【20代編】働く女性のヘアケア実態 今の悩みから商品選びの基準、使用しているアイテムとは?

ヘアスタイルは、外見の印象や自分らしさを表現する要素のひとつです。 20代女性の間では、トレンドのカラーやパーマを取り入れるなど、ヘアスタイルを楽しむ人も多くみられます。一方で、髪のダメージや日々のヘアケアに悩みを抱えている人もいるでしょう。 そこで今回は、20代の働く女性を対象に、ヘアケアに対する意識や普段のケア、商品選びの基準などについて詳しく調べました。

調査の結果、20代で働く女性は、髪の悩みだけでなく理想の髪質についても「質感」を重視していることがわかりました。また、約6割がシャンプーを定期的に買い替えていることも明らかに。ヘアケアアイテム別の選ぶ基準、購入場所や情報源などを詳しく解説します。

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1,20代の働く女性の約7割がミディアム〜ロングヘア。半数以上が3か月以内にヘアカラー

ここでは、20代の働く女性の髪の長さや、ヘアサロン・セルフケアでどんな施術をしているのかを見ていきます。

Q.現在の髪の長さを教えてください。

Q.現在の髪の長さを教えてください。

(n=302)

まずはじめに髪の長さを聞くと、「セミロング(鎖骨〜胸上の長さ)」が26.5%で最も多く、次いで、「ミディアム(肩〜鎖骨の長さ)」22.5%、「ロング(胸より下長さ)」19.9%と続きました。 【ミディアム~ロング】の人は約7割 を占め、20代の働く女性は髪の毛が長い人が多い傾向です(合計68.9%)。一方で「ベリーショート」7.6%、「ショート」11.3%にとどまっています。

 

Q.直近3か月以内に髪に行った施術を教えてください。【複数回答】
※各施術について、美容院・ヘアサロンでの施術か、ご自身で行ったセルフケアかもお選びください。

Q.直近3か月以内に髪に行った施術を教えてください。【複数回答】
※各施術について、美容院・ヘアサロンでの施術か、ご自身で行ったセルフケアかもお選びください。

(n=302)

直近3か月以内に行った施術は、美容院・ヘアサロンでは「ヘアカラー(白髪染めを除く)」55.6%が過半数を占め、最多でした。続いて、「サロントリートメント」24.2%、「縮毛矯正」14.2%、「ブリーチ」9.9%、「ヘッドスパ」9.6%の順でした。また、セルフケアでは「頭皮ケア」10.3%、 「ヘアカラー(白髪染めを除く)」が8.9%でした。

 

Q.現在、髪や頭皮で気になっていることを選んでください。【複数回答/5つまで】

Q10_現在、髪や頭皮で気になっていることを選んでください。

(n=302)

現在髪や頭皮で気になっていることは 「パサつき・乾燥」47.4%、「うねり・くせ毛」40.7% の2つが多くなりました。続いて、「広がり・まとまりにくさ」27.8%、「切れ毛・枝毛」20.2%、「髪が絡みやすい」16.2%の順でした。

頭皮に関する悩みは「べたつき・脂っぽさ」11.6%、「頭皮のにおい」8.6%、「頭皮のかゆみ・フケ」7.3%と一定数の人が気にしている傾向です。また、年齢による変化に関する悩みは 「抜け毛・薄毛」7.0%、「白髪」6.0%、「髪質の変化」1.7%など、比較的低い結果になりました。

\20代の働く女性の理想の髪は「サラサラ」と「ツヤ」、どちらをより重視している?/

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2,シャンプーは「夜」が多数派、商品選びは「価格・仕上がり」重視

ここでは、普段のシャンプーのタイミングや使用アイテムなど、日常ケアの様子を見ていきます。 

Q.あなたは普段、いつシャンプーをしていますか。

Q.あなたは普段、いつシャンプーをしていますか。

(n=302)

普段シャンプーをするタイミングについて、平日は「夜(帰宅後、入浴時)」が84.1%、休日も84.4%と 【夜】にする人が多数派 でした。平日は「朝(起床後)」に洗う人も約1割、休日は「日中」に洗う人も8%いました。一方で、平日・休日ともに「決まっていない」と答えた人は約7%でした。

 

Q.普段、洗髪時に使用している「ヘアケアアイテム」をすべて選んでください。【複数回答】

Q14_普段、洗髪時に使用している「ヘアケアアイテム」をすべて選んでください。

(n=302)

髪の毛を洗う時に使用しているアイテムは「シャンプー」87.1%、「リンス・コンディショナー」63.6%、「トリートメント」56.0%が過半数を超えており、メインで使われているようです。また、「ヘアマスク・ヘアパック」22.2%、「シャンプーブラシ・スカルプブラシ(手動)」18.2%などのプラスケアアイテムも、約2割が利用していることがわかりました。

 

Q.シャンプーを購入する際に重視することを教えてください。【複数回答/5つまで】

Q16_シャンプーを購入する際に重視することを教えてください。

(n=302)

シャンプーを購入する際に重視することは、「価格」36.8%、「仕上がり(まとまり・指通り・ツヤ)」31.8%、「自分の髪質や髪の悩みに合っていること」26.5%、「香り」26.2%の順になりました。価格に加えて、仕上がりや自分の髪質に合うかなど、使用後の効果を重視して選ぶ人が多いようです。一方で「口コミ・レビュー評価」14.2%、「SNSやインフルエンサーの紹介」6.6%にとどまり、第三者の評価や情報よりも、自身の髪質や使用感を基準に商品を選ぶ傾向がうかがえます。

 

Q. 普段、使用しているシャンプーとトリートメントのブランド名・具体的な商品名を教えてください。 

1位:パンテーン1位:YOLU
3位いち髪
4位エッセンシャル
5位LUX

(n=302)
※自由回答から回答の多い順にランキング

上位には長年親しまれてきた定番ブランドが並び、「パンテーン」「いち髪」「エッセンシャル」「LUX」と根強い人気がうかがえます。また、同率1位の「YOLU」は上位ブランドの中では比較的高価格帯であるものの、近年はSNSを通じて人気が広がり、定番化しつつあると考えられます。

