バズマーケティングとは? 効果的な戦略と4つのポイント、成功事例を解説

「SNSの投稿をしているけど、フォロワーが増えない」、「アカウントの認知をもっと上げたい」などと悩んでいませんか?  「バズマーケティング」の手法も、認知を上げるための一つの方法です。

この記事では、バズマーケティングの概要から代表的な戦略について詳しく解説。また成功ポイントや具体的な事例についても紹介していきます。

バズマーケティングとは

まずは、バズマーケティングについて詳しく解説します。類似した手法と比較し、それぞれの違いについても理解をしましょう。

 

バズマーケティングの概要

バズマーケティング

バズマーケティングとは、SNSや口コミなどによる情報拡散を活用して、短期間で商品やサービスの認知拡大を狙うマーケティング手法です。企業が話題になりそうなコンテンツを戦略的に作成し、ポジティブな内容広めていくのが特徴です。

バズとは英語の「buzz」が語源で、「ざわつき」や「人々が群れて噂になる」状態のこと。バズるは「SNSで話題になること」を意味します。

 

「バズマーケティング」と「バイラルマーケティング」の違い

バズマーケティング

バイラルマーケティング

バイラルマーケティングも、ユーザーの口コミやSNSなどによる情報拡散を利用して、認知拡大を狙うマーケティング手法です。バイラルは英語の「viral」で、ウイルスのように自然と広がっていく状態のこと。ユーザーの自発的な情報拡散により、自然に広がっていくのが特徴です。

バズマーケティングとバイラルマーケティングの違いは、情報拡散のされ方。バズマーケティングは企業が積極的に情報拡散を促す一方で、バイラルマーケティングは、自然な口コミを活かして、情報が広まっていくものです。

バズマーケティングは「企業が情報拡散の仕掛けまでを考える手法」と捉えると理解しやすいでしょう。

 

「バズマーケティング」と「インフルエンサーマーケティング」の違い

バズマーケティング

インフルエンサーマーケティング

インフルエンサーマーケティングは、企業から依頼されたインフルエンサーが商品やサービスなどについて情報発信をし、認知拡大を狙うマーケティング手法です。

バズマーケティングの手法の1つがインフルエンサーマーケティングで、両者とも企業が情報拡散を仕掛けている点が共通点

バズマーケティングはさまざまな人から派生して情報拡散するのが特徴ですが、インフルエンサーマーケティングは、企業が依頼したインフルエンサーを起点に情報拡散されていくのが違いです。

 

バズマーケティングのメリット・デメリット

続いては、バズマーケティングのメリットとデメリットをそれぞれ見ていきましょう。

メリット

・短期間での認知向上
・情報の信用性

短期間での認知向上

バズマーケティングの大きなメリットは、拡散力の高さです。あらかじめSNSの即時性や拡散力を活かした戦略を立てているので、うまくいけば情報が瞬く間に広まり、認知向上や購買促進など爆発的な効果を生み出します。

またSNSの広告掲載は一定のコストがかかりますが、リポストやいいね、シェアなどで二次拡散された場合はコストがかかりません。そのため、比較的低コストで認知拡大を狙うこともできるでしょう。

 

情報の信用性

バズマーケティングは、口コミにより情報拡散されることで、ウィンザー効果も得やすい傾向。ウィンザー効果とは、当事者が発する情報よりも、第三者が発信した情報の方が信頼されやすいという心理的効果のことを指します。

企業が自社の商品やサービスのメリットを発信するよりも、ユーザーが「この商品はここが便利!」、「こういう活用方法もできる!」などと発信した方が、消費者目線の情報で信用も得やすいでしょう。企業が消費者のリアルな声を集め、商品開発や改善に活かすこともできます。

合わせてチェック!

