「もう無理をしない」が消費を動かす? 2026年夏に見えた「メンパ」という新しい選択基準|感情が動くマーケティング

夏の消費行動の振り返りと予想

女性にとっても厳しい夏、消費はどう変わるのでしょうか。

「今年の夏は、もう無理をしない」。

2026年の夏が、終わりに近づいています。今年も厳しい暑さが続くなか、気象庁は83日、7月中旬〜下旬の西日本の平均気温が、統計開始(1946年)以降で最も高い記録になったと公表しました。生活者の消費を見ていると、ある変化を感じます。
何でも節約するのではなく、「削るもの」と「守るもの」を、これまで以上にはっきりと選ぶようになっているのではないでしょうか。

毎月当たり前のように続けていた美容を見直す。なんとなく参加していた飲み会には行かない。
気を遣う人との予定を減らす。一方で、自分が本当に楽しみにしている体験や、大切な人と過ごす時間、自分を回復させるための支出は守る。
一見すると矛盾しているようですが、そこには「コスパ」や「タイパ」だけでは説明しきれない、もう一つの判断基準があるように感じます。
守ろうとしているのは、お金でも時間でもなく、「心の余力」

今回は2026年の夏を振り返りながら、働く女性たちの「やめたい」という声も手がかりに、これからの消費を動かす新しい評価軸について考えます。

削る消費、守る消費夏の財布に表れる「自分にとっての優先順位」

削る消費、守る消費—夏の財布に表れる「自分にとっての優先順位」

暑い中ついつい頼んでしまうデリバリーは節約の敵⁉

物価が上がれば、生活者は支出を見直します。しかし、そこで起きるのは単純な「安いものへのシフト」だけではありません。
むしろ注目したいのは、「何を削り、何を削らないのか」です。

たとえば、日常的に惰性で続けてきた支出は見直す一方で、自分が本当に楽しみにしている旅行やレジャー、大切な人との食事、自分へのご褒美などにはお金を使う。
ここには、「節約する/しない」という二択では説明できない消費があります。

今回、マイナビ社内の2234歳の女性社員27人に「この夏、やりたくない・やめたいこと」を自由回答で聞きました。定量調査ではなく、仮説を立てるための声として読んでいただければと思います。

・「ひとりでテイクアウトフードを買うことは節約のためにやめたい。でも友人との外食ではケチりたくない」
・Uber Eatsやタクシーへの支出を減らし、その分を「投資や推し活代に回したい」

つまり、消費そのものを減らしたいわけではないのです。

自分にとって満足度の低い支出を削り、その分を「自分にとって意味のあるもの」へ振り向ける。物価高の時代だからこそ、生活者の財布には、その人自身の価値観がより鮮明に表れるようになっています。

マーケターが見るべきなのは、「節約志向が高まっている」という大きな括りだけではなく、「それでも、この人が削らないものは何なのか」なのかもしれません。

 

「頑張る美容」から「整える美容」へ 猛暑が変えたケアの目的

「頑張る美容」から「整える美容」へ —猛暑が変えたケアの目的

通勤するだけで汗でメイクが落ちて朝からゲンナリすることも。

この夏、その変化がわかりやすく表れていた領域の一つが美容です。

猛暑の日に、時間をかけて髪を巻く。丁寧にメイクをしても、駅まで歩けば汗をかき、会社に着くころには崩れている。
日焼け止めを塗り直し、前髪を整え、化粧直しをする。
これまで「身だしなみ」として当たり前に行ってきた女性の行動が、今年の猛暑によって一気に負担として可視化されました。

今回の自由回答でも、

・メイク。どうせ汗で流れるので簡素にしたい
・髪を巻いても崩れる
・日焼け止めを塗りたくない
・ジェルネイルをやめた
・パンプスを履くことをやめたい

といった声が見られました。

ただし、これを「美容への関心が薄れた」と見るのは少し違うように思います。
彼女たちがやめたいのは、きれいになることではなく、「きれいでいるために無理をすること」なのではないでしょうか。

以前この連載では、働く女性の健康意識について「頑張る健康」から「整える健康」への変化を取り上げました。

美容にも同じ変化が起きていると考えると、わかりやすいかもしれません。

“盛る”ために工程を増やすより、崩れることを前提に工程を減らす。
完璧な状態を一日キープするより、肌そのものを整える。
時間をかけてきれいになるより、少ない負担で「自分が心地よい状態」を保つ。

「頑張る美容」から「整える美容」へ。猛暑は、美容の目的そのものを問い直すきっかけにもなっているのではないでしょうか。

 

コスパでもタイパでもない。「メンパ」という新しい評価軸

コスパでもタイパでもない。「メンパ」という新しい評価軸

夏の出勤を回避しテレワークを望む女性も増加。

では、生活者は何を基準に「やめるもの」と「残すもの」を選んでいるのでしょうか。そこで考えたいのが、コスパ、タイパに続くもう一つの視点です。

ここで補助線になるのが、2026年に入って使われ始めた「メンパ(メンタルパフォーマンス)」という言葉です。

コスパが「使ったお金に対して、どれだけ価値を得られるか」。
タイパが「使った時間に対して、どれだけ価値を得られるか」。

それに対してメンパは、
「その選択によって、自分の心がどれだけ消耗しないか」という評価軸です。

今回のアンケートで象徴的だったのが、「出社したくない」という回答でした。
理由を聞くと、単に「暑いから」ではありません。日焼け止めを塗り、日傘を持ち、ハンディファンを持ち、汗を拭き、崩れたメイクや前髪を直す。
ある回答者は、夏の出社について「持っていくものが多すぎます」と答えています。
夏には、こうした「名もなきタスク」が大量に発生します。そして重要なのは、一つひとつを時短することだけではありません。

生活者の本音は、
「そもそも、それをやらなくて済むようにしてほしい」
なのかもしれません。

さらに今は、買い物そのものにも「選ぶ」という負担があります。
商品を比較する。口コミを見る。SNSで検索する。失敗しないように調べる。自分に合うものを探す。
選択肢が増えるほど便利になる一方で、選ぶこと自体が小さな労働になっているとも言えます。

だからこそ、「これを選べば大丈夫」「これ一つでいい」「もう考えなくていい」という価値が、以前より強くなっていく。
コスパでもタイパでもなく、心を消耗させないこと自体に価値を感じる消費
それが「メンパ」という視点なのかもしれません。

 

「頑張らない」を肯定してくれるブランドが選ばれる

「頑張らない」を肯定してくれるブランドが選ばれる

今後、注目したい“頑張らない消費”とは?

メンパという視点で考えると、マーケティングコミュニケーションにも変化が必要です。
これまで広告は、生活者に「もっと」を提案してきました。

もっときれいに。
もっと健康に。
もっと充実した毎日を。
もっと自分らしく。

もちろん、前向きなメッセージが人を動かすことは今後も変わりません。
しかし、心の余力が少ないとき、「もっと頑張ろう」は新たな負担になることもあります。そんなときに心を動かすのは、

「今日はこれでいい」
「全部やらなくていい」
「頑張れない日は、頑張らなくていい」

といった、許可を与える言葉なのではないでしょうか。
ここでポイントになるのは、単に「時短」や「手抜き」を訴求することではありません。

生活者が時短商品を使ったときに、
「本当はちゃんとやったほうがいいけれど、今日は時間がないから仕方ない」
と思わせてしまえば、心の負担は残ったままです。

そうではなく、「これで十分」と思える理由までブランドが提供する。
つまり、商品によってタスクを減らすだけでなく、「やらないことへの罪悪感」まで取り除く
これからのブランドには、そんな役割も求められるのではないでしょうか。

 

夏疲れ市場という空白 これから始まる「リカバリー消費」

夏疲れ市場という空白 ——これから始まる「リカバリー消費」

多忙な女性が望む“リカバリー消費”とは?

そして2026年の夏が終わりに近づく今、もう一つ注目したいのがリカバリー消費です。
夏の消費というと、UV対策、冷感グッズ、旅行、レジャーなど「夏をどう乗り切るか」「どう楽しむか」に注目が集まりがちです。

しかし、8月末から9月にかけて生活者が感じるのは、「夏を乗り切った後の疲れ」ではないでしょうか。

暑さで眠れない。
冷房で身体が冷える。
外出だけで疲れる。
食欲が落ちる。
予定を詰め込みすぎて疲れる。

こうした状態になったとき、求められるのは「もっと楽しむための商品」ではなく、「元の自分に戻るための商品」です。
睡眠、入浴、温活、リラクゼーション、セルフケア、一人で過ごす時間、何もしない休日。
これまで「ご褒美消費」と呼ばれてきたものの一部も、今後は「回復するための必要経費」として捉えられるようになるかもしれません。

ここでもメンパという視点が生きてきます。「何をすると楽しいか」だけではなく、
「何をすると、心の余力を取り戻せるか」。晩夏から秋に向けて、生活者の「回復したい」という感情は、さまざまなカテゴリにとって新しい市場機会になりそうです。

 

生活者の「やめたい」を、マーケティングの起点に

2026年の夏を振り返ってみると、「暑かった」という一言だけでは説明できない変化が見えてきます。
生活者は、何でも節約しようとしているわけでも、何でも時短したいわけでもありません。

「自分にとって大切ではないことに、これ以上心を使いたくない」。

その一方で、本当に好きなこと、大切な人との時間、自分を回復させてくれるものには、お金も時間も使いたい。
だからこそ、これからマーケターが考えたいのは、「何を欲しがっているか」だけではありません。

  • 自社の商品やサービスは、顧客に何かを頑張らせていないか。
  • その商品によって、顧客が「やらなくてよくなること」は何か。
  • そして自社のブランドは、「もっと頑張ろう」ではなく、「もう頑張らなくていい」と言える部分があるか。

平成に定着した「コスパ」、令和に広まった「タイパ」。その先にある、「心を消耗しない」という価値。
生活者の「やりたい」だけでなく、「もう、やりたくない」という感情に目を向けること。

そこに、これからの商品開発やコミュニケーションを考えるヒントが隠れているのかもしれません。

 

20代社会人の洗濯事情は? 洗濯の頻度や洗剤選びの基準、洗濯槽の掃除についても調査

一人暮らしの社会人にとって、洗濯は自分でこなさなければならない家事のひとつです。洗剤の種類やコインランドリー、宅配クリーニングなど、洗濯を取り巻く選択肢は広がっていますが、一人暮らしの若年層はどのように洗濯をこなしているのでしょうか。

今回は、23〜29歳の一人暮らしの社会人を対象に、洗濯の時間帯や頻度、干し方、洗剤・柔軟剤の選び方、コインランドリーやクリーニングの利用状況まで調査しました。

調査の結果、洗濯は夜に行う人が最多で、干し方は「部屋干し」が主流となっていることがわかりました。部屋干しの最大の悩みは「生乾き臭」で、特に女性で気にする人が多い傾向です。また、洗剤・柔軟剤は「価格」と「香り」が選定の軸になっており、情報収集を特にしない層が約4割を占めるなど、店頭での購買行動が中心のカテゴリーとなっている様子がうかがえました。

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1,洗濯の時間帯は「夜」、頻度は「週2~3回程度」が最多

ここでは、洗濯をする時間帯とアイテム別の洗濯頻度を見ていきます。全体として「夜に洗う」「週2〜3回程度まとめて洗う」というサイクルが標準的である一方、時間帯と頻度には男女で異なる傾向が見られました。

Q.洗濯をする時間帯として最も多いのはいつですか?

Q9_洗濯をする時間帯として最も多いのはいつですか?

(n=301 男性n=149、女性n=152)

洗濯をする時間帯は「夜(20時〜24時)」が43.2%で最多となりました。次いで「午前中(9時〜12時)」が19.3%、「早朝(5時〜8時)」が13.3%と続いています。

男女別に見ると、女性は「夜(20時〜24時)」が50.7%と半数を超え、男性の35.6%を15.1ポイント上回りました。一方、男性は「早朝(5時〜8時)」と「午前中(9時〜12時)」の合計が37.6%と、女性の27.6%を上回っており、洗濯をする時間帯は女性よりもやや分散しています。

 

Q.以下のアイテム別に、洗濯の頻度を教えてください。

Q10_以下のアイテム別に、洗濯の頻度を教えてください。

(n=301 男性n=149、女性n=152)

「タオル類」「洗濯できる衣類・下着類」「手洗い表示がある衣類・下着類」のいずれも、男女ともに「週に2〜3回程度」が最多でした。一人暮らしでは、ある程度まとめて洗う人が多数派であるようです。

男女別に見ると、「ほぼ毎日」と回答したのは、タオル類では男性26.2%に対し女性12.5%、洗濯できる衣類・下着類では男性28.2%に対し女性17.1%、手洗い表示がある衣類・下着類では男性21.5%に対し女性9.9%と、いずれも男性が上回りました。男性のほうが、こまめに洗濯をする人が多いようです。

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2,「手洗い表示」があっても半数超が洗濯機で洗う実態。洗濯には手間をかけたくない傾向

ここでは、アイテム別の洗濯方法と、洗濯へのこだわりを見ていきます。洗濯表示にかかわらず洗濯機で洗う人が多く、衣類選びには「手間をかけない」ことを重視する姿勢が表れていました。

Q.以下のアイテムの主な洗濯方法について教えてください。

Q11_以下のアイテムの主な洗濯方法について教えてください。(いくつでも選択可)

(n=301 男性n=149、女性n=152)

アイテム別の洗濯方法を聞いたところ、男女ともに以下のアイテムで「自分で洗う(洗濯機の通常モード)」が半数を超えました。

  • タオル類
  • 洗濯機表示がある衣類
  • 洗濯機表示がある下着類
  • 手洗い表示がある衣類
  • 手洗い表示がある下着類

手洗い表示があっても、半数以上が洗濯機の通常モードで洗っているようです。さらに、「ドライ・ウェットクリーニング表示がある衣類」でも、男性で47.0%、女性で44.7%が洗濯機の通常モードで洗っています。手洗いやモードの使い分けに手間を感じ、通常モードで済ませている人もいる可能性があります。

 

Q.洗濯のこだわりについて教えてください。

Q13_洗濯のこだわりについて教えてください。

(n=301 男性n=149、女性n=152)

洗濯のこだわりについて、「とてもこだわる」「ややこだわる」の合計が最も高かったのは「汚れのひどいものは分けて洗う」45.6%でした。

一方、「色物は分けて洗う」は30.6%、「タオルは分けて洗う」は27.9%、「下着は分けて洗う」は25.9%と、アイテム別に分けて洗うことへのこだわりは限定的です。

衣類選びに関する項目では、「手洗い・クリーニングが必要ない衣類を選ぶ」が41.2%、「アイロンがけが必要ない衣類を選ぶ」が40.2%と、比較的高い割合になっています。洗い方を工夫するよりも、そもそも手間のかからない衣類を選ぶことで洗濯の負担を減らそうとする人も一定数いるようです。

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3,約6割が頻繁に行う部屋干し。最大の悩みは生乾き臭

ここでは、部屋干しの実態を見ていきます。約6割の人が洗濯をするうちの半分以上の割合で部屋干しを行っており、その最大の悩みは「生乾き臭」であることがわかりました。

Q.洗濯をする際、部屋干しをすることはどのくらいありますか?

Q15_洗濯をする際、部屋干しをすることはどのくらいありますか?