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3,ヘアオイルは4割超が使用。最もお金をかけているアイテムは「ドライヤー」

ここでは、「ヘアオイル」やヘアケアアイテムの購入価格について見ていきます。 

Q.普段、洗髪後などに使用している「洗い流さないヘアケアアイテム」をすべて選んでください。【複数回答】

Q.普段、洗髪後などに使用している「洗い流さないヘアケアアイテム」をすべて選んでください。【複数回答】

(n=302)

洗い流さないヘアケアアイテムは「ヘアオイル」46.4%、「ヘアミルク」43.7%の2つが中心となりました。髪や頭皮で気になっていることの設問では「パサつき・乾燥」47.4%が最多だったことからも、保湿ケアへの意識も高く「ヘアオイル・ミルク」が人気傾向です。 また、8割以上が何らかのアウトバスケアを取り入れていることがわかります(「特に使用していない」は15.9%) 。一方で、頭皮ケアアイテムの「頭皮用美容液・ローション」の使用率は3.3%で、現時点では少数派のようです。

 

Q.ヘアオイルを購入する際に重視することを教えてください。【複数回答/5つまで】

Q.ヘアオイルを購入する際に重視することを教えてください。【複数回答/5つまで】

(n=302)

ヘアオイルを選ぶ際に重視することは「髪がまとまること」27.5%、「香り」23.8%、「髪にうるおいを与えること」21.9%、「価格」21.5%の順となり、各項目が僅差で並びました。髪のまとまりやうるおいといった商品の機能性、香りなどの使用感は優先度がやや高いようです。回答は全体的に分散しており、「特に重視することはない」は約1割にとどまっています。

 

Q.現在使用しているヘアケアアイテムの中で、最も高価な商品の名前を詳しく教えてください。

Q.現在使用しているヘアケアアイテムの中で、最も高価な商品の名前を詳しく教えてください。

(n=302)
※自由回答から回答の多い順にカテゴリーに分類しランキング

20代の働く女性の最も高価なヘアケアアイテムをカテゴリーに分類すると「ドライヤー」が最多になり、約2割でした。次いで「ヘアアイロン」、「ヘアブラシ」と続き、上位3カテゴリーで、全体の約4割を占めています。全体的に、美容家電やヘアブラシなど、比較的長く使用できるアイテムにお金をかけている傾向が見受けられます。またブランド別で見ると、「ReFa」がドライヤーをはじめヘアブラシ、ヘアアイロン、シャンプーなど多く挙がっていたのが特徴です。調査資料では、商品名も公開しています。

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4,シャンプーは約6割が定期的に買い替え。購入先はドラッグストアが中心

ここでは、各アイテムをいくらで買うのか、シャンプーをどのくらいの頻度で切り替えているのかを見ていきます。シャンプーは約6割が定期的に商品を変えているのがポイントです。

Q.それぞれのヘアケアアイテムの購入価格帯を教えてください。
詰め替え用を購入している場合は、通常サイズ1本分あたりの価格に換算してお答えください。
例:詰め替え用(4回分)1,600円 → 1本分あたり400円

Q25_それぞれのヘアケアアイテムの購入価格帯を教えてください。詰め替え用を購入している場合は、通常サイズ1本分あたりの価格に換算してお答えください。例:詰め替え用(4回分)1,600円 → 1本分あたり400円

(n=302)

シャンプー、コンディショナー・トリートメント、ヘアオイルは、いずれも 【1,000円以上2,000円未満】が約4割 を占め、ボリュームゾーンとなりました。【2,000円以上4,000円未満】の商品を購入する割合は、シャンプー25.8%、コンディショナー・トリートメント17.9%、ヘアオイル25.2%と出ています。「4,000円以上」の商品を購入する人は少数にとどまりました。

ヘアブラシは「1,000円以上3,000円未満」31.4%、「1,000円未満」23.9%となり、購入価格帯がやや分散しています。一方で、頭皮ケア商品は「買っていない」が53.3%で、購入者は半数を下回りました。購入者も【1,000円以上2,000円未満】16.6%が最多でした。

 

Q.あなたは、普段使用しているシャンプーの商品またはブランドを、どのくらいの頻度で別の商品に変えますか。※同じブランドの別商品に変える場合も含めてお答えください。

Q.あなたは、普段使用しているシャンプーの商品またはブランドを、どのくらいの頻度で別の商品に変えますか。※同じブランドの別商品に変える場合も含めてお答えください。

(n=302)

使用しているシャンプーの商品を変える頻度については、「基本的に変えず、同じ商品を使い続けている」40.1%が最多でした。一方で、商品を変える人の頻度を見ると「1つ使い切るたびに、ほぼ毎回変える」20.2%、「半年に2〜3回程度変える」18.2%、「半年に1回程度変える」9.9%の順でした。全体で見ると、1年以内に商品を変える人は半数となり(合計54.9%) 、基本的に同じ商品を使い続ける人よりも上回っています。

 

Q.普段、どこでヘアケアアイテムを購入しますか。【複数回答】

Q.普段、どこでヘアケアアイテムを購入しますか。【複数回答】

(n=302)

ヘアケアアイテムの主な購入場所は、「ドラッグストア」71.5%が突出しています。次いで「総合ECサイト」15.2%、「バラエティショップ」13.3%、「スーパーマーケット」11.6%の順でした。一方で「美容院・ヘアサロン」9.3%や「化粧品専門店」6.3%、「ブランド公式オンラインストア」5.3%などは、一部にとどまっています。ヘアケアアイテムは特別な場所で購入するというよりも、日常の買い物ついでに立ち寄れるドラッグストアが中心となっているようです。

 

Q.ヘアケアアイテムの情報源を教えてください。【複数回答】

Q.ヘアケアアイテムの情報源を教えてください。【複数回答】

(n=302)

ヘアケアアイテムの情報源は、「検索エンジン」34.1%と「SNS(投稿・広告・ブランドの公式SNS)」33.4%がほぼ同率で、検索やSNSなどオンライン情報が中心となっています。続いて、「店頭のPOP・売り場」17.9%、「口コミサイト」14.9%、「Webサイトの広告」12.6%の順でした。「生成AI(ChatGPTなど)」も8.0%となっています。

\シャンプーを変えるきっかけやタイミング4位「使用中の商品を使い切ったとき」、1~3位は?/

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5,美容院の利用目的は「カット・ヘアカラー」が中心、通う頻度は?

