Z世代部下とY世代上司、すれ違いの本音を徹底調査!世代間ギャップと歩み寄りのヒント

Z世代部下とY世代上司、すれ違いの本音を徹底調査!世代間ギャップと歩み寄りのヒント

【Z世代コミュニティを活用した事例から見る】「共創」マーケティングでZ世代をファン化させる鍵とは?

【Z世代コミュニティを活用した事例から見る】「共創」マーケティングでZ世代をファン化させる鍵とは?

リアルコミュニティを駆使したZ世代との共創プロモーション事例

本資料では、「自社の商品サービスがZ世代に合うのか、どう見られているのか分からない」「彼らに響くプロモーション手法が知りたい」というお悩みを持つ2社と共に行った、Z世代向けのプロモーション事例をポイントを押さえつつ紹介いたします。
若年層に向けたプロモーションのご参考にぜひご覧くださいませ。

「みんなに見せる」から「あの子と分かち合う」位置情報アプリが映す、10代の新しいつながり方とは|感情が動くマーケティング

2026年上半期トレンドランキングの後編では、「広さ」よりも「深さ」を選ぶ価値観が、今の10代の流行の根底にあるのではないか、という仮説が浮かび上がりました。

「ば・く・れ・つ♡」のような仲間内で言い合う言葉や、シール帳・平成プリの再ブーム。そのどれもが、不特定多数に広く知られることよりも、気の合う友達と楽しむことに重心を置いていました。

この「広さより深さ」という変化は、彼女たちのコミュニケーションそのものにも及んでいるのでしょうか。今回は桑野が、学生のインサイトと市場動向に詳しい中西ディレクターへ、SetlogやBeReal. . 、位置情報アプリといった10代に支持されるサービスを切り口に、「広くつながる」から「深くつながる」への変化について聞きました。

登場マーケターのプロフィール

中西舞

中西 舞(なかにし・まい)|株式会社マイナビ

コンテンツメディア事業本部 マーケティング部ディレクター。
大学生向けメディア『マイナビ 学生の窓口』の立ち上げに関わり、デジタル・アパレル・金融・食品・医薬化粧品など多様な業界の広告企画を担当。
現在は大学生をはじめとしたZ世代向け案件を中心に、年間約200件以上のプランニングおよび営業同行を行う。

桑野 好絵(くわの・このえ)|株式会社マイナビ

桑野 好絵(くわの・このえ)|株式会社マイナビ

2007年マイナビ入社。
女性向けメディアや若年層トレンド領域に従事し、現在は『マイナビニュース』『マイナビウーマン』などの広告企画を担当。
Z世代に特化した調査チーム「マイナビティーンズラボ」のプランニングやデータ解説、企業向けの講演も行う。
高校1年生の息子を育てる母として、「調査データ」と「リアルな声」の両面から若者インサイトを掘り下げている。

「広さより深さ」は、つながり方にも表れているのか

「みんなに見せる」から「あの子と分かち合う」位置情報アプリが映す、10代の新しいつながり方とは|感情が動くマーケティング

変化が続く10代のSNS事情とは?

桑野:

前回、「広さより深さ」という話が出てきました。私はずっと引っかかっていて。最近のSetlogやBeReal. 、位置情報アプリの人気も、あの仮説と地続きな気がするんです。中西さんは、どう見ていますか?

中西:

私は、完全につながっていると思います。

流行るサービスには、その時代の価値観がそのまま映ります。かつてのSNSは「どれだけ多くの人に見てもらえるか」が価値でした。でも今は、その問いが「誰に見てもらうか」「誰と共有するか」に変わっています。

価値の重心が、広さから深さへ、はっきり移ったんです。

桑野:

前回も「みんなで楽しめること」がキーワードでした。あの「みんな」って、世間一般のことだと思っていたのですが。“みんな”って誰のことなんでしょうか。

中西:

そこが肝です。あの「みんな」は、不特定多数ではありません。顔の見える友達、気の合う仲間のことなんです。たくさんの人に届けることより、わかってくれる人と一緒に盛り上がること。

今の10代にとっては、後者の方がずっと価値があります。

 

「いいね」の数より、「それな」の数

「みんなに見せる」から「あの子と分かち合う」位置情報アプリが映す、10代の新しいつながり方とは|感情が動くマーケティング

10代の「みんな」って誰なのか。

桑野:

言われてみると、最近のアプリは「映える写真をみんなに見せる」という空気とは違いますね。

中西:

数字にもはっきり出ています。

たとえば位置情報共有アプリのwhooは、月間利用者数が2024年5月の84万人から、2026年4月には155万人へ。わずか2年で約2倍です。(※1参照)

BeReal. も日本国内のMAUが650万人を超え、13〜17歳の利用は前年比で25%伸びています。どちらも、いま10代の間で急速に広がっているサービスです。(※2参照)

共通しているのは、誰かにすごいと思わせるための道具ではないこと。身近な友達と、何でもない日常を分かち合う。その行為自体に価値がある。だから支持されているんです。

「広く称賛されること」より、「わかってくれる人と楽しめること」。10代の価値の軸は、もうそちらに振り切れています。

桑野:

評価の物差しが、外向きから内向きに変わったということですね。では、なぜそうなったのでしょう。

 

SNSネイティブほど、“リアルでいられる相手“を欲しがる

SNSで広がる話題

10代にとって「リアルな関係」が最強?

中西:

そこが、いちばん面白い逆説です。

今の10代は、生まれた時からSNSがある世代です。加工された写真も、演出された世界も、物心ついた頃から当たり前に浴びてきました。SNSにいちばん習熟している世代と言っていい。

その世代が、むしろ「リアルな関係」に強く惹かれている。

桑野:

 慣れすぎているからこそ、ですか。

中西:

 ええ。完璧に見せることのカラクリを、彼女たちは知り尽くしています。だからこそ、「完璧な自分を見せる」ことより、「ありのままの自分を受け入れてくれる相手」に価値を感じる。

興味深いのは、whoo利用者の意識を分析したデータです。一般のネット利用者と比べて、「社交性」や「みんなと同じ空気感に参加していたい」という意識が高く、逆に「個人主義・自由主義」の傾向は低い。自分の現在地を常に知られることへの抵抗より、つながっている安心感のほうを優先している。これは感覚論ではなく、データが示している事実です。

SetlogやBeReal. が切り取るのも、キラキラした瞬間ではありません。何でもない日常や、その場の空気そのものです。見栄えを競う場ではないんです。SNSを使いこなす世代だからこそ、逆に「取り繕わなくていい関係」に救いを見出している。これは偶然ではなく、必然だと思います。

桑野:

「リアルでいたい」というより、「リアルでいられる相手がほしい」に近いのかもしれませんね。

中西:

まさにその通りです。ありのままをさらけ出せる相手がいること。その関係性そのものが価値になっている。だから10代は、広くつながるより、深くつながる方へ向かっているんです。

 

「つながる」のではなく、「一緒にいる」

桑野:

位置情報アプリは、その象徴に見えます。少し前なら、自分の居場所を共有するなんて考えられませんでした。

中西:

そうですね。ただ、誤解されがちなのですが、あれは居場所を世間に公開したいわけではありません。

「今、何してる?」「近くにいるね」。そうした、一緒にいる感覚を共有したいんです。実際、10代の利用のきっかけで最も多いのは「友達が使っているから」。クラスや仲間うち単位で一気に広がっていく。これは、つながる相手が最初から「身近な人」に限られていることの裏返しです。

昔のSNSの中心は「発信」でした。今の中心は「同期」です。同じ動画を見て、同じ音楽を聴いて、同じ場所にいる。そんな何でもない時間の共有が、彼女たちにとっての楽しさになっている。

発信して評価される喜びから、共にいて安心する喜びへ。価値の源泉そのものが入れ替わったんです。

桑野:

だから前回も「一緒に楽しめること」がキーワードだったのですね。

 

この変化を、マーケティングはどう読むか

「みんなに見せる」から「あの子と分かち合う」位置情報アプリが映す、10代の新しいつながり方とは|感情が動くマーケティング

10代の価値観に合わせてSNSの評価軸も変わる。

桑野:

ここまでの話は、企業の発信を考えるうえでも示唆がありそうです。

中西:

大きいと思います。

これまでのSNSマーケティングは、リーチの広さ、つまり「どれだけ多くの人に届くか」を競ってきました。でも10代の価値観がこれだけ動いているなら、評価軸も変える必要があります。

実際、BeReal. には企業や著名人の公式アカウントが300以上参加し、広告出稿企業は累計300社を突破しています。アパレル、コスメ、食品から大学まで、業種はさまざまです。狙いは派手なバズではありません。「友人の投稿を見る感覚」に近い、距離の近い接点をつくること。

不特定多数に広く届くことより、特定のコミュニティの中で「わかる人」に深く刺さること。バズの大きさより、「自分たちのことだ」と感じてもらえる密度。これからのブランドコミュニケーションは、そちらで測られていくはずです。完璧に作り込んだ広告より、取り繕わない等身大の発信が届く。私はそう考えています。

 

「広くつながる」時代の、その次へ

桑野:

前回のランキングで見えた「広さより深さ」という仮説は、流行だけでなく、10代のつながり方そのものを変えはじめている。そういうことですね。

中西:

ええ。SNSが当たり前になったからこそ、逆にリアルなつながりの価値が高まっている。これはアプリの話にとどまりません。流行も、友人関係も、消費も、すべてが同じ方向を向いています。

象徴的なのが、韓国発の共同Vlogアプリ「Setlog」です。K-POPアーティストの投稿をきっかけに、2026年5月だけで世界200万回以上ダウンロードされ、日本にも波及し始めています。友達と1日を一緒に記録するという、まさに「一緒にいる感覚」を形にしたサービスです。(※3参照)

「どれだけ多くの人に知られるか」から、「誰と一緒に楽しめるか」「誰になら、ありのままを見せられるか」へ。この変化は、2026年下半期のトレンドを読むうえでも、間違いなく鍵になります。

桑野:

広くつながる時代の、その次。どんな景色が見えてくるのか、引き続き注目していきたいですね。

 

【出典・データについて】
本記事で紹介した各サービスの数値は、以下の調査・公表データに基づいています。
※1位置情報共有アプリ「whoo」の月間利用者数(2024年5月:約84万人→2026年4月:約155万人)および利用者の意識傾向は、株式会社ヴァリューズの分析ツール「Dockpit」「Perscope」によるものです(いずれもスマートフォン、意識傾向は2025年4月〜2026年3月)。意識傾向はインターネット人口全体との回答率の差分を示したもので、各項目の絶対数値ではありません。
※2「BeReal.」の国内月間アクティブユーザー数(2026年6月時点で650万人突破)、年代別の前年比成長率(13〜17歳:+25%、18〜22歳:+20%)、Z世代比率、公式アカウント数・広告出稿企業数は、BeReal SASの公表データに基づいています。
※3「Setlog」のダウンロード数(2026年5月に世界200万回以上)は、アプリ分析サービスAppfiguresのデータ(Business Insider Japanの報道による)に基づいています。 各数値はいずれも本記事作成時点のものであり、最新の状況とは異なる場合があります。

 

【後編】平成は“レトロ”ではなく“憧れ”? シール帳、平成プリから見えた10代女子のコミュニケーション消費|感情が動くマーケティング

前編では、M!LKやモナキを中心に、「共感からテンション共有へ」という変化について考察してきました。

一方で今回のランキングを見ると、もうひとつ大きな特徴があります。

それが平成レトロブームです。

モノ部門では「シール帳」が1位、コト部門では「DEAR令和&平成ウチらの伝説プリ」が3位にランクインしました。
さらにモノ部門では「トモコレ」、コト部門では「ズートピア2」や「レスラー会見」なども上位に並んでいます。

一見するとバラバラなトレンドにも見えますが、そこには今の10代らしい共通点が隠れているようです。
今回はコト部門、モノ部門を中心に、10代女子の消費行動やコミュニケーションについて考察していきます。

登場マーケターのプロフィール

中西舞

中西 舞(なかにし・まい)|株式会社マイナビ

コンテンツメディア事業本部 マーケティング部ディレクター。
大学生向けメディア『学生の窓口』の立ち上げに関わり、デジタル・アパレル・金融・食品・医薬化粧品など多様な業界の広告企画を担当。
現在は大学生をはじめとしたZ世代向け案件を中心に、年間約200件以上のプランニングおよび営業同行を行う。

桑野 好絵(くわの・このえ)|株式会社マイナビ

桑野 好絵(くわの・このえ)|株式会社マイナビ

2007年マイナビ入社。
女性向けメディアや若年層トレンド領域に従事し、現在は『マイナビニュース』『マイナビウーマン』などの広告企画を担当。
Z世代に特化した調査チーム「マイナビティーンズラボ」のプランニングやデータ解説、企業向けの講演も行う。
高校1年生の息子を育てる母として、「調査データ」と「リアルな声」の両面から若者インサイトを掘り下げている。

 

シール帳はなぜ流行ったのか

モノ部門_2026年上半期トレンドランキング

中西:

まず印象的なのが、モノ部門1位がシール帳だったことです。
私たち世代からすると懐かしいアイテムですが、今の10代にとっては全く違う意味を持っているのかもしれませんね。

桑野:

そうなんです。私たちからすると「懐かしい」ですが、今の10代は平成を実際に体感していた世代ではないんですよね。
だから彼女たちにとってシール帳はレトロではなく、新しいカルチャーなんです。

中西:

ただ、単純にシールがかわいいから流行ったわけでもなさそうですよね。

桑野:

私もそう思います。シール帳の本質って、実はシールそのものではないんですよね。
「交換すること」そこに価値があります。

友達と見せ合う
交換する
集めたものを自慢する

そうしたコミュニケーションも含めてシール帳文化だったと思うんです。

中西:

なるほど。モノが流行っているというより、モノを通じたコミュニケーション、いわば「平成コミュニケーション体験」が流行ってるってことですね。
そういう意味でも今回のランキングは「平成レトロ」という言葉だけでは説明できない気もしています。