商品やサービスの認知拡大を狙う上で、UGCの活用も欠かせません。UGCのメリットや増やす方法、事例についてポイントを詳しく解説しています。

参考記事:インスタグラムのUGCとは? 効果や増やす方法、事例を徹底解説

 

デメリット

・効果が短期的
・情報のコントロールができない

効果が短期的

バズマーケティングの影響力は大きいですが効果は短期的で持続させることは難しいということを理解しておきましょう。SNSはリアルタイムで大量の情報が流れているため、一時的に多くの注目を集めることはできても、ユーザーの興味や関心は、次々と移り変わっていきます。

公式サイトにバズを生んだSNS投稿を掲載するなど、何らかの形でコンテンツを再利用するのも有効でしょう。一方で、長期的な効果を見込むには、他のマーケティング手法や別のアプローチが必要になります。

 

情報のコントロールが難しい

バズ狙いのコンテンツでも、注目されないことは多々ありますし、どのように情報拡散されていくかをコントロールするのは難しいでしょう。

また、SNSはあらゆる人が利用しているため、企業側の意図とは異なる形で、ユーザーに情報が伝わってしまうことも。そのため、予期しない炎上を引き起こす可能性があります。炎上は大きな損失になりますし、過去の投稿まで遡られて誹謗中傷を受けることもあります。炎上対策も十分にしておきましょう

 

バズマーケティングの主な戦略5つ

バズマーケティングで用いられる、主な5つの戦略について紹介します。

 

1.キャンペーン

X(Twitter)やInstagram、TikTokなどSNSでのキャンペーンは、バズマーケティングに非常に適しています。SNSのキャンペーンはユーザーにとって気軽に参加できますし、いいねやフォロー、リツイートなど特定のアクションを参加条件にすれば、短期間で情報拡散も見込めるでしょう。

プレゼントキャンペーンの際には、コメントをするとプレゼントの当選確率がアップすることを明記しておけば、ユーザーの声を集めることも可能に。応募して当選結果がすぐに届く「インスタントウィン」も、ユーザーがより気軽に参加できることから人気の手法です。商品やサービスの無料トライアルキャンペーンもおすすめです。

 

2.インフルエンサー

インフルエンサーは、特定分野で大きな影響力を持っているのが強みです。すでに一定数のフォロワーがいますし、彼らと共通の趣味趣向を持っているため購買にもつながりやすい傾向も。インフルエンサーは、強力な宣伝になる可能性が高いのがメリットでしょう。

一方で、商品やサービスのターゲット層に合ったインフルエンサーを選出するのが重要。またインフルエンサーに仕事を依頼する際は、投稿に必ず【PR表記】が必要となります。表記ルールを正しく理解し、ステルスマーケティングにならないように注意しましょう。

10代女子に人気のインフルエンサーは?

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参考記事:【2024年10月版】10代女子が選ぶインフルエンサーランキング

 

3.口コミ・コメントの活用

SNS投稿やキャンペーン施策を用いて、口コミを募集するのも一つの手です。例えばクイズや診断型のコンテンツは、ユーザーがコメントをしやすく、結果をシェアする傾向もあるので、口コミも集まりやすいでしょう。気軽に楽しんでもらいながら情報拡散もできます。

口コミやコメントのほか、シェアなども参加条件に入れておくと、より多くのユーザーに広めることができるでしょう。

 

4.画像・動画の活用

SNSにおいてビジュアルコンテンツはバズりやすい傾向のため、画像や動画を活用するのもおすすめです。ユーザーの興味や関心を惹きやすいのはもちろん、商品の魅力も伝わりやすいと言えます。

また、画像や動画を活用する際は商品紹介だけでなく、ユーザーに自分もやってみたい!」、「真似してみたい!」と思ってもらえるかが重要です。独自の活用方法やアレンジレシピなど、魅力的なコンテンツを作成しましょう。

 

5.オリジナルハッシュタグ

商品名やブランド名などに関連するオリジナルハッシュタグを作り、ユーザーには指定のハッシュタグを付けた上で投稿をするように促すのが大切です。SNSで自社や商品に関する投稿を検索しやすくなりますし、特定のコンテンツの拡散にも役立つでしょう。

