ファンマーケティングとは?基礎知識から手法・戦略・成功事例まで徹底解説

ビジネス競争が激化する中、企業が選ばれ続けていくためにはファンの存在が欠かせません。ファンは商品やブランドに愛着を持ち良い影響を与えてくれる存在でもあり、ファンマーケティングに取り組む企業が増えています。

今回はファンマーケティングについて、概要から注目されている背景、メリット・デメリットまで詳しく解説。また主な手法や成功ポイント、事例まで幅広く紹介しています。

ファンマーケティングの概要

ファンマーケティングの概要

まずは、ファンマーケティングの概要についてわかりやすく解説します。

 

ファンマーケティングとは

ファンマーケティングとは、企業や商品・ブランドに対して愛着のあるファンを増やし、中長期的に売上を拡大させていくマーケティング手法のこと。企業がファンとの交流や共創を通じて長期的な関係性を築き、ブランドを作っていくことが目的です。

ファンが増えるほど、企業の安定成長や新規顧客の獲得にもつながるため、長期的に売上拡大させていく上で重要な施策です。

 

ファンマーケティングとファンベースマーケティングの違い

「ファンマーケティング」と「ファンベースマーケティング」は、どちらもファンを増やしていく点では同じですが、「概念」が少し異なります。

ファンベースの提唱者かつファンベースカンパニー会長の佐藤尚之氏によると、ファンベースとはファンを大切にし、ファンをベースにして中長期的に売上や価値を上げていく考え方のことです(出典:佐藤尚之・津田匡保、共著「ファンベース 支持され、愛され、長く売れ続けるために」)

「ファンマーケティング」はマーケティング活動の一環としてファン作りをしたり、ファンからの声を集めたりしてブランディングします。一方で、「ファンベースマーケティング」とはファンの熱い想いに寄り添うのが最優先で、ファンを理解することで事業価値やブランド価値を高めていく方針となるのが違いです。

 

ファンマーケティングが注目されている背景

SNSの普及により、誰でも気軽に情報収集・発信できるようになりました。従来の広告などからの情報よりも、購入者のリアルな口コミやレビューへの価値が高まり、商品購入の決め手になる傾向が強まっています。

またSNSのアルゴリズムによって共通の趣味趣向の人とつながりやすくなっているため、1人のファンが発信した情報は共感を得やすく、フォロワーらが購入し新規顧客につながる傾向も。このように消費が活性化し市場にも影響を与えることから、注目が高まっています。

Z世代が信用して見ているコンテンツ

マイナビのマーケティング・広報ラボでは、新大学生にSNSで信用して見ているコンテンツについて調査しました。X(Twitter)のインフルエンサーや有名人からの美容情報は約4割の人が信頼している傾向。他にもSNSでの情報収集の実態を明かしています。

参考記事:SNS上での情報収集と広告に対する感じ方 ~新大学生編~

 

ファンマーケティングのメリット・デメリット

続いてはファンマーケティングのメリット・デメリットについて、それぞれ説明していきます。

メリット

・売上向上
・潜在ニーズの把握
・新規顧客の開拓

売上向上

ファンは商品・サービスを愛用し継続購入してくれるため、LTV(顧客生涯価値:一人の顧客が生涯を通じて企業にもたらす利益)が伸びやすくなります。市場が成熟し、新規顧客の獲得が難しくなっている現在では、ファンによるリピート購入や関連商品の購入が安定収益として重要になるでしょう。

例えば、ファンの声を取り入れて商品をリニューアルした結果、既存顧客や新規顧客からの購入が増え、売上を伸ばすことに成功した企業もあります。このように既存顧客がファン化していくことで、売上向上も望めるでしょう。ファンの存在により、価格競争に巻き込まれにくくなる点もメリットです。

 

潜在ニーズの把握

ファンの声を収集し、消費者の潜在ニーズを把握できるのも大きな利点です。ファンは日常的に商品を愛用しているため、企業視点では気づかない特別な価値や活用方法、改善点などを把握していることがあります。そのため新商品の開発やサービス改善に活かすことが可能です。

実際にファンへのサンプリングモニター体験などで、ユーザーの声を集めるのも有効です。その際、利用頻度の高い人に加え、熱意や愛着のある人を選出するのがポイント。ファンと共創し、消費者に寄り添った商品を作ればヒット商品が生まれ、ブランドの価値も高められるでしょう。

 

新規顧客の開拓

ファンは商品・サービスの魅力を発信するのにも長けています。SNS上での口コミやレビューは従来の広告よりも信頼度が高く、購入につながりやすいのがメリット。ファンからの発信で親近感を与えつつ自然に魅力を伝えることができます。

情報発信により共通の悩みを持つ人から共感され、「こんなのが欲しかった!」「自分も試してみたい!」と商品購入につながりやすいのです。このようにファンの声が消費者の興味を引き、商品購入へのハードルを下げてくれることから、新規顧客の開拓がしやすくなります。

 

デメリット

ファン作りに時間がかかる

ファン作りに時間がかかる

注意点は、ファンの育成に時間と労力がかかることです。ファンは商品やブランドに共感し、魅力を広めてくれる存在。熱烈なファンを集めるためには、ブランドの理念や世界観に「深く共感し、愛着を持ってもらう」ことが前提となります。すぐに成果が出るとは限らず、時には好意につながらない場合もあるでしょう。

ファンマーケティングで成果を得るためには、短期的なリターンを求めず、長期的な視点を持って取り組むことが大切です。時間と労力はかかりますが、共感が深いほどファンと長期的な関係性が望めるでしょう。

Z世代は何に価値を感じる?

マイナビのマーケティング・広報ラボでは、Z世代の大学生を対象にお金事情についてアンケート調査を実施。お金を稼ぐ方法や目的、使い道などを調べ、何にお金をかけているのか詳しく分析しました。

参考記事:一人暮らし大学生のお金事情を調査! 働き方や生活・趣味にかけるお金の内訳など詳しく解説

 

ファンマーケティングの主な手法

ファンマーケティングには、ファンを「集める・交流する・増やす」ためのさまざまな施策があります。各施策の目的や持続性、効果について一覧でまとめました。

ファンマーケティングの主な手法

新規顧客の開拓には「SNSキャンペーン」や「サンプリング」がおすすめですが、効果は一時的なもので持続性が低いと考えられています。

またファンの育成関係性強化には7つの施策がありますが、購入につながりやすいのは「ライブ配信」や「メルマガ配信」、「クラウドファンディング」や「共創型商品開発」でしょう。なかでも「サブスクリプション」は継続性が高く、安定収益につながりやすいのがメリットです。

一方で「ファンコミュニティ」や「ファンミーティング」は、企業とファンあるいはファン同士の交流を深め、エンゲージメント向上も実現可能。ある程度時間はかかりますが、継続的な関係を築き、消費への好影響も期待できそうです。

10代女子が利用しているSNSは?

マイナビのマーケティング・広報ラボでは、10代女子のSNS利用についてアンケート調査を実施。LINE、Instagram、YouTubeと利用率が高く、休日のスマホ使用時間は「6時間以上」と答えた人が35.3%で最多に。各SNSのアカウント数や使っている機能についても詳しく調べました。

参考記事:10代女子のスマホ利用実態を調査!