(n=301 男性n=149、女性n=152)

部屋干しの頻度は「ほぼ毎回」が36.9%で最多となり、「半分以上」の21.9%と合わせると、58.8%が洗濯の半分以上を部屋干しで行っていることがわかりました。

男女別に見ると、「ほぼ毎回」は女性が40.1%で男性の33.6%をやや上回っています。女性のほうが、防犯面の理由などで部屋干しを選ぶ人が多いようです。その他の理由については、ぜひダウンロード資料をご覧ください。

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Q.部屋干しをする際に困っていることを教えてください。

Q17_部屋干しをする際に困っていることを教えてください。(3つまで選択可)

(n=287 男性n=141、女性n=146)

部屋干しで困っていることは「生乾き臭が気になる」が33.8%で最多となりました。特に女性が43.1%と男性の24.1%を19.0ポイント上回っており、女性のほうが生乾き臭を気にする人が多いと考えられます。

次いで「乾くまでに時間がかかる」27.5%、「干すスペースが足りない」23.0%、「室内の湿度が上がる」20.9%が続きました。

 

4,洗剤・柔軟剤選びで重視されるのは「価格の安さ」と「香り」

ここでは、洗濯洗剤・柔軟剤の選定ポイント、情報源、購入場所を見ていきます。洗剤は「価格の安さ」、柔軟剤は「香りの良さ」が重視されており、情報収集をせず店頭で購入する層が中心であることがわかりました。

Q.洗濯洗剤を選ぶ際に重視するポイントを教えてください。【複数回答】

Q18_洗濯洗剤を選ぶ際に重視するポイントを教えてください。(5つまで選択可)

(n=301 男性n=149、女性n=152)

洗濯洗剤を選ぶ際に重視するポイントは「価格の安さ」が25.6%で最多となり、次いで「洗浄力」18.9%、「消臭・抗菌効果」18.3%と続きました。なお、「特にこだわりはない」と回答した人も17.3%に上り、洗剤選びに強いこだわりを持たない層も一定数存在します。

男女別に見ると、「香りの良さ」は女性が21.7%と男性の8.1%を13.6ポイント上回り、2倍以上の数値となっています。また、「大容量であること」も女性15.1%、男性7.4%と女性で高くなっています。

 

Q.柔軟剤を選ぶ際に重視するポイントを教えてください。【複数回答】

Q19_2_柔軟剤を選ぶ際に重視するポイントを教えてください。(5つまで選択可)

(n=301 男性n=149、女性n=152)

柔軟剤を選ぶ時に重視するポイントは「香りの良さ」が23.9%で最多となり、洗剤の「価格の安さ」が1位だったのとは対照的な結果となりました。ただし、柔軟剤の1位「香り」23.9%と2位「価格の安さ」20.6%の差は3.3ポイントにとどまり、僅差でした。次いで「価格の安さ」20.6%、「柔軟効果」14.6%、「香りの持続性」13.6%と続いています。

男女別に見ると、「香りの良さ」は女性が30.3%と男性の17.5%を12.8ポイント上回りました。洗剤・柔軟剤ともに、香りを重視する傾向は女性で強い様子がうかがえます。

 

Q.洗濯洗剤・柔軟剤の購入でよく参考にする情報源を教えてください。【複数回答】

Q22_洗濯洗剤・柔軟剤の購入でよく参考にする情報源を教えてください。(いくつでも選択可)

(n=301 男性n=149、女性n=152)

購入時に参考にする情報源は、「情報収集は特にしない」が38.5%で最多となりました。情報源として挙げられたものでは「店頭のPOP・商品説明」が15.3%で最も高く、「クチコミサイト・アプリ」12.0%、「SNS・動画共有サービス」10.3%が続いています。洗剤や柔軟剤は、購入前に積極的に情報収集するよりも、店頭情報や普段の購買行動の中で商品を選ぶ人が多いカテゴリーなのかもしれません。

 

Q.洗濯洗剤・柔軟剤をどこで購入していますか?【複数回答】

Q24_洗濯洗剤・柔軟剤をどこで購入していますか?(いくつでも選択可)

(n=301 男性n=149、女性n=152)

購入場所は「ドラッグストア」が60.8%で圧倒的に多く、次いで「ECサイト(Amazon、楽天市場など)」18.6%、「スーパーマーケット」17.6%、「ディスカウントストア」16.6%となりました。

男女別に見ると、「ドラッグストア」は女性が71.7%と男性の49.7%を22.0ポイント上回っています。一方、「スーパーマーケット」は男性22.8%に対して女性12.5%、「ホームセンター」は男性16.1%に対して女性5.3%と、男性で高い結果となりました。購入場所は女性がドラッグストアの利用割合が高い傾向にあり、男性はドラッグストアが多数派であるものの、複数のチャネルにある程度分散していると考えられます。

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5,コインランドリー、宅配クリーニングなどの利用は限定的

ここでは、コインランドリーやクリーニング店、宅配クリーニングサービスの利用状況を見ていきます。いずれのサービスも日常的な利用者は少数で、特に宅配クリーニングは認知の段階からあまり進んでいないことがわかりました。

Q.以下の施設・サービスをどのくらいの頻度で利用していますか。

Q29_以下の施設・サービスをどのくらいの頻度で利用していますか。

(n=301 男性n=149、女性n=152)

「一般的なコインランドリー」は、利用している/利用したことがある人(「週1回以上」〜「利用したことはあるが、現在は利用していない」の合計)が66.7%でした。ただし「週1回以上」は4.0%にとどまり、月1回以上の定期的な利用者は16.0%となっています。布団などの大物洗濯といった限定的な場面での利用が中心であると考えられます。

「カフェなどを併設したコインランドリー」は、「利用したことはない」40.9%と「この施設・サービスを知らない」27.2%を合わせて68.1%が未利用・未認知でした。

「宅配クリーニングサービス」も「利用したことはない」46.8%、「この施設・サービスを知らない」26.3%と、合わせて73.1%が未利用・未認知となっています。

「クリーニング店」は「半年に1回程度」13.3%、「年1回程度」10.0%など、低頻度の利用が中心で、「週1回以上」の利用者は2.7%でした。

コインランドリーやクリーニング系のサービスは、日常的に高頻度で利用するというよりも、必要時に限定的に利用されている様子がうかがえます。

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6,洗濯槽は約2割が「掃除したことはない」

ここでは、洗濯槽の掃除頻度と使用しているクリーナーの種類を見ていきます。月1回以上掃除している人は約3割半にとどまり、約2割は掃除をしたことがないという実態が明らかになりました。

Q.洗濯槽の掃除頻度を教えてください。

Q31_洗濯槽の掃除頻度を教えてください。

(n=301 男性n=149、女性n=152)

洗濯槽の掃除頻度は「掃除したことはない」が18.3%で最多となりました。「年1回未満」6.3%と合わせると、約4人に1人は定期的に洗濯槽を掃除する習慣がないことになります。なぜ掃除をする習慣がないのかは、洗濯槽の掃除で困っていることにヒントがありますので、ぜひダウンロード資料をご覧ください。

掃除をする人の中では、「月に1回程度」が17.6%で最多です。月1回以上掃除している人は「週に1回程度」9.0%、「2~3週間に1回程度」8.3%と合わせて34.9%となっています。

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Q.洗濯槽の掃除に使っている洗剤の種類を教えてください。【複数回答】

Q32_洗濯槽の掃除に使っている洗剤の種類を教えてください。(いくつでも選択可)

(n=246 男性n=124、女性n=122)

洗濯槽の掃除に使う洗剤は、「塩素系の洗濯槽クリーナー(洗たく槽カビキラーなど)」が38.6%で最多となり、次いで「酸素系の洗濯槽クリーナー(オキシクリーンなど)」30.5%、「洗濯機メーカー純正の洗濯槽クリーナー」24.8%、「重曹・クエン酸など」18.3%と続きました。

男女別に見ると、塩素系は女性44.3%が男性33.1%を上回った一方、メーカー純正は男性30.6%が女性18.9%を上回る結果となっています。

 

ダウンロード資料のご案内

ダウンロード資料では、本記事では紹介しきれなかった、主に使用している洗濯洗剤・柔軟剤のブランド名や洗濯・クリーニングにかける1カ月あたりの費用、部屋干しをする理由、洗濯槽の掃除で困っていることなどについてもご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。下記ボタンよりご請求いただけます。

\【3分で読める!】本調査結果を1ページに集約したまとめ資料も掲載中/

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  • 調査対象

    23~29歳/男女/未婚/子どもなし/正社員、公務員・団体職員/一人暮らし/自分で洗濯をしている

  • 有効回答数

    301件

  • 調査時期

    2026年7月

  • 方法

    インターネット調査

Z世代は「防災意識が低い」のか データで見えた、備えを止めているのは無関心ではなく”先延ばし”|「感情」が動くマーケティング

防災意識

91日は「防災の日」でした。

地震や台風、豪雨などの自然災害が身近な日本では、防災グッズや非常食を準備することの重要性は、すでに多くの人が認識しているのではないでしょうか。一方で、「防災は大事」と思うことと、実際に備えることは別問題です。

特にZ世代をはじめとする若い世代については、「防災意識が低い」「備えが足りない」というイメージで語られることも少なくありません。

しかし、本当にそうなのでしょうか。

さまざまな調査を見ていくと、防災そのものへの関心がないというより、必要なのは分かっている。でも、日常の行動にまでは落とし込めていない」という姿が見えてきます。
そして今、そのギャップを埋める手段として、SNSや生成AI、ローリングストックなど、これまでとは少し違った「備え方」も広がりつつあります。

今回はZ世代の防災意識を切り口に、若者を「備える」という行動へ動かすために、企業やブランドには何ができるのかを考えてみます。

「防災は大事」。でも、実際の行動にはギャップがある

「防災は大事」。でも、実際の行動にはギャップがある

 

まず、日本全体の防災行動から見てみましょう。

内閣府「防災に関する世論調査(令和78月調査)」によると、大地震に備えて行っている対策として最も多かったのは「停電時に作動する足元灯や懐中電灯などを準備している」の51.3。次いで、「食料・飲料水、日用品、医薬品などを準備している」が46.1でした。

前回調査の40.8%から上昇しているものの、食料や飲料水などを準備している人はまだ半数に届いていません。「特に対策は取っていない」という人も13.5います。

一方、「自然災害が起こった時の対処方法について、家族や身近な人と話し合う内容として何が重要か」という質問では、「避難場所・避難経路」が79.1%、「食料・飲料水」が67.1%、「家族や親族との連絡手段」が54.1%、「非常持ち出し品」が50.5%となっています。

ここから見えてくるのは、「何が必要なのか」は多くの人が理解している一方、それが必ずしも実際の備えにはつながっていないという現状です。
防災における課題は、知識を増やすことだけではなく、「知っている」から「やっている」に変えられるかどうかなのではないでしょうか。

 

一人暮らし大学生の41%が「防災グッズも食品も備えていない」

一人暮らし大学生の41%が「防災グッズも食品も備えていない」

 

では、若い世代はどうでしょうか。

RECCOOが運営するZ世代向けリサーチサービス「サークルアップ」が2024823日に一人暮らしの大学生74人に行った調査では、65%が「災害時の避難所を把握していない」と回答しています。さらに、41%が「防災グッズと食品のどちらも備えていない」という結果になりました。

なお、この調査は南海トラフ地震臨時情報が出された直後の時期に実施されています。
リリース自体も、約6割が食品か防災グッズを備えていた背景として、連日の災害警戒報道の影響を指摘しており、つまりこの41%は平常時であればさらに高くなっていた可能性があります。
この数字だけを見れば、「やはり若者は防災意識が低い」と結論づけたくなります。

ただ、少し違う角度から考えてみたいと思います。一人暮らしを始めたばかりの大学生にとって、食事や掃除、洗濯、お金の管理など、それまで家族が担っていたことも含めて、日々の生活そのものを自分で管理しなくてはなりません。
その中で、「いつ起こるか分からない災害のために必要なものを調べ、購入し、保管し、定期的に見直す」という防災行動は、どうしても後回しになりやすいはずです。

つまり、防災が重要ではないと思っているというよりも、重要だとは分かっていても、日常生活の中で優先順位が上がりにくいという側面がありそうです。

※本調査は一人暮らしの大学生74人を対象とした調査であり、Z世代全体を代表する結果ではありません。本稿では若年層の一例として参照しています。

 

防災最大のライバルは「無関心」ではなく「先延ばし」?

防災最大のライバルは「無関心」ではなく「先延ばし」?

この「分かっているけれど行動できない」という心理を考えるうえで、興味深いデータがあります。

内閣府の調査で、大地震への対策として「家具・家電などの固定」を挙げなかった人(1,045人)に、固定ができていない理由を尋ねたところ、20.7%、「家具や壁などに傷をつけるから」は17.8%、「固定の方法は分かっているが、自分ではその作業ができないと思うから」は16.4%、「お金がかかるから」は15.8%となっています。

この結果は、なかなか象徴的です。

防災対策をしていない人のすべてが、「自分には災害なんて関係ない」と考えているわけではありません。
むしろ、やったほうがいいことは分かっていて、いつかやろうとも思っている。それでも日常の中では「今日でなくてもいい」と後回しになってしまう。

防災の大きなライバルは、無関心よりも「先延ばし」なのでは?

そう考えると、防災マーケティングの役割も少し変わってきます。「もっと危機感を持ってください」と伝えることだけではなく、生活者が感じている面倒をどう減らし、行動までの距離を短くできるか。企業が考えるべきなのは、むしろこちらなのではないでしょうか。

 

「備えているつもり」でも、実は足りていないものがある

家庭で実際に何を備蓄しているかを見ると、別の課題も見えてきます。

内閣府の同調査で「家庭で3日分以上備蓄しているもの」を聞いたところ、「飲料水」は69.8%、「食料品」は59.8%でした。一方、「衛生用品」は38.4%、「食品加熱用熱源」は27.7%、「携帯トイレ・簡易トイレ」は27.2%にとどまっています。水や食品は「防災に必要なもの」として比較的イメージしやすい一方で、トイレや熱源まで準備している人はまだ多くありません。

これは「防災用品を持っているか」という話だけではなく、被災した後の生活をどこまで具体的に想像できているかという問題でもあります。

たとえば、断水した自宅で数日間過ごすことになったら何が必要なのか。停電したら食事をどうするのか。スマートフォンをどう充電するのか。
防災用品を一式買って終わりではなく、「普段の暮らしの中で使っているものがなくなったら?」という視点で考えることが、本当の意味での備えにつながりそうです。

 

Z世代は「防災に無関心」ではなく、情報との付き合い方が違う

Z世代の防災を考えるうえで、特徴的なのが情報行動です。

防災用品などを扱うミドリ安全が20257月に全国1879歳の男女1,000名(各世代250名)に実施した「世代別防災意識調査」では、災害時に情報を入手する手段として、Z世代ではX49.2%で最多となりました。一方、全年代ではテレビが55.7%でトップです。

若い世代にとってSNSは、娯楽やコミュニケーションの場であるだけでなく、災害時にも情報を得るための重要なインフラになっていることがうかがえます。

ただ、情報を得るスピードが速いからこそのリスクもあります。

同調査では、フェイクニュースの見分け方などについてメディアリテラシー教育を受けたことがあるZ世代は52.4%でした。その一方で、災害時などにフェイクニュースを信じてしまった経験があるZ世代は58.4%に上っています。

さらに気になるのは、自己評価とのギャップです。
同調査で「フェイクニュースにだまされない自信があるか」を聞くと、「全くだまされないと思う」と答えた割合はZ世代が14.4%と全世代で最も高くなりました。
実際の被害経験が最も多い世代が、最もだまされない自信を持っている。
しかも被害経験は前年の52.4%から6.0ポイント増えています。リテラシー教育を受けた世代であることが、かえって「自分は大丈夫」という油断につながっている可能性があります。

水や食料、防災バッグを用意することだけが「備え」ではありません。
どの情報を信じるのか、行政や公的機関の一次情報へどうたどり着くのかを知っておくことも、SNSを日常的に利用する世代にとっては重要な防災になります。

企業がSNSで防災情報を発信するときも、「若者はSNSを見るからSNSで発信する」だけでは不十分でしょう。
発信元を明確にし、公的な一次情報へつなげるなど、情報を届けることと同時に「信頼できる情報だと判断できる設計」をつくることまで求められそうです。

 

生成AIは、Z世代にとって新しい「備え」になる?

生成AIは、Z世代にとって新しい「備え」になる?