先述したキャンペーン企画や口コミ募集する際には、オリジナルハッシュタグを付けて投稿してもらうように呼びかけてください。

ジャンル別人気ハッシュタグ

Instagramでは、情報を効率よく広めるためにハッシュタグの活用が欠かせません。オリジナルハッシュタグと一緒に人気ハッシュタグも取り入れましょう。

参考記事:【2024年】Instagramの人気ハッシュタグは? 業界別トレンドもチェック

 

バズマーケティングの成功ポイント4つ

バズマーケティングの成功ポイント

ここでは、バズマーケティングを成功させる4つのポイントをご紹介します。

 

トレンド

バズマーケティングでは、トレンドを取り入れることが非常に重要です。人気のネタや話題になっていることは人々の関心を惹きやすく、情報拡散されやすい傾向だからです。

SNSのトレンドから、どのようなキーワードがトレンドになっているか、最新の話題をリアルタイムで把握することができます。また人気ハッシュタグ話題のフレーズなどを活用するのも有効です。トレンドを取り入れることで、コンテンツをさらにブラッシュアップできるでしょう。

 

親和性の高いインフルエンサー

インフルエンサーを起用する場合は、自社の商品やサービスと親和性の高い人を起用しましょう。親和性の高い人を選ぶことで、情報の価値を高められたり、共感や信用にもつながったりと、大きな効果を見込むことができます。

まずはどのようなターゲット層に訴求するかを決めましょう。年齢層や趣味趣向など、細かく設定するのが重要です。その上で、インフルエンサーがどの層からの支持を得ているのか、詳しく分析するのがおすすめです。適切なインフルエンサーを選ぶことで、自然な形でプロモーションできます。

 

マルチチャネルで展開

SNSは使い分けされる傾向があり、それぞれユーザー層が異なるのが特徴です。例えばYouTubeは幅広い年齢層が利用している一方で、TikTokは10代~20代の若年層の利用率が高い傾向。マルチチャネルで展開することで、より多角的にアプローチし情報拡散できます。

またTikTokで話題になったコンテンツが、X(Twitter)でもさらに拡散されるということも。SNSは相乗効果生まれやすいため、マルチチャネルでの展開をおすすめします。

自社に合うSNSは?

SNSは、サービスの特長やメインユーザー層もそれぞれ異なり、ユーザーがどのように使い分けをしているのか把握するのが重要です。有名SNSをチェックしましょう!

参考記事:【2024年版 有名SNS一覧】17種類の特長と使い分け方を紹介

 

有益な情報発信

バズマーケティングには、ユーザーにとって有益な情報を届けることはもちろん、新しい気づきがあったり、「他の人にも教えてあげたい」と思えるようなシェアしたくなる情報であることが大切です。定期的に発信しユーザーとの信頼性を高めましょう

例えば、企業の最新技術や開発秘話なども独自性のある有益な情報ですし、差別化を図ることができます。体験レポートやレビューなども、ユーザーに役立つ情報でしょう。企業やブランドのブランディングにもつながります。

 

バズマーケティングの成功事例

KATE「リップモンスター」

KATE「リップモンスター」

出典:「TikTok for Business」

カネボウ化粧品「KATE(ケイト)」のリップモンスターは、2021年にTikTokで大きな反響を集め、販売開始から約1年で累計出荷数350万本を突破。数々のベストコスメを受賞しました。

リップモンスターは、つけたての色が長時間持続する、保湿と色持ちを兼ね備えた高発色口紅。TikTokでは人気クリエイターを起用し、マスクを外し音楽に合わせてポーズをとるたびに唇の色が次々と変わる、斬新なコンテンツを投稿しました。

