Z世代マーケティングとは? 成功事例と効果的な戦略7選を徹底解説

Z世代は「SNSネイティブ」とも言われ、これまでの世代とは異なる特徴や、独自の価値観を持っていると考えられています。彼らにどのようにアプローチすればいいのか、訴求の仕方に悩むこともあるでしょう。

この記事では、Z世代の定義から特徴、マーケティングで成果を得るための戦略、注意点、成功事例などを詳しく紹介。Z世代マーケティングの基礎知識を得ることができます。

Z世代とは

まずは、Z世代がどのような世代か、他世代との比較を交えつつ説明します。

 

Z世代の定義

Z世代は、おおよそ1990年代半ばから2010年代序盤に生まれた世代のことを指します。現在では10代前半~20代後半(2024年時点:14歳~29歳の人が当てはまり、日本では人口の15%にあたる1,800万人ほどが該当します。

幼少期の頃からPCやスマートフォン、タブレットを利用して情報収集し、SNS上でのコミュニケーションにも積極的。さまざまな価値観に触れているため多様性を尊重しつつ、自分自身の個性も大切にしています。好景気を経験したことがないため消費には保守的ですが、自分にとって価値があるものには惜しまずに消費する傾向です。

Z世代(Generation Z)という呼び方は、全世界で共通して使用されています。

 

Z世代とX世代、Y世代、α世代

X世代、Y世代、Z世代と、α世代の年表

1965年代以降は、「X世代・Y世代・Z世代・α世代」と区分され、世界共通の呼称です。各世代にはそれぞれ異なる社会情勢があり、人々の価値観に多少の影響を与えているでしょう。ここでは、社会的背景や世代の特徴、デジタル環境について言及していきます。

X世代は、高度経済成長期・バブル時代好景気に生まれてきたため、物質的な豊かさを重視。社会人後にインターネットが出始めたことから、TVや新聞・雑誌などマスメディアの情報への信頼度が高い傾向です。一方でY世代は、バブル崩壊や就職氷河期を経験し、現実主義で保守的インターネットの発展とともに成長しており、デジタルリテラシーが高いとされています

 

Z世代・α世代の共通点と違い

Z世代とα世代はともに幼少期からデジタル環境で育っていますが、SNSの普及とともに育ったZ世代はSNSネイティブ、デジタルリテラシーが高いミレニアル世代を親に持ち、AIやメタバースも使いこなすα世代は高度なデジタルネイティブと考えられています。

双方とも学校での教育により、環境問題社会的問題にも関心が高いのが特徴。コスパタイパを求める傾向も共通していますが、より「タイパ」重視で行動しているのがα世代と言われています。

合わせてチェック!

「団塊の世代」から「α世代」まで、各世代の社会的背景や特徴・価値観についてより詳しく言及し、まとめました。マーケティング活用の参考になる情報が満載です。

参考記事:【各世代の特徴一覧】価値観の違いや効果的なマーケティング方法を比較

 

Z世代マーケティングが重要な理由

Z世代は世界経済を大きく動かす存在として、注目が集まっています。

近年、Z世代は社会人として働く割合が増えてきており、いずれ労働力の中心になるでしょう。世界規模で見ると、Z世代の割合は全人口の25を占めており、2031年までにZ世代の収入が世界の約25%以上に達するとの見解も。したがって今後50年間において最大の消費者層となることが予測されています。

またSNSネイティブであるZ世代は、高い情報発信力も持ち合わせています。SNSの利用者は年々増加しており、消費行動への影響も増していることからも、彼らのSNS上の情報発信力は重視されています。

 

Z世代の特徴・価値観・消費行動6つ

Z世代の特徴・価値観・消費行動6つ

Z世代の主な6つの特徴に注目し、価値観や消費行動について詳しく解説します。

Z世代の主な6つの特徴

・SNSネイティブ
・自分らしさ重視
・社会問題に興味
・体験重視
・タイパ
・慎重派

【1】SNSネイティブ

Z世代は学生時代からスマートフォンを保有しており、SNS上で友人とのコミュニケーションを楽しんできました。相手の時間を奪うことへの配慮から、電話よりもメッセージのやりとりが多い傾向で、絵文字やスタンプなども活用し、コミュニケーションを大切にします。SNSではグループコミュニティを作って、複数人と交流するのがスタンダードでしょう。

また、情報収集をする際にもSNSを活用。ニュースやイベントなどリアルタイムの情報収集ならX(Twitter)商品についての情報収集ならInstagramYouTube企業に関する情報収集にはFacebookなどと、SNSを複数使い分けたり、口コミやレビューを見たりすることで情報精度を高め、意思決定をしているようです。

Z世代社会人の特徴は?

マイナビのマーケティング・広報ラボでは、新社会人を対象に、SNS上での情報収集に関する調査を実施。Z世代が普段何を検索しているのか、よく調べるジャンルやSNSの使い分けなど詳しく解説しています。

参考資料:SNS上での情報収集と広告に対する感じ方 ~新社会人編~

 

【2】自分らしさ重視

Z世代は幼少期からインターネットを通じて、多くの情報や知識を得たり、さまざまな価値観に触れたりしながら成長してきました。そのため多様性を尊重しつつ、個性や自分らしさも重視する傾向が強いとされています。

またインターネットやSNSによって、自分の関心のあるものや好きなものに共感してくれる人に簡単に出会えるようになりました。共通点のある人と気軽につながり、交流できるようになったことで、好きなものへの愛着がさらに深まっているのでしょう。自分の好きなものや価値観が明確になり、“自分らしさ”を重視しています。

 

【3】社会問題に興味

SDGsやエシカル消費に関する興味や取組状況(年齢層別)

出典:消費者庁「令和4年版消費者白書」より

 

SDGsやエシカル消費に関する取組に興味を持ったきっかけ(年齢層別)

出典:消費者庁「令和4年版消費者白書」より

出典元:消費者庁「令和4年版消費者白書」第1部 第2章 (1)若者のSDGs・エシカル消費・サステナブルファッション等への認知・興味

消費者庁の調査によると、SDGsやエシカル消費に関する興味や取組状況について「興味はある」と答えた層が10代後半では55.4%、20代では50.2%という結果にZ世代の半数近くが興味を持っており、全体よりも高い割合を占めました。

またSDGsやエシカル消費に「興味がある」と回答した人に対して、きっかけを聞くと、10代後半で「学校での教育」78.9%、20代では「報道(テレビや新聞、雑誌、インターネット等)」66.7%小学校~高校で新学習指導要領」が導入され、SDGsについて学ぶ機会が作られたことから、社会問題への意識が高いと言われています。

 

【4】体験重視

Z世代は「体験」を重視する世代とも言われています。生まれた頃からモノがあふれ、Web上での買い物も便利で快適になっていく中、あえてその時にその場所でしか経験できない体験」「自分だからこそできる特別な体験」も求めています。

例えば、Z世代の間で話題となった蛍光マーカーの「マイルドライナーのもと」は、ペン先に蛍光インクを付けながら描くのが特徴。インクを付けるとグラデーションのように発色し、色を自在に変化させられることから人気に。自分のアイディアや工夫などができる「体験」に価値を見出します

 

【5】タイパ

Z世代はタイパ重視で、情報収集を効率的に行うのが得意です。「どうすれば時間を効率的に使えるのか?」を考えて、無駄な時間を省いています。TikTokやYouTubeショート、切り抜き動画など、尺が短いショート動画を好む傾向。より詳しく知りたいものはYouTubeなどでも視聴しますが、倍速で視聴し、効率性を高めています

また、Web上の音声コンテンツが聞ける「ポッドキャスト」ユーザーの3割は、Z世代が占めています。別作業をしながらポッドキャストを聞くなどと、スキマ時間を有効活用しているようです。

Z世代のSNS利用実態

Z世代のSNSの利用時間と主要SNSの利用率について、傾向をチェック!  SNS上での推し活から買い物、トレンドチェックなど、行動パターンまで詳しく紹介しています。

参考記事:Z世代のSNS利用率は? 情報収集・使い分けの特徴も徹底解説

 

【6】慎重派

Z世代は日本の好景気を経験したことがありません。消費活動に対しては非常に慎重で、買うかどうか判断する情報収集も徹底的に行います。気になる商品を見つけると、SNS上で実際に商品を購入した人の口コミやレビューをチェック。さらにYouTubeなどで商品の実用例や活用方法を見て、本当に必要かどうかを判断します。

消費活動に対しては慎重ですが、価値があると感じたものには消費することがZ世代の特徴。好きなブランドは長く愛用し、リピートする傾向ですし、社会や地球環境に配慮したエシカル消費などにも前向きです。

 

Z世代マーケティングの成功戦略7選

Z世代マーケティングの成功戦略7選

1.チャネルの使い分け

Z世代は状況に応じて、SNSを上手く使い分けて情報収集しているのが特徴。そのため、ターゲット層に合わせてSNSのチャネルを使い分けることが重要です。ここでは簡単に一例を紹介します。

「YouTube」:興味喚起 

商品レビューや活用方法、 ストーリーブランディングなど

 

「X( Twitter)」:最新情報、キャンペーン

商品の発売など最新情報、プレゼントキャンペーンなど 

 

「Instagram」:認知拡大

商品の紹介やレビュー、ブランディング、キャンペーンなど

 

「TikTok」:トレンド

チャレンジ企画など、エンタメ性の高いコンテンツなど

 

2.トレンド

Z世代は情報感度が高く、日頃からトレンドチェックも欠かさずしています。トレンドはSNSから生まれる傾向が強いでしょう。

リアルタイムで「今人気のハッシュタグは?」、「SNSでどのような話題が注目されているのか?」を調べて、トレンドを把握した上で戦略を立てていくことが大切です。トレンドを取り入れることで、エンゲージメントも高めやすくなるでしょう。

 

3.口コミやレビュー

Z世代は広告よりも、インフルエンサーやユーザーの口コミやレビューを見て、購入の判断をするのが特徴。ユーザー発信のコンテンツ(UGC)参考にしているため、多くの意見を集めるのが大切です。

商品のレビュー投稿をしてくれた人に対して、割引クーポンやオリジナルグッズをプレゼントするのは、よく使われている手法です。レビューの中には評価が低いものも出てくるかもしれませんが、担当者が丁寧に対応することで企業の姿勢を見せたり、製品・サービス改善に活かすことも大切です。

 

4.インフルエンサー

Z世代は好きなインフルエンサー発信の情報への信頼度も高く、影響を受けやすい傾向。インフルエンサーが紹介していた商品・サービスが気になり、購入を決断するという人も多く、購買への影響力は大きいとされています。

インフルエンサーは、フォロワーに響く言葉や表現を発信するのが得意です。企業とコラボすることで、認知拡大・販売促進を狙うことも可能でしょう。企業が依頼するときは、コラボの目的や目標を共有する程度に留めて、インフルエンサーのキャラを活かして情報発信してもらう方が、より高い効果を見込めるかもしれません。

最新の人気インフルエンサー

今最も10代女子に影響力のあるインフルエンサーを【ライフスタイル・商品レビュー・大食い】の部門別にランキングで紹介。最新トレンドをキャッチアップしましょう!

参考記事:【2024年10月版】10代女子が選ぶインフルエンサーランキング

 

5.信頼性の高い情報

幼少期からPCやスマートフォンを使いこなしてきたZ世代は、情報収集を得意とし、情報の真偽や妥当性を判断する力が長けています。

企業は正しい情報を公開し、エビデンスを掲示したり、専門家からの評価や推薦コメントを用いて、情報の信頼性を高めるのが大切です。ユーザーからのレビューやUGCも、企業への信頼につながりやすいため、数多く集まる工夫をしましょう。 

 

6.購入までの導線

Z世代はSNS上で気になる商品を徹底的に調べるため、そのままSNS経由で商品購入までの導線を作ると購買につながりやすくなります

例えばInstagramにはショッピング機能があり、InstagramからWebサイトに移行し、決済までスムーズにできるため、購入促進につながっています。またクレジットカード決済だけでなく、デジタルウォレットや後払いサービスなど、支払い方法に選択肢をもたせるのも有効です。購入に悩んでいる人を後押しするチャットサポートの活用もおすすめです。

 

7.シェアしたくなるコンテンツ

Z世代はSNSを利用し、リアルタイムの出来事や感情を友人とシェアするのが日常。シェアすることも、自己表現の一部として考えています。人気のキャンペーンなどで「どんな投稿がシェアされるのか」分析しつつ、コンセプトを決めてコンテンツを作成しましょう。

シェアしてもらうことで、従来のターゲット層とは異なる新規層にもアプローチが可能に。人気傾向は常に変化しますが、インパクトのある画像や、エンタメ系やライフハック系コンテンツ、ユーザー参加型の投票キャンペーンやコンテストなどは定番で、拡散されやすい傾向です。

主要SNSのPR戦略は?

X(Twitter)やInstagramなど、主要のSNSの特長に沿ったプロモーション手法について解説します。成功のポイント6つも合わせて把握しておきましょう。

参考記事:SNSプロモーションとは? メリット・効果的なコツ・成功事例を解説

 

Z世代マーケティングの注意点

Z世代マーケティングを進める上で、注意点を2つ紹介します。

 

表現への配慮

Webやオープン型のSNSは、多くの人が自由に閲覧できる状態であるため、誰が見ても不快な気持ちにならないか、多様な価値観に配慮することが大切です。特にSNSは拡散性が高く、炎上トラブルがあったときにはすぐに情報が拡散され、悪い情報が一気に広がってしまうため十分に注意しましょう。

Z世代に限らず、「多様性」はセンシティブな問題です。誤解を招く発言や偏見を助長したりする表現などがないか、ダブルチェックをしたり、あらかじめガイドラインを作成しておくのも一つの手です。

 

PR表記

2023年10月から景品表示法の法改正で、ステルスマーケティングが禁止されました。企業が第三者を装って商品を宣伝したり、第三者に宣伝方法を指示したりする場合は「PR」と表記しなければなりません。景品表示法に違反した場合は、「1年以下の懲役」または「300万円以下の罰金」のペナルティを受けることになります。

ステルスマーケティングは、ユーザーからの信頼も損ねてしまうでしょう。規制内容は必ず詳細をきちんと把握しておいてください。

 

Z世代マーケティングの成功事例

Z世代マーケティングの成功事例を3つ取り上げ、ポイントを解説していきます。

 

貝印×マイナビ

貝印×マイナビ「キョ―ソウプロジェクト」

マイナビ「学生の窓口」では、【貝印の「紙カミソリ」をみんなに広めよう!プロジェクト】を行いました。

 

大学生が「紙カミソリ」を広めるには?を議論し、56個のアイデアが誕生。そこから2つのアイディア「映える紙カミソリ専用自動販売機」と「受験のお守り紙カミソリ」に絞り込み、どちらのアイデアを実現化して欲しいか、X(Twitter)で投票キャンペーンを実施しました。

 

投票型により、多くのZ世代の意見を即時に集めることができ、最終的に商品化まで実現。同世代のアイデアから生まれた商品は注目度も高く、口コミも広まりやすいため、商品の認知向上にもつながりました。

企画の詳細はこちら!

貝印と取り組んだ「マイナビのキョーソウ PROJECT」は、企業とZ世代をつなぎ、Z世代のアイデアを起点に社会に反映していく新しい取り組み。大学生との実際の活動内容を紹介しています。

参考記事:Z世代×貝印「紙カミソリ」~キョーソウPROJECT編~

 

カンロ「マロッシュ」×インフルエンサー

マロッシュ公式サイト

出典:マロッシュ「弾力最適解」ブランドサイト

カンロの「マロッシュ」は、Z世代をターゲットにした新感覚お菓子。グミのような弾力のある食感から、食べているうちにマシュマロのようにふわっとする食感に変わるという「体験価値」に重点をおき、TikTokでプロモーションを実施しました。

 

「15秒でマシュマロになるグミ?」というコンセプトにちなみ、人気インフルエンサーが15秒のオリジナル音源に合わせてマロッシュを食べ、食感の変化に驚く様子を投稿。マロッシュの不思議な食感が伝わってくる動画は「食べてみたい!」と反響を呼び、同様のUGCも多く作られました。

 

意外性のある特別体験と、誰でも簡単に真似できるコンテンツによって、UGCの拡散につながりました。

 

サントリー「BAR Pomum」×共感型

出典:サントリー公式HP

出典:サントリー公式HP

サントリーは、Z世代・若年層向けのお酒「BAR Pomum」で、“エモい”宅飲みエピソードを募集するキャンペーンプロモーション「6%の照れ隠し」を実施しました。

 

応募エピソードが優秀作品に選出されると、人気イラストレーターがイラスト化。さらにイラストは全国のドン・キホーテの店頭POPとして掲示されるというプレミアムな特典を付け、参加者の応募を促しました。

 

Z世代にとって「エモい」は自分ごと化しやすく、SNSでのシェア率も高い傾向。同キャンペーンのエピソードは多くの共感を呼び、シェアすることで自分らしさも出すことができ、人気を集めました。

まとめ

「SNSネイティブ」のZ世代は、日常のコミュニケーションや情報収集、消費行動など、SNSから多大な影響を受けていることがわかりました。Z世代マーケティングにもSNSの活用は欠かせないでしょう。Z世代のインサイトを捉えるには、一緒にプロモーション方法を考えるのもおすすめです。


Z世代の認知拡大に! マイナビのキョーソウPROJECT

キョ―ソウPROJECT

マイナビのキョーソウプロジェクトは、Z世代の認知拡大・新規顧客化を狙いとしたプロモーション施策です。企業からの課題に対し、Z世代のメンバーがアイデアを提案、企画書として仕上げます。

プロジェクトを通して、企業の理念や商品・サービスに込められた思いを伝えることも可能。Z世代のリアルな声を反映できる新しいプロモーション施策です。

キョーソウプロジェクトを見る

SNSブランディングとは? 基礎知識から進め方、成功のコツまで解説

 SNS利用者は年々増加しており、最新トレンドや役立つ知識、エンタメ性の高いコンテンツなど魅力的なアカウントもたくさんありますよね。人気アカウントになると注目度も高く、消費の面でも大きな影響をもたらすことがあるでしょう。SNSはブランディングに適しており、個人も企業にも欠かせないツールとなっています。

この記事では、SNSブランディングの基本知識から進め方、成功のコツまでご紹介。具体的な成功事例も取り上げて解説しているので、SNS運用の参考にしてみてください。

SNSブランディングとは

SNSブランディングとは

SNSブランディングの概要

SNSブランディングとは、SNS上でブランド(競合他社と区別するための言葉やデザイン)を表現して、企業の価値を多くの人に知ってもらったり、消費者との関係を強化したりするためのマーケティング戦略のことです。

現代では市場の飽和により、製品やサービス自体の差別化が難しくなりつつあります。そのような社会的背景もあり、ブランドの認知拡大や信頼性を高めるために、さまざまな企業がSNSブランディングに取り組んでいます。

 

SNSブランディングが重要な理由

SNSブランディングが重要視されている理由は2つあり、SNS利用者数が増えている点消費者の購買プロセスが変化した点です。

総務省のデータによると、日本のSNS利用者数は1億580万人(2023年)で、2028年には1億1,360万人まで増えると予測されています。世界のSNS利用者数も49億人(2023年)から60億5,000万人(2028年)との増加予測が出ています。SNSは日常のコミュニケーションツールとして定着し、さらに増加傾向は続くようです

またスマートフォンの普及とSNSの浸透により、消費者はWeb上で情報収集し商品を購入する傾向も強まっています。特にZ世代やα世代SNSの商品紹介や口コミ・レビューなどを活用し買い物をすることが主流のようです。

このようにSNS利用者数の増加と消費行動の影響を受け、企業もSNSでの情報発信は欠かせなくなっています。

総務省「令和6年 情報通信分野の現状と課題」

Z世代がSNSで調べている情報は?