 

ファンマーケティングの成功ポイント3つ

ファンマーケティングの成功ポイント3つファンマーケティングを成功させるポイントを3つ紹介します。

 

顧客やファンのニーズ把握

ファンマーケティングでは、ファンのニーズを正確に把握することが大切です。 ユーザーの声をもとに商品やサービスを見直すことで、顧客満足度の向上につながるだけでなく、企業への信頼も高まりファンとの関係がより強固なものになるからです。

顧客やファンのニーズを把握する手段としては、インタビューアンケート、イベントでの直接的な対話に加え、SNS上の会話を観察するソーシャルリスニングなどが有効。日常的なやりとりの中からリアルな声を拾い上げることが、ファンの心をつかむ商品やサービスづくりの土台になります。

 

交流の場を作る

ファンとの交流の場を作り積極的にコミュニケーションをとることも、ファンマーケティングにおいて大切です。 例えばコミュニティサイトなどを開設し、ファン同士が気軽に交流できる場を作ると活動も盛り上がるでしょう。

ファン同士の交流によって仲間意識が芽生えるだけでなく、ブランドへの親近感も高まり愛着やロイヤリティを高められるでしょう。ファンミーティング、ワークショップ、ライブ配信など、節度を守って交流できる場を提供していきましょう。

コミュニケーションの活性化

ファンマーケティングにおいて、企業とファン、ファン同士のコミュニケーションを活性化させることは欠かせません。 積極的な交流によって、ファンは「企業から大切にされている」「自分の意見を聞いてくれる」と実感でき、より強い愛着を抱くようになるからです。

例えば、商品・サービスに関するSNS投稿に、企業側が「いいね」やコメントで反応するだけでも、心理的な距離は一気に縮まります。企業の公式アカウントでユーザーの投稿を紹介するのも親しみを感じてもらえるようになるでしょう。

こうした双方向の関係性を築くことで、ファンのエンゲージメントが高まり、情報発信も活発に。日常的に双方向のコミュニケーションを活性化させるようにしましょう。

Instagramでのファン形成につながった事例

 

ファンマーケティングの成功事例

ファンとの交流がうまくいっている企業は、どのような工夫をしているのでしょうか。3つの成功事例を紹介します。

 

カルビー「じゃがりこ探検隊」

カルビー「じゃがりこ探検隊」

出典:じゃがりこ公式Webサイト「じゃがりこチャンネル」

カルビーは「じゃがりこ」を愛するファンが集まるコミュニティサイト「じゃがりこ探検隊」を2023年より開設しています。

同コミュニティは、入会テストに合格した熱量の高いファンで構成されているのが特徴。「じゃがりこ」について語りあうだけでなく、オンラインでクイズ大会をしたり、カルビー本社で「じゃがりこ」に関するゲームやディスカッションを行うなど、オン・オフさまざまな企画を実施しています。

またじゃがりこ30周年を記念した新商品の共創として、メンバーから募ったアイデアをもとに「じゃがりこ国民投票」がされ、商品発売も予定されています。ファンの活発な交流で「仲間」としてのつながりを醸成し、ブランドを育てています。

 

ヤッホーブルーイング

ヤッホーブルーイング

出典:ヤッホーブルーイング公式サイト

ヤッホーブルーイングは、クラフトビール市場において独自のコミュニケーションを築き、熱狂的なファンを増やしています。

同社の最大規模イベント「よなよなエールの超宴」は、ファンと同社スタッフが一緒に楽しむ野外ビールイベント。2010年より宴イベントが開催されており、2018年の野外イベント「超宴」には約5000人が集結。ビールを飲みながら食事やライブ演奏を楽しんだり、ビールを学べるアクティビティやセミナーも開催され、高い満足度を得てきました。

リアルイベントに加え、Web上のコミュニケーションも盛況。オウンドメディアではブランドストーリーやビールの雑学からビールづくりの裏側が知ることができたり、個性豊かなスタッフがSNSやメルマガにて情報発信し、ファンとの交流を楽しんでいます。スタッフがファンと一緒に楽しむ”姿勢で強固な関係を築き、ブランドの価値を高めています。

 

カゴメ「&KAGOME(アンドカゴメ)」

カゴメ「&KAGOME(アンドカゴメ)」

出典:「&KAGOME」公式サイト

カゴメが展開するファンコミュニティ「&KAGOME(アンドカゴメ)」はファンとの交流を目的に開設。「ファンを知る」「ファンに伝える」「ファンと一緒に体験する」という3つの柱を掲げ、2015年よりスタートし、会員数が6万人まで成長しています(2024年2月時点)。

ファン同士の交流が盛んなのはトマト栽培を楽しむ「トマコミ」。カゴメからプレゼントされたトマト苗の成長記録を写真付きで投稿し、花が咲いた!と喜びを共有したり、トマトの成長過程での悩みにはメンバーやカゴメ社員からアドバイスがされ、自然と交流が生まれています。

そのほかにもトークルームやレシピなど多くのコンテンツがあり、ファンとの共創の場としても活用され、これまでに企業サウンドロゴやチューブ型のトマトペーストなどが実現。ファンとの日々の交流を盛り上げることで、エンゲージメントを高めています。

 

まとめ

ファンマーケティングに取り組む上で大切なことは、ファンのニーズに向き合いながら長期的に関係を育んでいくことです。今回ご紹介した手法を取り入れて、積極的にコミュニケーションをとり交流を深めましょう。


Z世代の認知拡大に! マイナビのキョーソウPROJECT

キョーソウPROJECT

マイナビのキョーソウPROJECTは、Z世代の認知拡大・新規顧客化を狙いとしたプロモーション施策です。企業からの課題に対し、Z世代のメンバーがアイデアを提案、企画書として仕上げます。

プロジェクトを通して、企業の理念や商品・サービスに込められた思いを伝えることも可能。Z世代のリアルな声を反映できる新しいプロモーション施策です。

キョーソウPROJECTを見る

界隈消費とは? Z世代を動かすアプローチ戦略と成功事例を解説

SNSの定着により、人々のコミュニケーションやコミュニティの在り方も急速に変化しています。近年では「界隈」という言葉が広まり、界隈を起点に新たな消費行動が生まれていると考えられています。

今回は「界隈」の言葉の意味や種類から界隈消費の傾向やメカニズムまで詳しく解説。またZ世代を動かすマーケティング戦略や成功事例についても紹介します。

界隈の概要

まずは「界隈」の言葉の定義や分類方法について紹介します。

 

界隈とは

界隈(かいわい)とは、共通の好きなものや趣味、価値観などを持つ人々の集まりを意味します。

もともとは地理的な範囲を示す言葉でしたが、特定の趣味やコミュニティを指す言葉として使用されるようになりました。その後、近年では「好きなものが同じ人々」や「共通の趣味や関心を持つ人々」、「行動パターンが似ている人々」など幅広い意味合いに変化し、使い方も多様化しているのが特徴です。

Z世代を中心にSNSで「界隈」が広まり、2024年の「現代用語の基礎知識 選『ユーキャン新語・流行語大賞』」1位に入るほど活用が広がっています。

 

界隈の種類

界隈の種類

界隈の種類について、ここでは大きく3つに分類して説明していきます。

ジャンル系

ジャンル系は共通の価値観や特徴、テーマを持つコミュニティを指します。メンバーのアイデアや創造性などにより、界隈独自の新しい価値観やスタイルが生まれ、自己表現をしているのが特徴です。

<消費傾向>
ジャンル系はビジュアル重視の要素が強く、SNS映えする商品・サービスに注目が集まり消費と結びついている傾向。またインフルエンサー特定のジャンルに精通している人が影響力を持ち、トレンドを生み出しています。

例えば「水色界隈」は、水色や淡い色などのファッションを楽しむ人たちのことを指し、「天使界隈」は水色界隈よりもさらに透明感やかわいらしさが加わった天使のようなファッションスタイルとされています。

 

このように、それぞれの界隈に違いがあり、特定の界隈に所属することで、自分らしさを表す傾向です。

 

推し・趣味系

推し・趣味系は、好きなものを通じてつながるコミュニティを指します。特定のアーティストやアニメ・芸術、趣味などに熱心な人々が集まり、ファン同士で交流・情報収集したり、活動を盛り上げたりします。仲間と一緒に活動し、団結力や連帯感を高めているのが特徴です。

<消費傾向>
推し・趣味系の界隈は、自分の好きなものを楽しむため消費への熱が高く、推しを応援したり好きなものを極めるために惜しまずにお金をかける傾向です。また界隈の共感力も高いため、1つの投稿をきっかけに爆発的な消費が生まれることもあります。