動画はコロナ禍でもメイクを楽しみたい!」というユーザーの気持ちにマッチ。影響を受けた多くの人からも、リップモンスターを使った“鮮やかリップ”を披露する動画が続出。リップの色も「欲望の塊」や「ラスボス」、「2:00AM」など、SNSに載せたくなるキャッチーなネーミングで、話題を集めました。ユーザーの共感を集め、真似したくなるコンテンツが、成功につながっています。

 

大塚製薬「ファイブミニ」

大塚製薬「ファイブミニ」

出典:「TikTok for Business」

大塚製薬の「ファイブミニ」は、2021年にTikTok広告で若年層からの反響を多く集め、動画の視聴回数は2000万回超え、売上も倍増となりました。

「ファイブミニ」は、おなかの調子を整える特定保健用食品で、食物繊維を手軽においしく摂取できる飲料。TikTokでは若年層に気のインフルエンサーを起用し、ファイブミニを飲んだ感想や、お腹の調子の変化をレビューしてもらいました。

動画は便秘やダイエットに悩むユーザーから多くの関心が寄せられ、「どこで買えるの?」、「いつ飲めばいいの?」など、コメントを通じた交流も次々と派生。商品の効果だけでなく、アレンジレシピも広まり、大きな反響に。親和性の高いインフルエンサーに発信してもらうことで、興味喚起につながりました。

 

森永製菓「BAKE(ベイク)」

森永製菓「BAKE(ベイク)」

出典:森永チョコレート公式X(Twitter)

森永製菓の焼きチョコ「BAKE(ベイク)」は、2019年に「ベイクを買わない理由100円買取キャンペーン」を実施。2日で4万件を超える応募が集まり、キャンペーン終了後も多くの反響を集めました。

森永チョコレートのX(Twitter)公式アカウントにて、「かつてのアイドル、焼きチョコ『ベイク』が何をしても売れず、絶望しています。。」と、同キャンペーンについて呼びかけ。このツイートに対し、「自虐的でおもしろい!」「応援したい!」などと話題になり、情報拡散されました。

また「ベイクを買わない理由を書くと、Amazonギフト券100円で買い取ります」というユニークな企画にも魅力を感じてもらえ、拡散につながったようです。同キャンペーンで消費者のリアルな声を集めることに成功し、2021年にリニューアル発売されました。

 

まとめ

バズマーケティングとは、ユーザーの口コミなどによる情報拡散を活用して、認知拡大を狙うマーケティング手法です。今回紹介したように、インフルエンサーやキャンペーンなど、さまざまな手法と組み合わせることができるので、商材に合わせて戦略を考えていきましょう。

 


マイナビのSNS支援サービス

SNSマーケティング運用支援施策

マイナビでは、高校生や大学生、社会人層などを対象としたメディアのほか、自社でSNSも複数運営。各メディアごとに登録会員も所属しており、ユーザーのインサイト分析をもとにしたコンテンツマーケティングを強みとしています。

SNSのアカウント立案や広告施策、インフルエンサーのキャスティング、コンテンツ制作など幅広く運用をサポートしていますので、お気軽にご相談ください。

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アンバサダーマーケティングのメリットは? 導入のポイントと成功事例を紹介

アンバサダーマーケティングは、ブランドのファンとともに行うプロモーション施策。SNSでの口コミやレビューなどユーザー視点の情報は重宝されており、今後の消費行動にも大きく影響を与える要素でしょう。

この記事では、アンバサダーマーケティングの概要や重要性、メリット・デメリット、成功のポイントなどを詳しく解説していきます。

アンバサダーマーケティングの概要

アンバサダーマーケティングとは

 

アンバサダマーケティングとは?

アンバサダーマーケティングとは、特定のブランドや商品・サービスの愛用者をアンバサダーとして任命し、彼らによる口コミやレビューなどの情報発信によってブランドのプロモーションを行うマーケティング方法のことです。

アンバサダーはブランドの理念や価値を理解し、その魅力を伝えていく役割を果たします。従来の広告手法と比較すると、アンバサダーマーケティングは消費者からの信頼を得やすく、購買意欲をより高める効果もあると言われています。

 

アンバサダーとは?