マイナビ マーケティング・広報ラボ「情報収集についてのアンケート」

マイナビ マーケティング・広報ラボ「情報収集についてのアンケート」より:22歳‐25歳/正社員または公務員・団体職員/n=489件/2023年12月4日~2023年12月18日

 

マイナビのマーケティング・広報ラボの調査によると、Z世代の社会人はX(Twitter)について「推し」の情報収集での活用が大半。グルメや美容、音楽など好きなものの情報を調べているようです。そのほかInstagramやYouTube、TikTokなどのSNSについても、どのように使い分けをしているのか詳しく調査しました。

参考記事:SNS上での情報収集と広告に対する感じ方 ~新社会人編~

 

SNSブランディングの進め方

SNSブランディングの進め方

1.競合調査

まずは自社のポジショニングを決めるために、競合調査を行いましょう。 競合他社の製品、サービス、価格、販売戦略、評判などの情報を収集した上で、自社の強み・弱みを分析します。 そこから「3C分析」と「SWOT分析」を用いて自社のポジショニングを行います。差別化できる要素を見つけることがブランディングの第一歩です。

【3C分析】
「顧客(Customer)、自社(Company)、競合(Competitor)」の3つの観点から、状況を把握する

 

【SWOT分析】
状況を把握した上で、自社の「強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)」を明確にする

続いて、競合のSNSアカウントを調査します。フォロワー数や投稿頻度、投稿時間、投稿内容、エンゲージメント数などを詳しく見ていきましょう。競合が「どの時間帯にどんなターゲット層を狙って、どのような投稿を行っているのか」を把握することで、自社はどの層を狙っていくのか考えるヒントになり、コンテンツ作りもスムーズに進めやすくなります。

 

2.ブランドコンセプト設定

次に、ブランドコンセプトを決めます。ブランドコンセプトとは、ブランドが大切にしている想いを明文化したものです。ブランド誕生の歴史や商品・サービスの特徴、創業者の想いなどに沿って、ビジュアルイメージやスローガン、コミュニケーションスタイルを決めて、ブランドコンセプトを設定していきます。

ブランドコンセプトは特に大事な要素で、コンセプトに沿ったメッセージを示すことでより効果的に訴求しやすくなります。一貫したメッセージを届けることで、ユーザーからも認知されやすくなり、共感信頼安心感を生み出します。次第に愛着へとつながりブランドが強化されていきます。

 

3.ターゲット設定

3番目に、ターゲットを設定します。すでに販売実績がある場合は、CRM(顧客管理システム)のデータを分析して、どのような人が商品を購入してくれているのかを洗い出しましょう。もし販売実績がない場合は商品モニターやアンケート調査を行うことで、商品購入の意欲がある人を仮説立てをするのもおすすめです。

またデモグラフィック情報(年齢、性別、地域、職業など)や、サイコグラフィック情報(興味、価値観、ライフスタイルなど)を収集しましょう。それらの情報を収集した上で、架空の人物像「ペルソナ」を1つ作ります。具体的なペルソナを作ることで、「どのようなクリエイティブに興味をもってくれるか?」、「どのようなメッセージを届けるべきか?」などと、目指すべき方向が明確に定められるようになります。

 

4.クリエイティブ制作

ブランディングの方向性がブレないように、ブランドカラーやフォント、ロゴ、画像などを指定したガイドラインを作成しておきましょう。ブランドガイドラインを作成しておくことで、コンテンツに統一感を持たせることができます。

コンテンツを制作する際は、ターゲットの興味やニーズを把握するために、市場調査を行うのも有効。大切なことは、ターゲットの興味が湧いたり共感したりする「響くコンテンツ」作りです。エンターテイメント性を重視した投稿やライフハックなどの役立つ投稿、ブランドの舞台裏を紹介する製品開発ストーリーなども効果的です。また、写真やイラストなどクリエイティブのクオリティにこだわると目を惹きやすく、印象にも残ります。

 

5.効果測定

SNS上でコンテンツを配信したら「リーチ数」「クリック数」「いいね数」「保存数」「コメント数」などパフォーマンスを分析して効果測定しましょう。SNSのビジネスアカウントにはアナリティクスツールがあり、リアルタイムでパフォーマンスの分析ができます。

オーディエンスを年齢や性別に分けて分析すると、どのような人が反応しているのか傾向がつかめ、マーケティング戦略を最適化することが可能です。反応が悪い場合は、画像や写真を変更したり、投稿のタイミングを調整したりなどと、少しずつ変えてみて細かく数値の変化を見ていきましょう。

改善方法がわからない場合は、SNSで今どんな情報が拡散されているのか、リアルタイムのトレンドや「いいね」数の多い人気の投稿を参考にしてみてください。

 

SNS選定の仕方

SNS比較表「SNS選定の仕方」

SNSブランディングを成功させるためには、ターゲットに合わせたSNSの選定が大事です。ここではSNS運用にあたって、それぞれのメインコンテンツをもとに「投稿しやすさ」、「ブランディング」、「拡散性」、「炎上リスクの低さ」の5つの観点で比較してみました。

 

LINE

国内のSNSユーザー数1位で、「友だち」登録している潜在層に対して情報発信できるのが。短文のメッセージや画像、動画などコンテンツの種類も幅広いため投稿はしやすく、炎上リスクも低いです。他のSNSと比較すると拡散性はあまりありませんが、「友だち」登録してくれたユーザーと定期的に接点を持つことができます。

 

YouTube

国内のSNSユーザー数2位で、幅広い年代層が利用。動画の作成に時間やコストがかかるため投稿のハードルは少し高めでしょう。一方で動画コンテンツは情報量が多く印象に残りやすいため、ブランディングをしやすいのがメリット。拡散性はやや低いですが、リンクが共有され他のSNSで注目を集めることも。炎上には注意が必要です。

 

X(Twitter)

X(Twitter)は140文字以内の短文投稿がメインのため、気軽に投稿が可能即時性と高い拡散力があるのが特性で、速報ニュースや話題性のある情報をリアルタイムで届けられます。画像や動画なども入れられ投稿しやすい反面、他のSNSと比べると炎上しやすいため、誤解を招く表現がないか投稿前の確認は必須です。

 

Instragram

ビジュアル重視のオシャレな画像がメインで、女性ユーザーが多いのが特徴。拡散性はあまりありませんが、画像や動画コンテンツで独自の世界観を作りやすく、ブランディングや消費につながりやすいのが強みです。ステルスマーケティングでの炎上が多いため、投稿内容やPR表記の方法などのルールは十分に理解しておきましょう。

 

Facebook

1人1アカウントの実名登録制のSNSで、炎上リスクも低く、情報の正確性信頼度が高いのが利点です。30代以降のユーザー層がメインで、画像と文章で「しっかり読む」コンテンツが多い傾向のため、ある程度作りこんだ投稿が必要になるでしょう。

 

TikTok

ショート動画がメインで、スマホで動画の加工や編集が簡単にできるため、投稿は比較的しやすい傾向です。X(Twitter)と同様に拡散性が高くバズりやすいため、1度注目を集めると継続的に話題になり、トレンドを生みやすいでしょう。ブランディングにも適しています。

各SNSのユーザー層は?

SNSの選定にあたり、それぞれのSNSの特性やユーザー層も把握しておくことが大切です。主要なSNSの年齢層や利用目的なども詳しく解説しているので、ターゲットに合ったSNSを見つけましょう!

参考記事:【2024年版】主要SNSの年齢層を比較! 利用率や特徴、最新の傾向は?

 

SNSブランディングのメリット・デメリット

SNSブランディングをする上で、メリット・デメリットを押さえておきましょう。

メリット

・認知度向上
・低コスト
・ユーザーとの交流
・UGCの創出

SNSブランディング4つのメリット

 

認知度向上

SNSはリツイートなどの機能により、瞬時に情報が拡散されることが大きなメリットです。ユーザーに情報拡散してもらえれば、フォロワーだけでなく商品やブランドを知らない人にも効率的にリーチでき、認知度が向上します。トレンドのハッシュタグの活用や、人気企画を取り入れたコンテンツを投稿することで、情報拡散を図り、多くのユーザーにリーチすることが可能でしょう。

また、商品に魅力を感じたユーザーが、SNS上で「〇〇の商品が欲しい」、「〇〇の商品がかわいい!」などと投稿すれば、自然な形で認知度を高めることもできます。このような拡散性により、多くの人に商品やブランドを知ってもらいたいときに効果を発揮します。

 

低コスト

SNSは通常の投稿もビジネスアカウントの開設も無料でできるため、初期費用無しで気軽に始められます。投稿を分析するツールも基本的に無料ですが、X(Twitter)は有料のサブスクリプションサービスも展開しており、プラン別で便利機能を利用することもできます。

またSNSで広告を出稿する場合も、従来の広告よりも費用をおさえて掲載でき、低コストで運用可能です。広告配信されたコンテンツでもリツイートされた分には広告費が発生しないため、バズる人気コンテンツを制作できれば、低コストで多くの人にリーチできます。

 

ユーザーとの交流

SNSを通じて、ユーザーと直接コミュニケーションがとれるのもメリットです。ユーザーから「いいね」や「コメント」を受け取ることができ、リアルタイムでユーザーの反応や意見を把握できます。時には悪い反応もあるかもしれませんが、ネガティブな意見こそ製品やサービスの改善に役立つ貴重な意見にもなります。

ユーザーからのコメントに返信すれば、企業やブランドへの親近感をもってもらいやすくなりますし、ユーザーの声をダイレクトに取り入れて新商品のアイディアや製品の改善に活かせば信頼関係を深めることもできるでしょう。ユーザーが参加しやすいキャンペーンなども交流が深まり、効果的です。

 

UGCの創出

SNSのUGC(ユーザー生成コンテンツ)は、特別な価値を生み出します。UGCはユーザーの本音率直な意見が反映されており消費者目線の信頼感のあるコンテンツ」として、他のユーザーから共感や信用が集まりやすくなります。広告やプロモーションより自然な形で魅力を広めることができ、新規顧客の獲得にもつながりやすいでしょう。

SNS上でのキャンペーンやコンテストの開催は、UGCを作ってもらいやすくなり、おすすめです。企業の公式アカウントがUGCに「いいね」やシェアすることも有効で、ユーザーのモチベーションにもつながりますし、信頼性が向上します。

Z世代のSNS実態

SNSネイティブとも言われるZ世代は、自ら情報発信も盛んに行うのが特徴です。SNSの使い分けや消費行動の傾向も把握しましょう。

参考記事:Z世代のSNS利用率は? 情報収集・使い分けの特徴も徹底解説

 

デメリット

・SNS運用の手間
・炎上リスク

SNS運用の手間

SNSの運用は日々管理が必要になり、非常に手間がかかります。コンテンツの定期的な配信やコメントの返信をはじめとして、SNSで今どんなコンテンツが人気なのかトレンドチェックをしたり、新機能が追加されたら実際に試してみたり、配信したコンテンツの効果測定をして改善策を考えたり…などと、多岐にわたります。

アカウントを開設したもののリソース不足に陥り、運用停止となることもよくあります。あらかじめSNS運用は手間がかかることを理解した上で、運用代行を検討するのも一つの手です。

 

炎上リスク

SNSを運用する際には、あらかじめ炎上への対策を決めておきましょう。SNSはあらゆる人が自由に閲覧しているため、不適切な表現差別的な言葉不快にさせる内容が含まれていないか十分に配慮する必要があります。特にインフルエンサーが発信する情報は多くの人々に影響を与えるため、彼らをアサインする際は、事前にNG表現等を共有しておくのが有効です。

また、炎上リスクをおさえるためには、SNS監視も必要です。炎上する可能性が出てきたら早急に対処するのが重要。また、炎上した場合の対処方法をガイドラインで定めておくと、万が一トラブルが起きた時にも落ち着いて対処できるようになります。

 

SNSブランディングを成功させるポイント

SNSブランディングを成功させるポイント

SNSブランディングはポイントを押さえれば、成果が見込みやすくなります。ここでは、SNSブランディングを成功させるポイントを5つご紹介します。

 

ブランドコンセプトの統一

ブランドのコンセプトをしっかり定めることが非常に重要です。ターゲット層や伝えたいメッセージを明確に決めて、ブランドガイドラインを作成しておくようにしましょう。

SNSはすでにさまざまなアカウントが存在するため、ターゲット層を幅広く設定するよりも、特定の層に向けて発信した方が差別化しやすいからです。コンセプト設計をしっかりし、特定のテーマに沿った一貫性のあるメッセージを配信し続けましょう。

 

著名人やインフルエンサーとのコラボ

SNSのエンゲージメントを高めるためにも、著名人やインフルエンサーとのコラボは効果的です。インフルエンサーにキャンペーンやプロモーションを盛り上げてもらうことで、新規顧客の獲得だけでなく既存の顧客もファン化しやすくなるでしょう。

インフルエンサーはフォロワーとの信頼関係がすでに作られていのが強みで、情報発信した際にフォロワーに響きやすいのがメリットです。彼らの影響力を活かして魅力を発信してもらうこともできますし、コラボして製品をブラッシュアップさせたりとブランディングにもつながりやすく、短期間での効果も見込めます。

 

キャンペーン

一時的に露出を高めて認知度を上げるならば、キャンペーンもおすすめです。例えば、プレゼント企画やフォロー&リツイートキャンペーン、キャンペーン専用ハッシュタグを使った投稿キャンペーンなどは定番で、情報拡散されやすくブランド認知も向上します。 ユーザーが興味・関心を持てばUGCも増え、ブランディングも強化されるでしょう。

またキャンペーンを実施する場合は、1つのプラットフォームに限定せずにX(Twitter)やInstagram、 TikTokなど複数のチャネルでキャンペーンを展開すると、異なるユーザー層に拡散され効果的です。

SNSプロモーションもチェック!

主要SNSの比較表をもとに、各SNSごとのプロモーション手法とポイントを解説。成功事例も取り上げ、戦略のヒントが得られます。

参考記事:SNSプロモーションとは? メリット・効果的なコツ・成功事例を解説

 

ユーザーとの交流

先述した通り、SNSのメリットはユーザーとの双方向のコミュニケーションが楽しめることです。それぞれのSNSによって機能は異なりますが、例えばInstagramではライブ動画を配信して、リアルタイムで来たコメントに直接答えたり、アンケート機能を使ってフォロワーの知りたい情報を探ったりすることもできます。ユーザーが気軽に参加しやすい企画を選べば、交流もしやすくなるでしょう。

ユーザーとのコミュニケーションを積極的にとることで、ファンコミュニティーの創造にもつながるのがSNSの利点です。

 

運用代行

SNSの更新や分析は手間がかかるため、SNS用代行会社に依頼することもおすすめします。特に運用のリソース不足やコンテンツのクオリティに悩んでいる方は、サポートを受けるのも一つの手です。

運用代行会社はSNSの最新トレンドやアルゴリズム、これまでの運用実績に基づいた知見がありますし、「どのようなコンテンツが刺さるのか?」、「何時頃にコンテンツを配信すべきか?」など、些細な悩みにも解決策を提示してくれるでしょう短期間で成果を出したい時や改善策がわからない時には活用しましょう。

 

各SNSの成功事例

最後に、SNSブランディングの成功事例を参考にしてみましょう。ここでは、SNSブランディングで取り入れたい戦略ポイントを解説します。

 

Instagram×ユニクロ

ユニクロ公式Instagram

出典:ユニクロ公式Instagram

ユニクロのInstagramは、新作アイテムの紹介や着回しコーデ、セールアイテムのラインナップなど、最新の着こなしを画像とリール動画で紹介しています。

 

人気モデルやインフルエンサーのコーディネイト、スタッフの出勤コーデ、ユーザーの着こなしなど、さまざまな切り口で共感や親近感、憧れを生むコンテンツを更新しているのが特徴です。

 

また公式アカウントでは、ユニクロアイテムを使ったコーデの投稿を募集。ユーザーの投稿に「ステキな投稿をありがとうございます」とコメント付きで写真を紹介して、UGCを活用。ユーザーとの交流を積極的に行い、ブランディングを強化しています。

 

X(Twitter)×森永乳業

森永乳業公式X(Twitter)

出典:森永乳業公式X(Twitter)

森永乳業のX(Twitter)は、オリジナルキャラクター「もーりー」が情報をお届け。新商品の情報やお手軽レシピの紹介、クイズやアンケートなどユーザーが参加型の投稿も多く、1つの投稿のエンゲージメントが高いことで注目を集めています。

 

X(Twitter)の投稿にコメントを残すと、もーりーが必ず返事をしてくれるのも魅力の一つ。オリジナルキャラクターを使ったアクティブコミュニケーションで、ファンを増やしています。

 

TikTok×ロート製薬

ロート製薬、公式TikTok

出典:ロート製薬TikTok

ロート製薬のTikTokには、オリジナルVTuberの根羽清ココロちゃんがいて、胸キュンのかわいいソングが聞けると若い世代を中心に人気を集めています。オリジナルVTuberを使ってトレンド企画(「歌ってみた」「踊ってみた」投稿など)にのりエンゲージメントをUP。YouTubeでもオリジナル楽曲を配信することで、さらなる拡散へとつながりました。

 

他にもTikTokでは、新商品や商品の活用方法、ブランド担当者のインタビューや裏話、美容情報などの役立つ投稿も配信しています。情報量は控えめに工夫しており、気軽に楽しく見れるエンターテイメント性の高い動画が魅力です。

YouTube×花王

花王、公式Youtube

出典:花王公式YouTube

花王のYouTubeでは、社会課題への取り組みやモノづくりへの想いなどを発信するコーナー「Kao Do it!」を配信。実際に現場の社員が登場し、製品のこだわりや生活に役立つ情報を届けています。

 

人気のコンテンツは「PR担当者がリアルで愛用している商品」の紹介動画や、「エリソデ洗いにはどのタイプの洗剤が適しているか」など日常の素朴な疑問をわかりやすく解説している動画。「社員の1日に密着」動画では、製品開発の裏側やこだわりなども紹介されており、視聴者の興味に沿った工夫が取り入れられています。

 

動画はテロップや音楽なども効果的に使われクオリティが高く、ライフハックが充実しています。

まとめ

SNSは今後も利用者の増加が見込まれており、企業のSNS活用はさらに重視される傾向が出ています。今回紹介したSNSブランディングの進め方や選定の仕方、成功のポイントをふまえて、積極的に取り組んでみましょう。


マイナビのSNS支援サービス

SNSマーケティング運用支援施策

マイナビでは、高校生や大学生、社会人層などを対象としたメディアのほか、自社でSNSも複数運営。各メディアごとに登録会員も所属しており、ユーザーのインサイト分析をもとにしたコンテンツマーケティングを強みとしています。

SNSのアカウント立案や広告施策、インフルエンサーのキャスティング、コンテンツ制作など幅広く運用をサポートしていますので、お気軽にご相談ください。

SNS運用ならマイナビ!