ここでは、美容院・ヘアサロンにどんな目的で、どのくらいの頻度で通っているのかを見ていきます。

Q.普段、美容院・ヘアサロンに行く目的を教えてください。【複数回答】

Q.普段、美容院・ヘアサロンに行く目的を教えてください。【複数回答】

(n=302)

美容院・ヘアサロンに行く目的は「カット」72.9%が最も多く、他の項目を大きく上回りました。次いで、「ヘアカラー(白髪染めを除く)」49.7%の割合も高く、約半数が施術をしている傾向です。さらに、「サロントリートメント」18.5%、「縮毛矯正」17.9%、「パーマ・デジタルパーマ」10.9%、「ストレートパーマ」10.9%と続きました。基本的な施術のほか、「ヘッドスパ」も約1割が取り入れているようです。

 

Q.美容院・ヘアサロンに行く頻度を教えてください。

Q33_美容院・ヘアサロンに行く頻度を教えてください。

(n=291)

美容院・ヘアサロンに行く頻度は、「2〜3か月に1回程度」47.8%が最も多くなりました。続いて、「4〜5か月に1回程度」14.4%、「1か月に1回程度」13.4%、「半年に1回程度」11.3%の順となっています。「必要性を感じたときに不定期で利用する」や「特に決まっていない」という人はごく少数にとどまり、美容院・ヘアサロンは定期的に利用している人が多いことがうかがえます。

\1回あたりの美容院・ヘアサロン代、美容院選びで重視することも徹底調査!/

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ダウンロード資料では、本記事では紹介しきれなかった、SNSの情報源の詳細やヘアケアで参考にしているインフルエンサーなどについてもご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。下記ボタンよりご請求いただけます。

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  • 調査対象

    23~29歳/女性/未婚/子どもなし/正社員、公務員・団体職員/シャンプー等に加え、髪・頭皮ケア用品も定期的・必要時に購入している人

  • 有効回答数

    302件

  • 調査時期

    2026年8月

  • 方法

    インターネット調査

    ※各設問の数値は四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。

働く女子のスイッチ消費

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ミレニアル世代調査:コロナ禍で大きく変化!F1層の行動・お金・意識

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「もう無理をしない」が消費を動かす? 2026年夏に見えた「メンパ」という新しい選択基準|感情が動くマーケティング

夏の消費行動の振り返りと予想

女性にとっても厳しい夏、消費はどう変わるのでしょうか。

「今年の夏は、もう無理をしない」。

2026年の夏が、終わりに近づいています。今年も厳しい暑さが続くなか、気象庁は8月3日、7月中旬〜下旬の西日本の平均気温が、統計開始(1946年)以降で最も高い記録になったと公表しました。生活者の消費を見ていると、ある変化を感じます。
何でも節約するのではなく、「削るもの」と「守るもの」を、これまで以上にはっきりと選ぶようになっているのではないでしょうか。

毎月当たり前のように続けていた美容を見直す。なんとなく参加していた飲み会には行かない。
気を遣う人との予定を減らす。一方で、自分が本当に楽しみにしている体験や、大切な人と過ごす時間、自分を回復させるための支出は守る。
一見すると矛盾しているようですが、そこには「コスパ」や「タイパ」だけでは説明しきれない、もう一つの判断基準があるように感じます。
守ろうとしているのは、お金でも時間でもなく、「心の余力」。

今回は2026年の夏を振り返りながら、働く女性たちの「やめたい」という声も手がかりに、これからの消費を動かす新しい評価軸について考えます。

削る消費、守る消費—夏の財布に表れる「自分にとっての優先順位」

削る消費、守る消費—夏の財布に表れる「自分にとっての優先順位」

暑い中ついつい頼んでしまうデリバリーは節約の敵⁉

物価が上がれば、生活者は支出を見直します。しかし、そこで起きるのは単純な「安いものへのシフト」だけではありません。
むしろ注目したいのは、「何を削り、何を削らないのか」です。

たとえば、日常的に惰性で続けてきた支出は見直す一方で、自分が本当に楽しみにしている旅行やレジャー、大切な人との食事、自分へのご褒美などにはお金を使う。
ここには、「節約する/しない」という二択では説明できない消費があります。

今回、マイナビ社内の22〜34歳の女性社員27人に「この夏、やりたくない・やめたいこと」を自由回答で聞きました。定量調査ではなく、仮説を立てるための声として読んでいただければと思います。

・「ひとりでテイクアウトフードを買うことは節約のためにやめたい。でも友人との外食ではケチりたくない」
・Uber Eatsやタクシーへの支出を減らし、その分を「投資や推し活代に回したい」

つまり、消費そのものを減らしたいわけではないのです。

自分にとって満足度の低い支出を削り、その分を「自分にとって意味のあるもの」へ振り向ける。物価高の時代だからこそ、生活者の財布には、その人自身の価値観がより鮮明に表れるようになっています。

マーケターが見るべきなのは、「節約志向が高まっている」という大きな括りだけではなく、「それでも、この人が削らないものは何なのか」なのかもしれません。

 