アンバサダー、インフルエンサー、アドボケイトの比較表

アンバサダー

特定の商品やサービス・ブランドの熱心なファンや支持者で、積極的に情報発信・PRする人のこと。ブランドとの強い関係性を持ち、プロモーション活動を長期的に行うのが特徴です。

※ハイブランド等のアンバサダーはモデルや著名人が任命され、ブランドの「顔」としての活動を期待されることが多く、通常のアンバサダーを起用する場合とは少し異なります。

インフルエンサー

X(Twitter)やInstagram、TikTokなどのSNSで一定のフォロワー数がいて影響力のある人ですが、必ずしもブランドのファンであるとは限りません企業から報酬をもらいながら、短期的な契約でプロモーション活動をするパターンが多いです。

アドボケイト

翻訳すると「支持者・擁護者」という意味で、ブランドの支持者として自ら積極的に情報発信をする人のこと。企業から報酬をもらうことなく、自分の意志で自由に情報発信をしていることが違いです。

 

アンバサダーマーケティングが重要な理由

ここでは、アンバサダーマーケティングが重要な理由について解説していきます。

 

消費者との関係性作り

近年はモノを購入する際、商品やサービスそのものの価値よりも、ブランドや企業の理念・コンセプトを重視して選ぶ傾向が高まっています。そのため企業にとって、ブランドに好意を持つ消費者は大切な存在であり、消費者と関係を深めてファン化していくことが重要です。

一度ブランドのファンになると長期にわたり商品やサービスを愛用してもらえることが多く、新製品も好意的に購入されることが多いでしょう。SNS上でファンが魅力を発信したり、ファン同士でコミュニティが形成されたりすれば、影響力もその分大きくなっていきます

今後企業がブランドのファンをさらに増やしていくためにも、アンバサダーを通じて商品やサービスの魅力を自然な形で広めていくのが適しています。

Z世代の約60%は好きなブランドを継続購入する傾向!
マイナビ マーケティング・広報ラボ「消費行動についてのアンケート」

マイナビ マーケティング・広報ラボ「消費行動についてのアンケート」より:18-22歳の学生/n=230件/2023年12月8日~2023年12月31日

 

マイナビのマーケティング広報ラボの調査によると、Z世代の中で好きなメーカー・ブランドに対して「継続的な購入」をすると答えた人は、約60%。過半数の人がリピート買いをする傾向があることがわかりました。「新商品のチェック」も半数近くがしており、好きなブランドへの信用や期待値は高いようです。

参考資料:リアルコミュニティを駆使したZ世代との共創プロモーション事例


 

口コミによる影響力の拡大

SNSの普及により、実際に商品やサービスを使った人の口コミやレビューが大きな影響力を持つようになりました。例えば何か特定の欲しいものがある場合、事前にその商品のレビューを読んでから購入を決める人は多いでしょう。

一般人からの実体験ベースの口コミには説得力があり、信頼性の高い情報源として購入のきっかけにつながりやすい傾向が出ています。消費者からの共感と信頼を得るためにも、アンバサダーによる口コミやレビューの需要はさらに高まっていくと考えられています。

 

アンバサダーマーケティングのメリット・デメリット 

アンバサダーマーケティングのメリット・デメリット 

ここからは、アンバサダーマーケティングのメリット・デメリットについて詳しく説明します。

アンバサダーマーケティングのメリット

・低コスト
・ユーザーの本音や意見を集めやすい
・潜在層にも広まりやすい

低コスト

アンバサダーマーケティングは、従来の一般的な広告手法と比較した際、あまりコストをかけずに実施できるのがメリットです。

アンバサダーは前提としてブランドのファンであるため、自ら積極的にブランドや製品の魅力をアピールしてくれます。また必ずしも報酬が発生するものではないので、低コストでブランディングができます

 