 

さらに興味深いのが、生成AIに対する意識です。

同じ調査で、「防災対策として生成AIを使ったサービスや機能を利用したい」と回答した割合は全体で45.0%でしたが、Z世代では61.6%に上りました。

生成AIを使った防災サービスに期待されているのは、緊急時の判断サポートや被災後の手続き・支援制度の案内、応急処置のサポートなどです。
Z世代では「AIとの対話による24時間メンタルケア」も上位に入りました。

ここから感じるのは、Z世代が「防災に関心がない」のではなく、防災に必要なことをすべて自分で覚え、判断するよりも、普段使っているテクノロジーの力を借りながら備えたいと考えている可能性です。

普段、分からないことがあれば検索し、SNSを見たり生成AIに聞いたりする。それなら、防災だけが分厚いマニュアルを読み込んで知識を身につける世界のままである必要はありません。

もっとも、同じ調査では生成AIが提供する防災情報を「信頼できる」とした人は全体で37.7%にとどまり、生成AIによるフェイクニュース拡散への懸念は59.6%に達しています。
Z世代は信頼度54.0%と最も高い一方で、懸念も64.0%と最も高い。期待と警戒を同時に持っている世代だと言えます。

つまり、「AIは便利だが、鵜呑みにはできない」ということを、Z世代自身がいちばんよく分かっている。
だとすれば企業に求められるのは、AIの利用を思いとどまらせることではなく、AIが返した答えから公的機関の一次情報へたどり着けるようにすることです。
これは、SNSについて先に触れた「信頼できる情報だと判断できる設計」と同じ話です。
加えて、災害時には通信環境そのものが不安定になります。オンライン前提の仕組みだけに頼らない設計も欠かせません。

そのうえで、若者が普段使っているツールの延長線上に防災を置くという発想には、大きな可能性がありそうです。

 

防災マーケティングは「恐怖訴求」から「行動のハードルを下げる提案」へ

防災マーケティングは「恐怖訴求」から「行動のハードルを下げる提案」へ

では、「備えたほうがいい」と分かっている人を、実際の行動へ動かすには何が必要なのでしょうか。

そのヒントの一つが、ローリングストックです。

普段食べている食品を少し多めに買い置きし、古いものから食べ、食べた分だけ補充していく備蓄方法です。
政府広報でも、最低3日分、できれば1週間分程度の食品を家庭で備蓄することを推奨し、無理なく続ける方法としてローリングストックを紹介しています。

この方法は、防災を日常に取り入れやすいというだけではありません。
「できるだけムダな時間やお金、ストレスを増やしたくない」という若い世代の消費感覚とも相性がよいと考えられます。
まず、タイパの面では、防災用品だけを別に買いそろえたり、定期的に賞味期限を確認したりする手間を減らせます。
普段の買い物の中で少し多めに購入し、食べた分を補充するだけなら、「防災のための時間」を新たにつくる必要がありません。

コスパという点でも合理的です。
非常時にしか使わない食品を何年も保管し、期限が来たら廃棄するのではなく、普段から食べるものを備蓄するため、購入したものが無駄になりにくい。
防災のためだけに特別な出費を増やす感覚も小さくなります。

さらに、見逃せないのがメンパです。

防災には、「備えなければいけない」「賞味期限を確認しなければ」「足りているか分からない」といった小さな心理的負担がつきまといます。
ローリングストックは、そうした防災を特別なタスクとして抱え込むのではなく、普段の生活の中に溶け込ませる仕組みです。

時間も、お金も、気持ちも、なるべくムダにしない。

そう考えると、ローリングストックは単なる食品の備蓄方法ではなく、タイパ・コスパ・メンパを重視する今の生活者に合った「防災の設計」と捉えることもできます。
同じ考え方は食品以外にも広げられます。普段使っているモバイルバッテリーは停電時の電源になり、キャンプやレジャーで使うライトやカセットコンロは災害時にも役立ちます。
日常で使っているものに「もしものときにも使える」という役割を重ねれば、防災用品を新たに増やす必要もありません。

つまり、これからの防災では、「防災用品を買う」という発想から、「普段の消費を少し変えるだけで、結果として備えられている」という発想への転換が重要になりそうです。
とりわけZ世代のように、時間やお金だけでなく、日々のストレスまで含めて「ムダを減らしたい」と考える若い生活者にとって、防災は特別な義務であるより、普段の暮らしを少し賢く整える行動として提示したほうが受け入れられやすいのではないでしょうか。

「防災だからやる」のではなく、「ムダがないから、結果として防災にもなっている」。この感覚こそ、若い世代に防災を日常化してもらうための重要なヒントだと考えます。

 

もちろん、正しいリスクを伝えることは欠かせません。

ただ、今回のデータを見る限り、多くの生活者はすでに「備えたほうがいい」ということ自体は理解しています。
だとすれば、企業が次に考えるべきなのは、危機感をさらに高めることより、「分かっているけれど動けない」理由を減らすことではないでしょうか。

食品であれば、非常時の保存性だけでなく、普段から食べたくなる味や買い足しやすさまで考える。
小売であれば、防災用品だけを特設売り場に並べるのではなく、普段購入している食品や日用品の中に「これも備えになる」という気づきをつくる。
家電や住まいの領域でも、非常時の機能を日常の利便性と切り離さない。

保険や金融サービスは、少し事情が異なるかもしれません。

内閣府の同調査では、火災保険や火災共済に地震保険・地震共済を付帯している人が65.7%である一方、水害補償の付帯は41.1%にとどまり、前回の44.8%から低下しています。付帯していない理由の最多は「自宅周辺で水害は起こらないと思うから」(30.5%)、次いで「保険料が高くなると思うから」(25.9%)でした。

ここで壁になっているのは、先延ばしよりも「自分の家は大丈夫」というリスクの見積もりです。
この領域ではまず、ハザードマップのように居住地域に紐づいた具体的な情報を届けることが欠かせません。そのうえで、伝え方には工夫の余地があります。
「こんな災害が起きたら大変です」と不安を煽るのではなく、備えておくことで日常の不安が一つ減る、という提示の仕方です。

企業が提供できるのは、防災用品そのものだけではありません。生活者と「備える」という行動の間にあるものを、一つずつ取り除いていくこと。
それは「面倒だから」という手間かもしれませんし、「自分には関係ない」という距離感かもしれません。そこに、これからの防災マーケティングの可能性があると考えます。

「何かあっても、ひとまず大丈夫」と思えることは、今の暮らしにも安心感を与えてくれます。

防災を「怖い未来のために仕方なく準備するもの」ではなく、「今の自分が安心して暮らすために整えておくもの」と捉え直す。そう考えると、「備える」という行動は、モノを増やすための消費ではなく、未来への不安による心の消耗を少し減らし、心の余力をつくるための消費ともいえそうです。

 

Z世代を動かすのは「もっと危機感を持とう」ではなく「これならできそう」

Z世代の防災を考えるとき、「若者は防災意識が低い」という言葉だけで片づけてしまうのは簡単です。しかし、データを見ていくと、もう少し複雑な姿が見えてきます。
実際の備えが十分ではない若者がいる一方で、災害時にはSNSから情報を得ようとし、生成AIなど新しいテクノロジーを防災に活用することにも前向きです。
つまり、「防災をしない世代」なのではなく、「防災との付き合い方が変わりつつある世代」と捉えたほうが、実態に近いのかもしれません。

普段の買い物や暮らしの中に自然と備えが入り込み、気づいたら「もしも」の準備もできている。必要なときには、普段使っているSNSやデジタルツールから正しい情報にたどり着ける。そんな、無理なく続けられる防災の形をつくることが重要になっていくでしょう。

「防災、ちゃんとしてる」が、特別なことではなく、自分の暮らしを整える一つのスタンダードになる。

防災市場はこれから、「非常時のための商品」という枠を超えて、食品や日用品、家電、住まい、金融、デジタルサービスなど、私たちの日常そのものへと広がっていくのかもしれません。

 


参考・出典

  • 内閣府「防災に関する世論調査(令和7年8月調査)」
    全国18歳以上を対象に実施された世論調査。本稿では、大地震への対策、家庭での備蓄、防災に関する意識などのデータを参照。
    https://survey.gov-online.go.jp/public_safety/202510/r07/r07-bousai/
  • 株式会社RECCOO「【Z世代のホンネ調査】大学生の防災意識は如何に。一人暮らし大学生の65%が『災害時の避難所を把握していない』と回答。」(2024年9月3日)
    一人暮らしの大学生を対象とした調査。本稿では避難所の把握状況、防災グッズ・食品の備蓄状況を参照。
    https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000144.000033607.html
  • ミドリ安全株式会社「【世代別防災意識調査 2025】Z世代を襲う“情報災害”リスク リテラシー教育5割超えも、フェイクニュース被害58.4%過去最多」
    Z世代を含む世代別の防災意識調査。本稿では災害時の情報収集、フェイクニュース、生成AIを活用した防災サービスへの利用意向などを参照。
    https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000102.000011153.html
  • 政府広報オンライン「今日からできる食品備蓄。ローリングストックの始め方」
    家庭での食品備蓄の目安、ローリングストックの考え方などを参照。
    https://www.gov-online.go.jp/article/202103/entry-10236.html
  • 政府広報オンライン「【防災特集】ACTION01 災害に事前に備える」
    家庭での日常備蓄、携帯トイレ、衛生用品などの具体的な備えについて参照。
    https://www.gov-online.go.jp/tokusyu/bousai/preparation.html

※各調査は、調査対象、調査時期、調査方法、サンプル数が異なります。本稿では結果を単純に比較するのではなく、若年層を含む生活者の防災意識・行動を考察するための参考資料として使用しています。

 

ベータ世代(β世代)を徹底解説|Z世代・α世代との違いと今から取り組めるマーケティング戦略

「ベータ世代(β世代)」という言葉を耳にする機会が増えたものの、Z世代・α世代との違いや自社のマーケティング戦略にどう関わるのか、明確にイメージできていない方も多いのではないでしょうか。

ベータ世代は2025年から生まれ始めたばかりの「未来の消費者」であり、BtoC企業にとっては10〜15年先を見据えた顧客像として、今から観察を始める価値のある存在です。

本記事では、ベータ世代の定義、特徴、親世代の価値観、そしてマーケティング担当者が今から取り組める戦略まで、整理して解説します。

ベータ世代とは?定義と他年代との関係

ベータ世代(β世代)とは、おおむね2025年〜2039年頃に生まれる子どもたちを指します。 ギリシャ文字のα(アルファ)の次にあたる「β(ベータ)」から命名され、α世代(2010〜2024年頃に生まれた世代)に続く世代として位置づけられます。社会調査・人口統計・データ分析などを行う会社であるマクリンドル社の予測によれば、2035年までに世界人口の約16%を占める見込みです。

なお、ベータ世代の定義年や人口比の予測は調査機関によって異なります。本記事では原則としてマクリンドル社の定義(2025〜2039年生まれ)を採用します。

ベータ世代の年代区分と現在の年齢

ベータ世代はおおむね2025年〜2039年生まれで、2026年時点では0〜1歳の乳幼児です。今後約15年かけて継続的に生まれるため、「これから育つ未来の消費者」として長期的な視点で捉える必要があります。各世代を時系列で並べると、以下のような位置づけになります。

世代名 生年 象徴的な技術
X世代 1965〜1979年頃 テレビ普及・PC黎明期
Y世代(ミレニアル世代) 1980〜1994年頃 インターネット普及
Z世代 1995〜2009年頃 スマートフォン・SNS
アルファ世代 2010〜2024年頃 タブレット・音声AI
ベータ世代 2025〜2039年頃 生成AI
合わせてチェック!
以下の記事では、各世代の特徴について詳しく解説しています。
【各世代の特徴一覧】価値観の違いや効果的なマーケティング方法を比較

「ベータ世代」という名称の由来

ベータ世代の命名は、社会・人口統計学者のマーク・マクリンドル氏が提唱したものです。Z世代でラテン文字(アルファベット)を使い切ったこと、そして「まったく新しい世界で育つ最初の世代」であることを示すため、ギリシャ文字が採用されました。

他世代(Z世代・α世代)との関係と違い

ベータ世代の親世代の多くは、若いY世代と年長のZ世代で構成されることになると予想されています。

Z世代がスマートフォンとSNSを「思春期に」獲得したのに対し、α世代は「幼少期に」タブレットを与えられ、 ベータ世代は「生まれた瞬間から生成AIが日常に存在する」という点が大きく異なります。 Z世代・α世代がテクノロジーに「適応」した世代だとすれば、ベータ世代はテクノロジーによって「育てられる」世代といえるかもしれません。

合わせてチェック!
α世代の特徴については、以下の記事で詳しく解説しています。
「α(アルファ)世代」の特徴とは? Z世代との違いや価値観を徹底解説

ベータ世代の特徴3つ

ベータ世代を取り巻く環境として、AIの日常化、コロナ後の社会、気候変動意識の高まり、多様性の常態化などが挙げられます。そのような環境で育つベータ世代は、どのような特徴を持つようになるのか、考察します。

AIによる個別最適化が「当たり前」になる可能性

多くのベータ世代は、生成AIが生活・教育に組み込まれた環境で成長します。

日本の教育現場では、文部科学省が「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実を掲げ、ICTを活用した学習環境の整備を進めています。その実現手段のひとつとして注目されているのが、アダプティブラーニング(AI技術などを用いて学習者ひとりひとりの理解度に合わせた内容を提供し、効果的な学習を目指す方法)です。

ベータ世代が就学する頃には、こうした個別最適化された学習環境が標準になっている可能性があります。教育に限らず、 日常的に触れるサービスの多くが自分に合わせて最適化されている状態が「当たり前」の基準になるかもしれません。 

世代全体がコロナ禍後に生まれる最初の世代

ベータ世代は、新型コロナウイルスによる生活変化を直接経験しない初の世代となり、多くが「リモートワーク」「オンライン学習」「Eコマース」「非接触決済」などが「元から存在するインフラ」として組み込まれた環境で育ちます。 「デジタル前提の生活様式」が当たり前となる点で、上の世代とは価値観が異なる部分もある でしょう。

気候・多様性への高い意識を持つ可能性

ベータ世代は、近年議論が活発な再生可能エネルギーやジェンダー・人種の多様性について幼い頃から触れる機会が多いと考えられ、これらを 「特別なテーマ」ではなく「前提条件」として認識する可能性 があります。将来のベータ世代は、商品・企業選びにおいて企業のサステナビリティへの姿勢もチェックするようになるかもしれません。

ベータ世代の主な親「若いY世代と年長のZ世代」の子育て価値観

ベータ世代を理解するには、親世代の観察が重要です。主な親となる若いY世代と年長のZ世代は、SNS疲れや炎上を経験したり見聞きしたりして、デジタルの世界を熟知している人が多いと考えられます。また、「多様性」に触れる機会が多かった世代でもあります。そのような親は、どのような価値観を持っているのでしょうか。

デジタルとの「距離」を意識する

親世代の中には、デジタルの負の側面をよく知っているからこそ、子どもの写真を安易にSNSへ投稿しないなど、あえて 子どもとデジタルの距離を設計 する人もいます。

また、保育園や幼稚園からもSNS投稿に関する注意喚起がされるなど、日頃から子どもとデジタルの距離感について意識する機会も多いでしょう。

子どもの個性を尊重する

親世代は、ジェンダーや価値観などの多様性に触れる機会が比較的多かった世代であるといえます。そのため、 子育てにおいて子どもの個性を尊重するタイプの親は一定数いると推測されます。 

また、子どもの個性を認めた上で、長所を伸ばしたり自己肯定感を高めたりする教育方針の親もいます。

企業がベータ世代に向けて今から取り組めるマーケティング戦略

ベータ世代自身はまだ乳幼児ですが、価値観形成は幼少期から始まるため、今から長期的なブランド接点を設計するのは意味があるでしょう。今から取り組めることとしては、下記が挙げられます。

  • AIを活用したパーソナライズド・マーケティング
  • メタバース・XRを活用した没入型ブランド体験
  • サステナビリティ・社会貢献を軸にしたブランディング
  • 親世代を通じたコミュニケーション設計

AIを活用したパーソナライズド・マーケティング

AIを活用して 購買履歴・行動パターンに基づいてアプローチする手法は、ベータ世代にとっては「当たり前」になっているかもしれません。 全員に同じメッセージを届けるテンプレート的な広告は、受け入れられにくくなる可能性があります。

メタバース・XRを活用した没入型ブランド体験

メタバースやXR(クロスリアリティ)が普及していく中で育つベータ世代は、物理店舗だけでなく、バーチャル空間でのブランド体験を重視するようになるかもしれません。今後は、デジタルプロダクト、バーチャルイベント、XR試着などを通じ、単なる販売ではなく 「体験」を提供する視点がより求められるようになるでしょう。 

サステナビリティ・社会貢献を軸にしたブランディング

環境に配慮した商品の開発、透明性のあるCSR活動の発信は、ベータ世代にとってブランド選択の基準のひとつになり得ます。表面的な発信ではなく、事業活動と一貫した発信が信頼につながるでしょう。

親世代を通じたコミュニケーション設計

ベータ世代本人にリーチできない現時点では、購買決定者であり、ベータ世代への情報の窓口となる 主な親世代(若いY世代と年長のZ世代)への訴求がマーケティング施策のスタート地点 となります。

親世代が信頼するSNS、インフルエンサー、コミュニティを起点に、ベータ世代が育つ家庭の中に自然にブランドが存在する状態を、10年かけて設計していく発想が求められるといえます。

ベータ世代へのマーケティングにおける注意点

「まだ生まれていない・幼い世代」を語ることには限界があり、責任も伴います。予測は仮説として扱い、継続的なアップデートを行う姿勢が重要です。

予測情報を扱う際のリテラシー

現時点で挙げられているベータ世代の特徴は予測に基づくものであり、確定した事実ではありません。あくまでも仮説として扱い、社内の意思決定に用いる際は、エビデンスをよく確認して判断することが重要です。

ディープフェイク・AI倫理という新たな社会課題

ベータ世代は、ディープフェイクを含むAI生成コンテンツが広がる環境で育つため、情報の真偽を見極める力がこれまで以上に重要になると考えられます。企業には、発信する情報の正確性・信頼性の確保、AI生成コンテンツの適切な開示、子どもの個人情報保護など、透明性と責任あるコミュニケーションがこれまで以上に求められるでしょう。

ベータ世代に関するよくある質問

ここでは、ベータ世代に関するよくある質問に回答します。

Q
ベータ世代は何年生まれですか?
A
マクリンドル社の定義では2025〜2039年生まれです。ただし調査機関によって定義は異なり、World Data LabやWORLD ECONOMIC FORUMは2025〜2038年生まれとしています。
Q
ベータ世代の親はどの世代ですか?
A
主に若いY世代(ミレニアル世代)と年長のZ世代になると予測されています。
Q
ベータ世代の次の世代は何と呼ばれますか?
A
マクリンドル社は、次をγ世代(ガンマ/2040〜2054年生まれ)、その次をδ世代(デルタ/2055〜2069年生まれ)と定義しています。

まとめ

ベータ世代は2025〜2039年生まれの世代で、これまでの世代とは「当たり前」が異なる可能性があります。企業にとっては、10〜15年後の顧客として観察・理解を深め、親世代の価値観に向き合いながらマーケティング戦略を展開していくことが重要でしょう。

未来のベータ世代の親世代にアプローチできる施策として、マイナビでは「キョーソウPROJECT」を提供しています。この施策では、Z世代の学生と企業が共同で課題に取り組むことで、リアルなマーケティングデータの取得・ファン化・ブランディング強化を同時に実現できます。ベータ世代を見据えたマーケティングに取り組む際の一手として、ぜひご検討ください。

キョーソウPROJECT

キョーソウPROJECT

マイナビでは、Z世代のコミュニティを活用し、対話をしながら課題を解決する「キョーソウPROJECT」を提供しています。

企画を進めるなかで、企業の事業内容や商品・サービスの理解が促され、Z世代の顧客化・ファン化が期待できます。

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Z世代社会人のオーラルケア実態 口元が気になるシーンや使用アイテム・頻度、ホワイトニング事情まで調査!