「頑張る美容」から「整える美容」へ —猛暑が変えたケアの目的

「頑張る美容」から「整える美容」へ —猛暑が変えたケアの目的

通勤するだけで汗でメイクが落ちて朝からゲンナリすることも。

この夏、その変化がわかりやすく表れていた領域の一つが美容です。

猛暑の日に、時間をかけて髪を巻く。丁寧にメイクをしても、駅まで歩けば汗をかき、会社に着くころには崩れている。
日焼け止めを塗り直し、前髪を整え、化粧直しをする。
これまで「身だしなみ」として当たり前に行ってきた女性の行動が、今年の猛暑によって一気に“負担”として可視化されました。

今回の自由回答でも、

・メイク。どうせ汗で流れるので簡素にしたい
・髪を巻いても崩れる
・日焼け止めを塗りたくない
・ジェルネイルをやめた
・パンプスを履くことをやめたい

といった声が見られました。

ただし、これを「美容への関心が薄れた」と見るのは少し違うように思います。
彼女たちがやめたいのは、きれいになることではなく、「きれいでいるために無理をすること」なのではないでしょうか。

以前この連載では、働く女性の健康意識について「頑張る健康」から「整える健康」への変化を取り上げました。

美容にも同じ変化が起きていると考えると、わかりやすいかもしれません。

“盛る”ために工程を増やすより、崩れることを前提に工程を減らす。
完璧な状態を一日キープするより、肌そのものを整える。
時間をかけてきれいになるより、少ない負担で「自分が心地よい状態」を保つ。

「頑張る美容」から「整える美容」へ。猛暑は、美容の目的そのものを問い直すきっかけにもなっているのではないでしょうか。

 

コスパでもタイパでもない。「メンパ」という新しい評価軸

コスパでもタイパでもない。「メンパ」という新しい評価軸

夏の出勤を回避しテレワークを望む女性も増加。

では、生活者は何を基準に「やめるもの」と「残すもの」を選んでいるのでしょうか。そこで考えたいのが、コスパ、タイパに続くもう一つの視点です。

ここで補助線になるのが、2026年に入って使われ始めた「メンパ(メンタルパフォーマンス)」という言葉です。

コスパが「使ったお金に対して、どれだけ価値を得られるか」。
タイパが「使った時間に対して、どれだけ価値を得られるか」。

それに対してメンパは、
「その選択によって、自分の心がどれだけ消耗しないか」という評価軸です。

今回のアンケートで象徴的だったのが、「出社したくない」という回答でした。
理由を聞くと、単に「暑いから」ではありません。日焼け止めを塗り、日傘を持ち、ハンディファンを持ち、汗を拭き、崩れたメイクや前髪を直す。
ある回答者は、夏の出社について「持っていくものが多すぎます」と答えています。
夏には、こうした「名もなきタスク」が大量に発生します。そして重要なのは、一つひとつを時短することだけではありません。

生活者の本音は、
「そもそも、それをやらなくて済むようにしてほしい」
なのかもしれません。

さらに今は、買い物そのものにも「選ぶ」という負担があります。
商品を比較する。口コミを見る。SNSで検索する。失敗しないように調べる。自分に合うものを探す。
選択肢が増えるほど便利になる一方で、選ぶこと自体が小さな労働になっているとも言えます。

だからこそ、「これを選べば大丈夫」「これ一つでいい」「もう考えなくていい」という価値が、以前より強くなっていく。
コスパでもタイパでもなく、心を消耗させないこと自体に価値を感じる消費。
それが「メンパ」という視点なのかもしれません。

 

「頑張らない」を肯定してくれるブランドが選ばれる

「頑張らない」を肯定してくれるブランドが選ばれる

今後、注目したい“頑張らない消費”とは?

メンパという視点で考えると、マーケティングコミュニケーションにも変化が必要です。
これまで広告は、生活者に「もっと」を提案してきました。

もっときれいに。
もっと健康に。
もっと充実した毎日を。
もっと自分らしく。

もちろん、前向きなメッセージが人を動かすことは今後も変わりません。
しかし、心の余力が少ないとき、「もっと頑張ろう」は新たな負担になることもあります。そんなときに心を動かすのは、

「今日はこれでいい」
「全部やらなくていい」
「頑張れない日は、頑張らなくていい」

といった、“許可を与える言葉”なのではないでしょうか。
ここでポイントになるのは、単に「時短」や「手抜き」を訴求することではありません。

生活者が時短商品を使ったときに、
「本当はちゃんとやったほうがいいけれど、今日は時間がないから仕方ない」
と思わせてしまえば、心の負担は残ったままです。

そうではなく、「これで十分」と思える理由までブランドが提供する。
つまり、商品によってタスクを減らすだけでなく、「やらないことへの罪悪感」まで取り除く。
これからのブランドには、そんな役割も求められるのではないでしょうか。

 

夏疲れ市場という空白 ——これから始まる「リカバリー消費」

夏疲れ市場という空白 ——これから始まる「リカバリー消費」

多忙な女性が望む“リカバリー消費”とは?

そして2026年の夏が終わりに近づく今、もう一つ注目したいのが「リカバリー消費」です。
夏の消費というと、UV対策、冷感グッズ、旅行、レジャーなど「夏をどう乗り切るか」「どう楽しむか」に注目が集まりがちです。

しかし、8月末から9月にかけて生活者が感じるのは、「夏を乗り切った後の疲れ」ではないでしょうか。

暑さで眠れない。
冷房で身体が冷える。
外出だけで疲れる。
食欲が落ちる。
予定を詰め込みすぎて疲れる。

こうした状態になったとき、求められるのは「もっと楽しむための商品」ではなく、「元の自分に戻るための商品」です。
睡眠、入浴、温活、リラクゼーション、セルフケア、一人で過ごす時間、何もしない休日。
これまで「ご褒美消費」と呼ばれてきたものの一部も、今後は「回復するための必要経費」として捉えられるようになるかもしれません。