例えばアイドル界隈では、ファンクラブの加入やライブ・イベントへの参加、グッズ収集をはじめ、X(Twitter)で最新情報や意見を投稿したりなどと活動が多岐にわたり、ファンの間で情報共有が欠かせません。

 

それぞれの界隈の特性が強く、界隈内の暗黙のルールやマナーもあるとされています。

 

トレンド系

トレンド系の中でも、SNS上で流行語のように言葉として使われるものと、派生してミーム化されるものに分けられます。トレンド系は共感度が高く、さまざまな人と同じ状況を楽しもうとする要素が強いのが特徴です。

日常会話やハッシュタグで使われ、日々の出来事や心理状況を仲間と共感し合う
・「風呂キャンセル界隈(お風呂に入るのを面倒だと感じ入浴しないこと)」
・「伊能忠敬界隈(長距離の散歩をすること、長時間歩き回ること)」
・「自然界隈(山、川、などの自然スポットを訪れること、自然を楽しむこと)」

 

話題の投稿から派生したコンテンツを作り、SNSで共有し楽しむ
・「回転界隈(音楽に合わせて回転する動画)」
・「片目界隈(片目や顔の一部を隠した写真や動画)」
・「ぬいぐるみ振り向き界隈(いろんな場所でぬいぐるみを振り向かせる動画)」

10代女子の間でもトレンド入り!

マイナビのマーケティング・広報ラボによる、10代女子を対象とした【2024年のトレンドランキング】でも「風呂キャンセル界隈」は2位にランクイン。派生した「〇〇キャンセル界隈」も広まっているようです。そのほか注目の最新トレンドも詳しく紹介しています。

参考記事:【2024年】10代女子が選ぶトレンドランキングを発表!

 

界隈消費とは

界隈消費の概要

界隈消費とは、SNSを通じた界隈(共通の好きなものや趣味、価値観などを持つコミュニティ)で生まれる消費のこと。界隈で自分の価値観や趣味嗜好を表現し、他者からの共感を得ようとする傾向もあります。

また個人の趣味嗜好が多様化していることや、界隈自体がゆるいつながりで派生して変化していくことから、界隈消費特定の界隈内だけでなく、別の界隈にも広がりやすいのが特徴です。

 

界隈消費と従来の消費傾向との違い

界隈消費と従来の消費傾向との違い

界隈消費は、仲間との一体感や界隈への貢献が消費の動機になっていることがポイント。従来の消費が生活の利便性や個人的な満足を求めるものだったのに対し、界隈で仲間からの共感を得たり自己表現を楽しむために消費し、好きなものにはお金をかける傾向も。

また界隈での話題性やトレンドに刺激を受け商品・サービスを購入し、自らも情報発信。トレンドをさらに盛り上げ加速させていく伝播力も持っています。

 

界隈消費が広まる理由

SNSのアルゴリズムの進化により、趣味趣向の合う仲間を見つけコミュニティ形成しやすくなりました。界隈の共感力は高く情報源への信頼性もあるため、仲間内で話題になると消費が促進されトレンドが急速に作られていきます。

また界隈は強い情報発信力と伝播力を持ち1つのトレンドが別界隈に波及していく傾向も。このように界隈は消費にダイレクトに結びつき、市場に大きな影響を与えていると考えられています。

 

界隈消費の4つの傾向

界隈消費の4つの傾向ここでは「界隈消費」の主な4つの傾向について、詳しく解説します。

 

界隈ごとに特性がある

界隈ごとに浸透している価値観やSNSの活用、消費行動などが異なると考えられています。

例えば、アニメ界隈ではX(旧Twitter)やYouTubeの利用者が多いとされ、関連グッズや作品への考察、二次創作などの投稿が中心。ファン同士の熱量により消費が生み出されています。

一方でコスメ界隈ではInstagram、YouTube、TikTokの利用者が多いと考えられており、新商品のレビューやメイク動画などが人気投稿。インフルエンサーの口コミが消費に大きく影響しています。このように界隈の特性により消費が生まれています。

 

SNSで発信・共有

SNSは界隈消費を促進する重要な役割を果たしています。SNSで情報収集するだけでなく、自らも“界隈の一人”として情報発信・共有していくことで消費がより活発化するからです。SNSでの投稿が盛り上がることで、新たなブームやトレンドが次々と形成されていきます。

 

界隈との共感や一体感

先述した通り、界隈との一体感を得ることが消費の主な動機商品・サービスを購入することで仲間と一緒に共感・熱狂したり、界隈で存在感を示すことに価値を感じています。

たとえばアイドル界隈では、推しカラーのものやグッズを身につけ、推しとの一体感を生み出しています。このように、共感・つながり・貢献といった要素が重視されています。

 

界隈を通して自己表現

SNSの発信や界隈とのゆるいつながりが、自己表現の一部に。自分の好きなものをSNSで発信することで界隈とのつながりが生まれ、アイデンティティが形成されていきます。個人の趣味は多様化しているため、1人が複数の界隈にわたって存在していると考えられています。

 

Z世代の特徴と界隈消費

Z世代の特徴と界隈消費

界隈消費の中心は、Z世代だと考えられています。

SNSネイティブであるZ世代はSNSを通じて情報収集し、趣味趣向の合う人と積極的に交流。人とのつながりの中で界隈が作られていき、「共感」によって購買意欲が促進されます。Z世代のSNS活用共感性が、界隈消費の特徴と強く結びついています。

Z世代の5つの特徴は?

Z世代は「SNSネイティブ」のほか、おさえておくべき4つの特徴があると考えられています。Z世代の次世代にあたるα世代との違いや共通点なども、チェックしましょう!

参考記事:「α(アルファ)世代」の特徴とは? Z世代との違いや価値観を徹底解説

 

界隈消費からトレンドが生まれるメカニズム

界隈消費からトレンドが生まれるメカニズム

界隈消費のトレンド形成は、特定の商品・サービスが界隈内で話題化され、別の界隈にも波及するというものです。

1.特定のジャンルに精通している人が「この商品はすごい!」などと情報発信

 

2.投稿が話題になると、界隈で「この機能が便利!」「こういう活用もできる!」などと情報共有が盛んに。

 

3.情報共有のやりとりの中で多くの共感が生まれ、購入が促進されます。

 

4.実際に購入した人のUGCや口コミ、レビューなどをきっかけに、界隈内・外へ情報拡散されていき、消費トレンドが作られます。

例えば、K-POP界隈で特定のアーティストの活躍が注目されると、コスメ界隈やファッション界隈にも波及して、そのアーティストが着ていた服や使用したコスメが売れるというような現象が該当します。

Z世代の消費行動は?

マイナビのマーケティング・広報ラボでは、Z世代のプライベート時の“スイッチがオンになる時・オフになる時”に注目!  彼らがやる気を出す時に起こる消費やリラックスタイムの行動など詳しく調べました。

参考資料:【 プライベート編 】スイッチのオンとオフ ~Z世代/30代社会人の気持ちの変化による消費と行動~

 

Z世代を動かす界隈消費のマーケティング戦略

界隈消費を促すマーケティング戦略として、3つのポイントを紹介します。

 

界隈の価値観やトレンドを把握(SNS分析)

まずはターゲットとする界隈の価値観やトレンドを把握することが大切です。SNSの人気投稿コメント数の多い投稿を調べ、ターゲットには何の情報がどのようなコンテンツで求められているのかを分析しましょう。ハッシュタグ文言も合わせてチェックするのが大切です。

 

「共感」設計

界隈は「共感」から成り立っているため、マーケティング施策では界隈を盛り上げる企画を考えることが重要です。

誰もが安心して交流できるコミュニティサイトを作ったり、界隈のキーパーソンと共同で商品開発をしたり、トライアルイベントを開催したりなどと、情報発信したくなる導線を作りましょう。体験価値や仲間との一体感を高める企画もおすすめです。

 

界隈の拡散力を活用

界隈は強い発信力があり、別の界隈へと波及していくのが特徴です。そのためUGC(ユーザー生成コンテンツ)を使って、より拡散性を高めていくことが大切です。リポスト&ハッシュタグキャンペーンや、ユーザー参加型のチャレンジ企画・コンテストなども有効でしょう。 

合わせてチェック!