ユーザーの本音や意見を集めやすい

アンバサダーはブランドのファンであり、ユーザーでもあります。実際に商品を使っていることで、商品に関する基本的な情報やスペック、メリットもある程度把握しているのが強みです。また「この機能は使いづらい」、「あの機能があれば、さらによくなりそう!」など、ユーザー視点での率直な意見やアイディアを持っているというメリットもあります。

ユーザーからの本音や意見が集まることで、企業は商品の改良につなげたり、最新のトレンド把握や新製品の企画など、あらゆる方面で情報活用ができるでしょう。

 

潜在層にも広まりやすい

アンバサダーは実体験をベースにしていることからも、ライフスタイルに合わせて商品やサービスの魅力を伝えることができ、自然な形で広まりやすいのもメリットです。

またSNSは共通の趣味趣向でつながることが多いので、アンバサダーのSNSには似たような興味・関心を持っているフォロワーが集まっている可能性が高いでしょう。アンバサダーがブランドや商品に関する投稿をすれば、そういった潜在層にも効果的にアプローチでき、認知拡大につなげることができます

Instagramの情報は信用度が高い傾向!

マイナビのマーケティング・広報ラボが行った調査によると、新社会人はInstagramの情報を1番信用していることがわかりました【※X(Twitter)、Instagram、YouTubeと比較した際】。特に美容と飲食店のジャンルは信用性が高く、インフルエンサーか一般人かどうかに関わらず、投稿を見ているようです。

参考資料:SNS上での情報収集と広告に対する感じ方~新社会人編~

アンバサダーマーケティングのデメリット

・アンバサダーの選定
・継続的なサポートが必要
・SNS上での炎上リスク

アンバサダーの選定

アンバサダーを選ぶことが重要なポイントですが、選定する手間や難しさがあります。アンバサダーにはブランドの価値観やビジョンを理解した上で活動することが求められますが、適任者の条件や基準は明確にはわからず、実際に活動をしてもらわないと把握できないことも多いでしょう。

選定の難しさをふまえた上で、イベントを開催してユーザーと直接会う機会を設けたり、SNSで気軽に交流できる場を設けてみたりと、アンバサダー探しの場を作って適任者を探すのも一つの方法です。

 

継続的なサポートが必要

アンバサダーとして活動する中で、時にはブランドへの熱意が冷めてしまうなど、活動への意欲が下がることもあるでしょう。彼らのモチベーションを維持するには、継続的なサポートも欠かせません

例えば商品開発の裏側を限定公開したり、アンバサダーから出たアイディアを新商品に反映させたりするのも効果的。ブランドのファンとして喜べるような“特別感のある取り組み”ができると、彼らの熱意も高まるでしょう。

 

SNSでの炎上リスク

アンバサダーが個人的な理由でSNSなどで炎上した場合、ブランドにその影響が及ぶ可能性も。SNSの炎上は飛び火しやすく、批判の矛先が変わり思わぬ事態に巻き込まれるリスクがあります。

アンバサダーのSNS
での発言やプライベートでの行動が問題視された場合、これまでの言動もすべてチェックされ、批判の的になることもよくあります。ブランドのイメージが損なわれるリスクにも注意しておきましょう。

 

アンバサダーマーケティングの手法と流れ

ここからはアンバサダーマーケティングの進め方を具体的にチェックしていきましょう。


アンバサダーマーケティングの手法と流れ

1.目標を設定

マーケティング活動を通じて達成したい目標を設定しましょう。具体的にはSNSのエンゲージメント数やフォロワー数など、何を一番の数字目標にするかを考えてください。目標を明確にすることで、マーケティング活動の方向性も定まります。

2.ターゲット設定

続いてはターゲット設定へ。既存のターゲット層をさらに増やしたいのか、新規層にアプローチしたいのかによっても、選ぶべきアンバサダーは当然変わってきます。これらの要素を明確にすることで、アンバサダーに求める要素も見えてきます。