【各世代の特徴一覧】価値観の違いや効果的なマーケティング方法を比較

生まれた年に基づく「世代」の名称があることを知っていますか? 各世代ごとにその時代にどのような影響を受けたのかは異なり、それぞれ独自の特徴や傾向も見受けられます。

この記事では、戦後の「団塊の世代」から「α世代」までの各名称を一覧で紹介。また世界共通の名称「X世代・Y世代・Z世代・α世代」にも言及し、各世代の特徴や価値観について詳しく解説していきます。

世代の名称一覧

世代の名称一覧

まずは、1947年以降の「団塊の世代」から「α世代」までの名称を一覧でまとめました。生まれ年により、おおまかに「世代」が分類されているので、全体像を把握しましょう。

また世代の名称には、世界共通のものと日本特有の呼び方があります。「X世代、Y世代、Z世代、α世代」は世界共通の名称で、それ以外は日本特有の名称とされています。

各世代には時代を象徴する出来事や社会的背景などがあり、人々の価値観に何らかの影響を与えているでしょう。必ずしも同世代の人が共通の特徴や価値観を持っているわけではありませんが、各世代の傾向を把握することで世代間の理解を深め、マーケティングにも役立てることができます。

 

「X世代・Y世代・Z世代・α世代」とは

「X世代・Y世代・Z世代・α世代」とは

「X世代・Y世代・Z世代・α世代」の分類方法は、さまざまな国・地域で使われており、世界共通の名称です。それぞれの世代の社会的背景と特徴、価値観について説明します。

 

X世代の特徴

生まれ年:1965年~1980年頃 
 年齢層:40代~50代(2024年時点)

高度経済成長やバブル時代に生まれ経済的な変革期を経験してきたため、新しいものや高品質なものを好み、物質的な豊かさを重視する傾向です。

X世代の幼少期はTVや新聞、雑誌での情報収集がメイン。社会人になってからインターネットを使用するようになったため、紙媒体とデジタルツールの双方を使って情報収集する傾向です。特にマスメディア(TV・新聞・雑誌・ラジオ)からの情報に信頼を持つようです。

 

Y世代(ミレニアル世代)の特徴

生まれ年:1980年~1995年頃
 年齢層:20代後半~40代前半(2024年時点)

バブル崩壊や就職氷河期を経験しているため、非常に現実的で安定思考を持っています。1995年には「Windows 95」が発売され、インターネットが発展した時期に成長しており、デジタルリテラシーが高いと考えられています。

Y世代はインターネットやSNSも使いこなしますが、新聞や雑誌などの紙媒体も見ており、さまざまなメディアからバランスよく情報収集をします。消費に対しては慎重派コスパ重視セールやキャンペーンなどを好みますが、衝動買いはあまりしません。モノよりも、旅行などの「体験」を重視する傾向です

 

Z世代の特徴

生まれ年:1995年~2010年頃
 年齢層:10代後半~20代後半(2024年時点)

Z世代はインターネットやスマートフォンが普及している時代に生まれたため、「デジタルネイティブ」と言われています。SNSや動画配信サービスを通じて情報収集するだけでなく、自らも情報発信して自己表現を楽しんでいる人が多いようです

日々Web上で多くの人とつながり、さまざまな価値観に触れているため、自分とは異なる価値観を尊重する面も。社会問題や環境問題に対する教育も受けており、関心があるとされています。

異なる価値観に寛容である一方で、自身の個性も重視自分の価値観に合う人を好み、気の合う仲間とのコミュニティを大切にしています。商品を購入する際も、自分の価値観に合うかが大事な要素になっています。

 

α世代との特徴

生まれ年:2010年~2024年頃
 年齢層:0歳~10代前半(2024年時点)

α世代は親もデジタルリテラシーが高いミレニアル世代であり、生まれながらに最新のデジタル環境にいるため、Z世代よりもさらに高度なデジタルネイティブと言われています。幼少期からオンラインゲームやメタバース空間に慣れ親しんでおり、オンライン上の交流にも抵抗がありません。

またスマホやタブレットを使いこなして効率的に情報収集し、タイパ重視。教育面では、学校で外国語やプログラミング、SDGsを学んでいることも大きな特徴で、社会問題への対策や多様性への理解も期待されています。

α世代の5つの特徴は?

「α世代」は歴史上最大の世代になるとも言われており、世界中で動向が注目されています。彼らの特徴とSNSトレンドについても詳しく解説しています。

参考記事:「α(アルファ)世代」の特徴とは? Z世代との違いや価値観を徹底解説

 

各世代の特徴と価値観

各世代の特徴と価値観

続いては日本特有の世代の呼び方をもとに、各世代の特徴と価値観についても詳しく紹介していきます。

 

団塊世代

生まれ年:1947年~1949年頃(第一次ベビーブーム期)
 年齢層:70代後半(2024年時点)

団塊世代は戦後の高度経済成長期に成人を迎え、独自のバイタリティと団結力で戦後の日本を復興させるために働いたことから「団塊」と呼ばれています。集団意識が強く、成功への強い意欲を持ち、日本社会に大きな影響を与えてきました。

ベビーブーム期で総人口が多いため、受験や就職活動など激しい競争の中で育ち、社会や政治に対して学生運動なども行っていました。バブル景気など好景気を経験しており、勤務先は終身雇用で努力すればするほど役職や給料が上がったため、仕事に対する責任感や義務感も強いと言われています。

団塊世代は第一次テレビっ子世代で、マスメディアの情報を信頼しています。The Rolling Stonesローリング・ストーンズ)やThe Beatlesビートルズ)など海外文化にも触発され楽しんできたため、トレンドに敏感です。

 

しらけ世代

生まれ年:1950年~1965年頃
 年齢層:50代後半~70代前半(2024年時点)

戦後復興と高度経済成長期が進み社会が成長していく一方で、日本経済が好景気から不景気に陥るところを目の当たりにしているため、安定志向。社会の急速な変化によって矛盾や不満も生まれ、前世代と比較すると政治や社会運動への関心も低くなったことから「しらけ世代」と名前が付けられました。

しらけ世代は与えられた役割を淡々とこなす真面目で慎重派の傾向があり、「成績を上げたい」、「大手企業に務めたい」など、個人の利害を重視する一面も。大きなリスクを取ることは避け、堅実に物事を進めることを大切にしています。

テレビやラジオが普及し始め、娯楽や情報源が急速に多様化。マスメディアの影響を強く受けています。

 

新人類世代

生まれ年:1960年頃
 年齢層:60代(2024年時点)

高度経済成長期後の技術革新の時代に育ち、テレビやコンピューターなどの新しいメディアから影響を受けています。上の世代とは異なる新しい価値観やライフスタイルを持つことから「新人類」と呼ばれ、1980年代後半に流行語となりました。

新人類世代が社会人になった80年代はバブル景気がピークだったため収入にも恵まれ、物質的にも豊かな生活を送っていました。そのため、消費への抵抗がありません。真面目に働くだけでなく、楽しむことも重視しており、自分のやりたいことを追求する姿勢が強いです。

また彼らが社会人の頃には、アニメやゲーム、雑誌など娯楽も増えたため、消費行動や価値観もさらに多様化。ブランド品や高級品への強い関心があるようです

 

バブル世代

生まれ年:1965年~1969年頃
 年齢層:50代後半(2024年時点)

バブルで景気が良い時代に社会人になっているため、消費志向が強く、物質的な豊かさも享受しています。当時は求人件数も多く誰でも簡単に就職できたことから、終身雇用で定年まで一社で働き続けられると考えられていました。そのため協調性が重視され帰属意識愛社精神も持っています。

バブル世代の特徴は、豪華さや高級感。肩パット入りのジャケットやハイヒールなどの華やかなファッションに派手なメイクをするのが主流で、ハイブランドを持つことが一種のステータスに。個人の自己実現や自由なライフスタイルにも関心を持ち始めています。

 

団塊ジュニア

生まれ年:1971年~1974年頃(第二次ベビーブーム期)
 年齢層:50代前半(2024年時点)

団塊世代の子供たちにあたり、日本の人口が急激に増加した第二次ベビーブーム期に生まれて総人口が多いのが特徴。受験や就職などの激しい競争に打ち勝つため、競争意識が高く精神面もタフ。団塊世代の両親の間で「大企業に就職して安泰な生活を送るには、大学進学が必要」という考えが広まり、教育が重視されました。

大学進学率が高いですが、彼らの卒業時期にはバブルが崩壊し、就職氷河期の初期に突入高学歴ワーキングプアが続出しました。

このような苦しい時代を生きてきたため、現実主義で無駄なものに消費はしません。商品を選ぶ際も、じっくりと慎重に判断する傾向です。 

 

就職氷河期世代

生まれ年:1971年~1982年頃
 年齢層:40代前半~50代前半(2024年時点)

 社会人になる頃にバブルが崩壊し景気が悪化したため、就職活動が非常に困難な時代に直面。「就職氷河期」は、1994年に新語・流行語大賞にノミネートされるなど社会問題の言葉として浸透し、ロストジェネレーション世代(失われた世代)とも呼ばれます。

 この世代は就職難により正社員として働けずに、やむを得ず非正規や派遣社員になる人もいました。安定した雇用を目指し、仕事にはストイックに打ち込む傾向。忍耐力もあり、資格取得などスキルアップにも前向きです

商品を購入する際はコストパフォーマンスが良いかどうかを吟味し、倹約志向と考えられています。

 

ミレニアル世代

生まれ年:1980年~1990年代前半頃
 年齢層:30代前半~40代前半(2024年時点)

1990年代末からIT革命が起こりインターネットが普及したため、幼少期からパソコンに触れています。学校でも「情報」の授業でパソコン操作を習い、デジタル活用に抵抗がありません。インターネットを通じて多様な価値観に触れてきたため、受容力を持ち合わせています。

ミレニアム世代が社会人になる頃には景気が回復し、比較的容易に就職可能に。就職氷河期を経て働き方も変化するとワークライフバランスが重視されるようになり、理想主義の一面があります。

幼少期からモノが豊富で豊かな社会だったため、物欲はあまりないのが特徴。商品を購入する際も「感動する体験ができるか?」、「接客態度は丁寧か?」などが気になり、ものよりも体験価値を重視します。

ミレニアル世代が使う子育てアプリは?

デジタルリテラシーが高いとされるミレニアル世代は、SNSやアプリも積極的に利用する傾向があります。子育て層になった今、使用している子育てアプリや課金の実態、求める要素について詳しく調べました。

参考記事:共働き層が愛用する子育てアプリランキング

 

さとり世代

生まれ年:1985年~2005年代頃
 年齢層:20代後半~30代後半(2024年時点)

さとり世代は、バブル崩壊、阪神淡路大震災、リーマンショック、東日本大震災など社会を揺るがす大きな出来事を経験しながら育ちました。厳しい社会情勢に巻き込まれたことからも、現実主義堅実な暮らしを重視。安定した暮らしを求めるため他の人との争いを避け、協調性を大切にします。

幼少期からパソコンやスマートフォンを利用していたため、インターネットで調べて吟味した上で商品を購入する傾向。実用性やコストパフォーマンスを重視し、ブランドにこだわらず自分に合うものを選ぶ人が多いと考えられています。

 

ゆとり世代

生まれ年:1987年~2004年代頃
 年齢層:20代~30代後半(2024年時点)

2002年に新学習指導要領が施行され、小学校から高校までの12年間「ゆとり教育」(週休2日制や学習内容の削減)に基づく義務教育を受けてきました。勉強時間が減り自由な時間が増えたことや、競争を避け個性を尊重する教育環境だったことから、自分の意見やアイディア、個性を発揮することを好みます

ゆとり世代は幼少期からデジタル機器を使っていることからデジタルスキルが高く、賢く活用しているのが特徴。不景気な時代が続いているためブランド志向は低く、自分にとって価値があるものをコスパよく購入する傾向です。

 

Z世代

生まれ年:1995年~2010年代頃
 年齢層:10代前半~20代後半(2024年時点)

 Z世代の価値観や特徴については先述した通りで、ここではZ世代のデジタル面についてより詳しく言及します。

生まれた頃からパソコンやスマートフォンが普及しているZ世代は「SNSネイティブ」とも言われ、SNSを通じて家族や友人と連絡・コミュニケーションを取るのが日常。他の世代と異なるのは、SNSや動画配信サービスを通じて、自らも情報発信していることです。

SNSに載せる写真を加工し「盛る」のがブームとなりましたが、近年では“盛らない・ありのままの姿”を共有する流れも。Z世代の間では、日常のリアルな写真を共有するSNS「BeReal.」の人気が高まっているようです。

また情報収集する際はSNSを使い分け、商品の見た目やデザインを見る場合はInstagramをチェックし、機能や使い方・活用テクなどを知りたい場合は動画を見るなどと、タイパ重視で行動しています。

Z世代のSNS利用実態は?

“SNSネイティブ”のZ世代が、実際によく使うSNSや使い分けの実態、情報収集の特徴など、詳しく解説しています。

参考記事:Z世代のSNS利用率は? 情報収集・使い分けの特徴も徹底解説

 

α世代

生まれ年:2010年~2025年代頃
 年齢層:0歳~10代前半(2024年時点)

 α世代の価値観や特徴についても先述した通りで、ここではα世代のデジタル面についてより詳しく言及します。 

α世代の親にあたるミレニアム世代もデジタルリテラシーが高いため、家庭でもスマートフォンやタブレット、教育アプリなどを取り入れた最新のデジタル環境で育っているのが特徴。小学校でもデジタル教材が活用されたりプログラミングの授業が必修となり、デジタル教育が盛んです。

またZ世代に引き続きタイパ重視の傾向も強まりショート動画を好んだり、動画を倍速で視聴して短時間で多くの情報量を得ようと、より効率的に情報収集します。また、自分の好みや関心に基づくパーソナライズされたサービスも好みます。

α世代やZ世代の間では、新形態のSNS「パラレル」が人気を集めています(アプリ登録者数は約500万人/2024年5月時点)。「パラレル」とは、友達とチャットや通話をしながら、ゲーム・動画・音楽などのエンタメコンテンツを一緒に楽しめる、オンラインのたまり場アプリ。リアルタイムで友人と一緒にいるような感覚が味わえることが、α世代のバーチャル感覚に合っており、今後もさらに注目を集めそうです。

 

Z世代とα世代、主な世代との比較

X世代・Y世代・Z世代・α世代の「デジタル環境」比較

続いては各世代の特徴をふまえた上で、比較をしてみましょう。X世代~α世代までの「デジタル環境」に注目し、情報収集の仕方で比べてみました。

「X世代・Y世代・Z世代・α世代」のデジタル環境の比較

X世代は成人後にインターネットを利用するようになりましたが、Y世代以降は生まれながらにデジタル環境にいることから、世代が進むにつれデジタルリテラシーも高くなりつつある傾向です

なかでもZ世代・α世代は、学校でオンライン学習やプログラミングの授業があるため、デジタル機器により精通しており、WebやSNSを活用して短時間で効率よく情報を収集することが得意です。

また情報収集の仕方にもデジタル環境は影響しており、X世代・Y世代はTVや新聞・雑誌などの紙媒体とWebとバランスよく情報収集する一方でZ世代・α世代はWebやSNSをメインで使いこなし、インフルエンサーや一般人の口コミやレビューなども重要な情報源になるのが大きな特徴です。

 

X世代・Y世代・Z世代・α世代の「マーケティング戦略」比較

さいごにX世代~α世代までの「価値観」に注目し、それぞれのマーケティング戦略を考えていきましょう。

X世代・Y世代・Z世代・α世代の「マーケティング戦略」比較

α世代はまだ幼少期の子供たちのため、今後も価値観は変化していくと考えられています。

X世代は商品の「品質の高さ」を重視するのに対し、この世代以降は「体験」(Y世代)、「精神的な満足度」や「ブランドの価値観や世界観」(Z世代)など、商品を通じてどのような付加価値を手に入れられるかが重視されていることがわかります。

またZ世代とα世代のマーケティング戦略には、SNSの活用が欠かせません。Z世代は好みのものや共感できるものには積極的にお金をかけるため、ブランドのコンセプトや商品の開発ストーリーなどの紹介、インフルエンサーの活用も効果的です。

タイパを重視するα世代にはショート動画TikTokなどを活用し、まずは直感的に「気になる!」、「よさそう!」と興味をもってもらうことが重要。投稿をバズらせて一緒にトレンドを作っていくのも有効でしょう。

 

まとめ

この記事では、各世代の人々が影響を受けた社会的出来事や、そこからどのような価値観が生まれたのかについて詳しく解説しました。 ミレニアル世代以降はデジタル環境の影響も大きく受け、生活に変化がもたらされています。各世代の特徴を理解した上で、マーケティング戦略に活かしていきましょう。

 

関連資料

SNS上での情報収集と広告に対する感じ方 ~新社会人編~

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デジタル販促とは? 主な手法とメリット、効果を出すコツと注意点を紹介

デジタル技術の進化は進み、従来のアナログ販促だけでなく、デジタル販促の重要度も増しています。デジタル販促はターゲットを絞り込んで効果的にアプローチできるため、わずかな費用で大きな成果を得ることもあります。

この記事では、デジタル販促の定義やメリット、アナログ販促との違いなどについて言及し、具体的な手法や効果を引き出すコツまで解説します。

デジタル販促とは

デジタル販促とは

まずは、デジタル販促がどのようなものであるかを説明します。

 

デジタル販促の定義

デジタル販促は、インターネットやデジタル技術を活用した商品・サービスのプロモーション活動のことを指します。さまざまな手法がありますが、Google広告などのインターネット広告や、SNSでの広告・キャンペーン、デジタルクーポンなどWeb上で提供されるサービスを中心として、消費者に情報を届けます

一方でアナログ販促は、展示会など現場でのイベント開催や、チラシやポスター、看板、新聞広告など紙媒体で現物をベースとしたプロモーション活動などが該当します。

 

デジタル販促とアナログ販促の違い

デジタル販促とアナログ販促の違いを具体的に見ていきましょう。それぞれ「メディア&チャネル」、「ターゲティング精度」、「コスト」、「効果測定」、「双方間コミュニケーション」、「信頼性」の項目で比較してみました。

デジタル販促とアナログ販促の違い

デジタル販促は、年齢や性別、地域などをはじめとして、興味・関心、Web上での行動などでもターゲットを絞り込みできるため、ターゲティング精度が高いのが一番のメリットです。運用データをもとに効果測定もスムーズにでき、施策の改善点の把握もしやすいでしょう。

アナログ販促は一定の金額が発生し、それなりの予算を確保しなければなりませんが、デジタル販促は予算の調整もしやすく少額から始めることができます。SNSなどを活用すれば、ターゲットと直接コミュニケーションを取ることも可能に。一方で、アナログ販促と比べると情報の信頼性はやや劣ることもあります。

アナログ販促もチェック!

マイナビのマーケティング広報ラボでは、チラシの効果について詳しく解説! チラシに適した業種やメリット・デメリット、宣伝効果を上げる方法についてもまとめています。

参考記事:チラシの効果を高めるには? 種類別のメリットや反響を上げるコツを解説

 

「OMO」と「O2O」

消費者は商品を購入する際に、オンラインとオフラインどちらのパターンも存在します。デジタル・アナログ販促に関連して、「OMO」や「O2O」のマーケティング用語も知っておきましょう。

 

OMO【Online Merges with Offline(オンライン マージズ ウィズ オフライン)】

オンラインとオフラインの区別なく、どちらも融合させてシームレスな顧客体験を提供することを指します。

例えば、ECサイト(オンライン)と実店舗(オフライン)の双方のサービスを融合することで、より便利で快適なサービスを提供する取り組みなどが該当します。ECサイトから注文した商品を実店舗でも受け取れるのは「OMO」のサービスです。オンラインと実店舗を分断することなく、消費者にとって便利な買い物を実現しています。

 

O2O【Online to Offline(オンライン トゥ オフライン)】

「O2O」もオンライン上で販促活動を行いますが、実店舗への集客などがメインの目的になり、オンラインとオフラインのサービスはそれぞれ明確に区別して考えているのが違いです。例えばオンライン上でキャンペーン情報やデジタルクーポンを配信し、店舗への集客を図る施策などが「O2O」に該当します。

 

デジタル販促のメリット・デメリット

デジタル販促のメリット・デメリット

続いては、デジタル販促のメリット・デメリットを押さえていきましょう。

メリット

・低コスト
・ターゲットの強化
・データ分析
・リアルタイム
・バイラル(拡散効果)

 

低コスト

デジタル販促のメリットは、低コストで予算の管理もしやすいことです。施策により必要な金額は異なりますが、Web広告やSNS広告であれば従来の広告より比較的低い予算から始められるのが大きなメリットです。

アナログ販促の場合は、チラシやクーポンなどの広告物に対してデザイン代や印刷代がかかり、その上で配布をするのにも人件費が発生するため、コストが重なります。一方でデジタル販促は自身で金額の設定も簡単に調整でき、低コストで実施可能です

SNSプロモーションに注目!

SNSプロモーションは低コストで始められることからも、企業での活用も非常に増えています。メリットや成功事例など、合わせてチェックしましょう!