桑野:

私もそう思います。例えばコト部門3位の「DEAR令和&平成ウチらの伝説プリ」もそうですよね。
あれも単に平成風のデザインが人気なのではないと思うんです。

中西:

どういうことでしょうか。

桑野:

平成プリって、誰と撮るか、どう落書きするか、撮ったあとどう見せ合ったり交換するかまで含めて楽しかったじゃないですか。
だから今流行っているのは平成のデザインではなく、平成時代のコミュニケーション体験そのものなのかもしれません。

中西:

それは面白いですね。シール帳もプリクラも、結局は友達との関係性の中で楽しむものですから。

桑野:

そうなんです。前編では「テンション共有」という言葉が出ましたが、後編で出てくるシール帳や平成プリも、結局はその延長線上にあるんですよね。

 

平成は“レトロ”ではなく「憧れ」になった

中西:

そもそも不思議なのは、平成を知らない世代が平成に惹かれていることです。我々こそ平成世代ど真ん中じゃないですか(笑)。

桑野:

本当にそう思います(笑)。ただ、今の10代はSNSを通じて平成カルチャーに触れ続けています。

中西:

たしかに。ここ数年は平成カルチャーそのものが再評価されていますよね。
ORANGE RANGEの楽曲がTikTokで再び注目されたり、新たに公開されたMVでも平成あるあるが詰め込まれて話題になったりしてましたし。
平成を体験した世代だけではなく、平成を知らない世代がそこに反応しているのが面白いところです。

桑野:

SNSには、まさに私のような親世代や中西さんのような30代の大人たちが

「あの頃は楽しかった」
「平成最高だった」

という投稿をたくさんしています。
今の10代は、その空気感を日常的に見ているんですよね。だから平成は過去の時代というより、

“なんだか楽しそうな時代”

として映っているのかもしれません。

中西:

なるほど。今の10代が憧れているのは平成そのものではなく、“平成マインド”なのかもしれませんね。

 

なぜギャル文化は今の10代に刺さるのか

桑野:

その象徴がギャル文化だと思うんです。

中西:

確かにここ数年、平成ギャルブームも続いていますね。

桑野:

ギャル文化って、とにかくパワーがあるんですよ。好きなものを好きと言う。やりたくないことはやらない。かわいいと思ったら“かわいい”を全力で楽しむ。
周囲の目を気にするより、自分たちが楽しむことを優先する。

中西:

今のSNS環境とは少し対照的かもしれません。
今はどうしても、

空気を読む
失敗しない
炎上しない

という意識が強くなりがちです。その中でギャル文化を見ると、「自分たちが楽しければそれでいいじゃん」という強さを感じます。

桑野:

まさにそうですよね!今の10代は常に誰かとつながっていて、誰かに見られている感覚があると思います。
だからこそ、平成ギャル文化の持つ自由さや開放感が新鮮に映るのかもしれません。

中西:

つまり平成への憧れというより、“パワーのある時代への憧れ”とも言えそうですね。

 

デジタル時代だからこそ、アナログに愛着が生まれる

中西:

シール帳人気も、そう考えると納得できますね。

桑野:

私は今回のランキングを見ていて、デジタル時代だからこそのアナログ回帰も感じました。

中西:

ここ数年アナログの魅力を再発見という風潮もありますが、特に2026年は強まっていますか?

桑野:

SNSの投稿もDMも、全部データなんですが、シール帳は違いますよね。

手で集める
交換する
残る

だから今までとはジャンルが違う愛着が湧くんですよね。

中西:

なるほど。デジタル化が進んだからこそ「自分のもの」、さらに言えば「自分だけのもの」と実感できるモノの価値が上がっているとも言えそうです。

桑野:

本当にそう思います。今の女子高生のカバンを見ていると、ぬいぐるみ、チャーム、キーホルダーでいっぱいなんですよ(笑)。
極端な話、教科書よりチャームやぬいぐるみの方が重いんじゃないかと思うこともあります。

中西:

でもそれは象徴的ですね(笑)。モノが欲しいというより、愛着を持てるモノが欲しい。そんな気持ちの表れなのかもしれません。

 

ズートピア2は「平成コンテンツ×令和的拡散」の象徴だった

コトバ部門_2026年上半期トレンドランキング

中西:

コト部門1位のズートピア2も興味深いですね。

桑野:

ズートピアの1作目が公開されたのは2016年です。今回の調査対象だった10代女子は、当時4歳から8歳くらい。
ちょうどアニメ映画を見始める時期にズートピアの1作目で公開されたんです。私の息子もハマってアマプラでダウンロードした記憶があります。

中西:

公開が平成とはいえ、まったく知らない作品ではなく、幼い頃に触れていた作品なんですね。

桑野:

だから今回のヒットは、「小さい頃に好きだったものとの再会」という側面もあるのかもしれません。

中西:

それに令和世代がブームを広めたのも今回のランクインになった気がしますね。

桑野:

そうですね。ズートピア2は、映画がヒットしただけではないんです。
主題歌が広がる、ダンスが広がる、キャラクターが広がる、TikTok投稿が広がる。
作品そのものだけではなく、その周辺の楽しみ方まで含めて広がっていった。

中西:

なるほど。
平成のコンテンツだけど、広がり方は完全に令和ですね。

桑野:

まさにそう思います。
今の10代はコンテンツを受け取るだけではなく、自分も参加したいんです。
ズートピア2は、令和のティーンによって、令和らしい楽しみ方で再発見された作品だったのかもしれません。

 

時代は“コミュニケーション消費”の時代へ

中西:

こうして見ていくと、モノ部門のランキングは全部バラバラのようで共通していますね。

桑野:

そうなんです。どれもコミュニケーションのきっかけとなるモノが人気なんです。

中西:

確かに女子高生の座談会でもドバイチョコ餅も「食べた?」「どこに売ってた?」みたいなコミュニケーションが生まれてましたよね。
つまり今の10代は、モノを消費しているのではなく、コミュニケーションを消費している。そう考えると、今回のランキングが一本につながりますね。

桑野:

本当にそう思います。

 

「広さ」より「深さ」へ、10代が求める“心地よい共有”とは

中西:

今回のランキングは、単なる「何が流行ったか」ではなく、「今の10代は、どんな時間を誰と共有したいのか」を映し出したランキングだったのかもしれません。

桑野:

確かに、「みんなに見てもらう」よりも、「仲のいい友達と一緒に楽しむ」ことを大事にしている印象がありますよね。

中西:

そうですね。また、「誰と楽しみたいか」の輪郭も少しずつ変わってきているように感じます。
顔の見える範囲の友達との何気ない共有に、心地よさや価値を見出している。そんな空気感が今回のランキングにも表れていました。

桑野:

平成ブームもそうですし、「ぷりきゅきゅ」のような言葉もそうですが、「わかる人同士」でその場で盛り上がる感覚がありますよね。

中西:

手の届く距離だからこそ通じる空気や、同じ時間を一緒に味わう感覚が、今の10代にとっての楽しさの軸になっているのかもしれません。

桑野:

SNSがあるからこそ、逆に身近な友達との共有や、一緒に盛り上がれる空気感の価値が高まっているのかもしれませんね。

中西:

そうした流行の背景には、「広さ」よりも「深さ」を大切にする価値観の変化が静かに流れているように思います。

桑野:

「たくさんの人に知られること」よりも、「好きな人たちと一緒に楽しめること」。そんな価値観が、今の10代のトレンドを形づくっているのかもしれませんね。

中西:

そして、この「広さより深さ」という価値観は、流行のランキングだけでなく、10代の日常そのものにも表れているように感じます。
限られた友達同士でつながるサービスや、身近な人とリアルを共有するコミュニケーションが支持されている背景にも、同じ流れがあるのではないでしょうか。

桑野:

確かに、SetlogやBeReal.、位置情報アプリなども、まさにそうした価値観の延長線上にありそうですね。

中西:

そうですね。次回はトレンドランキングを少し離れて、そうしたサービスを切り口に、「広くつながる」から「深くつながる」へと変化する10代のコミュニケーションを掘り下げていきたいと思います。2026年後半に向けて、新たな発見が見えてくるかもしれません。

桑野:

ぜひ、引き続きマイナビティーンズラボのトレンドランキングや記事をチェックしていただけるとうれしいです!

【前編】10代は「共感」から「テンション共有」へ? 2026年上半期トレンドランキングから見えた、“空気感”を楽しむ時代|感情が動くマーケティング

マイナビティーンズラボでは毎年、6月と11月に「10代女子が選ぶトレンドランキング」を発表しています。

2026年6月に発表した2026年上半期のランキングを振り返ると、昨年まで続いていた「共感」や「等身大」の流れはありながらも、少し違う変化が見えてきました。

ヒト部門ではM!LKが1位、モナキが2位、CUTIE STREETが3位。さらにコトバ部門では「○○すぎて滅」「ば・く・れ・つ♡」「ほんまやで☆なんでやねん☆しらんけど」が上位を占め、ウタ部門でもM!LKの「爆裂愛してる」、モナキの「ほんまやで☆なんでやねん☆しらんけど」、中島健人さんの「最初はキュン!」がランクインしました。一見するとバラバラなトレンドにも見えますが、ランキング全体を眺めていると、ある共通点が見えてきます。

今回は2026年上半期のヒト・コトバ・ウタ部門を中心に、今の10代女子の価値観について考察していきます。

登場マーケターのプロフィール

中西舞

中西 舞(なかにし・まい)|株式会社マイナビ

コンテンツメディア事業本部 マーケティング部ディレクター。
大学生向けメディア『学生の窓口』の立ち上げに関わり、デジタル・アパレル・金融・食品・医薬化粧品など多様な業界の広告企画を担当。
現在は大学生をはじめとしたZ世代向け案件を中心に、年間約200件以上のプランニングおよび営業同行を行う。

桑野 好絵(くわの・このえ)|株式会社マイナビ

桑野 好絵(くわの・このえ)|株式会社マイナビ

2007年マイナビ入社。
女性向けメディアや若年層トレンド領域に従事し、現在は『マイナビニュース』『マイナビウーマン』などの広告企画を担当。
Z世代に特化した調査チーム「マイナビティーンズラボ」のプランニングやデータ解説、企業向けの講演も行う。
高校1年生の息子を育てる母として、「調査データ」と「リアルな声」の両面から若者インサイトを掘り下げている。

M!LKが3冠達成。見えてきた「参加したくなるトレンド」

2026年上半期トレンドランキング

中西:

まず印象的だったのは、やはりM!LKですね。ヒト部門、コトバ部門、ウタ部門で1位を獲得し、3冠を達成しました。

桑野:

ここまで複数部門を横断して存在感を見せたのは久しぶりかもしれません。
ただ、面白いのは単純に彼らが「人気アイドルだから」というだけでは説明できないところなんですよね。

中西:

確かに、「爆裂愛してる」が流行り、「ば・く・れ・つ♡」が流行り、「好きすぎて滅!」から派生した「○○すぎて滅」が流行る。
楽曲、コトバ、コミュニケーションが全部つながっています。

桑野:

おっしゃる通りです!少し前までは、楽曲は楽曲、流行語は流行語という形で広がることが多かったと思います。でも今回は違う。

楽曲の一部が切り取られ、そのままコミュニケーションの道具になっているんです。
「爆裂愛してる」を聴いて終わりではなく、「ば・く・れ・つ♡」を友達同士で言い合ったり、SNSで使ったりする。
音楽を聴くだけではなく、音楽を使っている感覚に近いのかもしれません。

中西:

音楽が流行を生み出すというより、音楽がコミュニケーションの素材になっているんですね。

桑野:

まさにそうですね。今の10代は音楽を

聴く
踊る
真似する
投稿する
言葉として使う

という形で楽しんでいます。だからヒット曲の条件も、「いい曲」であること以上に、「切り取れるか」「共有できるか」が重要になっているのかもしれません。

 

【ヒト部門】モナキ、CUTIE STREETも上位に。共通していたのは「参加できること」

ヒト部門_2026年上半期トレンドランキング

中西:

ヒト部門を見るとM!LKだけではなく、2位のモナキ、3位のCUTIESTREETも印象的でした。

桑野:

そうですね。一見すると全然違うグループに見えるんですが、実は共通点もあると思っています。

中西:

どんなところでしょうか。

桑野:

どのグループも「遠いスター」というより、「一緒に楽しめる存在」なんですよね。M!LKは楽曲やSNSでの親しみやすさ。
モナキはネタ感や親近感。CUTIE STREETは、「ぷりきゅきゅ」のような、意味を説明するというよりも、かわいい気分や楽しいテンションを共有できるキャッチーなフレーズが魅力です。

中西:

なるほど。憧れだけではなく、きっと参加できる余白があるんですね。真似したりSNSで共感したりと。

桑野:

そう思います。近年ずっと参加型コンテンツが支持されやすい風潮でしたが、それがエンタメに最も強く出た2026年上半期でした。
今回のランキング全体を見ても、受け身で楽しむものより、みんなで一緒に楽しめるものが支持されています。

 

【コトバ部門】「メロい」から「ば・く・れ・つ♡」「滅」へ。流行語の変化

コトバ部門_2026年上半期トレンドランキング

中西:

コトバ部門もかなり特徴的でした。昨年は「メロい」が1位でしたし、「両手に○○でーす」や「#モンタ界隈」など、SNS発の言葉が目立っていました。

桑野:

そうなんです。昨年はSNSの中で自然発生した言葉が、そのまま流行語になっているものが多くありました。

一方で今回は、「○○すぎて滅」「ば・く・れ・つ♡」「ほんまやで☆なんでやねん☆しらんけど」と、すべて楽曲由来のコトバが上位にランクインしています。

中西:

面白いですね。以前はSNSそのものがトレンドの発生源でした。でも今回は、音楽やアイドルといったコンテンツが起点になり、SNSがそれを増幅しました。

SNS中心の時代から、“コンテンツ回帰”が起きているようにも見えます。

桑野:

私もそう感じます。

SNS発の言葉から、コンテンツ発の言葉へ。今はSNSそのものが流行を作るというより、爆発力のあるコンテンツを拡散する装置になっているのかもしれません。

 

「ば・く・れ・つ♡」「滅」が象徴する、今の10代のテンション

中西:

そして今回のコトバは、とにかく勢いがありますよね。

「爆裂(ば・く・れ・つ♡)」
「滅」
「なんでやねん」

どれもインパクトがあって、響きも強い……。

桑野:

私もそこは印象的でした。それこそ昨年の「メロい」は、感情をじんわり表現する言葉でした。でも今年は違う。
「好き」ではなく「好きすぎて滅」。「とても」や「すごく」ではなく「爆裂(ば・く・れ・つ♡)」。

感情を説明するというより、感情を一気に増幅させるための言葉なんですよね。

中西:

今回の上位ワードは、「考える前に反応してしまう」ものばかりです。
言葉の意味というより、言葉が持つエネルギーそのものが支持されているようにも感じます。

桑野:

そうなんです。もちろん今の10代は感情がないわけではありません。
むしろ感情を共有したい気持ちは強いと思います。ただ、その共有の仕方が少し変わってきている。深く語り合うというより、

一瞬で盛り上がる
一瞬で空気を変える

そんな瞬発力が求められているように感じます。

中西:

「爆裂(ば・く・れ・つ♡)」や「滅」は、感情を説明する言葉ではなく、感情を一気に増幅させるための言葉なのかもしれません。

 

モナキに見る「意味」よりも「みんなで言う楽しさ」

中西:

今回、個人的に気になったのがモナキです。
「ほんまやで☆なんでやねん☆しらんけど」が流行語としてランクインしましたが、正直どんな場面で使うのか不思議です(笑)

桑野:

実は私も気になって、高校生の息子に聞いてみたんです。
すると、「ほんまやで!」と言いたくなる場面で、そのまま「ほんまやで☆なんでやねん☆しらんけど」まで言うことがあるらしいんですよ。

中西:

そのままの流れで言っちゃうんだ、面白いですね(笑)

桑野:

さらに誰かが言うと、周りが続きを歌うこともあるそうです。
そう考えると、この言葉って意味を伝えるための言葉というより、みんなでその一瞬の空気を共有するためのフレーズなんですよね。

中西:

それって、ある意味で言葉がコミュニケーションの道具から、コミュニケーションそのものになっているということかもしれませんね。

桑野:

まさにそう思います。今回の流行語は、「意味」よりも「みんなで言う楽しさ」に価値があるように見えます。感情を説明するためではなく、

みんなで言う
みんなで盛り上がる
みんなで楽しむ

ための言葉が支持されているのかもしれません。

 

「今日好き」人気は健在。ヒト部門の顔ぶれに広がりが見えた上半期

中西:

もうひとつ感じたのは、ヒト部門の顔ぶれがより多様になったことです。
2025年は「今日、好きになりました。」出演者の存在感が特に際立っていましたが、2026年上半期はアイドルやアーティストなど、さまざまなジャンルの人気者が存在感を見せました。

桑野:

そうですね。
「今日、好きになりました。」の人気は今も変わらず高く、今回もヒト部門には3人がランクインしています。
恋愛リアリティショーがティーンに与える影響力は依然として大きいと感じます。

一方で、今回のランキングではM!LKやモナキ、CUTIE STREETといったアーティストやアイドルも上位に入り、ヒト部門全体を見ると人気の広がりが感じられました。

中西:

音楽やSNSをきっかけに支持を集める人たちも目立ちましたね。

桑野

そう感じます。どのグループも「遠いスター」というより、「一緒に楽しめる存在」なんですよね。
M!LKは楽曲やSNSでの親しみやすさ。モナキはネタ感や親近感。CUTIE STREETは「ぷりきゅきゅ」のような、思わず口にしたくなるキャッチーなフレーズも魅力です。

憧れの対象として見るだけでなく、一緒に真似したり、盛り上がったりできることが支持されている。
2026年上半期は、そんな“参加できる楽しさ”を持つ存在に、より注目が集まった印象があります。

 

「聴かせる音楽」から「楽しむ音楽」へ

ウタ部門_2026年上半期トレンドランキング

中西:

ウタ部門を見ると、ここ数年存在感を見せていたMrs. GREEN APPLEの勢いが少し落ち着いたようにも見えます。

桑野:

瞬間的に曲が流行るというフェーズが終わり、人気アーティストとしての地位が定着したのだと思います。
Mrs. GREEN APPLEは、もはや一過性のブームではなく、10代にとってのスタンダードになったんでしょう。
だからこそ今回のトレンドランキングでは、今まさに盛り上がっている楽曲が上位に出てきたのかもしれません。

中西:

確かにそうですね。「聴かせる音楽」が弱くなったということではなく、定番があるからこそ、新しいトレンドには別の価値を求め始めたとも言えそうです。

桑野:

そう思います。今回ランクインした楽曲を見ると、共通しているのはとにかく楽しいことです。

思わず口ずさみたくなる
踊りたくなる
友達と真似したくなる

メッセージ性の強い“聴かせる音楽”というよりも、“みんなで楽しむ音楽”が支持された半年だったように感じます。

 

“共感”から“テンション”の共有へ

中西:

今回のランキングを見ていると、「何が流行ったか」以上に、「どうやって一緒に楽しむか」が重視されているように感じます。
M!LKも、モナキも、今回の流行語も、形は違うけれど、すべて“参加できるトレンド”なんですよね。

桑野:

「共感からテンションの共有へ。」今回のランキングをひと言で表すなら、そんな変化なのかもしれません。
もちろん共感がなくなったわけではありません。

ただ2026年上半期は、

みんなで言える
みんなで踊れる
みんなで盛り上がれる

そんな体験そのものに価値が集まっているように見えました。

中西:

たしかに、「爆裂」「滅」「ほんまやで」といった勢いのある言葉も、感情を説明するためではなく、みんなでテンションを共有するための言葉だったのかもしれませんね。

桑野:

そして実は、その傾向は後編で取り上げるコト部門やモノ部門にも共通しています。
一見すると、「シール帳」や「DEAR令和&平成ウチらの伝説プリ」は平成レトロブームの延長線上にあるようにも見えます。
しかし、ランキングを読み解いていくと、単に平成風のデザインやアイテムが人気なのではなく、“平成時代のコミュニケーションそのもの”に魅力を感じているようにも見えるんです。

後編では、シール帳や平成プリが支持される背景から、今の10代女子が求めるコミュニケーションや消費行動について、さらに深掘りしていきます。

後編はこちら

10代女子に響くプロモーション手法7選|SNS最新データと成功事例

10代女子へのプロモーションは、SNSの使い分けと「広告色を抑えた共感設計」が成否を分けます。高校生のSNS利用率は97.3%(TesTee(テスティー)調べ「学生のSNS利用に関する調査」2025年版)に達し、情報の発見から購買の後押しまでがSNS上で完結する時代です。