近年、健康や美容への関心が高まる中、オーラルケアに対する意識にも変化が見られます。日々の歯磨きや予防に加え、ブレスケアやホワイトニングなど、清潔感や審美性を意識したケアを取り入れる人も増えています。

そこで今回は、一人暮らしのZ世代社会人を対象に、オーラルケアについて調査。普段のオーラルケアに対する意識や習慣、商品選びのポイントなど詳しく調べました。

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1,Z世代社会人の約6割がオーラルケアを「非常に重要」と認識、「口臭予防」を重視

Q. あなたは、日頃のオーラルケアをどの程度重要だと考えていますか。

Q8_あなたは、日頃のオーラルケアをどの程度重要だと考えていますか。

(n=301)

まずはじめに、Z世代社会人にオーラルケアの重要度を聞いたところ 「非常に重要だと考えている」63.1% が最多となり、「ある程度重要だと考えている」32.6%、「どちらともいえない」3.7%と続きました。また、「非常に重要、ある程度重要」を合わせると95.7%に達し、オーラルケアを行っている層のなかでは、大半がその重要性を認識していることがわかりました。

 

Q.オーラルケアを意識しはじめたきっかけを教えてください。【複数回答/5つまで】

Q.オーラルケアを意識しはじめたきっかけを教えてください。【複数回答/5つまで】

(n=301 内訳:男性 n=148、女性 n=153)

オーラルケアを意識しはじめたきっかけは、「口臭が気になった」40.2%、「歯の黄ばみが気になった」37.2%、「虫歯や歯ぐきのトラブルがあった」26.9%と続きました。上位項目は、いずれも自身が口元の変化や違和感に気づくといった項目が並び、身近な悩みがオーラルケアへの意識を高める要因になるようです。一方で「仕事で人と話す機会が増えた」12.3%、「就職・転職をした」10.6%といった外的要素による影響は限定的です。

 

Q.オーラルケアのうち、現在最も重視していることは何ですか。

Q13_オーラルケアのうち、現在最も重視していることは何ですか。

(n=301)

現在最も重視していることは、「口臭予防」37.2%が最も多く、次いで「虫歯予防」25.3%、「歯のホワイトニング」11.3%、「歯周病予防」10.6%の順でした。 「口臭予防」は4割弱 を占め、前述の「オーラルケアを意識したきっかけ」でも「口臭」が1位となっていることから、多くの人が気にしている要素のようです。

\オーラルケアを重視する理由3位「健康を維持したいから」、1位・2位は?/

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2,歯磨きのタイミングは「朝食後」が最多、プラスケアは「デンタルフロス」4割以上利用

Q.普段使用している歯ブラシのタイプを教えてください。

Q.普段使用している歯ブラシのタイプを教えてください。

(n=301)

普段使用している歯ブラシのタイプは、「手みがき用歯ブラシのみ使っている」69.4%、「電動歯ブラシのみ使っている」19.9%、「手みがき用歯ブラシと電動歯ブラシの両方」10.6%でした。手みがき用歯ブラシのみ使っている人が約7割を占める一方で、電動歯ブラシを使用している人も、併用している人を含めると約3割いるようです。

全体的に、「手みがき用歯ブラシ」が主流ではあるものの、「電動歯ブラシ」も一定数取り入れられていることが見受けられます。

 

Q.普段、平日・休日それぞれで、歯をみがくタイミングを教えてください。【複数回答】

Q.普段、平日・休日それぞれで、歯をみがくタイミングを教えてください。【複数回答】

(n=301)

普段、歯をみがくタイミングは、 平日・休日ともに「朝食後」が最も多い ことがわかります(平日56.8%、休日49.8%)。次いで、平日は「就寝前」45.5%、「起床後」42.2%、休日では「就寝前」44.5%、「昼食後」41.9%の順になっています。休日と平日で比較すると、休日は「朝食後・昼食後・夕食後」のいずれも4割を超えており、平日よりも「昼食後」や「夕食後」にみがく人がやや多い傾向でした。

 

Q.普段、1回あたりの歯みがき時間を教えてください。

Q.普段、1回あたりの歯みがき時間を教えてください。

(n=301)

普段の歯みがき時間は「2分以上3分未満」31.2%、「3分以上5分未満」29.9%がメイン層となりました。これらを合わせると、【2分以上5分未満】歯をみがく人が約6割を占めています。一方で、【5分以上】歯をみがく人も約2割見受けられます。

 

Q.普段の歯みがき以外に、オーラルケアとして使っているもの/行っていることを選んでください。【複数回答】

Q19_普段の歯みがき以外に、オーラルケアとして使っているもの/行っていることを選んでください。

(n=301 内訳:男性 n=148、女性 n=153)

歯みがき以外のオーラルケアは、「デンタルフロス」45.9%「歯間ブラシ」34.6%「マウスウォッシュ」32.9%が中心で、複数のケアを取り入れている人も多いようです。また「歯間ブラシ」や「マウスウォッシュ」は男女ともに約3割利用しているのに対し、「デンタルフロス」や「舌ブラシ・クリーナー」、「歯科医院でのクリーニング」などは女性の回答率の方が上回っています。

\「普段の生活で口内環境が気になるタイミング」も徹底調査!/

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3,オーラルケアアイテム選びのポイントは「価格と使いやすさ」、女性は「ホワイトニング」にも注目

Q.普段、自宅以外の外出先や職場で、オーラルケア(歯磨き、マウスウォッシュ、デンタルフロスなど)をしていますか。

Q.普段、自宅以外の外出先や職場で、オーラルケア(歯磨き、マウスウォッシュ、デンタルフロスなど)をしていますか。

(n=301)

外出先でのオーラルケアについて、職場では「毎日している」32.9%、「時々している」26.9%となり、 約6割が職場でケアをしている ことがわかりました。一方、外出先(プライベート)では「時々している」30.9%が最も多く、【ケアをしている人54.2%、していない人45.8%】と、ほぼ二分する結果に。全体的に、外出先よりも職場の方がオーラルケアをしている割合が高いようです。

 

Q.普段、職場や外出先で使用するために持ち歩いているオーラルケアアイテムを教えてください。【複数回答】

Q.普段、職場や外出先で使用するために持ち歩いているオーラルケアアイテムを教えてください。【複数回答】

(n=301 内訳:男性 n=148、女性 n=153)

普段持ち歩くオーラルケアアイテムは、「歯ブラシセット」47.8%が突出して多く、次いで「使い捨て歯ブラシ」20.6%と、外出先でも歯ブラシを使ったケアが中心であることがわかります。続いて、「マウスウォッシュ」14.0%「ブレスケア用タブレット」13.3%「液体歯みがき」10.3%はいずれも1割前後にとどまっています。

男女別では、女性は「歯ブラシセット」56.2%、男性は「使い捨て歯ブラシ」23.7%が比較的高くなり、女性繰り返し使う歯ブラシセットを持ち歩く人が多く、男性は使い捨てタイプ持ち歩く人も一部いるようです。

 

Q.普段使用している各アイテムについて、それぞれ1点あたりの購入金額を教えてください。
※歯ブラシは手みがき用(手動で磨くタイプ)についてお答えください。

Q.普段使用している各アイテムについて、それぞれ1点あたりの購入金額を教えてください。
※歯ブラシは手みがき用(手動で磨くタイプ)についてお答えください。

(n=301)

各アイテムの購入金額は【100円以上500円未満】が最も多く、「歯ブラシ(手みがき用)」 48.8%、 「歯磨き粉」 32.2% 、「デンタルフロス」 29.2%の順でした。一方で、「マウスウォッシュ」は【500円以上1,000円未満】が26.3%で最多となりました。また、【1,000円以上】の割合は「歯磨き粉」で約4割(39.0%)、「マウスウォッシュ」で約3割(30.5%)を占めており、これらのアイテムは購入価格帯に幅があり、さまざまな価格帯の商品が選ばれていることがうかがえます。

 

Q.オーラルケアアイテムを選ぶ時に重視していることを教えてください。【複数回答/5つまで】

Q.オーラルケアアイテムを選ぶ時に重視していることを教えてください。

(n=301 内訳:男性 n=148、女性 n=153)

アイテム選びで重視することは、「価格の手頃さ」25.9%、「使いやすさ・続けやすさ」22.3%、同率で「口臭予防・改善」、「虫歯予防」20.6%が続きました。日常的に無理なく購入・継続できることが最重視されていると考えられます。

男女別で見ると、男性は「口コミ・レビューの良さ」、「ブランド」が女性の回答率の倍以上で、評判やブランドを重視する人も一部います。女性は「使いやすさ・続けやすさ」、「ホワイトニング」の回答率が男性より上回り、使用感に加え美容面の効果も一定数求める傾向です。

 

Q.オーラルケアに関する情報源を教えてください。【複数回答】

Q25_オーラルケアに関する情報源を教えてください

(n=301 内訳:男性 n=148、女性 n=153)

オーラルケアに関する情報源は、「SNS」36.9%、「検索エンジン(Google、Yahoo!など)」36.2%とほぼ同率となり、2つがメインになりました。次いで、「歯科医院」21.3%、「ドラッグストアなどの店頭」16.0%、「AI(ChatGPTなど)」14.0%の順でした。男女別では、男性は「検索エンジン」が約4割、女性は「SNS」が約4割となり、「家族からの口コミ」も約1割でした。

男性は検索エンジンで自ら検索して情報を得る人が多い傾向で、女性はSNSを中心に口コミなども一部取り入れる傾向でした。

\オーラルケアで使用しているアイテムの具体的な商品名も深掘り!/

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4,ホワイトニング経験者は約6割、きっかけや使用アイテムは?

Q.あなたは現在、歯のホワイトニングケアをしていますか。
※歯科医院でのホワイトニングのほか、市販のホワイトニング歯みがき粉やホワイトニングシートなど、歯を白くすることを目的としたケア全般を含みます。

Q.あなたは現在、歯のホワイトニングケアをしていますか。
※歯科医院でのホワイトニングのほか、市販のホワイトニング歯みがき粉やホワイトニングシートなど、歯を白くすることを目的としたケア全般を含みます。

(n=301)

ホワイトニングケアの実施状況を調査したところ、現在ホワイトニングケアを行っている人は約4割(「現在よく行っている」「時々行っている」の合計で39.2%)でした。過去に経験がある人を含めると、ホワイトニングケアをしたことがある人は約6割(59.5%)にのぼります。一方で、これまでホワイトニングケアをしたことがない人は約4割(40.5%)に。ホワイトニングケアをしたことがないが「興味がある」と答えた人は24.6%でした。

 

Q.歯のホワイトニングケアを始めようと思ったきっかけは何でしたか。【複数回答/5つまで】

Q.歯のホワイトニングケアを始めようと思ったきっかけは何でしたか。【複数回答/5つまで】

(n=179)

ホワイトニングケアを始めたきっかけは「鏡や写真を見て歯の色が気になったから」が約6割で、最多に。自分の歯の色が気になり、ケアを始める人が多いようです。次いで、「人と会う機会や、人前に出る機会が増えたから」28.5%、「他人に歯の色を指摘されたから」21.2%、「接客・営業など人と接する仕事をしているから」20.1%の順となりました。人と接する機会の増加や、周囲からの指摘をきっかけにホワイトニングケアを始める人も一定数いるようです。

 

Q.歯のホワイトニングケアはどちらで行っていますか?

Q.歯のホワイトニングケアはどちらで行っていますか?

(n=179)

ホワイトニングケアを行う場所は「歯科医院」60.9%が最も多く、約6割を占めました。一方で、「ホームケア」は約3割となり、歯科医院とホームケアの両方をしている人は1割未満にとどまっています。ホワイトニングケアをしている人は、歯科医院での施術が中心のようです。

 

Q.歯科医院でホワイトニングを行っている理由を教えてください。【複数回答】

Q.歯科医院でホワイトニングを行っている理由を教えてください。【複数回答】

(n=120 内訳:男性n=57、女性n=63)

歯科医院での施術理由は「クリーニングと一緒に受けられるから」24.2%、「短期間で白くしたいから」23.3%、次いで、同率で「効果が高そうだから」、「ムラなく仕上げたいから」22.5%となり、定期的な通院のついでに行う人や、効果の高さに期待している人が多いようです。

男女別で見ると、女性は「効果が高そうだから」31.8%で最多となり、同率で「安全に行えそうだから」「専門医に任せられるから」23.8%と、効果と安全性を重視している傾向。男性は「ホームケアでは効果を感じなかったから」21.1%の回答も目立ちました。

 

Q.歯のホワイトニング用ホームケアアイテムで、使用しているものをお選びください。【複数回答】

Q.歯のホワイトニング用ホームケアアイテムで、使用しているものをお選びください。【複数回答】

(n=70 内訳:男性n=32、女性n=38)
※n=100以下のため参考値

使用しているホームケアアイテムは、1位「ホワイトニング用歯みがき粉」44.3%が突出しており、2位「LEDライト付きホワイトニング機器」20.0%、3位「ホワイトニングジェル」17.1%、4位「ホワイトニングペン」14.3%と続きました。

男女で選ぶアイテムに違いがあり、男性は「ステインケア歯ブラシ」「ホワイトニング用スポンジ」が女性の回答率より高く、一部では着色汚れを落とすアイテムを使用する傾向。女性は「ホワイトニングジェル」21.1%、「ホワイトニング用マウスウォッシュ」13.2%の回答率が比較的高くなりました。

 

Q.ホワイトニング用のホームケアアイテムを選ぶ上で重視していることを教えてください。【複数回答/5つまで】

Q.ホワイトニング用のホームケアアイテムを選ぶ上で重視していることを教えてください。【複数回答/5つまで】

(n=70 内訳:男性n=32、女性n=38)
※n=100以下のため参考値

ホームケアアイテムを選ぶ際に重視する点は、「効果を実感できる」37.1%、「歯に負担が少ない」35.7%、「毎日使いやすい」32.9%となり、効果に加え、歯へのやさしさ・継続しやすさも重視されています。男女別で見ると、男性は「効果を実感できる」40.6%、「毎日使いやすい」37.5%が上位になり、効果や使いやすさがポイントになる傾向。一方で、女性は「安全性」21.1%が男性の回答率より高くなり、約2割は「安全性」も判断材料になるようです。

\  ホワイトニング施術を受ける「歯科医院選び」で重視したことは?/

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5,今後取り入れたいオーラルケアは「電動歯ブラシ」がトップ

Q.普段、歯科医院での定期検診はどのくらいの頻度で行っていますか。

Q.普段、歯科医院での定期検診はどのくらいの頻度で行っていますか。

(n=301)

普段の歯科医院での定期検診の頻度は、「2~3か月に1回程度」22.9%、「半年に1回程度」18.6%、 「1年に1回程度」14.0%がメイン層でした。年に1回以上受診している人は合計66.1%となり、多くの人が定期的に歯科医院を受診していることがわかりました。一方で、「現在は行っていない」は7.6%、「行ったことがない」は9.3%にとどまっています。

 

Q.今後取り入れてみたいオーラルケアを教えてください。【複数回答/5つまで】

Q.今後取り入れてみたいオーラルケアを教えてください。【複数回答/5つまで】

(n=301 内訳:男性n=148、女性n=153)

今後取り入れてみたいオーラルケアは、「電動歯ブラシ」30.2%が最も多く、次いで「ジェットウォッシャー(口腔洗浄器)」21.6%、「デンタルフロス」20.6%の順でした。

男女別に見ると、男性は「電動歯ブラシ」が最多で、「歯間ブラシ」19.6%や「マウスウォッシュ」16.2%の割合が女性よりも高く、日常的に取り入れやすいアイテムへの関心も一定数見られます。一方で、女性は「デンタルフロス」や「舌ブラシ・クリーナー」の回答率が男性を上回り、口腔内の細かな部分までケアできるアイテム関心を持つ人も一部いるようです。