参考記事:SNSプロモーションとは?メリット・効果的なコツ・成功事例を解説

 

リアルタイム

デジタル販促はリアルタイムでタイムリーな訴求ができるのも強み。例えばセールのタイミングに合わせてキャンペーンを開始・終了したりすることも自在で、急にセールが決まった場合でも、デジタル販促であれば即座に対応できます。リアルタイムでトレンドに合わせたプロモーションを迅速に展開できるのがメリットです。

またSNSのキャンペーンなどはユーザーからの反応も即確認し、効率的にPDCAサイクルができますさらにはユーザーからのコメントを通して、率直な意見やアイディアを得ることができ、ブランディング等にも活かせるでしょう。

 

ターゲットの強化

ターゲット層に対していろんなセグメント方法がありますが、デジタル販促で一般的によく使われるものを下記の表でまとめました。

ターゲティングの種類

ターゲティングの種類

デジタルツールによりユーザーのデータ収集が簡単になり、年齢や性別、家族構成などの【基本情報】から、趣味や興味、閲覧履歴など【インサイト】まで解析することで、ターゲットを絞り込んだアプローチが可能に。例えばSNSの機能では、特定のキーワードを使った・見ているユーザー層など、より詳細にターゲットを設定できます。

そのため、既存のターゲット層だけでなく潜在層まで見極めた上でアプローチができ、ターゲティングが強化されます。精確なターゲティングを適切に行うことで、プロモーションの効果が高まるでしょう。

 

データ分析

デジタル販促はデータの収集・分析がしやすく、WebサイトやSNSへのアクセス解析として「クリック数」や「閲覧数」、「エンゲージメント数」、「コンバージョン数」など、細かなデータをリアルタイムで取得可能。そのため、どのような広告が効果的であるか具体的な数値で把握し、効果測定にも活かせます。

また、ユーザーのWeb上での行動をトラッキングすることも有効。Web上でユーザーが「どのページに訪問したのか?」、「どのコンテンツに関心を持ったのか?」を分析すれば、パーソナライズ化しニーズに合った情報を届けることができます。ユーザーの関心や行動を把握した上で、戦略を考えられます。

 

バイラル(拡散効果)

デジタル販促はバイラル(拡散効果)も期待でき、短時間で一気に情報を広めて多くの人に影響を与える可能性もあります。X(Twitter)やTikTokは特に拡散力が高いのが特長。広告を配信してもリツイートされた分は課金対象とならないため、拡散されるほどコスパの面でもよいでしょう。

一度拡散が始まると、しばらく情報が自然に広がり続けるのが利点。バズりやすい企画やコンテンツ、トレンド傾向を把握するのも重要です。またコンテンツシェアに対してインセンティブを付与し、拡散されやすいように露出を高めるのも1つの戦略です。

 

デメリット

競合とセキュリティ面
専門的な知識・スキルが必要

競合とセキュリティ面

Web上の情報は常にあふれ、最新情報がリアルタイムで更新されています。そのため競合も多く、情報が埋もれてしまいがちになる点はデメリットでしょう。またWeb上のサービスなどは、ハッキングや不正利用などセキュリティ面での不安もあります。セキュリティ対策は必須で、十分な対策を続けていくことが重要です。

 

専門的な知識やスキルが必要

デジタルツールやサービスを使いこなすのに、専門的な知識やスキルを身につける必要があります。

ツールの使い方やデータ分析など基本的な作業はもちろん、SNSの活用でもそれぞれの機能・サービス・特徴など、より専門的な知識も求められます。このような知識やスキルを身につけ実際に使いこなすようになるまでは時間がかかり、やりたい時にすぐに始められなかったりとマイナス面も。ツールやサービスは更新されていくので、常に新しい知識を得ることが大切です。

主要なSNSをチェック!

もっとSNSを活用したい方に、2024年版の主要なSNS17選を徹底解説!  今注目のSNSサービスや特長、知っておきたい基本情報を詳しくまとめています。

参考記事:【2024年版 有名SNS一覧】17種類の特長と使い分け方を紹介

 

デジタル販促の主な手法

デジタル販促の手法は多岐に渡りますが、今回は代表的な手法を7つご紹介します。

デジタル販促7つの比較

デジタル販促7つの手法の比較

 

代表的な7つの手法に加え、新規顧客(潜在層・顕在層)と既存顧客、どこの層にアプローチしやすいかについても比較してまとめました。それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

SNS広告

ターゲット層:潜在層、顕在層、既存顧客

SNSのターゲット広告は、潜在層から既存顧客まで幅広い層にアプローチが可能。InstagramやX(Twitter)、TikTokなどの主要なSNSでは細かいターゲティングをもとに、出し分けもできるでしょう。

例えば「興味・関心」で絞り込んで【潜在層】にアプローチ、「検索キーワード」を分析して【顕在層】への訴求も可能に。また、カスタムオーディエンスの機能を使用すれば、既存顧客に対しても特別感のある広告を配信することもできます。

各SNSにはトレンドや特長があり、広告のビジュアルにこだわったり、トレンド要素を取り入れることで、爆発的な拡散も望めるでしょう。

X(Twitter)広告の出し方

X(Twitter)は拡散力も高く、若年層にも効果的にアプローチが可能で、広告を始めやすいでしょう。広告のフォーマットや予算相場、成功のポイントについても紹介しています。

参考記事:X(Twitter)広告の出し方は?種類と選び方、設定方法まで詳しく紹介

 

公式アプリ

ターゲット層:顕在層、既存顧客

公式アプリは、商品やブランドのファンである既存顧客、または顕在層にアプローチする際に有効。アプリの登録ユーザーは、ブランドの最新情報やお得な情報を得るために登録していることが多く、定期的に接点を持つことができます。

公式アプリを頻繁に見てもらうためには、価値ある情報を提供することが大切。ユーザーの購入履歴から興味を持ちそうな商品を表示したり、限定特典を提供したりすることで関心を惹きつけることができます。ユーザーと長期的な関係性を築きやすいのもメリットです。

ただしアプリをインストールするまでのハードルはやや高く、開発費や維持費などにもコストがかかる点は要注意です。

 

デジタルクーポン

ターゲット層:顕在層、既存顧客

デジタルクーポンはWeb上の行動データと紐づけると効果的で既存顧客顕在層に適しています。

例えば、ECサイトは訪問しているけれど商品購入に至らないユーザーに「初回限定クーポン」を配信することで購入のハードルを下げられます。「お気に入り」や「商品かご」には入っているけれど購入完了まで進まないユーザーには「限定クーポン」を配信することで、購買を後押しすることもできるでしょう。

また潜在層には、一部効果的な面も。購入頻度が高いユーザーには「購入金額に応じた限定特典」や「会員ランクごとの特典」など特別感を出せば、ファン化にもつながるかもしれません。

 

コンテンツマーケティング

ターゲット層:潜在層、顕在層、既存顧客

コンテンツマーケティングは、潜在層、顕在層、既存顧客と幅広い顧客にアプローチすることができます。ユーザーにとって価値ある情報を提供し続けることで、ブランドの認知度を高め信頼も得やすくなります。

コンテンツマーケティングを成功させるためには、徹底的にユーザー視点で役立つ情報を伝え、広告色を抑えること。さまざまなコンテンツを通して企業のコンセプトや想いなども伝え、共感してもらうことで、関係性を築いていけます。

Z世代の情報収集は?

マイナビのマーケティング広報ラボは、Z世代を対象にネットで何を検索しているか、信用して見ているコンテンツやWeb広告に対する好感度まで徹底調査しました!

参考記事:SNS上での情報収集と広告に対する感じ方~新社会人編~

 

ジオターゲティング広告

ターゲット層:顕在層、既存顧客

ジオターゲティング広告は、ユーザーの現在地や訪問場所など位置情報に基づいて広告を配信できます。特定の場所で行動をするユーザーに対して情報を提供するため地域イベントや店舗集客などに効果的です。

ジオターゲティング広告を成功させるためには、クリエイティブにこだわるのも大切ですが、配信タイミング重要。ターゲットエリアにいるユーザーに向けて、日にちや時間限定のクーポンを配信するなど、タイムリーなプロモーションも実現できます。

 

検索広告

ターゲット層:顕在層、既存顧客

検索広告は、商品の情報を収集している顕在層や既存顧客へのアプローチに向いている手法です。ユーザーが特定のキーワードを検索する理由は「〇〇について知りたい」、「〇〇へ行きたい」、「〇〇を購入したい」と明確なニーズを持っているためです。

キーワードへの興味や関心が高いタイミングでアプローチできるため、商品購入などにつながりやすい傾向があります。検索広告を成功させるためには、適切なキーワード選定や魅力的な広告文の作成、ランディングページ(LP)の最適化をすることが大切また運用データをもとに少しずつ調整して変化を見ていくことで、より成果が得られやすくなります。

 

ニュースレター、メルマガ配信

ターゲット層:顕在層、既存顧客

ニュースレターやメルマガは低コストで大量に送ることができ、定期的にユーザーとコンタクトを持てる点で優れています。情報量にも制約がないため、パーソナライズ化したアプローチをタイムリーに行うことが可能例えば過去の購入履歴をもとに商品をレコメンドするメールなどは高い開封率になりやすい傾向です。

どちらの手法も定期的にコンタクトを取っておくのが大切で、曜日や時間帯など特定のタイミングで送り、印象付けるのも有効。新商品の情報や限定クーポンなどだけでなく、ユーザーにとって特別な情報・役立つ情報を送ることで、価値を高めましょう。

 

デジタル販促の効果を高めるポイント

デジタル販促の効果を高めるポイント

段階的に行う(スモールスタート)

デジタル販促での効果を把握するために、まずは段階的(スモールスタート)に取り組むようにしましょう。デジタル販促は低コストでできるため、いろんな施策を組み合わせて実施できますが、段階的に取り組んでいくことで、どの施策で効果が出ているのか、より明確に測定しやすくなるからです。また失敗のリスクも最小限にとどめることができます。

最初は段階的に行い、少しずつ効果が出始めたら予算を増やしてスケールアップすることがポイントです。

 

アナログ販促と組み合わせる

デジタル販促の効果をより高めるには、アナログ販促と組み合わせることが効果的です。デジタル販促はターゲティングや効果測定などのデータ分析が強みですが、インターネットをあまり使わない層や、信頼性の面ではアナログ販促が有効なことも。デジタルとアナログを補完し合うことで効果を高めやすくなります。

例えばイベントを実施する上で、開催地周辺の人にはポスターで告知し、若年層に向けてSNSで来店を促進するキャンペーンをし双方の施策を組み合わせると、幅広い年代層の人が集まりやすい傾向に。イベント会場では参加者と直接交流でき、ブランドのファン化につながることも。イベント後、参加者にデジタルクーポンを送ればさらにエンゲージメントを高められるでしょう。

デジタル販促でできることとアナログ販促の強みを組み合わせて活用するのが重要です。

 

まとめ

デジタル販促は、リアルタイムでターゲットを細かく絞り込んだ上で情報提供できるのが強みで、運用データをもとに効果測定も簡単に行えます。デジタル販促を取り入れつつアナログ販促を組み合わせて、適切な戦略を考えていきましょう。

 


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Z世代のSNS利用率は? 情報収集・使い分けの特徴も徹底解説

SNSは日常的に多くの人に使われており、年々利用者は増加傾向に。なかでもZ世代は「SNSネイティブ」とも言われ、SNSの利用率も高く、さまざまな活用方法や使い分けをしていることからも注目を集めています。

今回の記事では、Z世代がSNSをどのように利用しているか、Z世代のSNS利用実態について詳しく紹介。さらに情報収集や使い分けの特徴まで解説していきます。

Z世代とは

Z世代とは

Z世代の定義

Z世代とは、1990年代半ばから2010年代前半に生まれた世代を指し、現在は10代後半~20代後半ぐらいの年齢層が該当します(2024年時点)。Z世代(Generation Z)という呼び方は全世界で共通して使用されており、日本では約1,800万人ほどがZ世代にあたり、総人口の約15%を占めています。

Z世代は幼少期からインターネットに触れデジタル環境で育ってきており、SNSも積極的に使いこなすのが特徴。普段からSNSで友人とコミュニケーションをとり、Z世代の半数がマッチングアプリを活用して出会いを求めているという調査結果もあり、Web上での交流が盛んです。

 

Z世代が注目される理由

Z世代が注目される理由は、市場において大きな影響力を持つと考えられているからです。現在、Z世代の多くは社会人になり働く割合が増えています。今後は経済力もさらに上がり、いずれは社会の中心を担うでしょう。

また世界全体で見ると、Z世代の割合は現在、全人口の3割を占めています。ビジネスのグローバル化が加速していることからも、市場での影響力は増すと考えられており、Z世代の存在が重要視されています。

 

Z世代の特徴「SNSネイティブ」

Z世代の大きな特徴は、SNSネイティブであること。Z世代は普段から目的やシチュエーションに合わせて、SNSやアカウントを使い分けているのが特徴で、写真や動画などの視覚的なコンテンツに魅力を感じる傾向です。SNSでは友人とコミュニケーションを楽しむだけでなく、情報収集をしたり自己表現として自ら情報発信をしたりすることもあります。

SNSを積極的に活用する一方で、プライバシーを重視する面も持ち合わせています。趣味やプライベートなど用途に合わせて複数アカウントを持ち、投稿内容や公開範囲を調整することも。さらに見る専用としてのアカウント活用もあり、SNS上で自身をどこまで見せるか、独自の基準を持つようです。

Z世代の5つの特徴は?

Z世代には「SNSネイティブ」の特徴のほか、4つの特徴があると言われています。また、最近ではZ世代の次にあたる「α世代(アルファ)」も注目の的に。「Z世代」と「α世代」、それぞれの共通点や違いもチェック!

参考記事:「α(アルファ)世代」の特徴とは? Z世代との違いや価値観を徹底解説

 

Z世代のSNS利用時間

先述したとおり、Z世代は現在10代後半~20代後半あたりの年代層が該当します。まずは、10代~20代のインターネット利用項目別の利用時間をもとに、Z世代がWeb上で何をしているのか見ていきましょう。

Z世代のSNS利用時間

出典:総務省「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」より、10代、20代データの数値を四捨五入し平均値を算出して作成

10代~20代男女のインターネットの利用時間を考慮すると、Z世代も「ソーシャルメディアを見る・書く」、「動画投稿・共有サービスを見る」の割合が高いと考えられます。

10代~20代の男性は、平日は「動画投稿・共有サービスを見る」の割合が一番多く、休日はさらに時間が増え、平日・休日ともに利用時間の1位でした。休日になると「ソーシャルメディアを見る・書く」時間が増え、2位の76.9分になっています。一方で女性は、平日・休日ともにSNSをしている時間が1番多く、全年代と比較しても2倍以上の時間に。また休日は時間もさらに増え、約141分でした。

Z世代は、全年代層と比較してみると男女ともにSNSの利用時間は平日・休日ともに多く、女性はよりSNSに時間を費やす傾向であることがわかりました。

 

Z世代の主要SNS利用率

ここでは、10代~20代の年齢層の主なSNS利用率をもとに、現在のZ世代のSNS利用率を大まかに把握していきましょう。

Z世代の主要SNS利用率

総務省「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」

LINEやYouTubeの利用率は10代~20代のうち、どちらの年代も90%を超えており、Z世代の利用率も90%以上であることが想定できます。20代だけで見ると、LINEは「98.6%」、YouTubeは「98.2%」と非常に高い数値になっています。

また全年代の利用率の平均と比較すると、InstagramTikTok利用率が高く写真や動画コンテンツを好む傾向が強いようですFacebookの利用だけ少し減っていますが、主要SNSはまんべんなく利用していることがわかります。

合わせてチェック!

マイナビのマーケティング広報ラボでは、主要SNSも含め今おさえておくべきSNS17選をピックアップ!  それぞれの特長やサービス内容も詳しくまとめています。

参考記事:【2024年版 有名SNS一覧】17種類の特長と使い分け方を紹介

 

Z世代のSNSの使い分け

Z世代のSNSの使い分け

Z世代は、それぞれSNSごとに使い分けをしているのが特徴です。どのような使い分けをしているのか、詳しく見ていきましょう。

 

Xで「推し活」

X(Twitter)は即時性・拡散性が高いのが強みで、情報収集がメインで利用されています。なかでもZ世代は、好きなアイドルやアーティストなど「推し」の情報収集や発信をしている傾向が強いです。

X(Twitter)が「推し活」に向いている理由は、アーティストなどの公式アカウントが発信する最新情報をリアルタイムでキャッチアップできるからです。「推し」に関する最新情報(新曲のリリースやライブ、メディア出演など)を即座に知ることができます。

また、X(Twitter)のハッシュタグやリツイート機能を通じてファン同士でつながります。例えば「推し」の言動やイベントに対してリアルタイムで感想を言い合い、魅力を共有したり、活動を盛り上げたり、周囲に影響を与えることも。「推し活」仲間との交流を楽しんでいます。

Z世代のX(Twitter)のリアル

資料:SNS上での情報収集と広告に対する感じ方 ~新社会人編~

マイナビのマーケティング広報ラボでは、Z世代の中でも活発に消費を行う新社会人に注目。  X(Twitter)で「推し」の情報を調べると答えた人は約70%の結果になりました。そのほか信用して見ているSNSやコンテンツなど、詳しいデータをまとめています。

参考記事:SNS上での情報収集と広告に対する感じ方 ~新社会人編~

 

Instagram で口コミチェック&買い物

Instagramは写真や動画をメインとした投稿で、ファッションやグルメ、インテリア関係などの情報が特に人気を集めています。芸能人やインフルエンサーなどの有名人に限らず、自分の趣味趣向に合う人のライフスタイルを投稿でチェックし、そこで気になった商品を詳しく調べる傾向があります。

気になる商品を調べる際に使用するのが「ハッシュタグ」。Instagramで「#ブランド名」、「#商品名」などを使ってハッシュタグ検索し、商品のビジュアルや使用方法、レビューや口コミなどを調べます。

またInstagramには「ショッピング機能」もあり、気になった商品はそのままWebサイトに遷移し購入することも可能に。Z世代の間ではInstagramでの買い物も主流になっているようです。

 

TikTokでトレンドチェック

TikTokはショート動画がメインのSNSで、Z世代はスキマ時間の暇つぶしトレンドチェックする際に視聴しています。

TikTokはバズが起こりやすく、これまでにもZ世代を中心に投稿が拡散され、食料品や化粧品、雑貨などの「TikTok売れ」につながることが多々あります。TikTokでのバズから爆発的な売り上げとなり、トレンドが作られているのです。

また「ForYou」ページがあり、アプリ内での行動(過去の視聴履歴など)から、ユーザーの興味関心を分析し、おすすめの動画が表示されます。そのため自分の興味に合ったトレンド情報を気軽に閲覧することができ、チェックが欠かせません。

 

YouTubeで専門知識を深める

YouTubeは娯楽メインで使われることが多いですが、雑学や専門知識を身につけたり、スキルアップを目指したりと、学習面で活用される傾向もあります。

YouTube上では、TED-EdやKhan Academyなど教育に特化した公式チャンネルも多く、また多くの専門家がテーマに深く踏み込んだ動画を配信しています。デジタル環境で育ったZ世代は、動画視聴で学ぶことにも長けており、専門知識を深めているのです。

またZ世代は動画を倍速で再生したり字幕機能を活用したりと、工夫しながらより効率的に学習をしています。

 

Z世代のSNSでの情報収集・消費行動の特徴

Z世代はSNSを使った情報収集が得意ですが、その先の消費行動にも特徴があります。ここでは、Z世代の情報収集・消費行動について詳しく解説します。

 

共感・推し消費

Z世代を語る上で欠かせない「推し」。アイドルや俳優、アニメキャラクターなど、人に限らず、さまざまな分野で「推し」をつくり、応援するためにお金を使う人が増えていますそして推し活仲間との交流も大切にし、楽しい時間を過ごしているのです。

さらに、共感で商品を購入する「エモ消費」も特徴としてあげられます。Z世代はブランドのコンセプトに共感できるかも商品購入の決め手になり、商品そのものの機能やスペックよりも、商品へのこだわりや開発ストーリーなどを知り、企業の姿勢に共感したり応援したいと感じたら、商品を購入しているのです。

「推し消費」と「エモ消費」の2つに共通するのは、消費をする上で心を動かされたり、精神的な満足度を重視しているという点です。買い物は基本的には慎重派ですが、自分が価値を感じるものには「支えたい・応援したい」という気持ちが高まり、惜しまずお金をかける傾向があります。

Z世代女子の「推し」事情

マイナビのマーケティング広報ラボでは、16~19歳の女子高校生・大学生を対象にSNSの利用実態を調査!主要SNSでは「推し」の情報収集がメインですが、それ以外にもどんな情報を集めているのか調べました。

参考記事:10代女子のスマホ利用実態を調査!