この記事では、10代女子に届く広告・PR手法を7つに整理し、それぞれの特徴・向く商材・実施の注意点を、最新のSNS利用データと実際の広告事例とあわせて解説します。

まず押さえる|10代・Z世代のメディア接触データ

まず押さえる|10代・Z世代のメディア接触データ

10代女子向けの施策を考える前に、彼女たちがどのSNSを、どのくらい使っているのかという前提データを押さえておきましょう。手法選定の精度は、この解像度で決まります。

SNS別の利用・投稿状況を整理すると、以下のようになります。

指標 利用率 出典
高校生のSNS利用率 97.3%(中学生99.2%/大学生91.3%) TesTee(テスティー)調べ「学生のSNS利用に関する調査」2025年版
最も利用されるSNS Instagram 89.6% SHIBUYA109 lab.「Z世代のSNS利用最新動向2025」
最も投稿されるSNS Instagram 45.5%/X 26.4%/BeReal. 22.1%
Z世代の利用率上位 YouTube 86.1%/LINE 85.8%/Instagram 71.6% サイバーエージェント次世代生活研究所 2025

※本表の数値には、高校生・10代女子に限らず、中学生・大学生・Z世代全般(10代後半〜20代)を対象とした調査結果が含まれます。各数値の対象は出典元をご確認ください。

また、マイナビティーンズラボの「2026年上半期 10代女子が選ぶトレンドランキング」を見ると、上位にランクインした楽曲やコトバの多くがTikTokを起点に拡散しており(例:4人組グループ「モナキ」のデビュー曲はTikTok総再生10億回を突破/2026年上半期時点)、TikTokが10代女子のトレンドの発生源・きっかけになっていることがうかがえます。一方で、グルメ・美容・ファッションなどの日常的な情報収集ではInstagramが「情報インフラ」的に使われる傾向があります(マイナビティーンズラボ「10代女子のスマホ・SNS利用実態調査」/2024年9月/n=380)。つまり、「きっかけ・発見はTikTok、深掘り・世界観づくりはInstagram」という役割の違いを踏まえた設計が有効です。

さらに、マイナビティーンズラボの調査によると、現在の10代女子がインフルエンサーに求めるのは「憧れ」と「親近感」の両立であり、リアルさ・透明性・双方向性を備えた発信が支持されています(参考:マイナビティーンズラボ「10代女子が選ぶインフルエンサーランキング」/マイナビティーンズ会員ほか女子 n=521/2026年2〜3月/インターネット調査)。

10代女子攻略の3原則
  • 発見はTikTok・YouTubeショート動画、世界観はInstagramと「役割」で使い分ける
  • 広告色を抑えた日常感のある縦型動画が必須
  • UGC(生活者の投稿)と友人シェアで信頼を獲得する

▼▼ 10代向けの広告・マーケティング施策ならマイナビティーンズへ ▼▼

媒体資料ダウンロードはこちら

 

10代女子向け広告・PR手法の全体像

10代女子向け広告・PR手法の全体像

10代女子向けの広告・PR手法は、大きく7つに整理できます。まずは全体像を「発見→世界観→信頼」のファネルとあわせて把握しましょう。

  • ■発見フェーズ|(1)TikTok/YouTubeショート 広告

    縦型ショート動画でトレンドに乗せ、偶発的な発見を生む。認知拡大の起点。

  • ■世界観フェーズ|(2)Instagram施策

    リール・ストーリーズでブランドの世界観を伝え、好意を形成する。

  • ■信頼フェーズ|(3)UGC・友人シェア設計 (4)インフルエンサー起用

    生活者の投稿と第三者の声で、10代に信頼を届ける。

  • ■熱量・共創|(5)推し活・共創型 (6)参加型施策 (7)Xでの話題化

    推し活文脈や共創、参加型企画で熱量とファンを育てる。

▼▼ 10代向けの広告・マーケティング施策ならマイナビティーンズへ ▼▼

媒体資料ダウンロードはこちら

 

各手法の詳細と実施事例

各手法の詳細と実施事例

ここからは7つの手法を1つずつ、向く目的・メリット・注意点・向く商材、そして実際の広告事例とあわせて解説します。

(1)TikTok/YouTubeショート 広告(発見)

縦型ショート動画で偶発的な発見と拡散を生む手法です。10代の若年層に人気が高く、チャレンジ企画やユーザー参加型のコンテンツが特に効果を発揮します。

ポイント
  • 向いている目的:認知拡大・トレンド起点の拡散
  • メリット:偶発的発見と高い拡散性
  • 注意点:広告色を抑えた日常感が必須。音源トレンドの即時性が鍵
  • 向いている商材:コスメ・食品・エンタメなど視覚訴求商材

(2)Instagram施策(世界観醸成)

10代女子の利用率89.6%と接触面が最大のSNS。リール・ストーリーズ・ハイライトで、ブランドの世界観をダイレクトに伝えられます。食品・ファッション・美容カテゴリーとの親和性が高く、発見タブ経由の流入設計も重要です。

ポイント
  • 向いている目的:好意形成・ブランド理解
  • メリット:利用率89.6%で接触面が最大
  • 注意点:発見タブ対策とUGCとの連動を設計する
  • 向いている商材:コスメ・ファッション・カフェ等の世界観重視商材

Instagram施策の事例はこちら!
Instagram広告で200名募集に対し応募2,354名、参加者満足度約94%を実現した事例です。
UGC活用でファン化・コミュニティ形成につなげました。
記事はこちら⇒https://cm-marketinglab.mynavi.jp/case/hinode-mirin-Instagram/

(3)UGC・友人シェア設計(信頼獲得)

生活者の投稿(UGC)を生む仕掛けづくりです。10代に受け入れられやすいのが、友人や第三者の「リアルな声」。指定ハッシュタグの設計や、放課後・友人共有シーン(スクバの中身など)の演出が有効です。

ポイント
  • 向いている目的:信頼獲得・第三者証明
  • メリット:広告不信の10代に最も届く
  • 注意点:ステマ規制の明記が必須
  • 向いている商材:日常的に使う低〜中価格帯商材

実際に、キング醸造「日の出自炊部」では指定ハッシュタグでUGCを促進し、メンバー同士の交流でコミュニティ化。「今後も使い続けたい」97.1%という高いエンゲージメントを実現しました。

 

(4)インフルエンサー/クリエイター起用(共感)

フォロワー数が数千〜数万人規模のマイクロインフルエンサーや、数百〜数千人規模のナノインフルエンサーを中心に起用し、具体的な使用シーンと共感を届ける手法です。
フォロワー数は大きくないぶん、フォロワーとの距離が近く、発信の信頼性や親近感が高いのが特徴です。10代女子への起用で重要なのは、フォロワー数だけでなく「憧れ」と「親近感」のバランス。
マイナビティーンズラボの調査では、現在の10代女子はリアルさ・透明性・双方向性を備えたインフルエンサーを支持する傾向が明らかになっています。

ポイント
  • 向いている目的:共感獲得・使用シーンの提示
  • メリット:フォロワーとの距離が近く信頼性が高い
  • 注意点:PR表記の徹底。世界観の一致を重視
  • 向いている商材:コスメ・美容・ライフスタイル商材