InstagramのUGCは独自のオシャレな世界観が反映されたUGCで、商品の魅力が伝わりやすいのもメリット。UGCの効果や増やすポイントについて詳しく解説しています。

参考記事:インスタグラムのUGCとは? 効果や増やす方法、事例を徹底解説

 

Z世代×界隈消費の事例

最後は、実際に界隈消費がどのように起きているか、4つの事例を紹介します。

 

GU×推し活界隈

GU×推し活界隈

出典:GU公式Instagram

GUはトレンド感のあるファッションアイテムを中心に、豊富なサイズとカラーバリエーションで商品展開をしています。推しカラーを取り入れた「推し活コーデ」が気軽に楽しめると注目を集めています。

推しカラーとは、アイドルやキャラクターなど応援している推しを象徴する色のこと。ファンは推しカラーをコーデに取り入れることで、推しへの愛情や熱意を表し、仲間との一体感を強めています。

公式Instagramでは「推し活コーデ」と題して、推しカラー別のスタイリングを紹介ファッションで推しへの愛情と自分らしさもアピールしたいニーズに対して、豊富なカラーとサイズ、プチプラ価格で応えており、支持されています。

 

著名人や専門家、インフルエンサー×コスメ界隈

著名人や専門家、インフルエンサー×コスメ界隈

コスメ界隈では、著名人や専門家、インフルエンサー発信の情報に大きく影響を受け、消費が活発になっています。

例えば、ヘア&メイクアップアーティストの小田切ヒロ氏は、最新の美容情報やメイクテクニックなど、美容にまつわるコンテンツを配信。YouTubeチャンネル登録者数145万人、Instagramフォロワー数70万人超え(2025年5月時点)と、絶大な支持を集めています。

小田切氏がおすすめしたアイテムを購入した人々は、自らも「#ヒロ買い」とタグ付けして情報発信。実際に使ってみた感想やレビュー、Before~After画像など、さまざまな切り口でUGCが作られ、消費が加速「#〇〇買い」をキーワードに、多くのトレンドが生まれています。

 

サンリオ×推し活界隈

サンリオ×推し活界隈

出典:サンリオ

サンリオの「エンジョイアイドルシリーズ」は、推しを楽しく応援するためのグッズシリーズ。かわいい(推し)とかわいい(サンリオのキャラクター)の相乗効果で、推し活をする人に向けた商品が展開されています。

アクリルスタンドホルダーやペンライトポーチ、推しのぬいぐるみをよりかわいく変身させるコスチュームや専用ポーチ、誕生日を祝うカスタムケーキメーカーなどもあり、推し活に欠かせない定番アイテムから実用性や付加価値の高いオリジナルアイテムまで幅広く揃います

推し活をさらに楽しく盛り上げてくれるかわいいアイテムが共感を呼び、Z世代からの支持を得ています。

 

ZONe×アニメ・ゲーム界隈

ZONe×アニメ・ゲーム界隈

出典:サントリーキャンペーン事務局

エナジードリンクブランド「ZONe」は、アニメ・ゲームなどのカルチャーを積極的に取り入れており、さまざまなアーティストや企業とのコラボレーションを展開しています。

人気アニメ「東京リベンジャーズ」や「ブルーロック」などとコラボした際は、限定描き下ろしのコラボ缶で大きな話題に。アニメの世界観を再現したスタイリッシュなデザインに、ファンは熱狂。SNS上でUGC(ユーザー生成コンテンツ)が拡散され、コラボ缶をストック買い・コンプリート買いする人が続出しました。

またオリジナルグッズ当たるキャンペーンでも注目を集め、新規層の開拓にもつながっています。

 

まとめ

個人の趣味や価値観の多様化が進む中、「界隈」が消費行動に与える影響は大きく、ブームやトレンド化しやすくなっています。今後さらにZ世代や若年層のインサイト分析が重要になり、彼らのニーズを把握していくことが大切でしょう。


ティーンズキョーソウPROJECT

ティーンズキョーソウPROJECT

マイナビでは、学生コミュニティ「ガクラボ」を運営しており、さまざまな高校や専門学校、大学の学生が集まっています。ティーンズキョーソウPROJECTでは、アイデアミーティングやワークショップを通じて、トレンドに敏感な高校生のアイデアを得ることもできます。

若年層のインサイト分析からさまざまなプロモーション施策まで、幅広く運用をサポートしていますので、お気軽にご相談ください。

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平成女児ブームとは? Z世代もハマる魅力とトレンド傾向を解説

近年、SNSを中心に「平成女児」という言葉が注目を集めています。キャラクターグッズやコラボ商品、キラキラとした小物類など、さまざまなアイテムが女性たちの間でトレンドに。「かわいい」「癒される」などと盛り上がりを見せています。

この記事では、平成女児の定義から注目されている背景、平成女児カルチャーの特徴と魅力、具体的な事例について詳しく解説します。

平成女児とは

まずは「平成女児」という言葉の定義から理解しましょう。

 

平成女児の定義

平成女児とは、平成時代(1989年~2019年)に生まれ育った女性を指す言葉です。具体的には1990年代後半から2000年代初頭に子供時代を過ごした世代が該当し現在20代〜30代のZ世代やミレニアル世代がメイン層と考えられています。

彼女たちは、キャラクターグッズやコラボアイテム、キラキラアクセサリー、シール帳や香りつきの文房具など、平成時代を象徴するアイテムに愛着を持っています。かわいいキャラクターやポップな色使いなど「平成レトロ」の世界観に夢中になるのが特徴で、自己表現の一部としても楽しんでいます。

「平成女児」という言葉はネットスラングから広まりましたが、近年ではブームを牽引するほどの影響力を持っています。

 

平成女児が注目されている背景

令和元年(2019年)頃より、平成時代のアイテムやカルチャーが「平成レトロ」として再評価されるようになりました。Y2Kファッション(2000年頃に流行したファッションスタイル)やセーラームーン、たまごっち、サンリオなどの人気キャラクターグッズがリバイバルし、大きな話題を集めました。

消費の活発化

平成女児ブーム

「平成レトロ」のリバイバルに、ミレニアル世代からは「なつかしい!」、Z世代からは「かわいくて映える!」と大きな共感が生まれ、関連グッズやコンテンツの売れ行きが急増するなど、消費が急成長。2つの世代が交わり、大きな消費を生んでいるのが特徴です。また消費を通じて、癒しや自己表現にもつながっているとされています。

SNSによる市場への影響

また平成女児はSNSでの発信力や拡散力も持っているのが特徴です。「平成女児」の世界観をより魅力的に見せるのに長けており、SNSの投稿が消費行動にも大きな影響を与えています。こうした流れに合わせて、企業側からイベントや復刻コラボ・限定商品の展開も増え、市場は拡大しています。

経済効果を生み出すブームの一つとして、平成女児カルチャーは今後もさらに注目されていくでしょう。

リバイバル消費に注目!