 

SNSの口コミ重視

Z世代は欲しいものを探す際には、SNSでの情報収集がメイン。トレンドに強いInstagramTikTokで気になるものを見つけると、その商品について調べ始めます。

SNSの情報の中で特に信頼しているのは、インフルエンサーやユーザーからの口コミ。インフルエンサーは美容系やグルメ系など特定の分野において影響力を持ち、ユーザーの商品購入のきっかけにもつながります。

口コミには実用性があり、「この商品はココがおすすめ!」、「このようなアレンジや別の活用もできる!」などと、実生活のイメージしやすいのがメリット。良い口コミだけでなく、本音やデメリットなども明かした率直な口コミも把握してから、商品購入を決める傾向です。

 

慎重派

Z世代は幼少期から経済的に不安定な時代を過ごしてきたため、買い物やネットショッピングなどにも慎重派です。「本当に欲しい商品なのか?」、「絶対に必要なものなのか?」を吟味し、数日経過した上で、商品が欲しいと思えば購入します。つまり、商品購入に失敗して後悔したくないという気持ちが強いです。

商品購入で失敗しないためにも、商品情報や口コミ、インフルエンサー(または専門家)などから情報を収集。また「商品購入後に返品に応じてもらえるのか?」、「保証は用意されているのか?」までチェックするなど、徹底した行動を取ることもあるようです。

 

まとめ

Z世代はSNSで情報収集するだけでなく、友人とコミュニケーションを楽しんだり、自己表現として情報を発信したりと、積極的に活用をしています。また推し活や買い物、スキルアップなど、上手に使い分けをする一面も。Z世代のインサイトとともに動向を見ていくことが大切です。

 


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マイナビでは、高校生や大学生、社会人層などを対象としたメディアのほか、自社でSNSも複数運営。各メディアごとに登録会員も所属しており、ユーザーのインサイト分析をもとにしたコンテンツマーケティングを強みとしています。

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【2024年版】主要SNSの年齢層を比較! 利用率や特徴、最新の傾向は?

現代ではSNSを日常的に利用している人が大半で、連絡手段やコミュニケーションツールとして欠かせないものです。それぞれのSNSには、どんなユーザー層がいるのでしょうか。今回は主要なSNSの年齢層や利用目的などに着目して、各ユーザーの特徴を把握しましょう。

国内の主要SNSの利用者数

まずは国内の主要SNSのユーザー数を見ていきましょう。SNSはトレンドの影響を受けやすくユーザ数の変動が大きいため、常に増減が発生していることを念頭に入れておくのが重要です。

国内の主要SNSの利用者数

※各SNSの公式発表に基づく「月間アクティブユーザー数」の比較、2023年時点

日本のSNSで一番利用者数が多いのはLINEで、約9,500万人と圧倒的なユーザー数に。さらに現在では約9,700万人(2024年3月)との公式発表もされており、増加傾向は続いているようです。2位にはYouTubeが7, 120万人、3位はX(Twitter)が6,658万人で、上位3つのSNSは日本の総人口の約2人に1人が使っている計算になります。3位以降は、Instagram、Facebook、TikTokの順でした。

また、それぞれのSNSから公式発表はされていませんが、InstagramTikTokユーザー数が増加しているとの情報も出ています。

Instagramは2023年に行われたMeta社のイベントにて、3,300万人(2019年公表)から倍以上に増えたという発言があり、約6,600万人のユーザー数との想定も。またTikTokも約2,700万人(data.ai / 旧AppAnnie調べ、2023年9月時点)といった情報も出ており、若年層の間で大幅に人数を伸ばしているとの見方もあります。

合わせてチェック!

SNSをプロモーションで活用するには? SNSの選び方やメリット・デメリット、それぞれの特長を生かした手法など詳しく解説しています。

参考記事:SNSプロモーションとは? メリット・効果的なコツ・成功事例を解説

 

主要SNSの利用率と年齢層

続いては主要SNSの利用率に注目し、年代・男女比の利用傾向をチェックしましょう。ここでは年代ごとの特徴についてまとめています。

主要SNSの年代・男女別利用率

主要SNSの年代・男女別利用率

出典元:総務省「令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書 <概要>」

LINEは、全年齢層で約95%と高い利用率をマーク。10代~50代の年齢層まで90%を超えており、60代でも86.3%と利用率が高くなっているのが特徴で、ほぼ日常的に使われているようです。

2位のYouTubeも幅広い年齢層で使われており、10代~40代までが90%超え、60代は約66%と少し利用率が下がります。Instagramは10代~30代の若年層がメインで、女性ユーザーからの人気が高く、男性ユーザーの倍を占めています。

一方でFacebookは30代~40代の年齢層に支持されている傾向。TikTokは10代~20代の利用率が特に高く、女性ユーザーがやや多めであることがわかります。

 

主要SNSのマッピング

年代別の主要SNSの利用率と年齢層をもとに、マッピングを作成しました。全体のイメージを把握した上で、それぞれの年代ごとの傾向を見ていきましょう。

主要SNSのマッピング

10代~20代の利用傾向

10代~20代はLINEやYouTubeの利用が最も高く、X(Twitter)やInstagram、TikTokなど、他のSNSも幅広く利用しています。一方で10代にはFacebookがほとんど使われていない傾向。10代~20代の世代間で利用率に差があるものもあり、10代はTikTok20代はX(Twitter)をより好んで活用しているようです。

また10代はInstagramのリール動画やTikTokなどのショート動画が人気で、気軽に投稿・シェアしており、20代はX(Twitter)やInstagramで積極的な情報収集・発信をしていると考えられています。

【2024年版】10代女子のスマホ実態

マイナビのマーケティング・広報ラボでは、10代女子のスマホの活用を徹底調査! 今使っているSNSやよく使う機能、アカウントの使い分け方など、最新の結果をまとめています。

参考記事:10代女子のスマホ利用実態を調査! 使用時間からSNSの利用方法まで徹底解説

 

30代~40代の利用傾向

30代~40代も若年層と同様にLINEやYouTubeの利用が最も高く、どちらも90%を超える高い利用率に。他の年代と比較するとFacebookの利用がやや目立ちTikTokの利用率は約30%に留まっています。

X(Twitter)やInstagramなど匿名性のSNSで交流を楽しむ一方で、実名制のFacebookも一定数が利用。SNS上での匿名のつながりと実社会での交友関係と、それぞれ使い分けしながら活用しているようです。

 

50代~60代の利用傾向

50代~60代のユーザーも他の年代と同様にLINEやYouTubeの利用がどちらも上位ですが、60代ではYouTubeの利用率が66%とやや下がります。また10代~40代までのユーザーと比較すると、X(Twitter)の利用が、50代~60代ともに少ない傾向。一方でInstagram50代でも51.7%と比較的高めの利用率です。

TikTokは2017年より日本でサービスが開始されましたが、60代の利用率は13%と低い結果に。年代が上がるにつれ新しいSNSへの認知度は下がり、広まりづらいのかもしれません。

 

主要SNSのユーザー属性と利用目的

この項目では、主要SNSごとにそれぞれのユーザー属性と利用目的について解説していきます。

主要SNSのユーザー属性と利用目的

 

LINE

・ユーザー数:9,700万人20243月) ※国内1位
・男女比:ほぼ同数
・年齢層:全年代層 ※20代の利用率が99.5%と最多
・利用目的:連絡手段、コミュニケーション

LINEの主な利用目的は、家族や友人との「連絡手段」でしょう。チャット感覚で使えるトーク機能や複数人とやり取りできるグループトーク、音声・ビデオ通話などメイン機能をすべて無料で使えることからも人気を集め、日常の連絡ツールとして使っている人が大半です。

また、相手のメールアドレスや電話番号を知らなくても、IDQRコードを通じて「友だち」になり、連絡を取ることが可能(電話番号で検索して「友だち」になることもできる)。個人情報を明かさなくても、気軽に連絡やコミュニケーションを取れる点でも支持されています。今後も高い利用率は継続していくと考えられています。

 

YouTube

・ユーザー数:約7,120万人 ※国内2位
・男女比:ほぼ同数
・年齢層:10代~50代 ※20代の利用率が97.2%と最多
・利用目的:エンターテイメント、教養

YouTubeは世界最大の動画共有SNSで、あらゆるジャンルの動画が無料で視聴できることから、幅広い年齢層で利用されています。ユーザーが自分のチャンネルを作ったり、YouTuber(ユーチューバー)としてオリジナルの動画コンテンツを配信することもできますが、視聴を楽しむという人が大多数です。

ユーザーの主な利用目的は「エンターテイメント」で、好きなアーティスト、お笑い・バラエティ系ジャンルの動画や、レビュー動画を閲覧する人が多い傾向。また教育・教養系のコンテンツの閲覧も伸びており、知識やスキルを身につけるために学習面で活用する人も。「タイパ」を重視する10代や20代の間では、ショート動画の人気も出ています。

今人気のYouTuberは?

マイナビのマーケティング・広報ラボでは、現役大学生に人気のYouTuberを徹底調査!「お笑い」や「美容系」など5つのジャンルごとに人気のYouTuberを調べ、それぞれ好きな理由も聞いてみました。

参考記事:現役大学生に人気のYouTuberを深掘り調査!YouTubeの利用実態やインフルエンサーがZ世代に与える消費行動が明らかに

 

X(Twitter)

・ユーザー数:約6,658万人 ※国内3位
・男女比:ほぼ同数
・年齢層:10代~30代 ※20代の利用率が81.6%と最多
・利用目的:推し、時事ニュースなどの情報収集

X(Twitter)は140文字以内の短文投稿がメインで、即時性拡散力に優れたSNS。誰でも匿名で投稿でき、思ったことをすぐつぶやける気軽さや、最新の情報をいち早く得やすいことからも人気を集めています。

X(Twitter)の利用目的の多くは、「最新情報の収集」。なかでも好きな芸能人やアーティストなど推し」の情報収集に活用される傾向で、ハッシュタグを通じてファン同士がつながり、交流を楽しんだり影響力を強めたりもしています。またX(Twitter)上に「トレンド」がランキング形式で表示され、リアルタイムで話題になっているトピックを簡単に知ることができます

 

Instagram

・ユーザー数:3,300万人 ※国内4位
・男女比:女性が多い
・年齢層:10代~50代 ※20代の利用率が78.8%と最多
・利用目的:趣味・関心の情報収集、コミュニケーション

Instagramは写真や動画の投稿をメインとしたSNSで、全年代において女性の利用率が男性の利用率を上回っています。独自の世界観や統一感のある美しいビジュアル投稿が人気で、ファッションやグルメ、インテリアなどライフスタイル系の情報を収集する人が多い傾向。フォロワー数が増えるとインスタグラマーとして人気を集め、影響力を持つのも特徴です。

 Instagram の利用目的の多くは、「好きなものの情報収集」。投稿コンテンツから好きなものを探求してみたり、ハッシュタグを活用して気になる商品の口コミやレビューを閲覧したりと、「買い物のための情報収集」で使っている人も多いようです。一方で、投稿を通して友人や知人とのコミュニケーションを楽しむ活用もされています。

 

Facebook

・ユーザー数:2,600万人 ※国内5位
・男女比:ほぼ同数
・年齢層:30代~40代 ※30代の利用率が44.4%と最多
・利用目的:友人との交流、コミュニティ形成

Facebook11アカウントの実名登録がマストで、現実社会で面識のある人とつながることが多い傾向です。また、ビジネス関係で知り合った人と交流することも多く、30代~40代の利用率が高いのはビジネス層が活用していることも影響しています。

Facebookの投稿は文章や写真を用いた日記型で、実名制のため情報」の正確さ信頼性が高いのが特徴。日常の投稿や、結婚や転職などのプライベートに関する近況報告の投稿、ビジネス関係の投稿が目立ちます。またコミュニティでの交流も行われています。

 他のSNSに比べると利用者数は停滞しているように見受けられますが、炎上リスクも低く、友人との関係性をキープするSNSとして、今後も長期的に一定数利用されると予想されています。

 

TikTok

・ユーザー数:950万人 ※国内6位
・男女比:やや女性が多い
・年齢層:10代~20代 ※10代の利用率が70.0%と最多
・利用目的:トレンドチェック

世界中のショート動画(15秒~3分)をサクサク楽しめる没入感の高いSNSで、ユーザーはつい長時間見てしまう傾向。独自のエフェクト機能を使って、誰でも簡単に動画の編集・加工ができます幅広いジャンルの投稿がありますが、国内では参加型のチャレンジ企画ダンス動画おもしろ動画などが注目されており、TikToker(ティックトッカー)として人気を得る人もいます。

TikTokの利用目的は「トレンドチェック」がメインで、流行を生み出す力もあります。独自レコメンドシステムによって開設したばかりのアカウントでもバズりやすいのが特徴で、TikTokで使われた音楽が話題になったり、「TikTok売れ」と呼ばれるヒットにつながったりと、ユーザー間でトレンドが生まれることも多々。TikTokでバズると他のSNSにも影響が波及し、爆発的な拡散力にもつながります。

男女間で違う!TikTok活用

マイナビのマーケティング・広報ラボでは、現役大学生にTikTokをどのぐらい活用しているか調査を実施しました。視聴するタイミングや好き・嫌いな動画、大学生に支持されているTikToker、男女で異なる傾向についても明らかになりました。

参考記事:現役大学生のリアルなTikTok利用実態を調査!男女で異なるよく使う機能や閲覧後の消費行動とは

 

まとめ

各SNSは異なる特性を持ち、ユーザー層や利用目的にもそれぞれの特徴があります。利用するシチュエーションやよく使われている機能など、最新のデータを見ながら、ユーザーの特徴を把握していきましょう。

 


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マイナビでは、高校生や大学生、社会人層などを対象としたメディアのほか、自社でSNSも複数運営。各メディアごとに登録会員も所属しており、ユーザーのインサイト分析をもとにしたコンテンツマーケティングを強みとしています。

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【2024年版 有名SNS一覧】17種類の特長と使い分け方を紹介

SNSの利用者数は年々増え続け、今や日常生活で欠かせないものです。親しい友人との絆を深めたり、共通の趣味を通じて新しい友達と出会えたりと、楽しみ方もさまざまでしょう。これまでにない新しいSNSのサービスも生まれて、注目を集めています。

この記事では、現在の主要なSNSの種類とサービス内容について、おさえておきたい特長とともに詳しく解説していきます。

SNSとは

SNSとは

 

SNSの定義

SNSは「Social Networking Service(ソーシャルネットワーキングサービス)」の略称で、人々がWeb上でつながり、コミュニケーションを楽しむためのサービスです。SNSに文章や写真・動画などを投稿し、交流を深めることができます。

 

SNSを利用する主な目的

SNSは個人からビジネスまで幅広く利用されていますが、主な目的は4つに分けられると考えられています。

人との交流

SNS上でメッセージのやり取りをしたり、投稿にコメントをしたりすることで、コミュニケーションを楽しみます。今の気持ちや出来事、趣味、好きなものなどをリアルタイムで共有し、いつでも気軽につながることが可能。家族や友人などすでに知っている人に限らず、新しい人と出会える場でもあります。

 

最新の情報収集

地震や気象災害、重大な事件など、緊急性の高い情報は、SNSでチェックする人が多い傾向です。例えばX(Twitter)はテレビやネットニュースなどの速報よりも、いち早く情報を得られることが多く、重視している人も。ただし中には誤報や信憑性のない情報も多く、自身で真偽を見極める必要もあります。

 

興味・関心、趣味の共有

SNSは共通の興味・趣味を持つ人々が集まりやすいようになっており、気の合う仲間と出会える場でもあります。仲間同士で自然にコミュニティができ、情報共有をしたり、賛同しあったり、意見を交わしたりと自由に交流を楽しめます。また特定のテーマに関する知識を深めたり、議論の場を作ったりと、自分の意見を発信する場としての活用もできます。

10代女子のSNS利用実態

マイナビのマーケティング・広報ラボでは、10代女子のSNSの利用状況を深堀り!  SNSの使い分け方やよく使う機能、今はもう使っていないSNSなど、最新のリアルな実態に迫っています。

参考記事:今の10代のSNS利用実態を調査!LINEやInstagram、X(Twitter)など SNSごとの使い分けやよく使う機能を大解剖

 

ビジネスプロモーション

SNSにビジネスアカウントを作り、企業が商品やサービスのプロモーションを行うこともあります。例えばX(Twitter)で新商品の発売日に情報を発信したり、YouTubeで商品やサービスの使い方などを動画配信したりと、ブランドの認知向上や購買促進に効果的です。

またSNSを通じてユーザーと直接コミュニケーションを取れるので、商品やサービスへの要望や率直な意見を聞く場としても活用できます。ユーザーとの交流でファン化もしやすく、長期的に関係性を築けるメリットもあるでしょう。

 

SNSの基本の分類方法

SNSの基本の分類方法

SNSは、それぞれの機能や利用方法によっていくつかの種類に分類されます。ここではSNSの投稿方法に着目し【オープン型・クローズ型】、【ストック型・フロー型】の分類について説明していきます。

 

オープン型・クローズ型

オープン型

オープン型SNSは、匿名での情報発信が可能。自分が投稿・シェアしたコンテンツや、SNS上での行動などがWeb上に公開され、不特定多数の人が誰でも簡単に閲覧できることが特徴です。そのため、多くのユーザーへ投稿を発信できることがメリットです。

代表的な例としては、X(Twitter)やInstagram、TikTokなどが該当します(ユーザー自身が公開範囲を指定しクローズ型にすることも可能)。

 

クローズ型

クローズ型のSNSは、自分のプロフィールや投稿・シェアしたコンテンツなどを限定した人々にのみ公開ます(ユーザー自身が公開範囲を指定可能)。したがって家族や友人など、特定の人とだけコミュニケーションを取ることができ、プライバシーが守られるためプライベートを重視するユーザーも安心して利用できます。

SNSの大半は公開範囲が選択できるようになっており、設定をするとクローズ型に該当します。

 

ストック型・フロー型

ストック型

ストック型のSNSは、投稿したコンテンツが長期間にわたって保存され、後からでも簡単に見返すことができます。コンテンツを記録用として残したり再利用したりすることに適しており、ユーザーは自分のペースで投稿を楽しむことが可能。代表的な例としては、YouTubeやPinterest、noteなどが該当します。

 

フロー型

フロー型のSNSはリアルタイムでの情報発信が重視されており、コンテンツが短期間で消費され、時間が経つと閲覧できなかったり価値がなくなったりすることが多いです。速報や最新情報、リアルタイムの話題がメインで発信されるので、ユーザー側は常に最新の情報を受け取ることができるのがメリット。X(Twitter)やInstagramのストーリーズなどが該当します。

 

日本の主要SNS利用率(全年代)

日本の主要SNS利用率(全年代)

総務省「令和4年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」【令和4年度】主なソーシャルメディア系サービス/アプリ等の利用率(全年代・年代別)

SNSはユーザー層や利用目的がそれぞれ異なり、利用者数の変動も大きい傾向です。現在のSNS利用率ランキングでは6つのSNSが主要な位置を占めています。細かく見ていきましょう。

日本で圧倒的に使われているのは「LINE」で、人口の9割以上が利用中。家族や友人との連絡手段として使われているのがメインで日常的なコミュニケーションツールとして活用されています

また「YouTube」は国内2位の利用率で、幅広い年齢層が動画視聴を楽しんでいるようです。国内3位は「Instagram」で10代から30代の利用が目立ち、以降はX(Twitter)、Facebook、TikTokと続いていきます。

合わせてチェック!