特に商品レビュー分野では、忖度のない「検証型」の発信が「買い物の参考になる」と支持されています。起用相手を選ぶ際は、この「本音ベースで信頼される発信スタイル」を軸に検討するとよいでしょう。

10代女子が選ぶインフルエンサーランキングはこちら!
今最も10代女子に影響力のあるインフルエンサーを、独自アンケート調査からランキング形式で発表。
美容・コスメ、フードなど部門別の傾向も解説しています。
記事はこちら⇒https://cm-marketinglab.mynavi.jp/column/research_influencer_2604/

(5)推し活・共創型プロモーション(熱量・ファン化)

「推し」への熱量に寄り添う企画や、Z世代・高校生とともに施策を作る共創型プロモーションです。若年層のリアルなインサイトを反映でき、認知拡大とファン化を同時に狙えます。対等なパートナーシップと本物らしさ(作り物・宣伝くささを感じさせないこと)が成功の鍵です。

ポイント
  • 向いている目的:熱量・共感の獲得、ファン化、若年層インサイトの反映
  • メリット:能動的な参加と拡散を生み、柔軟なアイデアを得られる
  • 注意点:文脈の借用が不自然だと反発を招く。本物らしさが重要
  • 向いている商材:コラボ商品・エンタメ・グッズ・認知拡大を狙う商材

【事例】
ミツカン×マイナビキャリア甲子園
(高校生ビジネスコンテスト)

 

ミツカン×マイナビキャリア甲子園

  • 第11回は11,595名・3,136チーム参加
  • 広告換算費1億円以上
  • 高校生発アイデアを商品化

⇒事例を見る

【事例】
Z世代×『ゴーストバスターズ』
(コラボアイス企画)

 

Z世代×『ゴーストバスターズ』

  • 大学生・高校生がアイスを考案
  • 総選挙・レポート記事・Instagramで展開
  • 学生の窓口・ティーンズで発信

⇒事例を見る


(6)参加型施策(体験・UGC創出)

ARフィルター・プリクラ連携・ハッシュタグ企画など、ユーザーが能動的に参加・投稿する仕掛けです。遊びながらブランドに接触でき、体験提供とUGC創出を同時に達成できます。

ポイント
  • 向いている目的:体験提供とUGC創出の同時達成
  • メリット:遊びながらブランド接触を生める
  • 注意点:参加ハードルを下げる設計が必須
  • 向いている商材:コスメ・飲料・イベント連動商材

(7)Xによる話題化

拡散性を活かした話題化・バズ設計に向く手法です。投票キャンペーンやハッシュタグ企画とも相性が良く、短期間での一気拡散が狙えます。

ポイント
  • 向いている目的:短期的な話題化・情報の一気拡散
  • メリット:情報伝播の速さと二次拡散
  • 注意点:炎上リスク管理。トーンの調整が必要
  • 向いている商材:話題性のある新商品・キャンペーン

Z世代×貝印「紙カミソリ」

【事例】
Z世代×貝印「紙カミソリ」
(キョーソウPROJECT/X投票キャンペーン)

 

認知率20〜30%が課題だった貝印「紙カミソリ」で、大学生と約4か月かけて共創。X投票キャンペーンを展開し、話題化と認知拡大につなげた事例です。

⇒事例を見る

▼▼ 10代向けの広告・マーケティング施策ならマイナビティーンズへ ▼▼

媒体資料ダウンロードはこちら

目的・フェーズ別の選び方

目的・フェーズ別の選び方

手法は単体ではなく、カスタマージャーニーのフェーズに合わせて組み合わせるのが基本です。目的別の起点を整理します。

目的 フェーズ 起点となる手法
認知拡大 発見 TikTok/YouTubeショート広告から着手
好意形成・世界観醸成 世界観 Instagram施策を軸に展開
信頼獲得 信頼 UGC・友人シェア設計+インフルエンサー起用
ファン化・共創 熱量・共創 推し活文脈・共創型・参加型施策を組み合わせる

 

実施時の注意点・法規制

10代を対象とする以上、法規制と未成年への配慮は必須です。以下は最低限おさえるべきポイントです。

必ず確認すべき3点
  • 景品表示法(ステマ規制):広告・PR案件はPR表記を明確に
  • 薬機法:化粧品・美容関連の表現規制に注意
  • 未成年保護:各SNSの利用規約・年齢制限を遵守し、必要に応じて保護者同意を得る

 

よくある質問(FAQ)

Q
10代女子にアプローチしやすいSNSは?
A
発見にはTikTok、世界観の醸成にはInstagramと、役割で使い分けるのが効果的です。最新データではInstagramの利用率が89.6%と高く、幅広い層にアプローチしやすい媒体といえます。
Q
広告っぽさをどう避ければいい?
A
日常感のある縦型動画とUGC活用が鍵です。広告色の強い表現は10代の広告への不信感につながり、逆効果になることがあります。
Q
どのくらいの予算が必要?
A
手法とリーチ規模により幅があります。少額のテスト配信でROIを検証してから拡大するのが定石です。
Q
共創型プロモーションはどんな成果が出る?
A
例えば、マイナビキャリア甲子園では高校生発のアイデアが商品化に至った事例があり、認知拡大・ブランディング・若年層インサイトの獲得を同時に実現する効果が期待できます。

 

まとめ

10代女子向けのプロモーションは、SNSの役割を理解した使い分けと、広告色を抑えた共感・UGC設計が成功の鍵です。発見から信頼獲得までのファネルを意識し、フェーズに合わせて手法を組み合わせていきましょう。


マイナビの若年層プロモーション支援

マイナビでは、高校生・大学生・Z世代をターゲットにした共創型プロモーションやSNS施策を多数実施しています。各メディアに登録会員が所属しており、ユーザーのインサイト分析をもとにしたコンテンツマーケティングを強みとしています。若年層施策のご相談はお気軽にどうぞ。

▼▼ 10代向けの広告・マーケティング施策ならマイナビティーンズへ ▼▼

媒体資料ダウンロードはこちら

まずは10代・Z世代向けの広告事例を見る

 

細分化時代の高校生市場で、なぜ高校スポーツ大会が注目されるのか|感情が動くマーケティング

高校生マーケティングは“全体に届きにくい”時代へ

インターハイの予選が始まった

今年も夏のインターハイ予選がスタート。白熱する試合が全国各地で繰り広げられます。

高校生の夏が始まっています。

インターハイ予選、夏の甲子園予選、国スポ(旧国体)予選など。
全国の頂点を目指す戦いは、すでに各地で始まっています。

近年、Z世代・高校生向けマーケティングは難化していると言われています。SNSの普及によって若者の趣味嗜好は細分化され、同じ高校生でも触れているコンテンツも大きく異なります。TikTokのおすすめも違えば、推しも違う。かつてのように、“全員が見ているテレビ番組”や“誰もが知っている流行”は生まれにくくなりました。

すなわち企業にとって、「高校生全体に認知される」ことは以前より難しくなっています。だからこそ今、高校スポーツ大会という存在は、マーケティング視点でも改めて注目すべき接点になっています。