「平成女児」と同様に、おもちゃ業界でもリバイバル消費が活発になっています。「キダルト」と呼ばれる彼らの特徴や、具体的な事例について詳しく紹介しています。

参考記事:玩具市場を牽引する「キダルト」とは? 注目される理由や特徴を解説

 

平成女児カルチャーの4つの特徴 

平成女児カルチャーの4つの特徴

続いては、「平成女児」カルチャーの4つの特徴を見ていきましょう。

 

キャラクター

平成女児カルチャーの核ともいえるのが、当時の子どもたちの心をときめかせたキャラクターの存在です。セーラームーン、たまごっち、サンリオや、アパレルブランド「エンジェルブルー」や「メゾピアノ」など、当時大流行したキャラクターは、今も多くの人の記憶に強く残っています。

ポップでカラフルなデザインのキャラクターは「なつかしい」だけでなく、Z世代からも「新鮮でかわいい」と再評価されており、世代を超えた人気に。またキャラクターアイテムはSNS映えし、共感を得やすいのも魅力。多くの人が気軽にSNS投稿し情報拡散されていくため、新たなブームが生まれやすくなっています。

企業から復刻アイテムやファッション・コスメとのコラボレーショングッズも多数発売されており、キャラクターによるコレクション価値を加えて、購買意欲を強く刺激しています。

10代女子の人気キャラクターは?

マイナビのマーケティング・広報ラボでは、最新のキャラクター人気を徹底調査! 10代女子が今持っているキャラクターグッズや、購入したいと思うコラボ商品のカテゴリ、今年流行りそうなキャラクターについて、最新のトレンドをまとめています。

参考記事:【2025年版】10代女子が選ぶ!人気キャラクターランキング

 

Z世代とミレニアル世代 2つの層

先述した通り、平成女児カルチャーは「Z世代とミレニアル世代」の2つの世代を中心に広がっているのが特徴です。

Z世代は、SNSで映えるアイテムカラフルポップなデザインに惹かれ購入する傾向で、ミレニアル世代は「平成女児」としてリアルな記憶と結びついており「なつかしい」が消費の原動力になっていると考えられています。同じカルチャーを別視点で楽しむ2つの層が存在することで、市場に広がりと深みが生まれています。

 

コラボ・限定・体験

平成女児カルチャーブームの高まりとともに、復刻版やコラボ商品、限定アイテムの展開も活発になっています。化粧品や雑貨、アパレルといった日常的に使えるアイテムがブームの中心に。ポップでカラフルな色使い、キャラクターやブランドロゴを踏襲したデザインは、多くの女性の心を掴んでいます。

コラボ商品はレトロとトレンドがほどよく融合されており、“今っぽさ”もあるため、取り入れやすいのが魅力。また限定販売や体験イベントなどが購買欲を刺激し、今しか手に入らない・体験できないといったレミアム要素がSNSでの話題性も高めています。

企業にとっても、既存ファンの囲い込み新規顧客の開拓ランドイメージの再構築にもつながる重要な施策でしょう。

 

SNSで発信  

平成女児カルチャーは、SNSでの発信を通じて加速度的に広がりを見せています。中でも、人気キャラクターのコラボアイテムや復刻グッズは、InstagramやX(旧Twitter)などでたびたび話題となり多くの反響を生み出しています。

ユーザーの発信意欲は強く、「どのようにかわいく撮るか」、「平成っぽさも取り入れて撮影をしたい」などと、発信すること自体が楽しさを生むエンタメになっている傾向も。「より多くの人に見てもらいたい」「共感を得たい」という気持ちが、イベントへの参加や消費に結びついています。

またSNSでの交流でファンが強く結びつくため、購入後の満足度も格段に高まります。SNSでの盛況が消費行動を生み、現在進行形のトレンドとして支えています。

Z世代のSNS利用の実態

マイナビのマーケティング・広報ラボでは、新大学生を対象にSNSに関する調査を実施。X(Twitter)やInstagram、TikTokなど、どのように使い分けて情報検索しているのか、情報ジャンルや信用して見ているコンテンツの傾向、よく使う機能についても詳しくまとめています。

参考資料:SNS上での情報収集と広告に対する感じ方 ~新大学生編~

 

「平成女児」ブームとして人気を集めた事例6つ

最後に、平成女児ブームを生んだ人気事例について詳しく解説します。

 

ナルミヤインターナショナルのキャラクター

イベント「ニュートロ with ナルミヤキャラクターズ ~ウチらの平成がアプデしてカムバ!?~」

出典:ナルミヤオンライン

ナルミヤインターナショナルが展開する「ANGEL BLUE(エンジェルブルー)」は1989年に誕生し、2000年代前半に小中学生の女の子から圧倒的な支持を集めたアパレルブランド。2010年にはブランドを一時終了したものの、近年インフルエンサーが「エンジェルブルー」を着たコーディネイトを投稿すると人気が再燃。平成アイテムを現代風に着こなすスタイルが人気を集めました。

アパレル人気にとどまらず、文房具や雑貨、小物など多くのコラボ商品も登場し、人気を確立。また2025年にはイベント「ニュートロ with ナルミヤキャラクターズ ~ウチらの平成がアプデしてカムバ!?~」をルミネエスト新宿にて開催すると、平日にもかかわらず整理券が即配布終了となるなど、ブームを裏付けています。

 

クレアボーテ×美少女戦士セーラームーンのコラボコスメ 

クレアボーテ×美少女戦士セーラームーンのコラボコスメ

出典:プレミアムバンダイ

バンダイの化粧品ブランド「クレアボーテ」より、2024年にセーラームーンの限定版フェイスパウダーが発売されました。

「美少女戦士セーラームーン」は1990年代を代表する日本の少女向け漫画・アニメシリーズで、国内外で社会現象を起こした人気作。同ブランドはこれまでもセーラームーンのコスメシリーズを発売してきましたが、スーパーセーラームーンに変身するアイテム「クライシスムーンコンパクト」をモチーフにした商品は初登場。キラキラ輝く羽根つきコンパクトの再現度の高さに、ファンが熱狂しSNSで話題となりました。

さらにコンパクトの魅力だけでなく、フェイスパウダーも本格コスメとして評価されており、人気が加速。なつかしさとときめきを感じる機能性アイテムとして反響を集めました。

 

たまごっち リップ&チーク

たまごっち リップ&チーク

出典:ライフスタイルバンダイ

「たまごっち」は1996年に誕生し、発売当初から爆発的にヒットした“デジタルペット育成玩具”。育て方によってキャラクターが進化し、性格も異なる個性的なキャラクターたちが人気を集めました。

平成リバイバルを牽引した一つが「たまごっち」で、2010年代後半に再ブームがくると、新機種の玩具やスマートフォン向けのアプリ版もリリース。さらにぬいぐるみやTシャツ、文房具、バッグ、がちゃがちゃなどの雑貨類をはじめとして、アニメや映画などと幅広く展開され、ファンを広げていきました。

近年ではコスメも登場し、「たまごっち リップ&チーク」はSNS上で大きな話題に。初代たまごっちをモチーフにしたデザインに「かわいすぎる!」「持っているだけで楽しい気分になれる!」とパケ買いする人が多く、SNSの投稿が拡散され爆発的なヒットとなりました。

 

ハローキティ展

ハローキティ展

出典:ハローキティ展

2024年より、ハローキティ50周年を記念した展覧会「Hello Kitty展 –わたしが変わるとキティも変わる–」が日本各地で開催。同展覧会は「キティとわたし」の50年をテーマに、キティの展示史上最大量のグッズ展示をはじめ、アーティストとのコラボ作品、オリジナル映像コンテンツなどが公開されました。

時代によるキティのデザインの変化や、初期のコラボアイテム、ご当地キティシリーズなど、なつかしいアイテムも勢ぞろいし、SNS映えする魅力的な空間を演出。またオリジナルのフォトスポットや、「もじもじハローキティシリーズ」など多彩な限定グッズも発売され、多くのUGC(ユーザー生成コンテンツ)が拡散されました。展覧会に体験価値も高めたことで、SNSでの話題化につながりました。

10代女子にも圧倒的人気のキティ

マイナビのマーケティング・広報ラボでは、10代女子を対象としたトレンドランキングを発表。2024年上半期のトレンドランキングでは、マクドナルドの「ハッピーセット」とコラボしたハローキティのぬいぐるみが、モノ部門で1位にランクイン。若年層からも圧倒的な人気を確立しています。そのほか最新のトレンドも合わせてチェック!