主要SNS6つのうち、月間アクティブユーザー数が1番多いのは? メインの年齢層や男女比も比較できる一覧表をチェック! 各SNSのプロモーション手法についても詳しくまとめています。

 

参考記事:SNSプロモーションとは?メリット・効果的なコツ・成功事例を解説

 

 SNSの8つのカテゴリーと17選

ここでは、今注目の有名SNS17選を8つのカテゴリーに分類して紹介。ビジネスアカウントでの活用も目立つSNSは、合わせて説明します。

 

1.動画系

TikTok

出典:TikTok/App Storeプレビュー

出典:TikTok/App Storeプレビュー

TikTokは15秒~3分のショート動画投稿がメインのSNSで、BGMに合わせてオリジナルの振り付けでダンスをする動画やチャレンジ企画が人気の傾向。動画の編集・加工が誰でも簡単にでき、面白いエフェクトが入ったクリエイティブ動画が多く投稿されています。

 

10代からの人気が中心で、視覚的に刺激的なコンテンツがバズり、流行・トレンドが生まれやすいのが特徴。またTikTokは広告メニューも豊富で拡散力が高いため、通常の投稿と同様に自然な形でプロモーションが可能。ブランドの認知向上などに適しています。

 

YouTube

出典:YouTube/App Storeプレビュー

出典:YouTube/App Storeプレビュー

YouTubeはGoogle社が運営する世界最大の動画共有SNSで、日本国内では第2位の利用者数です。ユーザーはあらゆる動画を基本無料で視聴可能。動画の投稿者はYouTuber(ユーチューバー)と呼ばれ、自身のチャンネル登録者数が増えると収益を得ることができますが、一般的には動画の視聴を楽しむだけのユーザーの方が多いでしょう。

 

企業はYouTubeチャンネルを開設し、オリジナルのコンテンツを配信してブランディングが可能。動画は一度に多くの情報を伝えることができ、印象に残りやすいのがメリットです。

 

2.文章投稿系

X(Twitter)

出典:X/App Storeプレビュー

出典:X/App Storeプレビュー

X(Twitter)は140文字以内のテキスト投稿がメインで、リアルタイムの情報収集や高い拡散力が特徴です。匿名で投稿できることから、気軽に発信できるのが魅力。芸能人やアーティスト、官僚など著名人も使用していることが多く、公開アカウントであればコメントやメッセージのやり取りも可能です。ハッシュタグを使って、共通の趣味を持つユーザー同士でつながる傾向があります。

 

企業アカウントでは、アカウントのフォロー・投稿のリツイートを促すキャンペーンを実施するのが定番で、企画が話題になれば瞬時に拡散され、爆発的な効果をもたらすことも。一方で、他のSNSと比較すると、炎上するリスクは高く注意が必要でしょう。

 

note

出典:note/App Storeプレビュー

出典:note/App Storeプレビュー

noteは文章中心の投稿がメインで、自分の考えや経験、専門的な知識をブログやエッセイ、マンガ、レポートなどの記事にして掲載するスタイル。誰でも自由なテーマで投稿できますが、イベントも開催され、お題に沿った投稿が募集されることも。記事は無料で読めるものが多いですが、投稿者が有料化して販売することも可能で、ユーザー側から投稿者の活動を金銭的に応援する「サポート機能」もあります。

 

noteは長い文章の投稿が多いことから、企業アカウントでも自社の歴史や開発の裏側、仕事の様子など読み応えのある内容で展開される傾向で、ブランドへの親近感や共感を生みだしています。

 

3.コミュニティ系

Facebook

出典:Facebook/App Storeプレビュー

出典:Facebook/App Storeプレビュー

Facebookは世界の人気SNSランキング1位で、約30億7000万人のアクティブユーザーがいます(2024年1月時点)。日本でも国内アクティブユーザー数5位の主要なSNSで、幅広い年齢層に使われています。1人1アカウントの実名登録がマストで、友達や知人など現実社会の人間関係がベースです。新たに知り合った人に「友達申請」をして、交流を広げていくスタイルです。

 

投稿は文章や写真を使った日記公開型。趣味や関心ごとに基づき、コミュニティも作れます。Facebookの広告ではターゲットを細かく設定でき、実名制を活かした精確なターゲット層にアプローチ可能です。

 

mixi

出典:mixi/App Storeプレビュー

出典:mixi/App Storeプレビュー

mixiは日本発のSNSで、一時絶大な人気を誇りましたが、2010年以降、利用者は減り低迷気味です。現実社会の交友関係をベースとしており、個人の日記投稿を通じて友達との交流を楽しみます。また趣味趣向に沿ったコミュニティも数多くあり、自分で新たに作ることもできます。

 

Bondee

出典:Bondee/App Storeプレビュー


出典:Bondee/App Storeプレビュー

Bondeeは2022年にリリースされ、仮想空間内でアバターを使って交流する「メタバースSNS」。近年、20代の女性をメイン層として利用者数が増えています。

 

自分のアバターを作成し、好きなファッションアイテムを身につけさせたり、アバターの表情で自分の気持ちを表したり、気の合う友達を見つけたりと、現実世界とは違うありのままの自分を作り上げることができます。また自分の「スペース」を好みにカスタマイズし、友達同士でスペースを訪問したりパーティーを開いたりとリアルなコミュニケーションを楽しめます。

 

4.メッセージ系

LINE

出典:LINE/App Storeプレビュー

出典:LINE/App Storeプレビュー

LINEは国内利用者数1位のSNSで、約9700万人が利用中(2024年3月末時点)。人口の9割超えの利用者数で、全年代層に使われているのが特徴です。無料のメッセージ機能や通話機能(音声、ビデオ)がメインで、コミュニケーションツールとして活用。友達同士や複数の友人とグループになり、メッセージのやり取りや画像、動画を共有できます。LINE内でのやり取りは、当事者のみ閲覧可能

 

企業が公式アカウントを開設すると、友達登録したユーザーに直接メッセージを送れ、最新情報やキャンペーンの配信が可能に。LINEスタンプでのプロモーションも長く支持されています。ユーザーが日常的に使うため、定期的に接点を持つことができるのがメリットです。


SNSプロモーションって?

SNSプロモーションで活用する方法について、より詳しく別記事でまとめています。メリットやデメリット、成功のポイントまで合わせてチェック!

参考記事:SNSプロモーションとは?メリット・効果的なコツ・成功事例を解説

 

5.写真系

BeReal.

出典:BeReal./App Storeプレビュー

出典:BeReal./App Storeプレビュー

BeReal.は「今自分がどこにいて何をやっているのか」、リアルタイムで写真を共有するSNSです。

 

1日1回アプリから通知が来たら、2分以内に写真を投稿し友達とシェア。撮影した写真は加工ができず、盛らない・映えないこと」が大きな特徴です。通知時間はランダムで投稿しないと友人の投稿は見れない設定になっており、友達同士で素の自分を見せることが求められています。

また他のSNSにある「いいね」や「フォロワー数」などの機能がない点もZ世代から支されており、人気が高まっています。

 

Instagram

出典:Instagram/App Storeプレビュー

出典:Instagram/App Storeプレビュー

Instagramは画像や動画の投稿をメインとしたSNSで、20代~30代女性の利用者が多く、ビジュアル重視の世界観が特徴です。Instagramの編集機能を使って画像や写真を加工し、誰でも手軽にオシャレな投稿をすることができます。ファッションやライフスタイル、グルメのジャンルが人気です。

 

Instagramの投稿はユーザーの消費行動につながりやすいため、企業のビジネスアカウント活用も非常に多い傾向。インフルエンサーに限らず、一般人の口コミやレビューも購買に効果的で、ブランドや商品名のハッシュタグを検索して情報を得る人が多いようです。

 

Pinterest

出典:Pinterest/App Storeプレビュー

出典:Pinterest/App Storeプレビュー

PinterestはWeb上のお気に入りの写真や画像を集めて共有するSNSで、画像から新しいアイデアやインスピレーションを得る場としてよく使われています。ユーザーは女性がやや多い傾向で、ファッション、インテリア系などのコンテンツが人気。ユーザーの興味に基づいた画像がランダムで表示され、お気に入りが見つけやすい仕組みになっています。

 

インテリアやアパレル系などの企業がビジネスアカウントを活用しており、オシャレな写真で世界観を作り込んでいます。ユーザーはお気に入りの画像をピンで留めて見返すことができるため、長期的に購買意欲を高められる効果があります。

 

Snapchat

出典:Snapchat/App Storeプレビュー

出典:Snapchat/App Storeプレビュー

Snapchatは、リアルタイムで今起きていることを友達とシェアできるSNSで、個人やグループに向けて画像などを投稿できます。

 

投稿を閲覧できる時間は(1秒~10秒、または無制限)と選ぶことができ、他のユーザーとのメッセージ内容も24時間で消えるため、気軽に利用できるのが特徴。画像や動画の加工機能も多く、Z世代からの人気を集めています。

 

6.音声系

Clubhouse

Clubhouse

出典:Clubhouse/App Storeプレビュー

Clubhouseは、特定のテーマを設定した「ルーム」で話し合うライブ形式の音声SNS。実名登録制で、リアルタイムでの対話がメインです。トークや会話はアーカイブが残らず、録音も禁止されています。

当初は招待制でしたが、だれでも参加、視聴が可能に。ルームは誰でも作ることができ、参加者の範囲を決めることができます。

 

実名登録制のため、現時点では企業の代表者が公式アカウントを作ることはできますが、企業アカウントの作成はできません。また商品の販売や購入を促す販促行為は禁止されているので注意が必要です。

 

Voicy

出典:Voicy/App Storeプレビュー

出典:Voicy/App Storeプレビュー

Voicyは、無料で音声コンテンツを“ながら聴き”できるSNS(一部有料)。配信者には審査が必要で、タレントやお笑い芸人、アーティスト、スポーツ選手、作家など、各分野の専門家や経営者などの放送を楽しめます。

 

お気に入りの放送はブックマークでき、過去の配信も聞くことも可能です。

 

7.ライブ配信系

SHOWROOM

出典:SHOWROOM/App Storeプレビュー

出典:SHOWROOM/App Storeプレビュー

SHOWROOMは誰でも気軽にライブ配信をし、配信者(ライバー)と視聴者がリアルタイムで交流できるSNS。視聴者のアバターが観客席に表示され、ライブ会場にいるような雰囲気を味わえるのが特徴です。

 

人気アイドルやアーティスト、モデル、お笑い芸人などのライバーが多く、一般人の配信は少なめ。視聴者側はコメントやギフト(投げ銭)で好みのライバーを応援できます。

 

17LIVE

出典:17LIVE/App Storeプレビュー

出典:17LIVE/App Storeプレビュー

17LIVEは、雑談から音楽、ゲーム、趣味、Vtuberまで幅広いジャンルのライブ配信が楽しめるSNS。配信者を認証ライバーと一般ライバーに分けており、認証ライバーには芸能人も多数います。ライバーと視聴者がリアルタイムでつながり、コミュニケーションを取ることができます。

 

視聴者はコメントやギフト(投げ銭)でライバーを応援します。ファンクラブに似た仕組みのライバーアーミー機能もあり、ライバーの活動を盛り上げています。

 

8.ビジネス系

LinkedIn

出典:LinkedIn/App Storeプレビュー

出典:LinkedIn/App Storeプレビュー

LinkedInは「ビジネス向けSNS」と言われており、世界200か国以上で10億人以上(2024年現在)が登録している、海外では名刺代わりに使われているSNSです。

 

実名・顔出し登録が原則で、就職や転職の目的での利用が多く、職務経歴をプロフィールに入れることができます。採用活動で利用する企業も少しづつ増えてきているようです。

 

SNSの使い分け

SNSには、それぞれ特有のユーザー層と特長があります。ユーザーが主要なSNSをどのように使い分けているのか、見ていきましょう。

 

X(Twitter)は推し活

X(Twitter)は情報の即時性と拡散性の強みを活かし、好きなアーティストなどの「推し活」として使われている傾向が強いです。ファン同士で、「推し」の最新情報や活動などについて情報を共有しあい、意見を交わしたり、盛り上がったりと交流を楽しんでいます。

ファンが共通のハッシュタグを使ってつながることで共感や仲間意識を育み、影響力を強めています。

大学生のSNS利用実態

出典:マイナビ マーケティング・広報ラボ「情報収集に関するアンケート」


出典:マイナビ マーケティング・広報ラボ「情報収集に関するアンケート」、18 歳~20歳/n=160件/2023年11月22日~12月31日

マイナビのマーケティング広報ラボの調査によると、新大学生のうち約41%が推し活用としてX(Twitter)を使っていることが判明。そのほか主要SNSの使い分けや、信用して見ているコンテンツなど詳しく分析しました!

参考資料:SNS上での情報収集と広告に対する感じ方~新大学生編~

 

Instagramはトレンド、Pinterestは記録用

Instagramはビジュアル訴求で女性ユーザーが多いこともあり、特にファッション・グルメ・インテリアなどに関する投稿が人気です。Pinterestも同様の傾向があります。

2024年の6月より、InstagramとPinterestのアカウントが連携可能になりました。Pinterest で Instagram アカウントを認証すると、Instagram のフィード投稿をする度に、Pinterestでも同じ画像を用いたピンの作成が完了。また過去の Instagram 投稿も Pinterest でシェアができます(直近 90日間の投稿をインポートするオプションを選べる)。

両SNSの連携により、Instagramでリアルタイムのトレンドを発信しつつ、Pinterestで長期活用が可能に。Instagramはフロー型コンテンツで過去の投稿はあまり閲覧されなくなりますが、Pinterestはストック型コンテンツで、過去の投稿を見返したり記録用としても活用できたりすることから、双方のメリットを活かした使い分けが実現できます。

 

まとめ

今回は主要なSNSから今注目のSNSまで17選まとめて紹介しました。SNSはサービス内容や機能、特長も異なり、ユーザーの活用方法や楽しみ方も次々と変化していくでしょう。SNSのトレンドを把握して、ビジネス活用のヒントにしていきましょう。


マイナビのSNS支援サービス

SNSマーケティング運用支援施策

マイナビでは、高校生や大学生、社会人層などを対象としたメディアのほか、自社でSNSも複数運営。各メディアごとに登録会員も所属しており、ユーザーのインサイト分析をもとにしたコンテンツマーケティングを強みとしています。

SNSのアカウント立案や広告施策、インフルエンサーのキャスティング、コンテンツ制作など幅広く運用をサポートしていますので、お気軽にご相談ください。

SNS運用ならマイナビ!

「α(アルファ)世代」の特徴とは? Z世代との違いや価値観を徹底解説

Z世代」の次の世代にあたる「α(アルファ)世代」には、どのような特徴があるのか知っていますか。α世代は歴史上最大の世代になるとも言われており、今後、経済面でも影響力を増していくでしょう。

この記事では、α世代の概要や特徴、彼らを取り巻く環境について取り上げ、Z世代との違いや共通点なども詳しく解説します。

α世代とは?

α世代とは

α世代の定義

α世代とは、2010年代以降に生まれた世代を指し、全員が21世紀生まれ。2024年の現在では、中学生以下の子どもたちがα世代に該当します。また1980年〜1990年代半ばごろに誕生した「ミレニアル世代」の子どもにあたる世代です。

オーストラリアの社会学者マーク・マクリンドル氏が「α世代」と名付け、彼の試算によると2025年にα世代は全世界で約20億人となり、歴史上最大の世代になると考えられています。

 

α世代の人口の割合

α世代の人口の割合

日本は近年、深刻な少子化問題を抱えていますが、世界の人口は増えており、α世代も増えていくとみられています。現時点での日本におけるα世代は、約11%です。

 

α世代5つの特徴

α世代5つの特徴

α世代はまだ幼少期の子どもたちのため、特徴を断定することはできませんが、将来的に期待されていることも含めて、5つの特徴を深堀りします。

 

デジタルネイティブ

α世代は生まれた時からスマートフォンやタブレットなどデジタル機器が広く普及しており、幼少期から当たり前のように使いこなしています。

パソコンやスマートフォンを使うことは日常で、小学校ではタブレットを使用して学ぶ機会もあります。またオンラインゲームやSNSを楽しんだり、早くからキャッシュレス決済などを利用したりと、デジタル環境に囲まれた生活に慣れているでしょう。

また、α世代の親にあたるミレニアル世代はデジタル技術の進化とともに成長しており、デジタルリテラシーに強い世代とも言われています。そのような親の影響もあり、Z世代以上にデジタルネイティブの特徴が強いと言われています。

α世代の親が使う子育てアプリは?

マイナビのマーケティング広報ラボでは、25歳~35歳の共働き子育て層が愛用している「子育てアプリ」について調査を実施しました。ジャンル別で使っているアプリや、どのぐらい課金しているかもレポートしています。

参考記事:共働き層が愛用する子育てアプリランキング

 

新しい学習環境

先述したように、α世代は小学生の時から授業でパソコンやタブレットなどのデジタル機器を積極的に活用。デジタル教材やオンライン学習、教育アプリなども広く普及しており、早ければ幼児期からデジタル機器を使った学習始めています。

2024年にはICT教育も本格的に導入され、教育現場でのデジタルやITテクノロジーの活用はさらに高まります。従来は教師一人が複数人の生徒を指導するという方法でしたが、ICT教育ではデジタル機器などを利用して生徒一人ひとりのレベルに合わせて指導できるので、個人の能力や特性をより伸ばすことができるでしょう。

 

タイムパフォーマンス重視

α世代は効率重視で、特に「タイパ(タイムパフォーマンス)」を重視する傾向日常生活や学習面でも、より簡単で効率のよい方法を求めています。

α世代は幼少期からインターネットを活用しているため情報処理能力が高く、探している情報をいかに早く見つけるかが重要になっています。近年、若年層にはショート動画が人気の上、倍速機能を使って動画を見る傾向があることも、タイパのニーズから生まれたものでしょう。

今後、時間を効率的に使うためのサービスやツールはますます増えてくると考えられています。

 

バーチャル空間での交流

α世代はバーチャル空間でのコミュニケーションも日常化しています。例えばオンラインゲームを友人と楽しむことや、バーチャルリアリティ(VR)、メタバース、アバターなどの最新技術も身近で体験しています。バーチャル空間で初対面の人と交流することも違和感なく受け入れる傾向です。

今後もバーチャル空間の活用は増えていくとされており、日常生活に変化をもたらすでしょう。既存の価値観や生活スタイルに縛られず、新しい感性や行動様式を自然に受け入れていく世代としても期待されています。

 

社会的な問題への興味関心

環境問題をはじめとして、紛争、貧困、ジェンダーによる社会問題など、現代社会が抱えている問題は多岐にわたります。α世代にとっては自分たちの将来に大きく関わってくることであり、幼少期からこれらの問題に対する教育を受けているため、関心が高くなっています。

また様性に対しても寛容に受け入れる傾向があり、ジェンダーや人種、他者の価値観などを尊重する風潮も。学校教育でも多様性やSDGsに関するカリキュラムが導入され、知識を習得しています。

 

Z世代とは

Z世代とは

続いてα世代に対してZ世代の定義や人口割合について説明します。

Z世代の定義

Z世代とは、おおよそ1990年代の中盤から2010年ごろに生まれた世代です。

2024年現在では10代後半~20代後半あたりの年齢層がZ世代に該当します。日本ではZ世代と同年代を示す言葉として「さとり世代」や「スマホ世代」などもありますが、Z世代(Generation Z)という呼び方は全世界で共通して使用されています。

 

Z世代の人口の割合

Z世代の人口の割合


日本のZ世代の人口は少子化が進んでいることもあり約1,800万人ほどで、人口の割合からは約15%がZ世代です。

世界基準で見てみると約24億人がZ世代に該当し、世界の総人口(約82億人)のうち3人に1人がZ世代となっています。

 

Z世代5つの特徴

Z世代5つの特徴

インターネットの普及とともに成長し、技術の進化を体感してきたZ世代。これまで育ってきた社会的背景などもふまえて彼らの価値観について解説します。

安定志向

Z世代は、2008年のリーマンショック以降、長引く不況を身近に感じて育ってきました。東日本大震災や新型コロナウイルスの感染など、災害や非常事態を実際に経験している世代でもあります。

このように社会が不安定な状態の中で育ってきたために、Z世代は物事を冷静に捉え、現実主義で安定志向の人が多いと言われています。

 

価値観を重視

Z世代が商品を購入する際やサービスを利用する時に重視しているのは、「自分の価値観にあっているかどうか」という点。商品の実用性や使いやすさといった本質的な価値よりも、ブランドの理念やコンセプトに共感できるか、自分の生き方に合うかどうか、価値観を大切にしています。

安定志向のZ世代は買い物の時も慎重ですが、自分が価値を感じるものに対しては惜しまずお金をかけるのも特徴です。

 

ワークライフバランス

Z世代の働き方はワークライフバランスを重視しており、仕事と私生活は切り離して考え、私生活の充実をとても大切にしています。彼らは仕事をしてお金をたくさん稼ぐことよりも、自分の生活のために働くという考えが強く、プライベートで得られる充実感や幸せに重点を置いています。

 

SNSをフル活用

SNSをフル活用し、情報収集やコミュニケーションを頻繁に行っています。YouTube、TikTokなどのコンテンツをシェアして楽しんだり、X(Twitter)やInstagramでは複数アカウントを持ち、プライベートや趣味に合わせて使い分けたりと、SNSで人とつながることが日常生活の一部となっています。

またSNSを通じて気軽に情報を得るだけでなく、自らコンテンツを発信することにも積極的で、リアルタイムで情報をシェアするのが特徴。消費の面からも、SNSでの投稿やレビューに影響を受けており、大切な情報源です。

 

Z世代のSNS利用実態

マイナビのマーケティング広報ラボでは、Z世代の新社会人にアンケート調査を実施。ネットで何を検索しているのか、SNSをよく利用する時間帯や情報収集の仕方、信用して見ているコンテンツなど、リアルな実態を明らかにしました。

参考記事:SNS上での情報収集と広告に対する感じ方~新社会人編~

環境や社会問題への関心

先述した通り、幼少期からリーマンショックや東日本大震災、コロナ禍などを経験してきたZ世代は、環境問題や人権問題などのさまざまな社会問題にも関心を持っています。

またSNSを日常的に利用しているため、他人の考えに触れる機会も多くあります。そのためZ世代は自分なりの見解や意見を持っていることも特徴であり、実際にコンテンツを通じてそのような自分の考えや価値観を発信している人もいます。

 

α世代とZ世代の共通点・相違点

α世代とZ世代は年齢層も近く共通点も多いですが、相違点にも着目するのが大切です。α世代とZ世代の特徴をそれぞれ比較し、共通点と相違点を見ていきましょう。

α世代とZ世代の共通点・相違点

価値観「タイパ」

α世代とZ世代の共通の価値観として、タイムパフォーマンスを重視していることが挙げられます。

Z世代はインターネットの普及とともに育ち、時間を有効に使うことに価値を感じていますが、α世代はさらに発展したデジタル環境で育っていることからも、これまでより強く「タイパ」は重視されており、短時間で効率よく物事を行う傾向です。

短時間・簡潔・効率化は今後もキーポイントとして引き継がれるでしょう。

Z世代は自炊にもタイパの傾向!