 

高校スポーツ大会は出場者以外にも広がっている

SNSで広がる話題

インターハイや甲子園に出場する選手たちのSNSは同級生もチェックし広がりを見せる。

実際、インターハイや甲子園に出場する高校生は、全体から見ればほんの一握りです。しかし重要なのは、“出場者数”ではありません。
高校スポーツには、地区予選、県予選、ブロック大会といった長い予選のプロセスがあります。

つまり全国大会だけでなく、その過程も含めて、多くの高校生が何らかの形で接触しているのです。同じクラスの生徒が県大会へ進む。
友人がレギュラー争いをしている。吹奏楽部として応援に行く。学校全体が応援ムードになる。
競技者本人でなくても、高校スポーツは学校コミュニティを通じて自然に認知が広がります。これは、現在の高校生市場においてかなり珍しい特徴ではないでしょうか。

今の高校生市場は“界隈化”が進み、同じ高校生でも接触している情報が大きく異なります。一方で、高校スポーツ大会は、多かれ少なかれ多くの高校生が認知しており、さらに少しでも関わりがある層は熱量を持って見つめています。
つまり高校スポーツ大会は、「認知の広さ」と「興味の深さ」が両立している数少ないイベントとも言えます。
これはマーケティング視点では非常に大きな特徴です。

 

SNS時代、高校スポーツ大会は“UGCが生まれやすい場”になっている

インハイエールプロジェクト

大塚製薬が近年行っている施策エールコップも盛り上がりを見せます。

※https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000082938.htmlより引用

さらに現在の高校スポーツ大会を語る上で欠かせないのが、SNSの存在です。
従来、スポーツ大会におけるスポンサー価値は、会場看板やテレビ中継、現地来場者への露出などが中心でした。しかし今、高校スポーツ大会ではまったく違う形の露出が生まれています。

それが、高校生自身によるUGC(ユーザー生成コンテンツ)です。大会前日になると、InstagramやTikTokにはゼッケンやユニフォームの写真が並びます。

「#応援よろしくお願いします」
「#絶対勝つ」
「#最後の夏」
「#このメンバーで戦えるのも最後」

そんな投稿には、多くの高校生の“いいね”やコメントが集まります。しかも重要なのは、これらが企業主導ではなく、高校生自身の感情によって自然発生していることです。企業は本来、UGCを生み出すためにハッシュタグ施策や投稿キャンペーン、インフルエンサー施策などを実施します。

一方、高校スポーツ大会では、“投稿したくなる感情”そのものが存在しています。
努力、緊張、達成感、悔しさ、仲間意識。高校スポーツは感情が大きく動く場であり、その瞬間は記憶にも深く刻まれます。
だからこそ、企業が仕掛けなくても、高校生たち自身が大量の投稿を生み出していきます。

これはマーケティング視点で見ると、非常に特徴的な構造だと言えるのではないでしょうか。さらに、高校スポーツ大会におけるUGCは、単なるSNS投稿では終わりません。そこには、同級生、他校の友人、部活動仲間、後輩、保護者、OB・OGなど、“リアルなコミュニティ”が存在しています。
つまり高校スポーツのUGCは、アルゴリズム上で流れていくだけの投稿ではなく、「リアルな人間関係の熱量」を伴って拡散されるUGCでもあるのです。

そして、その写真や動画には、自然な形でスポンサー企業のロゴも写り込みます。ゼッケン、大会で配られるサンプル商品、ユニフォーム、看板。
本人たちはスポンサーを宣伝している意識はありません。しかし結果として、企業ロゴは“青春の記録”の一部としてSNS上へ拡散されていきます。
今の高校生は広告への感度が高く、いわゆる“案件”や“売り込み感”にはシビアです。一方で、高校スポーツ大会のスポンサー企業は、「大会を支えてくれている存在」として肯定的に受け取られやすい特徴があります。

高校スポーツ大会は、「広告感が薄いまま、強い感情と一緒にブランド接触できる場」になっているのです。

 

なぜ企業は高校スポーツ大会に協賛するのか

インハイエールプロジェクト 部活動応援ポスター

大塚製薬の2025年インターハイのまさに感情が動く広告ビジュアル

※https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000082938.htmlより引用

高校スポーツ大会には、飲料メーカーだけでなく、スポーツ用品、交通、旅行、人材など、多くの企業が関わっています。背景には、“競技人口”だけでは測れない接点価値があります。
たとえば、ポカリスエットを展開する大塚製薬は、近年インターハイへの協賛を続けてきました。夏の大会会場で繰り返し目にするあの“青いロゴ”は、多くの高校生にとって「部活」「汗」「夏」と結びついた象徴的な存在になっています。

また、ミズノやアシックスなどスポーツブランドにとっても、高校スポーツは重要な接点です。高校時代に使っていたシューズやウェアは、“競技人生の記憶”として残りやすく、全国大会という特別な舞台でのブランド接触は、単なる商品認知以上の意味を持っています。
さらに、マイナビも、近年インターハイに協賛を行う企業の一つです。進学や将来、キャリアについて考え始める世代に対する認知はビジネスの生命線とも言えるほど重要なものです。高校スポーツへの協賛は、“挑戦する若者を応援する企業”としてのブランド形成にもつながっています。

 

高校スポーツ大会は“地域経済”も動かしている

インターハイ2026

今年のインターハイの開催地は近畿地方。各府県がSNSチャンネルを開設し盛り上げる。

高校スポーツ大会は、競技だけでなく地域経済への影響も大きいイベントです。

選手、保護者、学校関係者、応援団など、多くの人が全国から移動することで、宿泊・飲食・交通など地域消費も発生します。そのため、自治体にとっても大会誘致は重要です。実際、自治体が大会専用SNSを立ち上げるなど、“若年層との接点”として大会を活用する動きも見られます。高校スポーツ大会は今、単なるスポーツイベントではなく、学校コミュニティ、SNS、地域、企業を横断する巨大な接点になっています。

 

“共通体験”が少ない時代だからこそ価値がある

令和は“全員に届くコンテンツ”が減った時代です。だからこそ企業は今、「広く認知され、なおかつ強い感情が動く場」に価値を見出しています。
高校スポーツ大会は、多くの高校生が認知しており、学校コミュニティを通じて自然に広がり、SNSで熱量が可視化され、さらに選手自身が発信者になります。そこには、学校単位の応援文化や、“最後の夏”のような強い感情、リアルな人間関係による拡散があります。

つまり高校スポーツ大会は、「認知」「感情」「UGC」「コミュニティ」が同時に発生する場になり得るのです。さらに高校スポーツ大会では、企業が大きく仕掛けなくても、高校生自身が感情を伴ったUGCを生み出し、リアルなコミュニティの中で拡散していきます。この構造は、細分化が進む高校生マーケットにおいて、非常に貴重な接点だと私は感じています。

最も難解とも言われる高校生マーケットを捉える上で、高校スポーツ大会は、今後あらためて注目すべきマーケティング接点の一つになっていくでしょう。