参考資料:【2024年上半期】10代女子が選ぶトレンドランキングを発表!

 

オシャレ魔女 ラブ and ベリー展 

出典:PARCO ART

「オシャレ魔女 ラブandベリー」は、2000年代前半にブームを巻き起こした女の子向けカードゲーム。「オシャレまほうカード」を使ってキャラクターを着せ替え、ダンスバトルをするゲームスタイルは熱狂的な人気を博し、ラブベリの愛称で親しまれています。

2024年よりラブベリの20周年を記念した展覧会「オシャレ魔女 ラブ and ベリー展 ~オシャレまほうミュージアム~ 」が全国各地で開催。当時の「オシャレまほうカード」や懐かしいグッズの展示、ゲーム内の衣装やラブとベリーの部屋、ダンスステージなどと、オリジナルの世界観が再現されました。

ラブベリの世界観に没入できる展示なりきり撮影ブース復刻・限定グッズも発売され、ファンは熱狂。またコラボカフェでは、キャラクターやファッションをイメージした色鮮やかなオリジナルメニューが発売され、ファンの満足度も高めました。さらにインフルエンサーやコスプレイヤーなどの来場レポがSNSで反響を呼ぶと、ファンだけでなく若年層の来場にもつながり大盛況となりました。

 

平成女児チョコ

平成女児チョコ

最後に、企業事例ではありませんが「平成女児チョコ」も平成女児ブームの一つとして紹介します。

平成女児チョコは、アルミカップに溶かしたチョコレートを流し込み、アラザンやチョコスプレーで飾りつける手作りスイーツのこと。ピンクや水色などパステルカラーを基調とし、ハートや星、リボンなどのトッピングで飾られた“レトロかわいい”仕上がりになっているのが特徴です。

平成女児チョコがSNSで注目を集めると、「作ってみた!」とチョコ作りを楽しむ人が続出。トッピングのアレンジにこだわったり、かわいくラッピングしたりなどと、Z世代を中心にブームとなりました

平成女児チョコブームに続き、関連グッズやキーホルダー、ガチャガチャなども登場。サンリオキャラクターズの手作りおやつチャーム(平成女児チョコ)はキャラクター人気も相まり、一層話題に。SNS映えやアレンジ性により、トレンドとして広がりました。

 

まとめ

平成女児ブームは単なるノスタルジーではなく、Z世代やミレニアル世代の今の感性と結びついた新たなカルチャーとして広がりを見せています。なつかしさとかわいさが融合した独自の世界観は、今後も市場を大きく動かしていくでしょう。


ティーンズキョーソウPROJECT

ティーンズキョーソウPROJECT

マイナビでは、学生コミュニティ「ガクラボ」を運営しており、さまざまな高校や専門学校、大学の学生が集まっています。ティーンズキョーソウPROJECTでは、アイデアミーティングやワークショップを通じて、トレンドに敏感な高校生のアイデアを得ることもできます。

若年層のインサイト分析からさまざまなプロモーション施策まで、幅広く運用をサポートしていますので、お気軽にご相談ください。

若年層向け施策の相談をしてみる!

【Instagram広告ガイド】出し方・種類・費用、成果の高め方も解説

Instagram広告は写真や動画の視覚的な訴求に優れており、ブランドの認知拡大や売上向上に効果的です。 広告の種類や運用を正しく理解し、成果に結びつけましょう。

 今回は、Instagram広告の種類や掲載先、出し方や費用などについて詳しく解説します。

 

Instagram広告とは

Instagram広告とは、Instagram上で商品・サービスを告知できる広告サービスです。

Instagramは写真や動画をメインに投稿・共有できるSNSで、世界で20億人、国内で6,600万人以上のユーザーが利用していると想定されています(2025年3月時点)。ユーザーは自身の興味ベースで投稿や閲覧をし、好きなブランドの最新情報をチェックしたり、共通の趣味を持つユーザーとつながりを深めたりなどと楽しむことができます。

他のSNSと比較して、Instagramは商品・サービスの購入につながりやすいのが特長。ブランドの認知向上や新規顧客の獲得も目指せるでしょう。

10代女子のSNS活用の実態

マイナビのマーケティング・広報ラボでは、10代女子のスマホの利用方法を徹底調査!1日あたりの主要SNSを見ている時間や各SNSのアカウント数、実際に使っている機能など、さまざまな角度から10代女子の傾向を分析しています。

参考記事:10代女子のスマホ利用実態を調査! 使用時間からSNSの利用方法まで徹底解説

 

Instagram広告のメリット・デメリット

まずは、Instagram広告のメリット・デメリットについて見ていきましょう。

 

メリット

・購入につながりやすい
・精度の高いターゲティング、自動最適化
・二次リーチ

購入につながりやすい

Instagram同様、広告でも“写真や動画が映える”視覚的なアプローチに優れており、魅力をダイレクトに伝えることができます。例えば、食欲をそそるメニューや美しい絶景スポットなど視覚的にインパクトのあるコンテンツで、ユーザーの興味関心を惹くことができるでしょう。

また商品タグやInstagramショッピングなど、商品の購入がスムーズにできる機能も充実。そのため広告から直接購入までつながりやすいのが大きなメリットです。

 

精度の高いターゲティング、自動最適化

Meta社が提供しているFacebookとInstagramは連携しており、Facebookに登録されたプロフィール情報(氏名、年齢、職歴、学歴、居住地など)をもとにターゲティングできます。またユーザーの行動履歴から興味・関心を特定して広告を配信することもでき、ターゲティング精度の高さが魅力です。

さらにAIによる自動最適化機能も搭載されており、配信データを分析しながら広告パフォーマンスが向上。ターゲットに対して、適切な広告を最適なタイミングで届けられるでしょう。

 

二次リーチ

Instagram広告を見たユーザーがリポストをすると、そのユーザーのフォロワーにも広告が共有され、二次リーチを獲得できます。また二次リーチには課金されないため、リポストの数が増えるほど、より多くの人にリーチを広げられます。

ハッシュタグも活用!

Instagramでは、情報拡散のためにハッシュタグの活用が欠かせません。人気のハッシュタグや業界別トレンドも取り入れて、認知向上を図りましょう。

参考記事:【2024年】Instagramの人気ハッシュタグは? 業界別トレンドもチェック

 

デメリット

・質の高いクリエイティブが求められる

質の高いクリエイティブが求められる

Instagramは画像や動画がメインのプラットフォームであるため、クリエイティブの質が非常に重要。常に“魅せるコンテンツ”が求められており、時間や労力がかかるのがデメリットです。

また、食品・コスメ・アパレル・旅行・インテリア系など、写真映えしやすい商材は適していますが、ITシステムやコンサルティングサービスなどのBtoBビジネスや専門的な商材など、視覚的な訴求が難しい業界は魅せ方に工夫が必要です。

 

Instagram広告、4つの管理先

Instagram広告、4つの管理先

Instagram広告を運用するには、複数の管理ツールが用意されています。それぞれの特徴を理解し、自社の目的や運用に適した方法を選びましょう。

 

Facebook広告センター:手軽さ重視

Facebook広告センターとは、Facebookのページ上で広告を編集したり、結果を確認できるツール。Instagramアカウントがなくても広告を出稿できます。

特徴は、直感的に簡単操作で広告を出稿できることです。ページから作成したすべての広告が表示され、ターゲット層や予算、スケジュールなどを設定可能。ターゲティング設定などは簡易的で、配信結果もリーチやエンゲージメントなど、基本的な情報のみの確認になります。

 

Meta広告マネージャ:詳細設定重視

Meta広告マネージャ

出典:Meta広告マネージャ 

Meta広告マネージャとは、Meta社が提供する広告管理ツール。Instagramアカウントがなくても広告出稿が可能で、Facebook、Instagram、Messenger、Audience Networkの広告を一元管理できます。