\オーラルケアを続ける上で負担に感じていることは? 男女の違いも明らかに!/

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  • 調査対象

    23~29歳/男女/未婚/子どもなし/正社員、公務員・団体職員/一人暮らし/普段の歯磨きに加え、デンタルフロスや歯間ブラシ、マウスウォッシュ、ホワイトニングなどのオーラルケアを行っている人

  • 有効回答数

    301件

  • 調査時期

    2026年7月

  • 方法

    インターネット調査

「みんなに見せる」から「あの子と分かち合う」位置情報アプリが映す、10代の新しいつながり方とは|感情が動くマーケティング

2026年上半期トレンドランキングの後編では、「広さ」よりも「深さ」を選ぶ価値観が、今の10代の流行の根底にあるのではないか、という仮説が浮かび上がりました。

「ば・く・れ・つ♡」のような仲間内で言い合う言葉や、シール帳・平成プリの再ブーム。そのどれもが、不特定多数に広く知られることよりも、気の合う友達と楽しむことに重心を置いていました。

この「広さより深さ」という変化は、彼女たちのコミュニケーションそのものにも及んでいるのでしょうか。今回は桑野が、学生のインサイトと市場動向に詳しい中西ディレクターへ、SetlogBeReal. . 、位置情報アプリといった10代に支持されるサービスを切り口に、「広くつながる」から「深くつながる」への変化について聞きました。

登場マーケターのプロフィール

中西舞

中西 舞(なかにし・まい)|株式会社マイナビ

コンテンツメディア事業本部 マーケティング部ディレクター。
大学生向けメディア『マイナビ 学生の窓口』の立ち上げに関わり、デジタル・アパレル・金融・食品・医薬化粧品など多様な業界の広告企画を担当。
現在は大学生をはじめとしたZ世代向け案件を中心に、年間約200件以上のプランニングおよび営業同行を行う。

桑野 好絵(くわの・このえ)|株式会社マイナビ

桑野 好絵(くわの・このえ)|株式会社マイナビ

2007年マイナビ入社。
女性向けメディアや若年層トレンド領域に従事し、現在は『マイナビニュース』『マイナビウーマン』などの広告企画を担当。
Z世代に特化した調査チーム「マイナビティーンズラボ」のプランニングやデータ解説、企業向けの講演も行う。
高校1年生の息子を育てる母として、「調査データ」と「リアルな声」の両面から若者インサイトを掘り下げている。

「広さより深さ」は、つながり方にも表れているのか

「みんなに見せる」から「あの子と分かち合う」位置情報アプリが映す、10代の新しいつながり方とは|感情が動くマーケティング

変化が続く10代のSNS事情とは?

桑野:

前回、「広さより深さ」という話が出てきました。私はずっと引っかかっていて。最近のSetlogBeReal. 、位置情報アプリの人気も、あの仮説と地続きな気がするんです。中西さんは、どう見ていますか?

中西:

私は、完全につながっていると思います。

流行るサービスには、その時代の価値観がそのまま映ります。かつてのSNSは「どれだけ多くの人に見てもらえるか」が価値でした。でも今は、その問いが「誰に見てもらうか」「誰と共有するか」に変わっています。

価値の重心が、広さから深さへ、はっきり移ったんです。

桑野:

前回も「みんなで楽しめること」がキーワードでした。あの「みんな」って、世間一般のことだと思っていたのですが。“みんな”って誰のことなんでしょうか。

中西:

そこが肝です。あの「みんな」は、不特定多数ではありません。顔の見える友達、気の合う仲間のことなんです。たくさんの人に届けることより、わかってくれる人と一緒に盛り上がること。

今の10代にとっては、後者の方がずっと価値があります。

 

「いいね」の数より、「それな」の数

「みんなに見せる」から「あの子と分かち合う」位置情報アプリが映す、10代の新しいつながり方とは|感情が動くマーケティング

10代の「みんな」って誰なのか。

桑野:

言われてみると、最近のアプリは「映える写真をみんなに見せる」という空気とは違いますね。

中西:

数字にもはっきり出ています。

たとえば位置情報共有アプリのwhooは、月間利用者数が20245月の84万人から、20264月には155万人へ。わずか2年で約2倍です。(※1参照)

BeReal. も日本国内のMAU650万人を超え、1317歳の利用は前年比で25%伸びています。どちらも、いま10代の間で急速に広がっているサービスです。(※2参照)

共通しているのは、誰かにすごいと思わせるための道具ではないこと。身近な友達と、何でもない日常を分かち合う。その行為自体に価値がある。だから支持されているんです。

「広く称賛されること」より、「わかってくれる人と楽しめること」。10代の価値の軸は、もうそちらに振り切れています。

桑野:

評価の物差しが、外向きから内向きに変わったということですね。では、なぜそうなったのでしょう。

 

SNSネイティブほど、リアルでいられる相手を欲しがる

SNSで広がる話題

10代にとって「リアルな関係」が最強?

中西:

そこが、いちばん面白い逆説です。

今の10代は、生まれた時からSNSがある世代です。加工された写真も、演出された世界も、物心ついた頃から当たり前に浴びてきました。SNSにいちばん習熟している世代と言っていい。

その世代が、むしろ「リアルな関係」に強く惹かれている。

桑野:

 慣れすぎているからこそ、ですか。

中西:

 ええ。完璧に見せることのカラクリを、彼女たちは知り尽くしています。だからこそ、「完璧な自分を見せる」ことより、「ありのままの自分を受け入れてくれる相手」に価値を感じる。

興味深いのは、whoo利用者の意識を分析したデータです。一般のネット利用者と比べて、「社交性」や「みんなと同じ空気感に参加していたい」という意識が高く、逆に「個人主義・自由主義」の傾向は低い。自分の現在地を常に知られることへの抵抗より、つながっている安心感のほうを優先している。これは感覚論ではなく、データが示している事実です。

SetlogBeReal. が切り取るのも、キラキラした瞬間ではありません。何でもない日常や、その場の空気そのものです。見栄えを競う場ではないんです。SNSを使いこなす世代だからこそ、逆に「取り繕わなくていい関係」に救いを見出している。これは偶然ではなく、必然だと思います。

桑野:

「リアルでいたい」というより、「リアルでいられる相手がほしい」に近いのかもしれませんね。

中西:

まさにその通りです。ありのままをさらけ出せる相手がいること。その関係性そのものが価値になっている。だから10代は、広くつながるより、深くつながる方へ向かっているんです。

 

「つながる」のではなく、「一緒にいる」

桑野:

位置情報アプリは、その象徴に見えます。少し前なら、自分の居場所を共有するなんて考えられませんでした。

中西:

そうですね。ただ、誤解されがちなのですが、あれは居場所を世間に公開したいわけではありません。

「今、何してる?」「近くにいるね」。そうした、一緒にいる感覚を共有したいんです。実際、10代の利用のきっかけで最も多いのは「友達が使っているから」。クラスや仲間うち単位で一気に広がっていく。これは、つながる相手が最初から「身近な人」に限られていることの裏返しです。

昔のSNSの中心は「発信」でした。今の中心は「同期」です。同じ動画を見て、同じ音楽を聴いて、同じ場所にいる。そんな何でもない時間の共有が、彼女たちにとっての楽しさになっている。

発信して評価される喜びから、共にいて安心する喜びへ。価値の源泉そのものが入れ替わったんです。

桑野:

だから前回も「一緒に楽しめること」がキーワードだったのですね。

 

この変化を、マーケティングはどう読むか

「みんなに見せる」から「あの子と分かち合う」位置情報アプリが映す、10代の新しいつながり方とは|感情が動くマーケティング

10代の価値観に合わせてSNSの評価軸も変わる。

桑野:

ここまでの話は、企業の発信を考えるうえでも示唆がありそうです。

中西:

大きいと思います。

これまでのSNSマーケティングは、リーチの広さ、つまり「どれだけ多くの人に届くか」を競ってきました。でも10代の価値観がこれだけ動いているなら、評価軸も変える必要があります。

実際、BeReal. には企業や著名人の公式アカウントが300以上参加し、広告出稿企業は累計300社を突破しています。アパレル、コスメ、食品から大学まで、業種はさまざまです。狙いは派手なバズではありません。「友人の投稿を見る感覚」に近い、距離の近い接点をつくること。

不特定多数に広く届くことより、特定のコミュニティの中で「わかる人」に深く刺さること。バズの大きさより、「自分たちのことだ」と感じてもらえる密度。これからのブランドコミュニケーションは、そちらで測られていくはずです。完璧に作り込んだ広告より、取り繕わない等身大の発信が届く。私はそう考えています。

 

「広くつながる」時代の、その次へ

桑野:

前回のランキングで見えた「広さより深さ」という仮説は、流行だけでなく、10代のつながり方そのものを変えはじめている。そういうことですね。

中西:

ええ。SNSが当たり前になったからこそ、逆にリアルなつながりの価値が高まっている。これはアプリの話にとどまりません。流行も、友人関係も、消費も、すべてが同じ方向を向いています。

象徴的なのが、韓国発の共同Vlogアプリ「Setlog」です。K-POPアーティストの投稿をきっかけに、20265月だけで世界200万回以上ダウンロードされ、日本にも波及し始めています。友達と1日を一緒に記録するという、まさに「一緒にいる感覚」を形にしたサービスです。(3参照)

「どれだけ多くの人に知られるか」から、「誰と一緒に楽しめるか」「誰になら、ありのままを見せられるか」へ。この変化は、2026年下半期のトレンドを読むうえでも、間違いなく鍵になります。

桑野:

広くつながる時代の、その次。どんな景色が見えてくるのか、引き続き注目していきたいですね。

 

【出典・データについて】
本記事で紹介した各サービスの数値は、以下の調査・公表データに基づいています。
※1位置情報共有アプリ「whoo」の月間利用者数(2024年5月:約84万人→2026年4月:約155万人)および利用者の意識傾向は、株式会社ヴァリューズの分析ツール「Dockpit」「Perscope」によるものです(いずれもスマートフォン、意識傾向は2025年4月〜2026年3月)。意識傾向はインターネット人口全体との回答率の差分を示したもので、各項目の絶対数値ではありません。
※2「BeReal.」の国内月間アクティブユーザー数(2026年6月時点で650万人突破)、年代別の前年比成長率(13〜17歳:+25%、18〜22歳:+20%)、Z世代比率、公式アカウント数・広告出稿企業数は、BeReal SASの公表データに基づいています。
※3「Setlog」のダウンロード数(2026年5月に世界200万回以上)は、アプリ分析サービスAppfiguresのデータ(Business Insider Japanの報道による)に基づいています。 各数値はいずれも本記事作成時点のものであり、最新の状況とは異なる場合があります。

 

20代社会人の資産運用実態 始めたきっかけや情報源、今後の意向も調査

新NISA制度の開始や物価高などを背景に、若い世代の資産運用への関心はこれまで以上に高まっています。特に社会人となり自分の収入で生活を始める20代は、資産形成のスタートを切る重要な時期を迎えているといえるでしょう。

今回は、投資をしている20代の社会人305名に「資産運用」をテーマに調査を実施。実際に取り組んでいる資産運用や月々の投資額、始めたきっかけなどについて分析しました。

調査の結果、20代社会人の資産運用はNISAを中心に定着しており、8割以上が今後も継続したいという積極的な姿勢である一方、商品選びや仕組みの理解といった入口のハードルはまだ残されていることも見えてきました。このほか、商品・金融機関選びで重視するポイント、特定の情報源に触れて資産運用の方法を変えた経験についても解説します。

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1,20代社会人の資産運用実態 ─ 8割以上がNISAを利用

ここでは、20代社会人がどのような資産運用に取り組み、1カ月あたりいくらを資産運用へ回しているのかを見ていきます。投資先はNISAを中心とした非課税制度に集中し、月2〜5万円の範囲での運用が主流となっている点がポイントです。

Q.現在行っている資産運用として、あてはまるものをすべて教えてください。【複数選択】

Q8_現在行っている資産運用として、あてはまるものをすべて教えてください。(いくつでも選択可)

(n=305 男性n=153、女性n=152)

現在行っている資産運用について聞いたところ、「NISA」83.0%が圧倒的な1位となりました。続いて「投資信託」28.2%、「株式投資」27.5%、「iDeCo」23.0%となっています。

男女別に見ると、「株式投資」は男性37.9%に対して女性17.1%と20.8ポイントの大差が生じており、「投資信託」も男性36.6%に対して女性19.7%と16.9ポイントの差があります。男性のほうがリスクを取るタイプの資産運用にもやや積極的なようです。一方、「iDeCo」は女性25.0%に対して男性20.9%、「会社の確定拠出年金」は女性15.1%に対して男性11.8%となっています。

 

Q.1カ月あたり、平均していくらくらいを資産運用に回していますか?

Q9_1カ月あたり、平均していくらくらいを資産運用に回していますか?

(n=305 男性n=153、女性n=152)

1カ月あたりの資産運用額については、「3万円以上5万円未満」19.7%が最多となり、次いで「2万円以上3万円未満」17.4%、「1万円以上2万円未満」16.7%と続きました。投資額は1万円〜5万円に全体の約54%が集中しています。

一方、「10万円以上」が全体で11.5%存在し、積極的に投資をする人も一定数いるようです。特に男性では15.7%と、女性の7.2%に比べて2倍以上の割合となっています。

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2,始めたきっかけは「貯金だけでは増えにくいから」

ここでは、20代社会人が資産運用を始めたきっかけと、始める前に感じていた不安を見ていきます。きっかけは「貯金では増えにくいから」「将来のお金が不安だったから」といった動機が上位を占めており、始める前の不安は「商品選び」「仕組みの理解」に集中しています。

Q.資産運用を始めたきっかけを教えてください。【複数選択/5つまで】

Q11_資産運用を始めたきっかけを教えてください。(5つまで選択可)

(n=305 男性n=153、女性n=152)

資産運用を始めたきっかけとして最も多かったのは「貯金だけでは増えにくいと感じたから」26.2%でした。次いで「将来のお金が不安だったから」21.3%、「少額から始められるから」16.1%、「お金の勉強をしたかったから」14.8%、「少しでも豊かな暮らしをしたいから」14.1%と続き、「低金利で貯金だけでは資産が増えにくいこと」と「将来への不安」が特に強い動機となっている可能性があります。

男女別に見ると、「お金の勉強をしたかったから」が男性19.0%に対し女性10.5%、「株主優待が魅力的だったから」が男性11.1%に対し女性5.3%、「配当金が魅力的だったから」が男性8.5%に対し女性2.0%と、男性の中には「学習」と「リターン」を求める人がいるようです。

一方、「貯金だけでは増えにくいと感じたから」は女性31.6%に対し男性20.9%、「少額から始められるから」は女性19.1%に対し男性13.1%と、女性は「貯金の増えにくさ」がきっかけになっている人がやや多いようです。

 

Q.資産運用を始める前に、不安だったことを教えてください。【複数選択/5つまで】

Q13_資産運用を始める前に、不安だったことを教えてください。(5つまで選択可)

(n=305 男性n=153、女性n=152)

始める前の不安として最も多く挙げられたのは、「どの商品や銘柄を選べばよいかわからなかった」30.5%でした。以下、「資産運用の仕組みが難しくてよくわからなかった」24.6%、「元本割れが不安だった」21.6%、「始める手続きが面倒だと思った」19.7%、「どの金融機関を選べばよいかわからなかった」19.3%と続きます。

男女差で最も大きかったのは「どの商品や銘柄を選べばよいかわからなかった」で、女性38.2%に対して男性22.9%と15.3ポイントの開きが見られました。「資産運用の仕組みが難しくてよくわからなかった」も女性29.6%に対して男性19.6%と10ポイントの差があり、女性のほうが「商品理解」「仕組み理解」のハードルを高く感じていることが読み取れます。

男性は「特に不安はなかった」15.0%が女性の5.3%と比べて10ポイント近く高く、不安を感じていなかった人も一定数いる一方、「損をした話を見聞きして不安になった」は女性9.2%に対して男性20.9%と、一部の人は周りの資産運用状況を知ったことで不安を感じていたようです。

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3,商品や金融機関を選ぶポイントは「少額から始められる」「手数料が低い」

ここでは、実際に資産運用の商品や金融機関を選ぶ際に、20代社会人が何を重視しているのかを見ていきます。商品選びでは「少額」「積立しやすさ」といったハードルの低さが、金融機関選びでは「手数料の低さ」「わかりやすさ」「使いやすさ」が上位に並びました。

Q.資産運用において、あなたが商品を選ぶときに重視することを教えてください。【複数選択/5つまで】

Q16_資産運用において、あなたが商品を選ぶときに重視することを教えてください。(5つまで選択可)

(n=305 男性n=153、女性n=152)

商品を選ぶ際に重視するポイントは、「少額から始められること」24.6%が最多でした。次いで「リスクが低いこと」22.6%、「積み立てしやすいこと」20.7%、「運用実績が良好であること」19.0%と続きます。初心者でも手を出しやすく、失敗しにくい商品が求められていることがうかがえます。