ここでもメンパという視点が生きてきます。「何をすると楽しいか」だけではなく、
「何をすると、心の余力を取り戻せるか」。晩夏から秋に向けて、生活者の「回復したい」という感情は、さまざまなカテゴリにとって新しい市場機会になりそうです。

 

生活者の「やめたい」を、マーケティングの起点に

2026年の夏を振り返ってみると、「暑かった」という一言だけでは説明できない変化が見えてきます。
生活者は、何でも節約しようとしているわけでも、何でも時短したいわけでもありません。

「自分にとって大切ではないことに、これ以上心を使いたくない」。

その一方で、本当に好きなこと、大切な人との時間、自分を回復させてくれるものには、お金も時間も使いたい。
だからこそ、これからマーケターが考えたいのは、「何を欲しがっているか」だけではありません。

  • 自社の商品やサービスは、顧客に何かを頑張らせていないか。
  • その商品によって、顧客が「やらなくてよくなること」は何か。
  • そして自社のブランドは、「もっと頑張ろう」ではなく、「もう頑張らなくていい」と言える部分があるか。

平成に定着した「コスパ」、令和に広まった「タイパ」。その先にある、「心を消耗しない」という価値。
生活者の「やりたい」だけでなく、「もう、やりたくない」という感情に目を向けること。

そこに、これからの商品開発やコミュニケーションを考えるヒントが隠れているのかもしれません。

 

20~30代女性のぬい活の実態 行っているぬい活やかけるお金、情報収集について調査

「ぬい活」とは、ぬいぐるみの着せ替えをしたり、外出や食事に連れて行ったり、写真を撮影したりして楽しむ活動の総称です(ぬい活について、詳しくはこちらの記事で解説しています)。近年、ぬい活市場は拡大傾向にあります。東京商工リサーチの報告によると、ぬいぐるみ関連企業の売上高は2021年から2025年にかけて1.7倍に伸び、最終利益はほぼ2倍です。さらに、ぬい活は子どもだけでなく、大人も楽しむものとして定着しつつあります。広がるぬい活市場の中で、ぬいぐるみや関連アイテムの購入、ぬい活のための外出といった消費行動はどうなっているのでしょうか。

今回は、未婚・子なしのぬい活をしている20~30代女性を対象として調査を実施。その結果、ぬい活にかける金額は二極化傾向にあり、特に「かわいさ」と「推しとの関連」が購買の後押しになることがわかりました。このほか、ぬい活のジャンルや持っているぬいぐるみの数、情報収集の方法などについても解説します。

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1,ぬい活歴は5年未満が多数派である一方、10年以上のベテランも約1割

ここでは、ぬい活をどれくらい続けているのか、どのようなジャンルのぬいぐるみを楽しんでいるのか、ぬいぐるみを何体持っているのかを見ていきます。全体としては比較的新しい層が多いものの、30代ではぬい活を長く続けていたりぬいぐるみを多く持っていたりする傾向がやや強く見られました。

Q.あなたのぬい活歴は何年ですか?

Q7_あなたのぬい活歴は何年ですか?

(n=306 20代n=106、30代n=200)

全体では、ぬい活歴5年未満の人が65.4%と多数派でした。内訳を見ると、「2年以上3年未満」が18.3%で最も高く、「1年以上2年未満」15.4%、「10年以上」13.4%と続きます。ここ数年でぬい活を始めた人が多い一方、10年以上続けているベテランも約1割いることがわかります。

20代と30代を比べると、20代は5年未満が70.7%で、30代の62.5%を上回りました。反対に「10年以上」は20代10.4%に対し30代15.0%で、30代のほうが長く続けている人が多めです。

 

Q.あなたのぬい活の主なジャンルは何ですか?【複数回答】

Q8_あなたのぬい活の主なジャンルは何ですか?(いくつでも選択可)

(n=306 20代n=106、30代n=200)

主なジャンルは、全体では「キャラクター(ちいかわ、パペットスンスン等)」が46.1%で最多でした。次いで「アイドル」34.3%、「アニメ・漫画」23.9%、「動物」22.9%と続いています。

年代別では、20代は「アイドル」39.6%、「VTuber」10.4%が30代を上回りました。一方、30代は「キャラクター」48.5%、「アニメ・漫画」25.5%が20代を上回り、年代によって選ばれるジャンルに違いが見られました。

 

Q.あなたが持っているぬいぐるみの数を教えてください。

Q11_あなたが持っているぬいぐるみの数を教えてください。

(n=306 20代n=106、30代n=200)

保有数は全体で「10体以上」が22.9%と最多で、ぬい活をしている人の中には、ぬいぐるみを数多く集めている人が一定数存在するようです。一方で「1体」13.4%、「2体」14.1%、「3体」14.4%も比較的多く、1〜3体保有の合計は41.9%でした。厳選して楽しむ人と、たくさんコレクションしている人の両方がいることがわかります。

20代は「1体」17.9%、「3体」17.9%の割合が相対的に高く、1〜3体保有の合計も48.1%と約半数に達しました。対して30代は「10体以上」27.0%が最多で、20代の15.1%を大きく上回ります。30代はぬい活歴も比較的長い傾向にあり、活動期間の違いが保有数に表れている可能性があります。

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2,ぬい活にかける金額は人によって差が大きい傾向

ここでは、ぬい活関連アイテムや外出にどのくらいお金をかけているのかを見ていきます。結果としては、どの項目でも「お金は使わない」層が約半数を占める一方で、ある程度お金をかける層も一定数存在しており、使わない人と使う人の差が目立つ構造になっています。

Q.ぬい活に関連する以下のアイテムについて、1年間に使う平均金額を教えてください。

Q13_ぬい活に関連する以下のアイテムについて、1年間に使う平均金額を教えてください。

(n=306)

各項目で最も多いのは「お金は使わない」で、約半数程度の割合に上ります。

一方で、ある程度お金を使う人も存在します。たとえば、「洋服・アクセサリー(既製品)」はお金を使わない人の割合が比較的低く、「1,000円以上3,000円未満」「3,000円以上5,000円未満」に合計で23.2%が分布しています。さらに、1万円以上使う人も13.4%の割合で存在します。「ぬい撮り用の小物」では「1,000円以上3,000円未満」「3,000円以上5,000円未満」の合計が23.8%です。「収納・ディスプレイ」もお金を使わない人の割合が他の項目と比べて低く、「1,000円以上3,000円未満」「3,000円以上5,000円未満」に合わせて21.9%が分布しています。

この結果から、自身の目的に合わせてお金を使うコアなぬい活ファンも一定数いることが予測されます

 

Q.あなたは、ぬい活を目的として外出した経験がありますか?