3.アンバサダーの選定基準やガイドラインを作る

アンバサダーに期待する役割や守るべき行動基準を設定しましょう。一般的な役割は、製品のレビューやイベントへの参加、情報発信などがあげられます。ターゲット設定をもとに選定基準も決めます。またアンバサダーの投稿内容もブランディングの一部になるので、避けてほしい内容・表現などもガイドラインでまとめておくと共有がスムーズです。

4.アンバサダーを探す

アンバサダーを見つけるためには、徹底的なリサーチが必要です。ブログやSNSなどで商品やサービスについて肯定・好意的な投稿をしている人を調べてみたり、ファンを集めたイベントなどを開催して探すのがよくある方法です。SNSで直接募集してみるのも有効です。 

5.プログラムの運用を開始

プログラムの運用前に、ブランドの理念やメッセージをアンバサダーに共有しましょう定期的なミーティングやコミュニケーションの場を設定し、コンセプトにズレがないか確認するのもおすすめです。情報の共有や進捗確認なども行います。

6.結果の評価と次のステップ

アンバサダーマーケティングでは、企画の運用後にアンバサダー1人1人の成果を確認することが大切です。SNSのセッション数やエンゲージメント率などを確認し、改善案を考えていくことが多いです。アンバサダー自身の個人的な目標も考慮し、定期的にサポートしていきましょう。

 

アンバサダーマーケティング成功のためのポイント

アンバサダーマーケティング成功のためのポイント

ここでは実際に、アンバサダーマーケティングを成功させるための3つの重要なポイントについて詳しく説明します。

 

アンバサダーの選定

まずは適切なアンバサダーを見つけることが不可欠です。SNSのフォロワー数だけでなく、投稿の頻度やフォロワーとのメッセージ内容、エンゲージメント率などもチェックするといいでしょう

探す手間や負担を少しでも楽にするためにはアンバサダー募集のキャンペーンを実施するのも、一つの手です。また何かしらアンバサダーの経験をしたことがある人は活動に対して事前に理解があるため、運用がスムーズにできるメリットもあるでしょう。

アンバサダー選定の際には、資格や専門知識、ターゲットとの親和性についても考慮しますが、やはり一番はブランドのファンであることが効果を高める要素です。

 

アンバサダーのモチベーションを高める

アンバサダーがブランドに対して高い熱量を持っていることも成功の鍵となります。企業は彼らに対して定期的な情報提供はもちろん、ブランドの最新情報や裏側も共有することでモチベーションを維持・高めることが重要です。

例えば新製品の先行体験や限定イベントへの招待など、“特別なメリット”を作ります。また彼らの意見を積極的に商品に取り入れることで、一緒にブランドを作っている!と実感を生むこともできるでしょう。自分の意見やこだわりが反映された商品はプロモーション活動もより積極的になるはずです。

 

コミュニティ形成

アンバサダー同士のコミュニケーションを促進し、コミュニティ作りをしていくのも大切です。コミュニティ内で情報・意見交換をおこなうことで、お互いに刺激を受けたり相乗効果も発揮できるでしょう。ファンはファン同士で集まることで、ブランドへの愛を深めることができます

また表彰制度を取り入れて、優れた活動をおこなったアンバサダーを表彰し、評価や感謝を伝えるのも効果的。全員のモチベーション向上にもつながります。どんな投稿が反響がいいのか、クリエイティブの作成ポイントなども共有できれば次の企画の際にも活かせますし、投稿もより活発になります

大学生が新商品をチェックするSNSは?

