30代では「X(Twitter)」29.5%が20代の17.9%を大きく上回っています。20代よりも、反応や拡散を求める人が多いのかもしれません。

 

6,今後、ぬい活はどうなる?

マイナビのマーケターに、ぬい活の現状や今後について話を聞いてみました。

中西舞

中西 舞(なかにし・まい)|株式会社マイナビ

コンテンツメディア事業本部 マーケティング部ディレクター。
大学生向けメディア『学生の窓口』の立ち上げに関わり、デジタル・アパレル・金融・食品・医薬化粧品など多様な業界の広告企画を担当。
現在は大学生をはじめとしたZ世代向け案件を中心に、年間約200件以上のプランニングおよび営業同行を行う。


「ぬい活」という言葉を超え、日常インフラ化する市場

今回の調査でも、ぬい活歴10年以上のベテランは全体の13.4%を占めています。実は私もその1人ですが、我々にとって、「ぬい活」といった名称そのものに、ややむず痒さを感じる面もあります。名称でカテゴライズされる以前から、ただ大好きな小さきいのちを愛でてきた。それが偽らざる実感でしょう。

この事実は、マーケターにとって重要な示唆を含んでいます。ぬい活は、SNSや商業側が生み出した一過性のブームではなく、既存の消費文化の中に長く根を張ってきた行動様式が、可視化・言語化されたものだということです。つまり、ぬい活市場は今後さらに拡大する可能性が高いですが、それはブームの延長ではなく、生活文化への定着プロセスの一部として捉えるべきだと感じます。

「意外とお金を使っていない」の裏にある本質的な消費パターン

調査結果を俯瞰すると、関連アイテムに「お金は使わない」と回答した層が約半数に達し、意外なほど支出は控えめに見えます。しかし現場感覚では、まったく逆の光景が展開されています。自分の服はいわゆるプチプラ商品でも迷うのに、ハンドメイド作家さんの新作ぬい服が公開されると金額を確認する余裕もなく血眼で決済ボタンを押す。そんな消費行動が確かに存在します。

つまり、 ぬい活の支出は、「特定のトリガーが引かれた瞬間の瞬発的・非価格弾力的な消費」として理解する必要があります。 第4章で「デザイン・見た目のかわいさ」47.4%、「『推し』に関連していること」39.2%が購買決定要因の上位に挙がっていることは、この「トリガー消費」の存在を裏付けています。

『日常に溶け込むぬい』SNSが示す新しい生活様式

SNSを覗くと、ぬいぐるみの写真だけをアップし続けるアカウントが無数に存在し、日々の食卓や旅先、通勤バッグの中に、ぬいぐるみが自然に登場します。ぬいぐるみのVlogや、振り向き動画がネットミーム化する現象も生まれています。

この現象を象徴するのが、「お気に入りのぬいちゃんに世界を見せてあげている」という語りです。旅行に行っても、これまでは風景や自分の写真に興味がなかった人が、「ぬいがいるから写真を撮るようになった」と語る場面を目にすることが増えてきました。第5章の調査で、約7割がSNSでぬい活をシェアしていることは、この日常インフラ化の裏付けと言えるでしょう。

つまりぬいぐるみは、「撮影動機を生成する装置」として機能し始めています。カメラアプリ、旅行、外食、宿泊、あらゆる体験消費が、ぬいぐるみを起点とされつつあるのです。

商業の広がり——「ぬい対応」がスタンダードになる時代

ぬい活を前提とした商業の広がりは、ここ数年で加速度的に進んでいます。具体的に見ていきましょう。

  • ぬいぐるみ用小物になるガチャガチャ
  • ぬいぐるみ小物の専門店、専用フロア
  • 100円均一や手芸店のぬい活コーナー
  • ぬいぐるみだけで参加できるイベントや宿泊プラン
  • ぬいぐるみ用ベッドのある宿泊プラン
  • ぬいぐるみの病院
  • ぬいぐるみクリーニング(の動画)
  • ぬいぐるみ用メニューのあるカフェ

さらに、「ぬい撮りコーナー」の設置は観光地・商業施設でもよく見かける光景となり、ぬいぐるみを連れていく前提の場所も増えてきました。

企業側の成功事例として特筆すべきは、花王エマール『エマール風呂』戦略です。ぬいぐるみを「洗う」のではなく「お風呂にいれる」というぬい活ならではの概念に対し、既存の洗剤ブランドが文化の担い手として名乗り出たことで、ブランド価値そのものを更新しました。

「ぬい活市場」の次のフェーズ

ぬい活と推し活は密接に結びつきながら市場を押し広げ、やがて言葉として意識されないほど生活にインフラ化していくでしょう。

この流れの中でマーケターに求められるのは、平均支出の底上げではなく、 「かわいさ」と「推しとの関連」を起点に価格感度が消失する瞬間を作るトリガー消費の設計 です。ぬい活はもはや趣味の一領域ではなく、あらゆる業種のマーケターが向き合うべき生活文化そのものへと変貌しつつあるのではと感じます。

ダウンロード資料のご案内

ダウンロード資料では、本記事では紹介しきれなかった、人気のぬいぐるみやぬいぐるみ購入にかけた金額、ぬい活のためだけに最も高い金額をかけた対象などについてもご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。下記ボタンよりご請求いただけます。

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  • 調査対象

    23~39歳/女性/未婚/子どもなし/正社員、公務員・団体職員/ぬい活をしている

  • 有効回答数

    306件

  • 調査時期

    2026年6月

  • 方法

    インターネット調査

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