(n=306 20代n=106、30代n=200)

全体では、「ある」54.6%が過半数を占めました。ぬい活は自宅内だけではなく、外出先でも楽しむものとして定着しつつあるのかもしれません。

20代では外出経験ありが61.3%で、30代の51.0%を10ポイント以上上回りました。20代のほうが、ぬい撮りや外食、イベント参加など、ぬいぐるみを外に連れ出すタイプのぬい活をより積極的に楽しんでいる様子がうかがえます。

 

Q.ぬい活を目的とした外出について、1年間に使う平均金額を教えてください。

Q15_ぬい活を目的とした外出について、1年間に使う平均金額を教えてください。

(n=167)

ぬい活を目的とした外出経験者を見ると、年間の食費は「3,000円以上5,000円未満」28.1%が最も高く、1万円以上使う人も25.2%でした。

交通費・宿泊費では「3,000円以上5,000円未満」19.8%が最も高く、1万円以上が31.8%を占めています。

ぬい活を目的とした外出では、比較的少額で楽しむ人がいる一方、食費や移動・宿泊に1万円以上かける人も一定数見られました。

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3,ぬい活の情報源はSNSが主流

ここでは、ぬい活に関する商品やサービスの情報を、どこから得ているのか見ていきます。全体ではX、InstagramといったSNSの存在感が大きく、ぬい活市場において重要な接点になっているようです。

Q.ぬい活に関する商品やサービスの情報を、主にどこから得ていますか?【複数回答】

Q19_ぬい活に関する商品やサービスの情報を、主にどこから得ていますか?(いくつでも選択可)

(n=306 20代n=106、30代n=200)

全体で最も多かったのは「X(Twitter)」37.6%で、次いで「Instagram」31.7%でした。一方で「情報収集は特にしない」と回答した人も20.3%と、積極的な情報収集を行わない人も一定数見られました。

20代は「YouTube」23.6%の割合が30代より高く、動画から情報を得る傾向が強めです。「ファンコミュニティ」10.4%も30代の6.5%をやや上回っており、推し活的なつながりの中で情報を収集している様子もうかがえます。

30代では「X」41.5%や「Web記事」11.5%が20代を上回り、テキストを中心とした媒体の利用率が比較的高い結果となりました。

 

4,ぬい活における購買を後押しする要素は「かわいさ」「推しとの関連」

ここでは、ぬい活関連の商品やサービスを購入するとき、何が決め手になるのかを見ていきます。全体では「見た目のかわいさ」と「推しに関係していること」が購買を後押しする重要な決め手になっているようです。

Q.ぬい活に関する商品やサービスを購入する際の、重要な決め手となる要因は何ですか?【複数回答】

Q20_ぬい活に関する商品やサービスを購入する際の、重要な決め手となる要因は何ですか?(3つまで選択可)

(n=306 20代n=106、30代n=200)

「デザイン・見た目のかわいさ」47.4%が最も高く、「『推し』に関連していること」39.2%が続きました。3位は「価格」21.6%で、商品自体のかわいさや推しとの関連性に加え、価格も購入判断の材料になっていることがわかります。

年代差を見ると、30代は「デザイン・見た目のかわいさ」51.0%が20代の40.6%を10ポイント以上上回りました。「価格」も30代のほうが高くなっており、30代のほうが「かわいさを重要な指標にしつつ、納得できる価格かどうか」をより強く見ている人もいるようです。前述したように30代は20代と比べてぬい活歴が長くぬいぐるみ保有数も多い傾向にあるため、よりシビアに取捨選択する人が多いのかもしれません。

一方、20代は「友人・知人のおすすめ」14.2%が30代をやや上回りました。20代は、実際の評判や周囲の反応を参考にしながら選ぶ傾向がやや強いようです。

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5,約7割がぬい活の写真や体験をSNSでシェア

ここでは、ぬい活で撮った写真や体験を、どのSNSでどのようにシェアしているのかを見ていきます。全体では約7割が何らかの形で発信しており、ぬい活は個人で楽しむだけでなく、見せる・共有するまで含めた活動になっていることがわかります。

Q.ぬい活で撮った写真や体験について、SNSでシェアしますか?【複数選択】

Q22_ぬい活で撮った写真や体験について、SNSでシェアしますか?(いくつでも選択可)

(n=306 20代n=106、30代n=200)

全体では「特に何もしない」が約3割であり、 約7割は何らかの形でSNSに写真や体験をシェア しています。特に多かったのは「Instagramのストーリーズにアップする」27.8%、「Instagramのフィード投稿にアップする」27.5%、「X(Twitter)にアップする」25.5%です。

20代では「Instagramのストーリーズ」35.9%が特に多く、30代の23.5%を大きく上回りました。ストーリーズは24時間で消えることから、いいねやコメントをあまり気にせず気軽に投稿できる点が支持されているのだと推測できます。

一方、30代では「X(Twitter)」29.5%が20代の17.9%を大きく上回っています。20代よりも、反応や拡散を求める人が多いのかもしれません。

 

6,今後、ぬい活はどうなる?