「情報収集についてのアンケート」

マイナビ マーケティング・広報ラボ「情報収集についてのアンケート」より:18-20歳の学生/n=160件/2023年11月22日~2023年12月31日

 

マイナビのマーケティング・広報ラボが行った調査によると、大学生の約半数はX(Twitter)やInstagram経由で、新商品や商品レビューをチェックしていることがわかります。商品レビューはYouTubeの割合も高く、X(Twitter)やInstagramで気になった商品を見つけ、動画で詳細を見ながら吟味しているのかもしれません。

参考資料:SNS上での情報収集と広告に対する感じ方~新大学生編~

 

アンバサダーマーケティングの注意点

「質」の分析が重要

アンバサダーに対して「数」より「質」を重視しましょう。SNSのフォロワー数や「いいね!」の数は一定の影響力を表していますが、最も重視すべき要素はエンゲージメント率です。

例えば、フォロワー数が10万人のインフルエンサーが50人のユーザーから反応を得たとします。この場合のエンゲージメント率はわずか0.05%です。一方、フォロワー数が1万人のインフルエンサーが50人のユーザーから反応を得たとすると、そのエンゲージメント率は0.5%になります。フォロワー数が多くてもエンゲージメント率が低ければ影響力は限定的で、狙ったターゲット層にアプローチできているかは不明です

エンゲージメント率からは、アンバサダーから派生したフォロワーがどれだけポジティブな影響を与えるか、そこからさらにどのように波及していくかもおおまかに把握しておきましょう。フォロワーがどのような層に影響を与えているのかもポイントで、購買行動や興味関心についても分析が必要です。このように「質」を見ていくことが成功の鍵となります。

 

アンバサダーマーケティングの事例

では、実際に企業がアンバサダーとともにどのようにブランディング活動をしているのかを見ていきましょう。

「とりぐら」

とりぐらInstagram

出典元:とりぐら公式Instagram

マイナビが運営する「とりぐら」は明日からできる大人かわいい一人暮らしのハンドブックをコンセプトに、誰でも気軽に取り入れられる暮らしのアイディアを発信しています。

アンバサダーは「とりぐら」の世界観のファンであり、一人暮らしのインテリアを楽しむ人が活動中。アンバサダーとの交流もしており、「とりぐら」の投稿内容や企画参加しやすい投稿テーマなどについてアンケートで意見を聞くことも。

これまでアンバサダー企画として「上半期買ってよかったもの」、「水回り収納」、「便利なキッチンアイテム」などをテーマに投稿募集し、“実用性があるのにかわいい・オシャレ”なアイテムが見つかる点で人気を集めています

 

「ワークマン」

「ワークマン」公式アンバサダー出典元:ワークマン公式サイト

作業服・関連用品の専門店「ワークマン」のアンバサダーは、同社の製品が好きなのはもちろん、専門分野に精通した人や趣味を極めている人など、個性的な人々が講師欽定されているのが特徴。ワークマンの公式サイトでも紹介されており、キャンプブロガーやモーターサイクルジャーナリスト、アウトドアライター、農業女子、釣りインフルエンサーなど多彩なメンバーです。

公式アンバサダーの動画投稿では、テントやレインジャケットなど同社のさまざまな商品を取り上げており、各分野のユーザー目線から情報発信。商品の機能性やメリットはもちろん、実際に使いながら得たノウハウやこだわりの使い方を紹介する動画が人気を集めています

またアンバサダーと一緒に商品開発も手がけ、数々のヒット商品も生み出されました。ライフスタイルや趣味に合わせた商品の使いこなしを見せることで、注目されています


マイナビのSNS支援サービス


SNSマーケティング運用支援施策

マイナビではSNSマーケティングの戦略・運用・広告配信・レポートまで、一気通貫して支援が可能。ユーザーのインサイト分析をもとにしたコンテンツマーケティングを強みとしています。

 

メディアの運営を活かしたアンバサダーの選定や、著名人・インフルエンサーアサインもサポートしますので、お気軽にご相談ください。

施策の詳細はこちら

まとめ

アンバサダーマーケティング成功のポイントは、ブランドのファンであるアンバサダーを見つけコミュニケーションを取りながらコツコツと関係性を作っていくことです。ブランドの魅力が自然な形で広まっていけば新しいファンも増え、ブランディングやコミュニティへと発展していくでしょう。