マイナビのマーケティング広報ラボが行った調査によると、Z世代の新社会人が自炊で重視しているのは「食費をおさえる」に続き、「時短」が2位にランクイン。Z世代の食生活や自炊の実態に迫っています。

参考記事:Z世代社会人の自炊事情とは?

 

教育環境

Z世代とα世代の教育環境の大きな違いは、プログラミング教育の有無です。これまでのZ世代は学校教育でパソコンやインターネットを学び、オンライン授業なども経験してきました。

一方でα世代は、2020年から小学校でプログラミング教育が導入され、より早い段階でデジタルリテラシーを養うことが義務教育となりました。幼少期からプログラミング思考を養うことで、柔軟な対応力や問題解決能力が期待されています。

またα世代には、ゲーム感覚で学べるエデュテインメントやAIを活用した個別指導も充実しており、個々のペースに合わせて楽しみながら効率的に学ぶ体制が整えられつつあります。

 

デジタル環境

Z世代、α世代ともにデジタルネイティブでデジタル機器を使いこなし、SNSでコミュニケーションを楽しむことも共通しています。

Z世代はSNSやオンラインコミュニティでの交流がメインで、リアルタイムでの情報共有、発信が盛んです。一方でα世代はメタバースやバーチャル空間での交流も盛んで、状況に合わせてフレキシブルに場を選び、意見を発信しています。

 

社会問題への関心の高さ

Z世代とα世代は、両者とも社会課題への関心度が高い世代です。しかし、関心の方向性や具体的な取り組み方には違いがあると考えられています。

Z世代は、どちらかというと環境問題、気候変動やエシカル消費などに強い関心があります彼らが成長期の間に環境問題や倫理的消費がメディアで大きく取り上げられてきたことが影響しています。

一方、α世代の関心はより多様化しています。幼少期から環境問題に限らず、ジェンダーや多様性、人権問題にも敏感SDGsや環境問題、多様性への理解を深める教育プログラムが導入されていることが関係しているでしょう。

 

α世代とZ世代に注目されるSNS

Z世代とα世代に注目されるSNS

Z世代やα世代にとって生活の一部となっているSNS。個々のアイデンティティを表現するZ世代に対し、α世代は娯楽や学びの場として活用しているのが違いです。今後の社会でも重要視されているSNSについて紹介します。

「TikTok」

TikTokは主にショート動画を視聴・投稿・共有し、楽しむSNS。在でも若年層の利用が顕著で、10代~20代のZ世代やα世代にあたる層が多く視聴しています。

約1分のショート動画が、スワイプするだけの簡単操作で次々と再生されるので、ちょっとしたスキマ時間に見て楽しめることがメリット。またYouTubeと比較した際、動画の編集も簡単に可能で投稿しやすいのも人気の理由でしょう。タイパ重視のα世代には、今後も利用が欠かせません。

 

「BeReal.」

日常のリアルな写真を共有することのできるSNSで、2022年より利用者数が増え、Z世代からの支持も集めています。

1日1回アプリから通知が来たら、2分以内に写真を投稿し友達とシェア。撮影した写真は加工ができず、「盛らないこと」が大きな特徴。今自分がどこにいて何をしているのか、ありのままの姿を共有して楽しみます。

また通知時間はランダムで、投稿しないと友人の投稿は見れない設定。他のSNSにある「いいね」や「フォロワー数」など人気度を測る機能もなく、友人と“ゆるくつながる”のがZ世代とα世代の感性に合っており、今後も人気が高まるでしょう。

 

「Bondee」

2022年にリリースされ、「メタバースSNS」として、20代の女性を中心に利用者数が増えています

「Bondee」では自分のアバターを作成し、仮想空間の中で自由に友達との交流を楽しめます。アバターの表情で自分の気持ちを表したり、好きなアイテムを身につけさせたりと、現実社会と同様に友人とのコミュニケーションが繰り広げられます。

招待できる友達は50人で、仮想空間で新しい友達をみつけることも可能。今後も仮想空間でのコミュニケーションツールは増えてくると予想されており、α世代にさらに活用されていくと考えられています。

 

「noplace」

20247月にリリースされ、公開と同時にApp Storeのランキング1位を獲得した注目のSNS

テキストベースの投稿がメインで、写真や動画は無し。個人ページでプロフィールを細かく設定することで自分を表現し、友人と交流します。

具体的には、今していることや聞いている音楽、見ているもの、食べているもの、読んでいる本についてプロフィールを更新し、今の気持ちを色で表現します。また共通の興味に基づいて、他のユーザーと出会うことも可能。使いこなすほどレベル表示が上がり、ゲーム感覚で楽しめます

友人とゲーム感覚で楽しむスタイルが、Z世代とα世代の価値観に合っているのかもしれません。

 

まとめ

α世代の概要から特徴、Z世代との相違点などについて詳しく紹介しました。α世代の成長とともに、デジタルテクノロジーもさらなる進化を遂げ、人々の生活も大きく変化していくでしょう。各世代の価値観を理解し、彼らに合わせたプロモーション施策を考え続けていくことが大切です。

 


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マイナビのキョ―ソウPROJECTは、Z世代の認知拡大・新規顧客化を狙いとしたプロモーション施策です。企業からの課題に対し、Z世代のメンバーがアイデアを提案、企画書として仕上げます。

プロジェクトを通して、企業の理念や商品・サービスに込められた思いを伝えることも可能。Z世代のリアルな声を反映できる新しいプロモーション施策です。

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SNSプロモーションとは? メリット・効果的なコツ・成功事例を解説

日々多くの人がSNSを利用しており、友人とコミュニケーションを取ったり、共通の趣味を持つコミュニティを作ったりと、それぞれの用途で使い分けを楽しんでいます。企業での活用も格段に増えていますが、SNSの選び方や手法で悩んでしまうこともあるでしょう。

この記事ではSNSプロモーションについて、主要なSNSの特徴をふまえて、どのような活用が適しているのかを紹介。メリットやデメリットもふまえて、詳しく解説していきます。

SNSプロモーションとは?

SNSプロモーションとは

SNSプロモーションとは、企業やブランドが、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を使ってマーケティング施策を行い、商品・サービスの認知拡大や購買促進をすることです。

SNSを取り入れることで、ターゲット層に直接アプローチし、パーソナライズされたプロモーションが可能に。SNS上でのコンテンツ投稿やユーザーとの交流、広告配信、インフルエンサーとのコラボレーションなど、さまざまな施策を通じてブランドの認知拡大をすることができます。

各SNSの特性を活かして、多角的なアプローチをしていくのが特徴です。

 

SNSプロモーションが注目されている理由

SNSプロモーションが重要視される理由は、圧倒的な利用者数です。

総務省のデータによると、日本の総人口は1億2494万7千人(2022年)に対し、SNS利用者数は1億200万人(2022年)で、人口の9割以上です。2027年にはSNSの利用者数が1億1,300万人に増加すると予測されており、日常生活で欠かせないものになるでしょう。

また年代別のSNS利用率でも、10代〜20代は90%以上30代〜40代で80%後半と大半が利用している結果に。50代〜60代でも70%超え、幅広い年代層で使われていることがわかります。このようにSNSは人々の生活に多大な影響を与えており、企業がプロモーションで活用するのは有効です。

総務省:「令和3年 通信利用動向調査」「令和5年 情報通信に関する現状報告の概要」「総人口及び日本人人口の推移」

主要SNSのプロモーション手法

SNSはそれぞれメインのユーザー層も異なり、利用目的も変わります。そのためプロモーション活動で取り入れる場合は、まずはSNSの特性を理解することが成功の鍵。ターゲットに合わせたSNSを選び、戦略を立てていくことが重要です。

主要SNSの比較表

主要SNSの比較表

総務省「令和4年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」、「令和5年 情報通信に関する現状報告の概要」

まずは表を見て、主要なSNSのユーザー数と男女比、メイン年齢層を把握しましょう。それぞれのSNSの特長や効果的なプロモーション手法についても詳しく紹介していきます。

 

XTwitter)の特長・プロモーション手法

X(Twitter)は国内の月間アクティブユーザー数3位のSNSで、リアルタイムでの情報発信と拡散力の高さが強み140文字のテキスト投稿がメインですが、画像や動画を入れることもでき、情報を迅速に広められます。

X(Twitter)の投稿にはハッシュタグを入れることが欠かせず、トレンド入りしている話題やイベントに合わせたハッシュタグを使うことで、エンゲージメントを高めることが可能。また広告のフォーマットも多く、配信する際には細かくターゲット設定を行うことができます

 

Instagramの特長・プロモーション手法

Instagramは国内の月間アクティブユーザー数4位で、女性ユーザーが多い傾向。Instagramは写真や動画がメインの投稿で、ビジュアルが重視されるSNS。食品やファッション、美容、インテリアなどのカテゴリーの投稿が人気で注目度が高ブランドのイメージや世界観をダイレクトに伝えやすいのがメリットです。

Instagramでもハッシュタグの活用が重要で、ハッシュタグで投稿内容のジャンル分けをし、より多くの人にアプローチが可能に。商品やサービス名のハッシュタグを作ると、ユーザーからの投稿も集まりやすくなり、レビューや口コミとして効果的インフルエンサーとのコラボレーションでも認知拡大が望めます

2024年Instagram人気ハッシュタグ

マイナビのマーケティング広報ラボでは、今人気のハッシュタグや、ジャンル別で注目のハッシュタグを一挙紹介。ハッシュタグの付け方についても詳しい解説をしています。

参考記事:【2024年】Instagramの人気ハッシュタグは?業界別トレンドもチェック

 

LINEの特長・プロモーション手法

LINEは日本で一番利用者の多い人気SNSで、月間アクティブユーザー数は9700万人と日本の人口の約7割以上になります(2024年3月時点)。幅広い年代層に普及しており、メッセージを通じて、直接コミュニケーションできるのが特長です。

企業がLINE公式アカウントを作ると、友だち追加したユーザーにメッセージが送れ、最新情報やキャンペーンの配信が可能に。またクーポン配信やプッシュ通知など、さまざまな機能を通じて、定期的にユーザーと接点を持てるのがメリット。アンケートやチャットボットなど、顧客満足度を高める機能もあり有効です。

 

TikTokの特長・プロモーション手法

10代の若手層に人気のSNSで、ショート動画のコンテンツを中心にバイラル性が高いのが特長です。スマホで動画の作成が簡単にでき、短期間で大勢にアプローチすることが可能。チャレンジ企画やユーザー参加型のコンテンツが特に人気を集めています。

TikTok広告では、性別や年齢、ユーザーの興味関心に基づくターゲットの絞り込みが可能。世界では10億人以上のユーザーが利用しており、海外向けのプロモーションにも適しています

 

Facebookの特長・プロモーション手法

Facebookは国内の月間アクティブユーザー数は5位。メインユーザーは30代~50代で、1人1アカウントの実名登録が特徴です。

Facebookのビジネスアカウントを通じて、最新情報などの投稿やフォロワーとの交流も可能。グループ機能を活用して、コミュニティを作ったりイベント開催もできるでしょう。またFacebookは実名登録のため、高精度のターゲティングを用いた広告配信ができるのが特徴。広告出稿の手順もシンプルで、少額からの配信が可能です。

 

YouTubeの特長・プロモーション手法

YouTubeの月間ユーザー数は7120万人で、国内2位の人気SNSです。動画投稿に対してコメントをすることができ、直接ユーザーとコミュニケーションを取ることができます。

企業の公式YouTubeを通じて、商品・サービスの情報や商品の使い方を動画で配信するなど、活用の幅が広いのが特徴。また企業理念や商品開発の裏側など、ブランドストーリーを紹介するのにも適しており、視覚・聴覚的にも記憶に残りやすいのがメリットでしょう。

YouTube広告もターゲティング機能が充実しており、特定の層に絞り込んだアプローチが可能です。

 

SNSプロモーションのメリット・デメリット 

SNSプロモーションのメリット・デメリット 

SNSプロモーションには多くのメリットがあり、ビジネスやブランドの認知度を高めるための強力なツールとして広く利用されています。しかし、その一方で、いくつかのデメリットも存在し、慎重な戦略が求められることもあります。

ここでは、SNSプロモーションが持つ主なメリットとデメリットをそれぞれ詳しく解説し、これらの要素がプロモーション活動にどのような影響を与えるかを明らかにしていきます。

 

SNS プロモーションのメリット

・認知向上
・拡散性
・ユーザーとの交流
・購買につながりやすい

認知向上

SNSの投稿により、フォロワーと定期的な接点を持つことができたり、新規ユーザー層へのアプローチもできたりと、自然な形で認知度を上げることができます。また投稿を見たユーザーがブランドに興味をもつきっかけになり、ファン化にもつながるでしょう。ファンが集まると影響力も増し、認知拡大の効果も高まります。

 

拡散性

SNSの最大のメリットは、リアルタイムでの拡散性です。投稿したコンテンツに好感・共感をもってもらえれば、ユーザーはシェアをしてくれ、さらに多くの人に投稿を届けることができます。

またセッション数の多いトレンドや人気の投稿は、さらに多くの人の目に入りやすいアルゴリズムになっているSNSが多く、短時間のうちに一気に拡散する可能性があります。

 

低コスト

SNSプロモーションは、テレビや雑誌など従来の広告と比べて低コストで始めることが可能。例えば、X(Twitter)の広告には最低出稿金額がなく、自分で値段を設定し少額から運用可能。InstagramやFacebookなど他のSNSも低コストで始めることができ、予算に応じたプロモーションが実現できます。

また通常の投稿でも新規層にアプローチできるので、あまりコストをかけずに運用できます。

 

ユーザーとの交流

SNSではコメントやダイレクトメッセージを通じて、ユーザーと直接コミュニケーションを取ることができるのがメリット。例えば、投稿にコメントが付けば簡単に相手に返信できますし、ハッシュタグを調べて自社の製品やサービスについて投稿しているユーザーを把握することもできます。

ユーザからのコメントやレビュー、口コミなどを通して、商品の改善点や新たなニーズを把握し、商品開発にも活かせます。

 

購買につながりやすい

SNSの投稿にはURLを入れて、商品ページやオンラインストアへそのままリンクさせることが可能です。例えばInstagramにはショッピング機能があり、投稿された写真から直接商品のページへアクセスでき、購入までスムーズに進められます。

SNSでは商品の口コミやレビューを検索している人も多く、商品購入の決め手になる傾向があります。

SNSで何を調べている?

マイナビ マーケティング・広報ラボ「情報収集に関するアンケート」

出典:マイナビ マーケティング・広報ラボ「情報収集に関するアンケート」、22歳~25歳/n=489件/2023年12月4日~12月18日

 

マイナビのマーケティング広報ラボでは、22歳~25歳の新社会人を対象にアンケート調査を実施。X(Twitter)では「推し」に関する情報を調べている人が約7割で1番多く、グルメや音楽に関しても注目していることがわかりました。そのほか主要なSNSでも何を調べているか、傾向をまとめています。

参考資料:SNS上での情報収集と広告に対する感じ方~新社会人編~

 

SNS プロモーションのデメリット

炎上リスク
・SNS運用の負担

炎上のリスク

 SNSでは投稿が思わぬ形で広まり、炎上するリスクが常にあります

多くのユーザーがSNSを利用しているため、投稿したコンテンツの受け取り方や解釈は人によってさまざまで、意図しない方向で情報が受け取られてしまうことも。ささいな表現でも誤解を招くことがあり、一部のユーザーから問題視されると瞬く間に広まり、ブランドイメージに深刻な影響を及ぼすことがあります。

投稿内容について、誤解を招いたり不快な気持ちにならないか、入念な確認作業やチェック体制が必須です。

 

SNS運用の負担

SNSは日々の運用・管理が欠かせません。投稿を更新することはもちろん、フォロワーからのメッセージに返信をしたり、時にはユーザーの投稿にも反応をしたりと、こまめにコミュニケーションを取るのが必須。そのほかキャンペーンやイベントなど、フォロワーを飽きさせない工夫も必要です。

またSNSの新機能をいち早く取り入れたり、最新のアルゴリズムを理解して対策をたてたりと、常に学ぶ姿勢が求められ、運用の負担がかかります。

 

SNSプロモーション成功のポイント6つ

SNSプロモーション成功のポイント6つ

SNSは多くのユーザーと直接つながる機会があり、戦略的なアプローチが必要です。プロモーションを成功するために、6つのポイントをおさえておきましょう。

最初に目的とペルソナを設定

SNSプロモーションを始める前に、まず何を達成したいのか、具体的な目的を設定します。例えば、「認知拡大」や「販売促進」などが考えられます。

続けて、ターゲットとなるペルソナを明確にします。SNSの広告配信は細かく設定できるので、性別・年齢・居住地・家族構成・興味関心など、各SNSの項目に合わせて考えていくのもよいでしょう。また競合調査も必ず行い、人気投稿や投稿時間などを分析し、投稿に活かしましょう。

X(Twitter)広告の出し方は?

X(Twitter)広告は最低出稿金額がなく、少額から運用可能! X(Twitter)広告の主なフォーマットやカスタム機能、広告出稿の手順まで詳しく紹介しています。

参考記事:X(Twitter)広告の出し方は?種類と選び方、設定方法まで詳しく紹介

 

SNSの使い分け

SNSの特性を活かして、使い分けをしてみるのも有効です。

例えば、X(Twitter)はニュースや速報など短いメッセージの共有に適しており、Instagramはビジュアルで魅せるコンテンツが人気です。最初に新商品が出るニュースをX(Twitter)で流して、Instagramで新商品のパッケージを魅力的に見せる…などの使い分けをし、ターゲット層に多角的にアプローチするのも一つの方法です。

 

中長期的な施策設計

SNSプロモーションは単発のキャンペーンで終わらせるのではなく、中長期的な視点で施策を継続することが大切です。キャンペーンで一時的に認知拡大することができたら、いかにユーザーとの関係性を継続させていくかが重要です。

投稿を定期的に続けるのはもちろん、トレンドを取り入れた投稿や参加型のイベントを企画したりすることで、ユーザーを飽きさせない工夫が必要です。

 

広告

効果的なSNSプロモーションを行うためには、複数の手法を組み合わせることも有効です。通常の投稿だけでなく、例えば新商品発売などの重要なタイミングの時には広告を併用して一時的に露出を高めて、より多くのユーザーにアプローチするのも効果的です。

SNSごとに広告のフォーマットも異なるため、どのような種類があるのか押さえておきましょう。

 

効果測定、データ分析

プロモーションの効果を最大化するためには、定期的な効果測定とデータ分析が不可欠です。SNSインサイト機能を活用し、投稿のエンゲージメント率(いいね、コメント、シェアの数)やフォロワー数の増減、クリック数、コンバージョン率をチェックしましょう。

これらのデータを分析し、どの投稿が成功し、どの点を改善すべきかを把握します。より詳細なデータ分析が必要な場合は、SNS運用のサービスを利用するのもおすすめです。

 

インフルエンサー

SNSの口コミやレビューはユーザーからの信頼や安心感も得やすく、購入の決め手になる傾向が高まっています。また商品やサービスのターゲットに合ったインフルエンサーを起用することで、爆発的な効果も生まれやすく、認知拡大・購入促進につながります。

10代女子に人気のインフルエンサーは?