男女別に見ると、女性は「少額から始められること」28.3%、「始め方が簡単なこと」13.8%、「値動きが大きすぎないこと」11.2%が男性よりやや高くなっており、比較的堅実な傾向です。

一方、男性は「配当金が魅力的であること」17.7%、「知名度の高い銘柄であること」13.7%と、リターンや知名度を意識した選び方がやや目立ちます。

 

Q.資産運用において、あなたが金融機関を選ぶときに重視することを教えてください。【複数選択/5つまで】

Q17_資産運用において、あなたが金融機関を選ぶときに重視することを教えてください。(5つまで選択可)

(n=305 男性n=153、女性n=152)

金融機関選びで最も重視されているのは、「手数料が低いこと」20.7%でした。次いで「自分に合う商品がそろっていること」17.1%、「運用状況が見やすく確認しやすいこと」17.1%、「商品や仕組みの説明がわかりやすいこと」16.7%、「口座開設や手続きが簡単であること」16.4%、「手数料がわかりやすいこと」16.1%と並びました。「手数料の低さ」「わかりやすさ」「使いやすさ」が金融機関選びの評価基準として重要であるといえそうです。

男女別にみると、女性は「セキュリティ面で安心できること」19.1%(男性11.8%)、「商品や仕組みの説明がわかりやすいこと」19.1%(男性14.4%)と、安心・親切さをより重視する傾向が見られます。男性は「手数料がわかりやすいこと」19.6%(女性12.5%) と、コスト面の透明性を女性よりやや重視する結果となりました。

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4,「金融機関の公式情報」をもとに資産運用の方法を変えたことがある人は全体の4割程度

ここでは、20代社会人がどのようなメディア・情報源から資産運用の情報を得ているのか、そしてどの情報源が実際に「商品購入・運用変更」といった行動につながっているのかを見ていきます。情報収集は書籍・YouTube・Xなど多岐に渡っており、実際の意思決定には「金融機関の公式情報」「インフルエンサー」などが影響している点がポイントです。

Q.資産運用の情報収集に使っているものを教えてください。【複数選択】

Q19_資産運用の情報収集に使っているものを教えてください(いくつでも選択可)

(n=305 男性n=153、女性n=152)

情報収集に使っているメディアのトップは、「書籍や雑誌」24.6%でした。次いで「YouTube(通常動画)」23.6%、「X(Twitter)」20.3%、「Instagram(フィード投稿)」19.0%と続きます。

書籍などの活字メディアと、YouTube・X・InstagramのSNS系が拮抗しており、複数の媒体を併用している様子がうかがえます。

男女別に見ると、男性は特に「X(Twitter)」26.1%の割合が高くなっており、女性の14.5%を11.7ポイント上回っています。また、「マンガや図解本」17.7%、「TV番組」12.4%も女性よりやや高くなっていました。女性は「両親」11.8%、「友人・知人」15.1%が男性をやや上回っており、身近な人から情報収集する傾向がやや強いようです。

 

Q.以下の資産運用の情報源をもとに、新しく商品を購入したり資産運用の方法を変えたりしたことはありますか?

Q21_以下の資産運用の情報源をもとに、新しく商品を購入したり資産運用の方法を変えたりしたことはありますか?

(n=305)

「金融機関の公式情報」をもとに商品の購入や運用方法の変更をしたことがある人(「何度もある」「1~2回はある」)は全体の38.1%にのぼりました。特に「何度もある」だけを見ても12.5%と、全情報源の中で最多です。

その他、「何度もある」「1~2回はある」の合計割合が高い順に「友人・知人」32.4%、「家族」31.8%、「SNSの投資系インフルエンサー」31.1%と続きました。

金融機関の公式情報を活用しつつ、身近な家族や友人、インフルエンサーからも影響を受けている様子がうかがえます。

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5,約8割が「今後も資産運用を続けたい」、学習意欲も高い傾向

ここでは、20代社会人の資産運用に対する将来の意向と、学びに対する意欲を見ていきます。「継続したい」「投資額を増やしたい」「学びたい」の3つの意向がいずれも7〜8割と高い水準になっている点がポイントです。

Q.今後、中長期的にみて、資産運用を続けたいと思いますか。

Q22_今後、中長期的にみて、資産運用を続けたいと思いますか。

(n=305 男性n=153、女性n=152)

中長期的に資産運用を続けたいかを聞いたところ、「続けたい」48.2%と「どちらかといえば続けたい」33.1%の合計81.3%が継続の意向を示しました。「やめたい」「どちらかといえばやめたい」の合計はわずか4.6%にとどまります。

 

Q.今後3年程度でみたとき、1カ月あたり資産運用にあてる金額は、現在と比べてどのようにしたいですか。

Q23_今後3年程度でみたとき、1カ月あたり資産運用にあてる金額は、現在と比べてどのようにしたいですか。

(n=305 男性n=153、女性n=152)

今後3年間の投資額の意向については、「増やしたい」35.3%と「やや増やしたい」41.7%の合計77.0% が増額の意向を示しました。「今のままでよい」は18.3%、「減らしたい」「やや減らしたい」は合計で3.3%です。本調査においては、すでに資産運用をしている20代社会人の投資額の伸びしろは大きいといえるでしょう。

 

Q.資産運用について学べる機会があれば、学びたいと思いますか?

Q27_資産運用について学べる機会があれば、学びたいと思いますか?

(n=305 男性n=153、女性n=152)

資産運用に関する学習意欲を聞いたところ、「学びたい」35.1%と「やや学びたい」39.3%の合計74.4%が学びへの意欲を示しました。「学びたくない」「あまり学びたくない」は合計5.6%にとどまっています。

 

Q.資産運用について、どのような媒体・方法で学びたいですか?【複数選択/3つまで】

Q29_資産運用について、どのような媒体・方法で学びたいですか?(3つまで選択可)

(n=305 男性n=153、女性n=152)

学びたい媒体・方法のトップは、「動画」33.3%でした。次いで「セミナー」26.0%、「Web記事」22.9%、「専門家や窓口担当者とのチャット」19.4%、「AI(ChatGPTなど)」19.4%と続きます。

動画コンテンツが有力な学習チャネルであることに加え、AIやチャットといった双方向型の学びも約2割が支持しており、対話しながら学べるコンテンツに関心を持つ人も一定数存在します。

男女別に見ると、女性は「セミナー」31.0%、「AI(ChatGPTなど)」23.5%、「専門家や窓口担当者とのチャット」22.8%の割合が高くなっており、逆に男性は「Web記事」29.4%の割合が高くなっています。男女共に動画が人気である一方、それ以外のチャネルでは女性はセミナー・AI・チャットなど”対話型・伴走型”の学び、男性はWeb記事など”自己完結型”の学びを好む傾向があるようです。

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  • 調査対象

    23~29歳/男女/未婚/子どもなし/正社員、公務員・団体職員/年収200万円以上/資産運用を行っている

  • 有効回答数

    305件

  • 調査時期

    2026年6月

  • 方法

    インターネット調査

共働き子育て層が求める国内旅行とは? 計画から宿泊先選びのポイント、子連れ向けサービスへの本音を調査!

共働き子育て層にとって、子どもとの旅行は新しい体験をしたり、特別な時間を過ごしたりできる大切な機会です。一方で、旅行に行くまでには宿泊先選びや荷物の準備、現地までの移動など、子連れ旅行ならではの負担も少なくありません。

今回は、直近1年に国内旅行をした共働き子育て層(首都圏在住、未就学児の子どもがいる人)を対象に、旅行の頻度や費用を調査。また、計画の立て方、宿泊先選びのポイント、子連れ向け設備・サービスへのニーズなどから、その実態を詳しく見ていきます。

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1,共働き子育て層の国内旅行は「1~2泊」、旅行頻度は「年1~2回」が主流

Q.直近1年間で行った、子連れでの国内旅行の回数を教えてください。

Q.直近1年間で行った、子連れでの国内旅行の回数を教えてください。

(n=307)

直近1年間に行った子連れ国内旅行の回数は、「2回」36.2%が最多で、「1回」29.3%、「3回」17.9%という結果でした。1〜2回旅行する家庭全体の約65を占めてことがわかりました。また、「年3回」までを含めると、8割超に達しています。子連れ旅行は、年に数回の楽しみとして取り入れられているようです。

 

Q.直近1年間に行った子連れでの国内旅行について、1回あたりの宿泊日数として最も多かったものを選んでください。

Q11_直近1年間に行った子連れでの国内旅行について、1回あたりの宿泊日数として最も多かったものを選んでください。

(n=307)

1回あたりの宿泊日数については、「1泊」43.3%、「2泊」36.5%、「3泊」15.0%という結果でした。子連れの国内旅行は1〜2泊が合計で約8割を占めており、短期間の旅行が主流であることがわかります。さらに「3泊」までを含めると約95%に達しており、多くの家庭が3泊以内で旅行をしている傾向です。

 

Q.直近1年間に行った子連れでの国内旅行について、1回あたりの平均金額(家族全体の総額)を教えてください。
※交通費・宿泊費・現地での食事代・レジャー費を含んだ、家族全体の総額でお答えください。

Q.直近1年間に行った子連れでの国内旅行について、1回あたりの平均金額(家族全体の総額)を教えてください。
※交通費・宿泊費・現地での食事代・レジャー費を含んだ、家族全体の総額でお答えください。

(n=307)

国内旅行における1回あたりの平均金額(家族全体の総額)は、「4万円以上6万円未満」17.9%、「6万円以上8万円未満」17.3%、「10万円以上15万円未満」15.6%、「8万円以上10万円未満」14.3%でした。「4万円以上8万円未満」が35.2%とボリュームゾーンになりましたが、約6割が【4万円以上15万円未満】の価格帯に集中している一方、回答は複数の金額帯に分散しています。また、15万円以上も約15%を占めており、旅行内容や宿泊日数によって費用にばらつきがあるようです。

 

Q.直近1年間に行った子連れでの国内旅行について、情報収集で利用した情報源を教えてください。【複数回答】

(n=307 内訳:男性n=140、女性n=167)

国内旅行の情報源は、SNS56.4%、「オンライン旅行サイト」53.8%の2つが中心で、「AI」26.1%、「旅行比較サイト」23.8%、「旅行会社の公式サイト」22.2%と続きました。「SNS」は写真・動画やリアルな口コミを参考にし、「オンライン旅行サイト」では料金や空室情報、口コミ評価を確認するなど、複数の情報源を使っている人が多いと考えられます。男女別で見ると、男性は「SNS」が約6割で最多、女性は「オンライン旅行サイト」56.9%が最も多くなっています。

\旅行計画でAI活用者は何を調べている? 今後の利用意向も約6割が前向き/

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2,旅行先選びは「宿泊施設で過ごす時間」を重視、旅行の目的は?

Q.旅行先を選ぶ際、宿泊施設での過ごし方と周辺の観光、どちらを重視しますか。

Q.旅行先を選ぶ際、宿泊施設での過ごし方と周辺の観光、どちらを重視しますか。

(n=307)

旅行先選びで重視することは、「どちらかというと宿泊施設で過ごす時間を重視する」39.1%が最多で、「宿泊施設で過ごす時間を重視する」と合わせると55.4%となり、半数以上が宿泊施設での過ごしやすさを重視しているようです。周辺の観光を重視する人は約3割にとどまりました。未就学児のいる子育て層にとって、宿泊施設内で子どもと安心して過ごせる環境が重要だと考えられます。

 

Q.子連れの国内旅行で、重視していることを教えてください。【複数回答/5つまで】

Q.子連れの国内旅行で、重視していることを教えてください。【複数回答/5つまで】

(n=307 内訳:男性n=140、女性n=167)

国内旅行で重視していることは、「子どもが楽しめる」36.2%、「子連れ向きの宿泊施設である」32.9%、「家族全員が楽しめる」26.7%の順でした。子どもが楽しめることを前提に、家族全員で過ごしやすい旅行先が選ばれているようです。また、男性は「お風呂・温泉が利用しやすい」23.6%や「安全性が高い」22.9%など、施設の設備面を重視している人も一定数います。一方で、女性は「アクセスが良い」27.0%、「周辺観光がしやすい」22.2%といった、外出しやすさなどを求める人も一部いるようです。

 

Q.子連れの国内旅行で負担に感じることを教えてください。【複数回答/5つまで】

Q.子連れの国内旅行で負担に感じることを教えてください。【複数回答/5つまで】

(n=307 内訳:男性n=140、女性n=167)

国内旅行で負担に感じることは、「子どもの急な体調不良」25.4%、「荷物が多くなる」25.1%、「子どもの機嫌への対応」24.8%が上位に入り、僅差で並んでいます。子どもの対応に加え、荷物が多いことによって準備や移動も負担になることがうかがえます

男女別に見ると、男性は「子どもとの食事」25.7%が最多であるのに対し、女性は「荷物が多くなる」30.5%が最も多くなりました。また、「旅行費用がかさむ」23.4%、「周囲への気遣い」18.0%なども、男性の回答率を上回っています。

\宿泊施設で困ったこと3位「周囲の宿泊客に気を遣った」、1位・2位は?/

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3,宿泊先選びのポイントは? あるとうれしい子育て層向け設備1位は「家族風呂・貸切風呂」

Q.子連れの国内旅行で、宿泊施設の予約を行う際に最もよく利用しているサービスを教えてください。

Q.子連れの国内旅行で、宿泊施設の予約を行う際に最もよく利用しているサービスを教えてください。

(n=307 内訳:男性n=140、女性n=167)

宿泊施設の予約時に最もよく利用されているサービスは、「オンライン旅行サイト」が47.6%と突出しており、「宿泊施設のWebサイト」13.0%、「旅行会社の公式サイト」10.8%を大きく上回りました。前述した通り、 「オンライン旅行サイト」は国内旅行の情報源としても約半数が活用しており、そのまま予約まで進めていることがうかがえます。また、女性は「オンライン旅行サイト」の利用が半数を超えており、支持されているようです。

 

Q.子連れの国内旅行で、宿泊先を選ぶ際に重視することを教えてください。【複数回答/5つまで】

Q.子連れの国内旅行で、宿泊先を選ぶ際に重視することを教えてください。【複数回答/5つまで】

(n=307 内訳:男性n=140、女性n=167)

宿泊先を選ぶ際に重視することは、「赤ちゃん・子ども連れへの配慮が充実していること」33.9%が最も多く、次いで「子ども向け設備・備品の充実」27.7%、「料金」26.7%となりました。料金面よりも、子どもが安心して過ごせる環境を優先する人がやや多い傾向です。また、女性は「赤ちゃん・子ども連れへの配慮が充実していること」が約4割、「子ども向け設備・備品の充実」が約3割と、いずれも男性より回答率が高くなり、子ども連れで快適に滞在できる環境をより重視しているようです。

 

Q.子連れの国内旅行で、宿泊施設にあるとうれしい子育て層向け設備を教えてください。【複数回答/5つまで】

Q.子連れの国内旅行で、宿泊施設にあるとうれしい子育て層向け設備を教えてください。【複数回答/5つまで】

(n=307 内訳:男性n=140、女性n=167)

宿泊施設にあるとうれしい子育て層向け設備は、1位「家族風呂・貸切風呂」33.9%、2位「キッズスペース・プレイルーム」31.3%、3位「子どもの安全対策設備(柵・転落防止など)」30.0%となりました。男女ともに「家族風呂・貸切風呂」が最多となり、周囲を気にせず家族でゆっくり過ごしたいというニーズがうかがえます。また、女性は「空気清浄機・加湿器」19.8%の回答率も比較的高く、子どもが過ごす空間の衛生面や快適さを重視する傾向も、一部で見られました。

\「宿泊施設にあるとうれしい子育て層向けサービス」も深掘り!/

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4,約6割が宿泊経験あり!オールインクルーシブ型施設の魅力は「料金のわかりやすさ」

Q.直近1年間に行った子連れの国内旅行で、オールインクルーシブ型の宿泊施設に泊まったことはありますか?
※オールインクルーシブ型とは、宿泊料金に食事や飲み物、アクティビティなどの料金があらかじめ含まれている宿泊施設です

Q.直近1年間に行った子連れの国内旅行で、オールインクルーシブ型の宿泊施設に泊まったことはありますか?