マイナビのマーケターに、ぬい活の現状や今後について話を聞いてみました。

中西舞

中西 舞(なかにし・まい)|株式会社マイナビ

コンテンツメディア事業本部 マーケティング部ディレクター。
大学生向けメディア『学生の窓口』の立ち上げに関わり、デジタル・アパレル・金融・食品・医薬化粧品など多様な業界の広告企画を担当。
現在は大学生をはじめとしたZ世代向け案件を中心に、年間約200件以上のプランニングおよび営業同行を行う。


「ぬい活」という言葉を超え、日常インフラ化する市場

今回の調査でも、ぬい活歴10年以上のベテランは全体の13.4%を占めています。実は私もその1人ですが、我々にとって、「ぬい活」といった名称そのものに、ややむず痒さを感じる面もあります。名称でカテゴライズされる以前から、ただ大好きな小さきいのちを愛でてきた。それが偽らざる実感でしょう。

この事実は、マーケターにとって重要な示唆を含んでいます。ぬい活は、SNSや商業側が生み出した一過性のブームではなく、既存の消費文化の中に長く根を張ってきた行動様式が、可視化・言語化されたものだということです。つまり、ぬい活市場は今後さらに拡大する可能性が高いですが、それはブームの延長ではなく、生活文化への定着プロセスの一部として捉えるべきだと感じます。

「意外とお金を使っていない」の裏にある本質的な消費パターン

調査結果を俯瞰すると、関連アイテムに「お金は使わない」と回答した層が約半数に達し、意外なほど支出は控えめに見えます。しかし現場感覚では、まったく逆の光景が展開されています。自分の服はいわゆるプチプラ商品でも迷うのに、ハンドメイド作家さんの新作ぬい服が公開されると金額を確認する余裕もなく血眼で決済ボタンを押す。そんな消費行動が確かに存在します。

つまり、 ぬい活の支出は、「特定のトリガーが引かれた瞬間の瞬発的・非価格弾力的な消費」として理解する必要があります。 第4章で「デザイン・見た目のかわいさ」47.4%、「『推し』に関連していること」39.2%が購買決定要因の上位に挙がっていることは、この「トリガー消費」の存在を裏付けています。

『日常に溶け込むぬい』SNSが示す新しい生活様式

SNSを覗くと、ぬいぐるみの写真だけをアップし続けるアカウントが無数に存在し、日々の食卓や旅先、通勤バッグの中に、ぬいぐるみが自然に登場します。ぬいぐるみのVlogや、振り向き動画がネットミーム化する現象も生まれています。

この現象を象徴するのが、「お気に入りのぬいちゃんに世界を見せてあげている」という語りです。旅行に行っても、これまでは風景や自分の写真に興味がなかった人が、「ぬいがいるから写真を撮るようになった」と語る場面を目にすることが増えてきました。第5章の調査で、約7割がSNSでぬい活をシェアしていることは、この日常インフラ化の裏付けと言えるでしょう。

つまりぬいぐるみは、「撮影動機を生成する装置」として機能し始めています。カメラアプリ、旅行、外食、宿泊、あらゆる体験消費が、ぬいぐるみを起点とされつつあるのです。

商業の広がり——「ぬい対応」がスタンダードになる時代

ぬい活を前提とした商業の広がりは、ここ数年で加速度的に進んでいます。具体的に見ていきましょう。

  • ぬいぐるみ用小物になるガチャガチャ
  • ぬいぐるみ小物の専門店、専用フロア
  • 100円均一や手芸店のぬい活コーナー
  • ぬいぐるみだけで参加できるイベントや宿泊プラン
  • ぬいぐるみ用ベッドのある宿泊プラン
  • ぬいぐるみの病院
  • ぬいぐるみクリーニング(の動画)
  • ぬいぐるみ用メニューのあるカフェ

さらに、「ぬい撮りコーナー」の設置は観光地・商業施設でもよく見かける光景となり、ぬいぐるみを連れていく前提の場所も増えてきました。

企業側の成功事例として特筆すべきは、花王エマール『エマール風呂』戦略です。ぬいぐるみを「洗う」のではなく「お風呂にいれる」というぬい活ならではの概念に対し、既存の洗剤ブランドが文化の担い手として名乗り出たことで、ブランド価値そのものを更新しました。

「ぬい活市場」の次のフェーズ

ぬい活と推し活は密接に結びつきながら市場を押し広げ、やがて言葉として意識されないほど生活にインフラ化していくでしょう。

この流れの中でマーケターに求められるのは、平均支出の底上げではなく、 「かわいさ」と「推しとの関連」を起点に価格感度が消失する瞬間を作るトリガー消費の設計 です。ぬい活はもはや趣味の一領域ではなく、あらゆる業種のマーケターが向き合うべき生活文化そのものへと変貌しつつあるのではと感じます。

ダウンロード資料のご案内

ダウンロード資料では、本記事では紹介しきれなかった、人気のぬいぐるみやぬいぐるみ購入にかけた金額、ぬい活のためだけに最も高い金額をかけた対象などについてもご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。下記ボタンよりご請求いただけます。

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  • 調査対象

    23~39歳/女性/未婚/子どもなし/正社員、公務員・団体職員/ぬい活をしている

  • 有効回答数

    306件

  • 調査時期

    2026年6月

  • 方法

    インターネット調査

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働く20代30代のSNS利用状況と、サブスクリプションサービス利用状況に関する調査結果

働く20代~30代の未婚男女を対象にした、SNS利用状況とサブスクリプションサービス利用状況についてのアンケート調査結果を公開! Z世代とミレニアル世代を比較し、情報収集手段(Instagram/Twitter/Facebook/YouTube)・投稿のモチベーション・サブスク利用ジャンルについてまとめました。 ビジネスパーソン・Z世代・ミレニアル世代のインサイトを知りたい方におすすめです。

働く女性は今、「頑張る健康」から「整える健康」へ~ 調査から見えた、ヘルスケア意識の変化~|感情が動くマーケティング

令和の働く女性のヘルスケア調査からみえた“現状のリアル”と“意識の変化”とは?