マイナビのマーケティング広報ラボでは、2024年版の10代女子が選ぶインフルエンサーランキングを発表しました。今、10代女子に最も影響力がある人をチェック!

参考記事:【2024年4月版】「10代女子が選ぶインフルエンサーランキング」

 

SNSプロモーションの成功事例2

SNSプロモーションの成功事例を2つ紹介します。

①貝印株式会社:「紙カミソリ」投票キャンペーン

マイナビの「学生の窓口」では、X(Twitter)を使って投票キャンペーンを行いました。

貝印の「紙カミソリ」を広める2つのアイデア「神ってるカミソリ」と「KAMIカミソリ」をもとに、どちらの案がより魅力的に感じるか、X(Twitter)上で投票キャンペーンを実施。「いいね」を押すだけで簡単に投票でき、誰でも気軽に参加できる仕組みに。同時に、貝印の公式アカウントのフォロー&投稿リツイートでプレゼント企画も行い、投稿の拡散を促しました。

また独自のハッシュタグ「#キョ―ソウ応援_紙カミソリ編」も作り、コミュニティ化して交流を楽しめるような仕掛けも。認知拡大のプロモーションとともに、Z世代の支持を集めたアイデアを商品化することができました。

②株式会社ロッテ:#雪見のばしチャレンジ キャンペーン」

雪見だいふくキャンペーン

出典:ロッテ公式Instagram

ロッテでは、3つのSNSにて「#雪見のばしチャレンジ キャンペーン」を実施しました。

同キャンペーンでは、ユーザーから雪見だいふくのお餅を伸ばしている様子の動画投稿を募集。ロッテ公式SNSアカウントをフォローの上、「#雪見のばしチャレンジ」のハッシュタグを付けて投稿するのが参加条件で、X(Twitter)、Instagram、TikTokにて応募を受付けました。

TikTokのチャレンジ動画は注目を集めやすい点と「お餅」の商品の特性を活かした企画、ユーザーから雪見だいふくを食べる投稿が自然に集まり、楽しい・おいしいイメージが醸成されました。

また大賞に選ばれた動画は広告として正式採用されるインセンティブもあり、動画広告クリエイティブにも活用。X(Twitter)、Instagram、TikTokと複数のSNSで展開され、ユーザーから質の高い投稿が集まりました。

まとめ

SNSプロモーションは、比較的低コストで始められることからも、ブランドの認知向上やターゲット層へのリーチ拡大など有効な活用方法です。SNSの特性をもとにコンテンツ制作を行い、上手に活用していきましょう。


マイナビのSNS支援サービス

SNSマーケティング運用支援施策

マイナビでは、高校生や大学生、社会人層などを対象としたメディアのほか、自社でSNSも複数運営。各メディアごとに登録会員も所属しており、ユーザーのインサイト分析をもとにしたコンテンツマーケティングを強みとしています。

SNSのアカウント立案や広告施策、インフルエンサーのキャスティング、コンテンツ制作など幅広く運用をサポートしていますので、お気軽にご相談ください。

SNS運用ならマイナビ!

最適なInstagramハッシュタグの数は? 探し方から付け方まで徹底解説

Instagramは写真や動画をメインとした投稿が楽しめ、世界中の人と気軽につながることのできるSNSです「ハッシュタグ」は投稿したコンテンツをより多くの人に拡散する手段としても使われており、正しく活用すれば認知拡大やブランディングの効果をより高めることができるでしょう。

この記事では、Instagramのハッシュタグを付けるメリットや最適な個数、注意すべきポイントなどを詳しく解説します。

Instagramの特性

Instagramの特性、メイン年齢層は?

Instagramの特徴、メイン年齢層

Instagramは写真や動画の投稿がメインで、ビジュアルが重視されるSNSです。そのためトレンドに敏感な10代~30代の若年層がメインユーザー層ですが、40代~50代の年代層からも幅広く支持されており、特に女性の利用率が高いのが特徴です。

また、オシャレ感度が高いユーザーが多く、ファッションや美容、インテリアなどライフスタイル系のジャンルで情報活用する人が多い傾向です

 

Instagramのハッシュタグとは?

Instagramのハッシュタグとは?

Instagramの代表的な機能には、「ハッシュタグ」があります。他のSNSでも使われているハッシュタグですが、ここではInstagramのハッシュタグがどのような機能を持っているのか詳しく解説します。

 

ハッシュタグの機能

ハッシュタグは自身が投稿したコンテンツがどのようなジャンルの情報なのか、他のユーザーに伝えるための「タグ」や「キーワード」の役割を果たします。キーワードの前に「#(ハッシュタグ)」を付けて使用し、投稿のキャプション部分(説明文)に入れます。

Instagramで情報を探す際はハッシュタグ検索がメインで使われているため、投稿コンテンツに合った適切なハッシュタグを付けることが重要XTwitter)と比較すると拡散力はやや弱い傾向のため、フォロワー以外の人にもアプローチしたい場合はハッシュタグを活用することが有効です。

 

ハッシュタグがつけられる投稿

Instagramには「フィード投稿」、「ストーリーズ」、「リール」と呼ばれる投稿形式があり、3種類ともすべてハッシュタグを付けて投稿することができます。


フィード投稿

フィード投稿

出典元:「とりぐらInstagram」

写真や動画を投稿するInstagramの基本的な投稿方法1投稿につき写真は10枚、動画は最大60秒まで投稿可能(写真と動画の組み合わせもできる)。

 

投稿したコンテンツはアカウントのプロフィール欄の下部に表示され、投稿するたびに画面の下部にコンテンツが並んでいきます。公開アカウントの場合、投稿を削除しない限りは過去の全投稿が一覧表示されており、他のユーザーからも自由に閲覧することができます。

 

フィード投稿する際は、キャプション(説明文)・コメント欄にハッシュタグ30個まで掲載可能。関連のあるハッシュタグを付けるのはもちろん、人気やトレンドのハッシュタグもバランスよく取り入れるなど工夫が必要です。

リール動画

リール動画

出典元:「とりぐらInstagram」

15秒~最大90秒までの短い動画投稿で、Instagram音楽ライブラリから楽曲を選ぶと動画に合わせて音楽を流すこともできます。

 

作成したリール動画をフィードに再投稿すると、リールのタブ内に投稿が表示され一覧で並んでいきます。ハッシュタグは30個まで付けることが可能

また公開アカウントの場合、リールは専用の発見タブに表示されることも。そのためィード投稿やストーリーズと比較すると、フォロワー以外のユーザーにもリーチしやすくなっています

ストーリーズ

ストーリーズ

出典元:「とりぐらInstagram」

最大60秒の動画投稿で、投稿してから24時間限定で閲覧できる一時的なコンテンツ。写真や動画の投稿はもちろん、質問・投票機能や親しい人だけに見せる限定公開も可能。リアルタイム性があり、文字入れやスタンプ、GIFなどの加工機能が豊富で、ユーザー同士で気軽に交流しやすいのがメリットです。

また期間が過ぎて閲覧できなくなった投稿もアーカイブとして残っているので、ハイライト機能(過去のストーリーズをまとめて投稿できる)を利用すれば、プロフィール画面に載せることができます

投稿する際は、ストーリーズ投稿画面にある【顔マーク】をタップするとハッシュタグスタンプが表示され、ハッシュタグ10個まで付けることができますリンク機能を使うには条件があるので要注意です。

 

Instagramをよく見ている時間帯は?

SNSをよく使う時間帯

マイナビ マーケティング・広報ラボ「情報収集についてのアンケート」より:18-20歳の学生/n=160件/2023年11月22日~2023年12月31日

 

マイナビのマーケティング広報ラボは、新大学生を対象にSNSに関する調査を実施。各SNSの利用時間帯を聞いたところ、Instagramは「21時~24時」の時間帯が1番多く、約51%の人が使用していることがわかりました。

他のSNSと比べると8時~17時の日中の時間帯も常に20%を超える使用率で、起きてからずっとInstagramに夢中になっている人も一定数いるようです。

参考資料:SNS上での情報収集と広告に対する感じ方~新大学生編~

 

Instagramでハッシュタグが重要視される理由

Instagramでハッシュタグが重要視される理由

Instagramにも他の人の投稿を自分のアカウントやフォロワーに共有する「シェア機能」はありますが、他のSNSに比べると拡散力はあまり強くないと言われています。

そのためInstagramで投稿の拡散を狙いたい場合は、ユーザーにハッシュタグやキーワード検索してもらい、検索結果から発見してもらう必要があります。

 

日本のInstagramのハッシュタグ検索は他国と比べて約5

Instagramの公式発表によると、日本のユーザーは他国のユーザーよりもアクティブで、ハッシュタグ検索を約5倍も行っていることがわかりました。つまり日本ではハッシュタグ検索が大きな意味を持っており、国内のユーザーをターゲットにする場合はハッシュタグ検索の上位に投稿を表示させ注目度を上げることが重要でしょう。

 

インスタの検索結果に影響するのはハッシュタグと関連キーワード

Instagramの検索バーにキーワードを入力すると、検索結果はいくつかのカテゴリー「タグ(ハッシュタグ)」、「おすすめ」、「アカウント」、「場所」などに分かれて表示されます。検索結果はそれぞれ上位に人気の投稿やユーザーとの関連度が高い投稿が表示されるので、興味のある投稿が見つけやすくなっています。

また投稿のキャプション内に書かれたキーワードも、検索結果で出るようになっています。 例えば「スイーツ」で検索した時、投稿に「#スイーツ」のハッシュタグを付けていなくても、キャプション部分に「スイーツ」と書いていれば検索結果で表示される可能性があります。

 

Instagram公式サイトの説明

Instagram公式サイトでは、Instagramの検索機能はユーザーが関心のあるアカウントやトピックを見つけられるように作られており、検索したワードをユーザーとの関連度が高い順に結果を並べ替えて表示していると書かれています(投稿の人気順やユーザーの閲覧履歴なども結果に反映) 

そのため投稿には、関連するハッシュタグやキーワードをキャプションに入れることをお勧めしていますまたプロフィール欄にも関連するハッシュタグ、キーワードや場所を含めることで、検索結果に表示されやすくなるとの説明もされています

 

Instagramのハッシュタグを付ける5つのメリット

Instagram投稿にハッシュタグを付けることで得られる、5つのメリットを紹介します。

Instagramのハッシュタグを付ける5つのメリット

 

ユーザー層の拡大

先述したとおり、Instagramはハッシュタグ検索が主流となっているため、自身のフォロワー以外の人にも投稿を見てもらうためには、ハッシュタグから検索して見つけてもらう必要があります。

ある投稿を見たユーザーの満足度が高ければ、おそらくアカウント自体にも興味を持ち、プロフィール欄や別の投稿まで見てくれるきっかけになります。そこでさらに気に入ってもらえればアカウントフォローにつながることもあるでしょう。

つまりハッシュタグを適切に活用すれば、その情報を探している多くのユーザーに見てもらえる可能性が広がります。ユーザーの目に触れる機会が増えることで、認知拡大やフォロワー数の増加も見込めます。

 

ブランディング

企業の公式アカウントでは、ブランド名や商品名のハッシュタグをつけて投稿をしてみましょう。

Instagramはビジュアルに特化したSNSであるた投稿に統一感を出すことでブランディングがしやすいというメリットがあります。またハッシュタグを作って投稿することでその商品やサービスを使っている人や、興味を持って調べている人ともつながることができます

ハッシュタグが拡散すれば、ブランドの認知度アップも期待できます。また実際に商品を使っている人の投稿からは本音や意見も得られ、商品の改良や商品開発のアイディアに活かすこともできるでしょう。

 

コミュニティ形成

Instagramでは、オリジナルのハッシュタグを作成して投稿に付けることも可能です。ハッシュタグを通じて、共通の興味や関心のある人と簡単につながることができ、お互いにフォローしあうことでコミュニティが形成されていきます。

例えば同じブランドや商品を愛用しているユーザーが、共通のハッシュタグを使って投稿すれば、商品の魅力や使い方をシェアできます。商品の購入を検討している人にとっては有益な情報で、そこから購入につながることも。コミュニティで交流することで、ブランドの魅力を高めることもできるでしょう。

 

キャンペーン

Instagramのキャンペーン企画では、独自のハッシュタグを使ったユーザー参加型が定番です。よくあるパターンとして【「指定したハッシュタグ」や「#キャンペーン名」を付けて投稿すれば、プレゼントや特典がもらえる】などで、条件面のハードルが低く、誰でも気軽に参加しやすいのがメリットです。

 指定したハッシュタグをつけて投稿してもらうことで、企業への注目度や話題性も高められます。またキャンペーンの参加条件としてアカウントのフォローや投稿するコンテンツにテーマが設けられることもあり、フォロワー数の獲得やコミュニティ形成にもつながり有効です。

 

効果測定

プロアカウントに設定すると、投稿に対するアクション数やリーチしたアカウント数、フォロワー・フォロワー以外の数など、アカウントのデータを簡単に把握できるようになります。

ハッシュタグ経由でのインプレッションも表示されるため、ハッシュタグによる流入効果を調べることも可能。フォロワー以外からも流入が多い場合は、ハッシュタグを効果的に活用できていることを示しています。反対にフォロワー以外の流入が少ない場合には、別の関連ハッシュタグを取り入れたり、ハッシュタグの組み合わせを変えたりして、反応を見ていきましょう。

 

Instagramのハッシュタグの探し方

Instagramのハッシュタグの探し方

Instagramでは、検索バーに調べたいキーワードを入力することで、それぞれのカテゴリータブに該当する検索結果が表示されます。ハッシュタグを探したい場合には、タグページから確認することができます。

例えば、韓国ファッションについて調べたいときには、検索ボックスに「韓国ファッション」と入力します。タグページを開いてみると「#韓国ファッション」以外にも「#韓国ファッション通販」や「#韓国ファッションコーデ」などが表示されるので、気になるものをクリックすると、そのハッシュタグが付いた投稿が一覧表示されます。

#韓国ファッション 投稿759万件」というように、ハッシュタグが付いた投稿数も表示されるので、人気のハッシュタグを調べたいときや関連のハッシュタグを探したいときにも役立ちます。

 

2024年の人気インフルエンサーは?

マイナビのマーケティング広報ラボでは、2024年のインフルエンサーランキングを発表しました。最新トレンドのキャッチアップに、今最も10代女子に影響力のある人をチェック!

参考記事:【2024年版】10代女子が選ぶインフルエンサーランキング

 

Instagram ハッシュタグの注意点

投稿を探すときや拡散する時に便利なハッシュタグですが、使用する時には気をつけるべき点もあります。ここからは、Instagramのハッシュタグにおける3つの注意点を紹介します。

Instagram ハッシュタグの注意点

ハッシュタグは完全一致させる

GoogleやYahoo!などの検索エンジンでは、検索したキーワードが完全に含まれていなくても、関連していると判断されれば検索結果に表示されます。一方Instagramのハッシュタグ検索では、検索したキーワードと完全に一致するハッシュタグがつけられている投稿しか表示されません

例えば「#犬好きさんと繋がりたい」と「#犬好な人とつながりたい」だと、ハッシュタグの意味や目的はほぼ同じだと考えられますが、「犬好きさん」と「犬好きな人」、「繋がりたい」と「つながりたい」というように、表現や漢字の閉じ開きが一致していない箇所があるため、それぞれ別のハッシュタグと見なされます

参考までに「#犬好きさんと繋がりたい」の投稿数は272万件、「#犬好きな人とつながりたい」は投稿数11.6万件というように、似ているハッシュタグでも投稿件数に違いが見られます

このようにInstagramのハッシュタグ検索では、該当するハッシュタグが一言一句完全に一致していなければ別物であると捉えられ、表示される投稿の内容も異なるので注意が必要です。

 

ハッシュタグの数と関連性

Instagramでは1投稿につけられるハッシュタグ数が決まっており、最大30個までです(ストーリーズは10個まで)。ハッシュタグは付ければ付けるほどユーザーに見つけてもらう機会が増えるため、一度に多くつけてしまいがちですが、数だけでなく関連性の高いハッシュタグを選ぶことが重要です。

2024年の人気ハッシュタグと付け方をチェック!

Instagramのハッシュタグの付け方では、押さえておきたいポイントがいくつかあります。この記事ではハッシュタグの大テーマ・中テーマ・小テーマの分類や組み合わせ方について詳しく解説。また2024年人気のハッシュタグや、ジャンル別で注目のハッシュタグまで数多く紹介しています。

参考記事:Instagramの人気ハッシュタグは?業界別トレンドもチェック

 

禁止ハッシュタグの使用NG

Instagramのハッシュタグの中には、使用が禁止されているものがあります。差別的な言葉や卑猥な内容を含むものはもちろんのこと、日常でもよく使われていそうな単語なども禁止ハッシュタグに含まれることがあるので注意しましょう。

利用規約やコミュニティガイドラインに違反するハッシュタグは、検索できないケースがあり、検索できても投稿が表示されない場合があります。日本語で禁止されているハッシュタグは英語ほど多くはありませんが、代表的なものだと「#副業」などが禁止されています。

知らないうちに禁止ハッシュタグを使用してしまった場合には、ほかのユーザーから通報されたり、禁止ハッシュタグを使い続けることでアカウントが凍結・停止されたりすることもあります。禁止ハッシュタグは流動性が高く、状況によって使用の可否が変わることもあるので注意しましょう。

 

フォロワーを増やすためにハッシュタグ以外で重要なこと

Instagramでフォロワーを増やすための方法は、ハッシュタグを活用することだけではありません。ハッシュタグの活用に加えて、そのほかで取り組むべきことについても知っておきましょう。

フォロワーを増やすためにハッシュタグ以外で重要なこと

 

発見タブに乗るための工夫をする

新規ユーザーにリーチするには、発見タブに掲載されるという方法があります。発見タブとは、ユーザーのフォローしているアカウントや「いいね」を押した投稿などのデータをもとに、興味や関心があると思われる投稿が自動で表示されるページです。

発見タブに表示される投稿はフォローしていないアカウントのため、そこで興味をもってもらえれば、フォローしてもらえる可能性が高まります。

発見タブに掲載されるためには、投稿へのいいねや保存数、コメントなどを投稿してからどれだけ早くもらえるかが重要となります。保存数が高いものが表示されるため、どのような投稿が保存されやすいのかを考えて投稿を作るのが大事です

 

フォロワーと交流

既存のフォロワーとも積極的にコミュニケーションを取ることが大切です。

アカウントをフォローしてもらえれば、投稿を更新するたびにフォロワーのフィード画面に投稿が表示されるようになります。しかしこれまでの投稿をあまり見られていなければ、アルゴリズム上<興味や関心が薄い>と認識され、投稿の掲載順が下がったり表示されない場合もあります。

Instagramのアプリを開いたりフィードが更新されると、ユーザーが最も関心を持つだろうとされる写真や動画が一番上に表示されます。そのため投稿の露出を増やすためにもフォロワーと交流して、エンゲージメントを高めなければなりません。

具体的には、ストーリーズのアンケートや質問機能で気軽に話しやすくしたり、相手の投稿にコメントをしてみましょう。既存のユーザーと交流することで、ユーザーが今求めている情報も知ることができ、次の投稿内容を考える上でも役立ちます。


マイナビのSNS支援サービス

SNSマーケティング運用支援施策

マイナビでは、高校生や大学生、社会人層などを対象としたメディアのほか、自社でSNSも複数運営。各メディアごとに登録会員も所属しており、ユーザーのインサイト分析をもとにしたコンテンツマーケティングを強みとしています。

SNSのアカウント立案や広告施策、インフルエンサーのキャスティング、コンテンツ制作など幅広く運用をサポートしていますので、お気軽にご相談ください。

SNS運用をもっと効率よくしたい!

 

まとめ

Instagramの投稿はビジュアルで魅せることも大事ですが、ハッシュタグの付け方や組み合わせ方を工夫するのも効果的です。InstagramなどのSNSは機能やサービスも変化しやすく、常にチェックが欠かせません。サポートサービスも使いながら、効率よく活用していきましょう。