(n=307)

オールインクルーシブ型宿泊施設の利用経験については、「ある」61.6%、「ない」38.4%という結果でした。宿泊経験者は約6にのぼり、共働き子育て層に広く浸透している宿泊スタイルであることがうかがえます。

 

Q.子連れで国内旅行をする際、オールインクルーシブ型宿泊施設の魅力に感じる点を教えてください。【複数回答/5つまで】

Q.子連れで国内旅行をする際、オールインクルーシブ型宿泊施設の魅力に感じる点を教えてください。【複数回答/5つまで】

(n=307 内訳:男性n=140、女性n=167)

オールインクルーシブ型施設の魅力は、「料金がわかりやすい」33.6%が最も高く、「現地での飲食など追加料金を気にせず楽しめる」27.0%、「食事や飲み物代を気にしなくてよい」26.7%が続きました。料金体系のわかりやすさや追加料金を気にせず過ごせる点が主な魅力のようです。

次いで「子ども向けサービスを利用しやすい」25.7%、「館内アクティビティを利用しやすい」22.8%、「子どもだけでなく大人も楽しめる」21.5%も一定数を集め、家族で施設内のサービスやアクティビティを楽しみやすい点も支持されている傾向です

Q.今後、子連れの国内旅行で、オールインクルーシブ型宿泊施設を利用したいと思いますか。

Q.今後、子連れの国内旅行で、オールインクルーシブ型宿泊施設を利用したいと思いますか。

(n=307)

今後のオールインクルーシブ型施設の利用意向については、「ぜひ利用したい」29.3%、「やや利用したい」41.0%となり、約7割が前向きな姿勢を示しました。一方で、「あまり利用したくない」2.6%、「まったく利用したくない」1.0%にとどまり、否定的な人は少数派でした。

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5,旅行先やスケジュールは「夫婦で相談して決める」が約4割、情報収集・予約は役割分担

Q.子連れの国内旅行について、以下の各項目は誰がメインで行っていますか。

Q.子連れの国内旅行について、以下の各項目は誰がメインで行っていますか。

(n=307)

国内旅行の夫婦の役割分担について聞いたところ、【旅行先の選定】と【旅行中のスケジュール決め】は「夫婦で相談して決める」がそれぞれ約4割にのぼり、最多となりました。【情報収集】は「妻」が35.8%、【予約の手配】では「夫」が38.4%で最多でしたが、妻と夫で分散しています。一方、【旅行の荷物の準備】では「妻」が44.0%、「夫」が17.9%となり、差が見られました。

全体的に、【旅行先の選定】や【旅行中のスケジュール決め】といった旅行の方針は夫婦で相談して決めつつ、【情報収集】や【予約の手配】といった具体的な作業は夫婦で分担していることがうかがえます。一方で、【荷物の準備】は、妻が担う傾向が強いようです。

 

Q.子連れでの国内旅行前に、買い足すことが多いものを教えてください。【複数回答】

Q.子連れでの国内旅行前に、買い足すことが多いものを教えてください。【複数回答】

(n=307 内訳:男性n=140、女性n=167)

子連れでの国内旅行前に買い足すことが多いものは、1位「子どものおやつ」35.8%、2位「ミルク・離乳食など」30.0%、3位「子どもの飲み物」29.6%が上位で、子どもの食事に関するものが上位を占めました。

次いで、4位「おむつ」28.3%、5位「衣類」20.2%、6位「肌着類」17.9%と続き、日用品や着替えを準備する人も多いようです。女性は「子ども向け玩具・暇つぶしグッズ」21.0%の回答率も高く、移動時間や待ち時間なども子どもが楽しく過ごせるよう準備する傾向が見受けられました。

 

Q.子連れの国内旅行において、各アイテムについて、あてはまるものをお選びください。

Q.子連れでの国内旅行前に、買い足すことが多いものを教えてください。【複数回答】

(n=307)

子連れ旅行で利用経験が多いアイテムは、「抱っこひも(ヒップシートなど含む)」30.9%、「タブレット・動画視聴端末」30.6%でした。数回の利用経験も含めると、いずれも約7割が旅行中に使用した経験があることがわかりました。また、「コンパクトベビーカー」「チェアベルト」も、約半数が利用経験があると答えており、利用経験のない人は3割にとどまっています。

一方で、認知しているものの利用したことがないアイテムは「子どもが乗れるスーツケース」42.0%が最多で、利用経験の有無が回答者を二分する結果となりました。

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6,約4割が子連れ国内旅行のキャンセル経験あり、主な理由は「子どもの体調不良」

Q.直近1年以内の子連れ国内旅行において、旅行をキャンセルした経験はありますか。

Q.直近1年以内の子連れ国内旅行において、旅行をキャンセルした経験はありますか。

(n=307)
※各項目は小数点以下を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。

国内旅行のキャンセル経験については、「はい(キャンセル経験あり)」39.7%、「いいえ(キャンセル経験なし)」60.3となりました。直近1年以内の家族旅行で、約4割が旅行のキャンセルを経験しており、予定変更となる人は少なくないようです。

 

Q.子連れの国内旅行をキャンセルした理由を教えてください。【複数回答】

Q.旅行キャンセル保険に加入した理由を教えてください。【複数回答/5つまで】

(n=122 内訳:男性n=61、女性n=61)

国内旅行をキャンセルした理由は、「子どもの体調不良」50.8が突出して多くなりました。次いで、「宿泊先・旅行先の事情」23.0%、「感染症への不安」19.7%、同率で「家族の予定変更」「天候不良」17.2%の順で続いています。旅行の予約キャンセルしたことがある人の約半数は、子どもの急な発熱や体調不良を理由にキャンセルしたようです。

 

Q.直近1年間の子連れの国内旅行で、旅行キャンセル保険に加入しましたか?

Q40_直近1年間の子連れの国内旅行で、旅行キャンセル保険に加入しましたか?

(n=307)

旅行キャンセル保険への加入経験の有無については、「加入した」34.9%、「加入していない」65.2となりました。キャンセル保険に加入しなかった人が多数派ですが、約35%は加入しており、保険を活用する人も一定数いることがわかります。

 

Q.旅行キャンセル保険に加入した理由を教えてください。【複数回答/5つまで】

(n=107 内訳:男性n=51、女性n=56)

旅行キャンセル保険に加入した理由は、「旅行をキャンセルする可能性が高いと感じたから」30.8%、同率で「旅行代金が高額だったから」、「安心感が欲しかったから」27.1%の順で続きました。共働き子育て層は、仕事や家庭の都合による急な予定変更や、旅行費の負担に備えて入る人が多いようです。

また、「加入手続きが簡単だったから」26.2%、「予約時に案内され、そのまま加入したから」24.3%などと、手軽に申込みできる導線も加入の後押しになっていると考えられます。

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  • 調査対象

    25歳~39歳/男女/ 既婚/子どもが1人以上かつ第1子が未就学児/夫婦ともに正社員、公務員・団体職員/埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県に在住/直近1年間で子連れでの国内旅行に行った人

  • 有効回答数

    307件

  • 調査時期

    2026年6月

  • 方法

    インターネット調査

ユーザーエンゲージメントとは? 重要指標10選と向上施策を紹介

「Webサイトの訪問数は伸びているのに、売上や継続利用につながらない……」そのような課題を抱えるマーケティング担当者は少なくないでしょう。その原因は、ユーザーとの「関係性の深さ」、つまりユーザーエンゲージメントが十分に育っていないからかもしれません。

本記事では、ユーザーエンゲージメントの定義から、経営指標として重要視される理由、GA4での測定方法、明日から着手できる7つの施策、成功企業の事例までを網羅的に解説します。

もくじ[非表示]

ユーザーエンゲージメントとは?

ユーザーエンゲージメントとは、Web上におけるユーザーと自社サービス・ブランドとの関係性の強さを示すマーケティング用語です。 単なる訪問数や表面的なアクセス数ではなく、 ユーザーがサービスに対して抱く愛着や熱量、つまり「継続的な関わりの深さ」を測る概念 として位置付けられています。

具体的には、ページの閲覧・動画の視聴・ボタンのクリック・商品購入・SNSでのシェアといった、あらゆる反応がユーザーエンゲージメントに含まれます。

ユーザーエンゲージメントはLTV(顧客生涯価値)の向上や新規顧客の獲得にとって重要な概念であり、施策の成果を可視化する上でもなくてはならない指標です。

ユーザーエンゲージメントが重要視される3つの理由

ユーザーエンゲージメントが重要視される3つの理由
  • 購買頻度・購買額の増加によりLTV(顧客生涯価値)が向上する
  • SNSでの拡散・クチコミにより新規顧客獲得コストを抑えられる
  • サイトの滞在時間・回遊率の向上

ユーザーエンゲージメントが経営指標として注目される背景には、収益性・獲得効率・集客力という3つの事業メリットがあります。ここでは、それぞれの理由を解説します。

理由1|購買頻度・購買額の増加によりLTV(顧客生涯価値)向上につながる

LTVは一般的に「平均購買単価 ×収益率× 購買頻度 × 継続購買期間」で算出されます(ビジネスモデルなどによって異なります)。

ユーザーエンゲージメントが高い顧客は、ブランドへの愛着から「平均購買単価」「購買頻度」「継続購買期間」が高まりやすく、 結果として顧客1人あたりのLTV(顧客生涯価値)向上が期待できます。 

LTVが向上して既存顧客が増えることにも大きな意味があります。「1:5の法則」といい、新規顧客に販売するコストは既存顧客に販売するコストの5倍かかるといわれているのです。また、「5:25の法則」といい、顧客離れを5%改善すれば、利益が少なくとも25%改善されるという説も通説となっています。LTVを高めて既存顧客を増やし、客離れを改善することで、利益率の向上も見込めるでしょう。

理由2|SNSでの拡散・クチコミにより新規顧客獲得コストを抑えられる

エンゲージメントの高いユーザーは、自発的にSNSで商品・サービスをシェアしたり、ポジティブなクチコミをしてくれたりする傾向があります。このようにXやInstagramなどで拡散されると、広告費をかけずに新規顧客との接点を生み出し、顧客獲得コストを削減できます。 広告費をかけずに新規顧客との接点を生み出せます。 

また、既存ファンによる拡散・クチコミは、広告と比較してブランドへの信頼性が高まりやすく、指名検索や来店・購入率の向上も期待できます。

広告費の高騰が続く現在、広告依存から脱却して持続可能な成長を実現するためにも、ユーザーエンゲージメントの向上は重要といえるでしょう。

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理由3|サイトの滞在時間・回遊率の向上

ユーザーがサイト内で長く滞在し、複数ページを回遊すると、検索エンジンから「ユーザーニーズに応える質の高いコンテンツ」と評価される場合があります。結果として検索順位が向上し、オーガニック流入の増加につながる可能性があります。

ユーザーエンゲージメントを測定する主要指標10選

ユーザーエンゲージメントは目に見えない概念のため、複数の定量指標を組み合わせて可視化する必要があります。サービス形態(Webサイト・ECサイト・アプリ)によって重視すべき指標は異なりますが、まずは代表的な10指標を「行動系」「継続系」「収益系」の3カテゴリに分類して紹介します。

行動系指標(PV数・セッション時間・スクロール到達率・直帰率)

ユーザーがサイト内でどの程度アクティブに行動しているかを示す指標群です。 初回接触時の刺さり方やコンテンツの読了度合い を測ることができます。

指標 何を測る指標か
PV数(ページビュー) コンテンツへの総リーチ量
セッション時間 1回の訪問における関心度・熱量
スクロール到達率 コンテンツの読了度
直帰率 初回接触時の情報適合度

継続系指標(リテンション率・DAU/MAU比率)

一定期間内に再訪するユーザーの割合を測る指標群です。 継続的な関係構築ができているかを判断する材料 になります。

指標 何を測る指標か
リテンション率 一定期間後の継続利用率
DAU/MAU比率(スティッキネス) アクティブユーザーの訪問頻度(1に近いほど利用頻度が高い)

収益系指標(LTV・CTR・カート離脱率・フィードバック回収率)

ビジネス成果に直結する指標群で、ECサイトでは特に重要です。 ユーザーエンゲージメントを収益と紐付けて評価する際の中核 となります。

指標 何を測る指標か
LTV(顧客生涯価値) 顧客1人あたりの累計利益
CTR(クリック率) 訴求・導線の反応率
カート離脱率 購入手続きを完了しなかった割合
フィードバック回収率 レビュー・アンケート等への参加度

サービス形態別・見るべき指標の使い分け

10指標すべてを追うのは現実的ではありません。自社のビジネスモデルに応じて優先指標を絞り込みましょう。

サービス形態 特に重視すべき指標の例
メディアサイト 滞在時間・PV数・SNSシェア数など
ECサイト リピート率・カート離脱率・メール開封率など
アプリ DAU/MAU比率・平均セッション数など

GA4におけるユーザーエンゲージメントとは?

Google Analytics 4(GA4)では、従来のUA(ユニバーサルアナリティクス)とは異なり、「ユーザーが実際にページを見ていた時間」を軸にエンゲージメントを測定します。

GA4におけるユーザーエンゲージメントの定義

GA4では、 ユーザーがフォアグラウンド(画面表示中)でアクティブにページを見ていた合計秒数をエンゲージメントとして計測 します。別タブに切り替えていたり、ブラウザを最小化している時間はカウントされないため、UA時代の「滞在時間」よりも実態に即した測定が可能です(Googleアナリティクス ヘルプより)。

GA4で 確認できるユーザーエンゲージメントの指標の例

GA4の標準レポートで確認できる指標の例を紹介します。いずれも「レポート>エンゲージメント」から確認できます。

指標名 定義
エンゲージメント率 エンゲージメントがあったセッション(10秒以上継続する、キーイベントが発生する、ページビューまたはスクリーンビューが2回以上発生する)の割合
エンゲージのあったセッション数 エンゲージメントがあったセッション(10秒以上継続する、キーイベントが発生する、ページビューまたはスクリーンビューが2回以上発生する)の数
平均エンゲージメント時間 ユーザーがアクティブに操作・閲覧していた時間

ユーザーエンゲージメントを高める7つの施策

BtoC企業が実行しやすい施策を整理しました。自社でできていること・できていないことを整理し、実施しやすいものから取り入れてみてください。

施策1|検索意図に沿った価値あるコンテンツを提供する

施策の例
  • ペルソナ・カスタマージャーニーを再設計し、接点ごとの情報ニーズを言語化する
  • 検索クエリの背景にある「疑問・不安・欲求」に応える構成にする
  • 一次情報や独自データを盛り込み、他サイトとの差別化を図る

ユーザーの疑問に的確に応えるコンテンツは、滞在時間・回遊率の向上につながります。特に検索流入を主軸とするメディア型サイトでは、コンテンツの質がユーザーエンゲージメントを左右します。

施策2|UI/UX・ユーザビリティを見直す

施策の例
  • ボタン配置・余白・フォントサイズ・行間を最適化する
  • 表示速度を改善する(画像圧縮・キャッシュ活用・不要スクリプト削減)
  • 目的達成までの導線を最短化する

ユーザーが迷わず目的を達成できるサイト設計は、エンゲージメントの土台となります。表示速度は特にモバイル環境で影響が大きいため、モバイル流入が多いサイトでは改善する価値があるでしょう。

施策3|パーソナライズされた体験を提供する

施策の例
  • 属性・行動履歴に基づくレコメンドを実装する
  • メール・プッシュ通知を個別最適化して配信する
  • 「あなた向け」の情報提供で関心の維持と再訪を促す

一律の情報提供ではなく、個々のユーザーに合わせた体験を提供することで、関心の持続と再訪を促進できます。近年はAIを活用したレコメンドエンジンの導入コストも下がっており、中小規模のECサイトでも取り組みやすくなっています。

施策4|スマートフォン最適化を徹底する

施策の例
  • レスポンシブデザインに留まらず、スマホ専用の検証を行う
  • タップ操作性・文字サイズ・行間を実機で確認する
  • モバイル表示速度を個別に計測・改善する

BtoCサイトでは、スマートフォンからの流入が大きな割合を占めるケースがあります。まずはGA4やGoogle Search Consoleで自社サイトのデバイス比率を確認しましょう。スマートフォン利用者が多いサイトでは、モバイル環境のUXがユーザーエンゲージメントを大きく左右します。

施策5|フォーム最適化(EFO)で離脱を防ぐ

施策の例
  • 入力項目を必要最小限に絞る
  • リアルタイムエラー表示で入力ミスを即座にフィードバックする
  • チャットボット型EFOツールで対話的な入力体験を提供する

入力フォームの離脱率は、フォームの目的や項目数、流入経路によって大きく異なります。GA4のファネルデータなどを用いて、自社フォームの入力開始数と完了数を確認しましょう。

入力項目の削減やエラー表示の改善、チャットボット型EFOの導入は、ユーザーの負担を軽減するための選択肢となります。ただし、チャットボット型EFOがすべてのユーザーに適するとは限らないため、通常フォームとのA/Bテストを行い、完了率や入力時間を比較することが大切です。

施策6|SNS・コミュニティで双方向コミュニケーションを行う

施策の例
  • 公式アカウントによる継続的な情報発信を行う
  • ユーザー投稿の紹介・コメント返信でエンゲージメントを可視化する
  • 社員やスタッフ個人による発信で「顔の見える」ブランド体験を提供する

一方向の発信ではなく、ユーザーとの対話を通じてブランドとの心理的距離を縮めることも重要です。後ほど事例で詳しく紹介しますが、たとえば三越伊勢丹は店舗・ショップ等の公式SNSアカウントや社員の公認個人アカウントを運用し、社員個人を「メディア化」する形でエンゲージメントを強化しています。