 

特徴は、コアオーディエンス、カスタムオーディエンス、類似オーディエンスなど、細かくターゲティングが行えることです。配信結果でも「リーチ」「投稿のエンゲージメント」などに加え、「インプレッション」「コンバージョン率」「クリック単価」など、広告運用の改善に役立つ多くの指標を確認できます。

 

ターゲティング精度を上げたい場合、特におすすめの管理ツールです。

 

Meta Business Suite:効率化重視

Meta Business Suite

出典:Meta Business Suite

Meta Business Suiteは、Facebook、Instagram、Messengerのビジネスアカウントを一元管理するためのツール

 

特徴は、Facebook、Instagram、Messengerなど各SNSに投稿できる点で、SNS運用を効率化する際に非常に便利なツールです。

 

Meta Business Suiteにも広告作成機能は搭載されていますが、Meta広告マネージャのような細かなターゲティングはできません。また、配信結果も簡易的なものに限られます。そのため、SNS運用の効率化を目指す方におすすめの管理ツールです。

 

Instagramアプリ:気軽さ重視

Instagramアプリ

出典:Instagram/App Storeプレビュー

Instagramアプリから直接Instagram広告を作成することも可能です。アプリでの簡単操作で広告を出稿できるため、まずは気軽に広告を始めたいという方に適しています。

 

ただし、細かなターゲティングや詳細な配信結果は提供されておらず、基本的な情報に留まります。Facebookの企業アカウントの作成を手間に感じる方や、簡易的な広告運用を希望する方におすすめです。

 

Instagram広告の出し方(Meta広告マネージャ)

ここでは、多くの企業が利用しているMeta広告マネージャからInstagram広告を出す手順について説明します。

 

広告を出す手順

1.Meta広告マネージャにログインし、広告マネージャを開く

 

Instagram広告の出し方(Meta広告マネージャ)

2.キャンペーン上で「+作成」を押す

3.キャンペーンの目的を選択して「次へ」を押す

 

 

Instagram広告の出し方(Meta広告マネージャ)

4.「手動作成の〇〇(※〇〇は選択した目的)キャンペーン」にチェックを入れて「次へ」を押す

5.キャンペーン名を入力して「次へ」を押す

 

6.広告セット名を入力する。※下記、詳細を入力していきます。

7.【配置】で「手動配置」を選択して、Instagramを選ぶ。

 

 

Instagram広告の出し方(Meta広告マネージャ)

8.地域、年齢、性別、興味・関心、行動、言語などのターゲティングを設定する

9.広告名を入力する

 

10.【広告設定】でフォーマットを選ぶ

11.【クリエイティブ】で写真(または動画)をアップロード、メインテキストを入力する

12.リンク先のURLを入力して完了

 

Instagram広告の主な掲載場所

Instagram広告は、さまざまな場所に表示され、ユーザーにリーチできます。それぞれの掲載場所の特徴を理解し、広告の目的に応じた適切な配信先を選びましょう。

Instagram広告の主な掲載場所4つ

・フィード
・ストーリーズ
・リール
・発見タブ

フィード

フィード

出典:Meta for Business 

表示形式

フィードはInstagramアプリを開いたときに表示され、写真や動画などの投稿が常に更新されています。フォローしているアカウントの投稿だけでなく、ユーザーの興味・関心に基づいた投稿も表示されるのが特徴です。広告は通常投稿の間に挿入されます。

 

メリット

Instagramユーザーは日常的にフィード画面を開くため、広告配信することで、商品やサービスの認知度を高めることができます。他の投稿に溶け込みやすく広告感がおさえられるため、自然な形でユーザーの目に入りやすいのが利点です。

 

ポイント

ただし、フィードはスクロールのスピードが速いため、魅力的なビジュアルやキャッチーな言葉などで効果的にアピールすることが重要です。

フィード掲載可能のクリエイティブ: 画像、動画、カルーセル、コレクション

 

ストーリーズ

ストーリーズ

出典:Meta for Business 

表示形式

ストーリーズは縦型のフルスクリーンで表示され没入感が高いのが特徴で、閲覧ユーザーは若年層が多い傾向広告は通常のストーリーズの間に挿入されます。

 

通常のストーリーズは投稿後24時間で自動的に消えてしまいますが、ストーリーズ広告では掲載期間を設定可能。長さが35秒未満の動画広告であれば、動画全編が再生されます。

 

メリット

またストーリーズ広告には複数のリンクを設置できるため、Webサイトや商品ページへの誘導がスムーズにでき、購入につながりやすいのがメリットです。

 

ポイント

一方で、ストーリーズは短時間で次々と流れてスワイプされていくため、最初の数秒で目を惹くクリエイティブが求められます。

ストーリーズ掲載可能のクリエイティブ: 画像、動画、カルーセル、コレクション

10代に人気のストーリーズ

マイナビのマーケティング広報ラボでは、10代を対象にSNSの利用実態を調査! Instagramでよく使われている機能は「ストーリーズ」の投稿・閲覧で、約8割が利用していることがわかりました。高校生と大学生の Instagram活用の違いや、主要SNSの利用傾向についても詳しくまとめています。

参考記事:今の10代のSNS利用実態を調査!LINEやInstagram、X(Twitter)など SNSごとの使い分けやよく使う機能を大解剖

 

リール

リール

出典:Meta for Business 

表示形式

Instagramのリールは、音楽やエフェクト機能を使って楽しいショート動画を作成できます。広告は通常のリールコンテンツの間に配信され、縦型のフルスクリーンサイズで没入感が高いのが特徴です。また通常のリールと同様、広告の長さは最大15分です。

 

メリット

リールは、エンタメ性が高いショート動画が多い傾向。チャレンジ系の企画やチュートリアル動画、ファッションの着回しなどが人気とされており、視覚的にインパクトがあるため印象に残りやすいのがメリットです。

 

ポイント

広告でも見る人がわくわくしたり、楽しめたりするエンタメ要素は欠かせないでしょう。他の掲載先と比べると、より質の高いクリエイティブが求められる傾向です。

リール掲載可能の広告クリエイティブ:動画

 

発見タブ

発見タブ

出典:Meta for Business 

表示形式

発見タブは、ユーザーが新しい情報(コンテンツ)を発見するために活用する場所。フォローしているアカウントに類似した投稿や、興味・関心に合う投稿が表示されます。広告は、左記画像で表示されてる「発見ホーム」から特定の投稿を選び、スクロールしていく合間に表示されます

 

メリット

発見タブでは、興味関心の合う層に訴求することができるのがメリットで、特に新規層にリーチしたい場合に適しています。話題のコンテンツが表示されやすいため、新商品トレンド商品の掲載にも効果的です。

 

ポイント

潜在顧客へのアプローチに適していますが、広告感が強すぎるとユーザーにスルーされてしまう可能性があるため、工夫が必要です。

発見タブ掲載可能の広告クリエイティブ:画像、動画

 

Instagram広告クリエイティブの主な種類

Instagram広告には、さまざまなフォーマットが用意されており、広告の目的や訴求したい内容に応じて適切な種類を選ぶことが重要です。それぞれのフォーマットの説明と、よく使われる掲載先でのデザイン概要についてまとめています。

 

Instagram広告クリエイティブの主な種類4つ

・画像広告
・動画広告
・カルーセル広告
・コレクション広告

画像広告

画像広告

出典:Meta for Business 

写真1枚と説明文で構成される、最も基本的なクリエイティブ

 

メリット

画像広告は、Instagramのフィードや発見タブに自然に溶け込むため、広告感が薄く、ユーザーに受け入れられやすいのがメリットです。クリエイティブの高い写真は印象に残りやすく、ブランディングにも活用できます。動画広告と比較すると、制作の負担やコストもおさえられるでしょう。