近年、働き方やライフスタイルの変化に伴い、健康との向き合い方も大きく変わりつつあります。
特に働く女性にとっては、仕事・プライベート・体調のバランスをどう取るかが、日々の大きなテーマになっています。

Q.あなたは、日頃から「ヘルスケア」を意識していますか?

※「ヘルスケア」とは健康の維持・増進、病気の予防、心身の不調管理に関する包括的な活動・サービスのことです。

あなたは、日頃から「ヘルスケア」を意識していますか?

n:301

今回実施した調査では、ヘルスケアを「とても意識している」「やや意識している」と答えた人は54.8%と、半数を超えました。
一方で、「やったほうがよいと思いながらできていないこと」や「情報の多さへの疲れ」も見られ、意識と実行の間にギャップがあることもわかりました。

 

ヘルスケアは「特別なこと」から「日常を整えること」へ

Q.普段あなたが行っている行動をすべてお答えください。【複数回答】

普段あなたが行っている行動をすべてお答えください。

n:301

調査では、普段行っていることとして

  • 美容(肌・髪・見た目)に気を遣う:38.5%
  • 身体の健康管理:28.9%
  • 睡眠の質を上げる:25.9%
  • 仕事と私生活のバランスをとる:25.9%

などが上位に挙がりました。

ここから見えてくるのは、今のヘルスケアが単なる病気予防ではなく、美容・睡眠・ストレス・働き方まで含めて生活全体を整えるものとして捉えられているということです。
健康そのものだけでなく、毎日の過ごしやすさや気分の安定も、ヘルスケアの対象になっているようです。

 

「なんとなく不調」が行動のきっかけに

Q.「ヘルスケア」を意識したきっかけはなんですか?【複数回答】

「ヘルスケア」を意識したきっかけはなんですか?

n:301

ヘルスケアを意識し始めたきっかけとして多かったのは、

  • 疲れを感じやすくなった:33.9%
  • なんとなく意識するようになった:29.6%
  • 睡眠の質が悪くなった:21.6%
  • 体調を崩した:20.3%

でした。
大きな病気や明確な出来事がきっかけよりも、疲れやすさや眠りの浅さ、なんとなくの不調といった日々の変化が行動の起点になっています。
つまり、今のヘルスケアは“劇的な改善”を目指すものというより、日々の調子を少しでも整えたいという感覚に近いのかもしれません。

 

情報は多い。でも、信じられるものは限られている

Q.健康に関する情報を信頼できると感じるポイントは何ですか?【複数回答】

健康に関する情報を信頼できると感じるポイントは何ですか?

n:301

ヘルスケアに関する情報は、SNSや検索を通じて日常的に接触されています。

その中で信頼されているのは、

  • 同世代の体験談がある:34.6%
  • 続けやすそうである:30.2%
  • 発信元が明確である:29.6%
  • 売り込み感・PR感がない:26.9%

といった要素でした。

一方で、「情報が多すぎる」「何が正解かわからない」といった声も多く、情報環境そのものが負担になっている側面も見られます。

 

「やったほうがいい」はわかっている。でもできない。

Q.健康のために「やったほうがよい」と思いながら、できていない理由は何ですか?【複数回答】

健康のために「やったほうがよい」と思いながら、できていない理由は何ですか?

n:301

健康のために必要だとわかっていながら実践できていない理由としては、

  • モチベーションが湧かない:36.1%
  • 疲れて気力がない:35.7%
  • 続けるのが面倒:31.7%
  • 忙しくて時間がない:31.7%

が上位に挙がりました。

ここから見えてくるのは、ヘルスケアが軽視されているのではなく、生活の負荷の中で後回しになりやすいという実態です。

女性の生き方が多様化する中で、仕事もプライベートも忙しい令和の女性たち。頑張る余白が少ない毎日の中では、正しいことを知っているだけでは続きません。

だからこそ、ヘルスケアには“努力を求める設計”よりも、自然と続けられる設計が求められているのではないでしょうか。

 

コンディションは「常に揺らぐ」もの

Q.生理が日常生活に影響していると感じますか?

生理が日常生活に影響していると感じますか?

n:301

では、女性ならではのヘルスケアに関してはどうでしょうか。
生理が日常生活に影響していると感じる人は7割以上
にのぼり、コンディションの変化は多くの働く女性にとって身近な課題となっています。
一方で、その不調は「限られた人にしか相談できない」など、今もなお個人で抱える傾向が強いことも明らかになりました。

つまり女性にとってのヘルスケアは、生理などによる日々の揺らぎも含めて、同じ状態が続くわけではない。という前提を踏まえなければなりません。

 

これからは「頑張らせない設計」が選ばれる

今回の結果から、働く女性に向けたヘルスケア領域のコミュニケーションにおいては、以下の視点が重要になると考えられます。

共感・伴走型のコミュニケーション

  • 「こうすべき」と正解を押し付けるよりも、「これならできそう」と感じられる伝え方が好まれる

効果と続けやすさの両立

  • 効果実感は求められる一方で、続ける負担が大きいと選ばれにくい

信頼できる情報設計

  • 同世代の体験談
  • 発信元の明確さ
  • PR感の弱さ

といった要素が信頼につながりやすい。

揺らぎを前提にした提案

  • 元気な日だけでなく、調子が悪い日にも取り入れられる
  • できない日があることも前提にした設計が支持されやすい

まとめ

情報も選択肢も増えた今、必要なのは「正しい健康法」ではなく、自分にとって無理のない整え方です。
働く女性のヘルスケアは今、“頑張る”から“整える”へと、大きな転換期を迎えています。

 

  • 調査対象

    22歳~35歳/女/未婚/子どもなし/正社員・公務員・団体職員・派遣社員

  • 有効回答数

    301件

  • 調査時期

    2026年2月15日~2月18日

  • 方法

    インターネット調査 
    ※四捨五入の関係で、合計が100.0%ちょうどにならない場合があります。