施策7|ゲーミフィケーションで参加意欲を促進する

施策の例
  • バッジ・ポイント・ランクなどの達成感要素を導入する
  • 期間限定チャレンジで継続動機を高める
  • ロイヤリティプログラムとして体系化する

楽しみながら継続利用を促すゲーミフィケーションは、特にアプリやロイヤリティプログラムで効果を発揮します。有名な例として、スターバックスの「Starbucks Rewards」があります。

ユーザーエンゲージメント向上を成功させる3ステップ

施策を単発で実施しても、成果は出にくいものです。「指標定義→施策実施→継続的PDCA」という流れを繰り返すことで、初めてインパクトが生まれます。ここでは、ユーザーエンゲージメント向上を成功させるためのステップを整理します。

STEP1|自社に合ったエンゲージメント指標を定義する

メディア型・EC型・アプリ型など、自社サービスのビジネスモデルに応じて重視する指標を絞り込みます。全指標を追うのではなく、 KGIに最も影響する3〜5指標に絞る ことで、施策の優先順位が明確になります。

たとえばECサイトであれば「リピート率」「カート離脱率」「メール開封率」を、メディアサイトであれば「平均エンゲージメント時間」「回遊ページ数」「SNSシェア数」を軸に設計します。KGIから逆算して指標を決めることが重要です。

STEP2|指標改善のための施策を実施する

指標のボトルネックを特定し、 仮説を立てて適切な施策を選びます。 施策については前段で述べた「ユーザーエンゲージメントを高める7つの施策」を参考にしてみてください。

たとえば、検索流入ページのエンゲージメント率が他のページより低い場合、流入クエリとコンテンツ内容のずれ、ファーストビューの分かりにくさ、表示速度など、複数の原因が考えられます。1つの原因に決めつけず、ページや流入元を比較しながら検証しましょ

改善案はA/Bテストなどで検証し、エンゲージメント指標だけでなく、CVRや売上などの最終成果も合わせて確認することが重要です。

STEP3|継続的にPDCAを回す

ユーザーエンゲージメントは、施策によって短期間で変化が表れる指標と、長期的に評価すべき指標があります。CTRやフォーム完了率などは週次・月次、リテンション率やLTVは月次・四半期など、 指標の性質に応じて確認頻度を設定 しましょう。

Looker StudioやGA4の探索レポートを活用し、主要指標をダッシュボード化すると、変化を把握しやすくなります。マーケティング部門だけでなく、営業・商品開発・カスタマーサポートとも結果を共有し、改善につなげることが大切です。

ユーザーエンゲージメント向上に成功した企業の事例

実際にユーザーエンゲージメント向上に成功したBtoC企業の事例を紹介します。自社の状況に近い事例があれば、ぜひ参考にしてみてください。

三越伊勢丹|SNS活用による顧客接点強化

出典:三越伊勢丹ホールディングス公式サイト

ダイヤモンド・リテールメディアによると、三越伊勢丹は2021年の時点で店舗・ショップ等の公式SNSアカウント約270、社員の公認個人アカウント約85を運用し、 社員個人を「メディア化」する形でユーザーとの継続的な接点を創出 しています。個人アカウントの全フォロワー数は約7万7,000人まで増加し、中には1万人以上のフォロワーを持つスタイリストも存在します。

社員個人アカウント運用者の上司には、半期に1回エンゲージメント指標に基づく行動実績表が送付され、成果を上げた社員は毎年3月に表彰される仕組みも整備。組織的なインセンティブ設計がエンゲージメント施策を継続的に機能させています。

スターバックスコーヒー|「サードプレイス」の体験価値とロイヤリティプログラム

出典:スターバックスコーヒー ジャパン公式サイト

スターバックスは、コーヒー提供に留まらず、 顧客が安心して過ごせる「第3の居場所(サードプレイス)」の提供を徹底し、来店時間そのものに価値を感じさせる体験の設計を実現 しています。空間・接客の一貫性が高いユーザーエンゲージメントの土台になっています。

さらに、ロイヤリティプログラム「Starbucks Rewards」により顧客との継続接点をデジタル面でも強化。CNET Japanによると、2017年の時点で米国では会員による商品購入が売上高の36%を占めるまで成長しており、リアルの体験価値とデジタルロイヤリティプログラムを組み合わせる好例といえます。

株式会社レアジョブ|離脱ユーザーへのLINE誘導でCTR約4倍

出典:株式会社レアジョブ プレスリリース

オンライン英会話「レアジョブ英会話」を運営する株式会社レアジョブは、 サービスページ離脱ユーザーに対しLINE友達追加を促すポップアップを表示する施策を導入 しました。結果、施策開始からわずか約2週間でCTRが約4倍に改善しています(GENIEE CX Naviより)。

既存の集客チャネルに追加する形で導入できるため、リソース制約のある企業でも着手しやすい施策といえます。

まとめ

ユーザーエンゲージメントは、自社に合った指標定義・施策実行・継続改善のサイクルで積み上げる資産です。まずは自社の状況を確認し、ボトルネックとなる導線から改善を始めてみましょう。

また、既存顧客のLTV向上に加え、新たな顧客との関係構築も、長期的にユーザーエンゲージメントが高い状態をつくる上で大切です。単に情報を届けるだけでなく、ユーザーとの対話・共創を通じてファンを育てる取り組みが必要になってくるでしょう。

Z世代を対象としたエンゲージメント強化・ファン化施策に課題を感じている企業には、マイナビが提供するキョーソウPROJECTの活用も選択肢のひとつです。この施策では、Z世代の学生と企業が共同で課題に取り組むことで、リアルなマーケティングデータの取得・ファン化・ブランディング強化を同時に実現できます。エンゲージメント向上の「次の一手」として、ぜひ検討してみてください。

キョーソウPROJECT

キョーソウPROJECT

マイナビでは、Z世代のコミュニティを活用し、対話をしながら課題を解決する「キョーソウPROJECT」を提供しています。

企画を進めるなかで、企業の事業内容や商品・サービスの理解が促され、Z世代の顧客化・ファン化が期待できます。

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【後編】平成は“レトロ”ではなく“憧れ”? シール帳、平成プリから見えた10代女子のコミュニケーション消費|感情が動くマーケティング

前編では、M!LKやモナキを中心に、「共感からテンション共有へ」という変化について考察してきました。

一方で今回のランキングを見ると、もうひとつ大きな特徴があります。

それが平成レトロブームです。

モノ部門では「シール帳」が1位、コト部門では「DEAR令和&平成ウチらの伝説プリ」が3位にランクインしました。
さらにモノ部門では「トモコレ」、コト部門では「ズートピア2」や「レスラー会見」なども上位に並んでいます。

一見するとバラバラなトレンドにも見えますが、そこには今の10代らしい共通点が隠れているようです。
今回はコト部門、モノ部門を中心に、10代女子の消費行動やコミュニケーションについて考察していきます。

登場マーケターのプロフィール

中西舞

中西 舞(なかにし・まい)|株式会社マイナビ

コンテンツメディア事業本部 マーケティング部ディレクター。
大学生向けメディア『学生の窓口』の立ち上げに関わり、デジタル・アパレル・金融・食品・医薬化粧品など多様な業界の広告企画を担当。
現在は大学生をはじめとしたZ世代向け案件を中心に、年間約200件以上のプランニングおよび営業同行を行う。

桑野 好絵(くわの・このえ)|株式会社マイナビ

桑野 好絵(くわの・このえ)|株式会社マイナビ

2007年マイナビ入社。
女性向けメディアや若年層トレンド領域に従事し、現在は『マイナビニュース』『マイナビウーマン』などの広告企画を担当。
Z世代に特化した調査チーム「マイナビティーンズラボ」のプランニングやデータ解説、企業向けの講演も行う。
高校1年生の息子を育てる母として、「調査データ」と「リアルな声」の両面から若者インサイトを掘り下げている。

 

シール帳はなぜ流行ったのか

モノ部門_2026年上半期トレンドランキング

中西

まず印象的なのが、モノ部門1位がシール帳だったことです。
私たち世代からすると懐かしいアイテムですが、今の10代にとっては全く違う意味を持っているのかもしれませんね。

桑野:

そうなんです。私たちからすると「懐かしい」ですが、今の10代は平成を実際に体感していた世代ではないんですよね。
だから彼女たちにとってシール帳はレトロではなく、新しいカルチャーなんです。

中西:

ただ、単純にシールがかわいいから流行ったわけでもなさそうですよね。

桑野:

私もそう思います。シール帳の本質って、実はシールそのものではないんですよね。
「交換すること」そこに価値があります。

友達と見せ合う
交換する
集めたものを自慢する

そうしたコミュニケーションも含めてシール帳文化だったと思うんです。

中西:

なるほど。モノが流行っているというより、モノを通じたコミュニケーション、いわば「平成コミュニケーション体験」が流行ってるってことですね。
そういう意味でも今回のランキングは「平成レトロ」という言葉だけでは説明できない気もしています。

桑野:

私もそう思います。例えばコト部門3位の「DEAR令和&平成ウチらの伝説プリ」もそうですよね。
あれも単に平成風のデザインが人気なのではないと思うんです。

中西:

どういうことでしょうか。

桑野:

平成プリって、誰と撮るか、どう落書きするか、撮ったあとどう見せ合ったり交換するかまで含めて楽しかったじゃないですか。
だから今流行っているのは平成のデザインではなく、平成時代のコミュニケーション体験そのものなのかもしれません。

中西:

それは面白いですね。シール帳もプリクラも、結局は友達との関係性の中で楽しむものですから。

桑野:

そうなんです。前編では「テンション共有」という言葉が出ましたが、後編で出てくるシール帳や平成プリも、結局はその延長線上にあるんですよね。

 

平成は“レトロ”ではなく「憧れ」になった

中西:

そもそも不思議なのは、平成を知らない世代が平成に惹かれていることです。我々こそ平成世代ど真ん中じゃないですか()

桑野:

本当にそう思います()ただ、今の10代はSNSを通じて平成カルチャーに触れ続けています。

中西:

たしかに。ここ数年は平成カルチャーそのものが再評価されていますよね。
ORANGE RANGEの楽曲がTikTokで再び注目されたり、新たに公開されたMVでも平成あるあるが詰め込まれて話題になったりしてましたし。
平成を体験した世代だけではなく、平成を知らない世代がそこに反応しているのが面白いところです。

桑野:

SNSには、まさに私のような親世代や中西さんのような30代の大人たちが

「あの頃は楽しかった」
「平成最高だった」

という投稿をたくさんしています。
今の10代は、その空気感を日常的に見ているんですよね。だから平成は過去の時代というより、

なんだか楽しそうな時代

として映っているのかもしれません。

中西:

なるほど。今の10代が憧れているのは平成そのものではなく、平成マインドなのかもしれませんね。

 

なぜギャル文化は今の10代に刺さるのか

桑野:

その象徴がギャル文化だと思うんです。

中西:

確かにここ数年、平成ギャルブームも続いていますね。

桑野:

ギャル文化って、とにかくパワーがあるんですよ。好きなものを好きと言う。やりたくないことはやらない。かわいいと思ったら“かわいい”を全力で楽しむ。
周囲の目を気にするより、自分たちが楽しむことを優先する。

中西:

今のSNS環境とは少し対照的かもしれません。
今はどうしても、

空気を読む
失敗しない
炎上しない

という意識が強くなりがちです。その中でギャル文化を見ると、「自分たちが楽しければそれでいいじゃん」という強さを感じます。

桑野:

まさにそうですよね!今の10代は常に誰かとつながっていて、誰かに見られている感覚があると思います。
だからこそ、平成ギャル文化の持つ自由さや開放感が新鮮に映るのかもしれません。

中西:

つまり平成への憧れというより、パワーのある時代への憧れとも言えそうですね。

 

デジタル時代だからこそ、アナログに愛着が生まれる

中西:

シール帳人気も、そう考えると納得できますね。

桑野:

私は今回のランキングを見ていて、デジタル時代だからこそのアナログ回帰も感じました。

中西:

ここ数年アナログの魅力を再発見という風潮もありますが、特に2026年は強まっていますか?

桑野:

SNSの投稿もDMも、全部データなんですが、シール帳は違いますよね。

手で集める
交換する
残る

だから今までとはジャンルが違う愛着が湧くんですよね。

中西:

なるほど。デジタル化が進んだからこそ「自分のもの」、さらに言えば「自分だけのもの」と実感できるモノの価値が上がっているとも言えそうです。

桑野:

本当にそう思います。今の女子高生のカバンを見ていると、ぬいぐるみ、チャーム、キーホルダーでいっぱいなんですよ(笑)。
極端な話、教科書よりチャームやぬいぐるみの方が重いんじゃないかと思うこともあります。

中西:

でもそれは象徴的ですね()。モノが欲しいというより、愛着を持てるモノが欲しい。そんな気持ちの表れなのかもしれません。

 

ズートピア2は「平成コンテンツ×令和的拡散」の象徴だった

コトバ部門_2026年上半期トレンドランキング

中西:

コト部門1位のズートピア2も興味深いですね。

桑野:

ズートピアの1作目が公開されたのは2016年です。今回の調査対象だった10代女子は、当時4歳から8歳くらい。
ちょうどアニメ映画を見始める時期にズートピアの1作目で公開されたんです。私の息子もハマってアマプラでダウンロードした記憶があります。

中西:

公開が平成とはいえ、まったく知らない作品ではなく、幼い頃に触れていた作品なんですね。

桑野:

だから今回のヒットは、「小さい頃に好きだったものとの再会」という側面もあるのかもしれません。

中西:

それに令和世代がブームを広めたのも今回のランクインになった気がしますね。

桑野:

そうですね。ズートピア2は、映画がヒットしただけではないんです。
主題歌が広がる、ダンスが広がる、キャラクターが広がる、TikTok投稿が広がる。
作品そのものだけではなく、その周辺の楽しみ方まで含めて広がっていった。

中西:

なるほど。
平成のコンテンツだけど、広がり方は完全に令和ですね。

桑野:

まさにそう思います。
今の10代はコンテンツを受け取るだけではなく、自分も参加したいんです。
ズートピア2は、令和のティーンによって、令和らしい楽しみ方で再発見された作品だったのかもしれません。

 

時代は“コミュニケーション消費”の時代へ

中西:

こうして見ていくと、モノ部門のランキングは全部バラバラのようで共通していますね。

桑野:

そうなんです。どれもコミュニケーションのきっかけとなるモノが人気なんです。

中西:

確かに女子高生の座談会でもドバイチョコ餅も「食べた?」「どこに売ってた?」みたいなコミュニケーションが生まれてましたよね。
つまり今の10代は、モノを消費しているのではなく、コミュニケーションを消費している。そう考えると、今回のランキングが一本につながりますね。

桑野:

本当にそう思います。

 

「広さ」より「深さ」へ、10代が求める心地よい共有とは

中西:

今回のランキングは、単なる「何が流行ったか」ではなく、「今の10代は、どんな時間を誰と共有したいのか」を映し出したランキングだったのかもしれません。

桑野:

確かに、「みんなに見てもらう」よりも、「仲のいい友達と一緒に楽しむ」ことを大事にしている印象がありますよね。

中西:

そうですね。また、「誰と楽しみたいか」の輪郭も少しずつ変わってきているように感じます
顔の見える範囲の友達との何気ない共有に、心地よさや価値を見出している。そんな空気感が今回のランキングにも表れていました。

桑野:

平成ブームもそうですし、「ぷりきゅきゅ」のような言葉もそうですが、「わかる人同士」でその場で盛り上がる感覚がありますよね。

中西:

手の届く距離だからこそ通じる空気や、同じ時間を一緒に味わう感覚が、今の10代にとっての楽しさの軸になっているのかもしれません。

桑野:

SNSがあるからこそ、逆に身近な友達との共有や、一緒に盛り上がれる空気感の価値が高まっているのかもしれませんね。

中西:

そうした流行の背景には、「広さ」よりも「深さ」を大切にする価値観の変化が静かに流れているように思います。

桑野:

「たくさんの人に知られること」よりも、「好きな人たちと一緒に楽しめること」。そんな価値観が、今の10代のトレンドを形づくっているのかもしれませんね。

中西:

そして、この「広さより深さ」という価値観は、流行のランキングだけでなく、10代の日常そのものにも表れているように感じます。
限られた友達同士でつながるサービスや、身近な人とリアルを共有するコミュニケーションが支持されている背景にも、同じ流れがあるのではないでしょうか。

桑野:

確かに、SetlogBeReal.、位置情報アプリなども、まさにそうした価値観の延長線上にありそうですね。

中西:

そうですね。次回はトレンドランキングを少し離れて、そうしたサービスを切り口に、「広くつながる」から「深くつながる」へと変化する10代のコミュニケーションを掘り下げていきたいと思います。2026年後半に向けて、新たな発見が見えてくるかもしれません。

桑野:

ぜひ、引き続きマイナビティーンズラボのトレンドランキングや記事をチェックしていただけるとうれしいです!