 

ポイント

ただし、写真1枚と125文字のテキストでは情報量に限界があるため、ビジュアルで魅せる際に活用するのがおすすめです。

 

画像広告の掲載可能な場所:フィード、ストーリーズ、発見タブ

画像広告をフィードに掲載する場合

デザインの推奨事項

・画像ファイルタイプ JPGまたはPNG

・アスペクト比 1:1
・解像度 1,440×1,440ピクセル

 

テキストの推奨事項

・メインテキスト 125文字以内

・見出し 40文字以内

・最大ハッシュタグ数 30

出典:Meta ビジネスヘルプセンター

 

動画広告

動画広告

出典:Meta for Business 

動画広告は、動画1本とキャプション、メインテキストで構成されます。フィードで表示できる動画の長さは1秒~60分までです(※ストーリーズ、リールに掲載する場合は最大15分)。

 

メリット

特殊文字や音などのエフェクト機能でインパクトのある動画を作成でき、ユーザーとのエンゲージメントを高められるでしょう。商品の活用方法など、情報量が多いものを表現するのに適しています。一方で、動画広告の制作には撮影や編集が必要で、労力がかかる点がデメリットです。

 

ポイント

動画は視聴後5秒以内に視聴を続けるかどうかが判断されるため、最初の5秒間が重要な要素。動画制作のスキルが求められます。

動画広告の掲載可能な場所:フィード、ストーリーズ、リール、発見タブ

動画広告をリールに掲載する場合

デザインの推奨事項

・ファイルタイプ  MP4、MOV

・アスペクト比  9:16

・動画設定 H.264圧縮方式、正方画素、固定フレームレート、
     プログレッシブスキャン、および128kbps以上のステレオAAC オーディオ圧縮

・解像度  1,440×2,560ピクセル

・動画のキャプション 推奨

・動画音声 推奨

 

テキストの推奨事項

・メインテキスト 72文字以内

 

技術要件

・動画の長さ 0秒~15分

・最大ファイルサイズ 4GB

・最小幅 250ピクセル

出典:Meta ビジネスヘルプセンター

 

カルーセル広告

カルーセル広告

出典:Meta for Business 

カルーセル広告は、最大10枚の写真または動画をスワイプして表示できるフォーマットです。複数のクリエイティブを展開できるので、商品のバリエーションや使い方、ビフォーアフターなどを見せたい場合におすすめです。

 

メリット

各写真や動画にリンクを設定できるため、クリエイティブごとにそれぞれ異なるページへ遷移させるなども可能で、多角的なアプローチが実現できます。

 

ポイント

1枚目の画像や動画を起点に、続きが気になるような展開など、趣向を凝らしましょう。

カルーセルの掲載可能な場所:フィード、ストーリーズ

カルーセル広告をフィードに掲載する場合

デザインの推奨事項

・画像ファイルタイプ JPGまたはPNG

・動画ファイルタイプ MP4、MOVまたはGIF

・アスペクト比 1:1または4:5

・解像度 1,080×1,080ピクセル以上

 

テキストの推奨事項

・メインテキスト 125文字以内

・最大ハッシュタグ数 30

・ランディングページのURL 必須

 

技術要件

・カルーセルカードの数 2~10

・画像の最大ファイルサイズ 30MB

・動画の最大ファイルサイズ 4GB

・動画の長さ 1秒~2分

・アスペクト比の比率許容誤差 1%

出典:Meta ビジネスヘルプセンター

 

コレクション広告

コレクション広告

出典:Meta for Business 

コレクション広告とは、メインの画像(または動画)の下に関連する商品画像3点を表示できるフォーマットです。

 

メリット

ユーザーが気になる商品をタップすると、フルスクリーンのランディングページ「インスタントエクスペリエンス」が表示されます。気になる商品をより詳しく見ることができ、気に入った商品はショッピング機能を通じて直接購入することも可能。商品認知から検討、購入までスムーズに展開されるのが利点です。

 

ポイント

アパレルやコスメ、ジュエリー業界などでも活用されている、効果的な広告フォーマット。メイン画像や動画、サブ画像など、どのような組み合わせで訴求するのかアレンジができる分、工夫が必要です。

 

コレクション広告の掲載可能な場所:フィード、ストーリーズ

コレクション広告をフィードに掲載する場合

デザインの推奨事項

・画像タイプ JPGまたはPNG

・動画ファイルタイプ MP4、MOVまたはGIF

・アスペクト比 1.91:1~1:1

・解像度 1080×1080ピクセル以上

 

テキストの推奨事項

・メインテキスト 125文字以内

・見出し 40文字以内

・ランディングページのURL 必須

 

技術要件

・インスタントエクスペリエンス 必須

・画像の最大ファイルサイズ 30MB

・動画の最大ファイルサイズ 4GB

・画像動画の最小幅 500ピクセル

・画像動画の最小高さ 500ピクセル

出典:Meta ビジネスヘルプセンター

 

Instagram広告のターゲティング

Instagram広告では、精確なターゲティングができるのが大きなメリットです。Meta広告マネージャでは、FacebookとInstagramは共通の広告管理画面で設定するため、以下3つのターゲティングが利用できます。

 

コアオーディエンス

コアオーディエンスとは、FacebookプロフィールやInstagram登録情報(氏名、年齢、性別、居住地、職歴、興味・関心、行動履歴など)をもとにターゲティングする手法精度の高いターゲティングが実現できます。

<ターゲット項目>

地域 国、都道府県、市区町村、郵便番号など
利用者データ 年齢(13歳~65歳)、性別など
詳細データ 興味・関心、学歴、職歴、子どもの有無など
行動データ 行動履歴(エンゲージメントや購入履歴)など

コアオーディエンスを活用することで、特定の地域や属性、興味・関心を持つユーザーに向けて効率的に広告を配信できます。特に、狙ったターゲット層にピンポイントでアプローチしたい場合に有効です。

ただし、ターゲットを狭めすぎると広告のリーチが制限されるため、最初は広くリーチさせて、データを蓄積しながら最適化していきましょう。

 

カスタムオーディエンス

カスタムオーディエンスとは、自社のユーザーデータを活用してターゲティングする手法。自社の商品・サービスに興味を持っているユーザーまたは過去に何らかのアクションを取ったユーザーをターゲティングできます。

既存の顧客データやWebサイトの訪問履歴、アプリの利用状況などを活用し、関心度の高いユーザーに向けて広告を配信できます。

キーワードベースのターゲティング

特定のキーワードを設定することで、Instagram上でそのキーワードを検索したユーザーや、関連する商品を購入したユーザーに広告を配信。

Webサイト訪問者のターゲティング

企業のWebサイトURLを登録しておくことで、過去にそのサイトを訪れたことがあるユーザーに広告を表示できます。商品・サービスに興味を示した特定のユーザーに再アプローチできるため、商品購入も見込めるできるでしょう。

 

類似オーディエンス

類似オーディエンスとは、カスタムオーディエンスと似た特性を持つユーザーをターゲットに広告を配信する手法です。自社の商品・サービスを購入した顧客のデータをもとに、興味・関心や行動パターンが似ているユーザーを自動的に選定し、広告を届けることができます。

この手法では、新規顧客の獲得や売上向上が期待できるのがメリット。既存のターゲット層をさらに広げつつ、より効果的な広告配信が可能になります。

類似オーディエンスの精度を高めるためには、元となるオーディエンスの質が重要。購買履歴や高いエンゲージメントを示したユーザーのデータを活用するようにしましょう。

 

Instagram広告の費用

Instagram広告の費用は、広告の目的や入札戦略によって異なります。代表的な課金方式を理解し、最適な運用を行いましょう。

 

CPM(Cost per Mille:インプレッション課金)

「CPM」:広告が表示された回数に応じて課金される

      広告が1000回表示されるごとに費用が計算されます。

単価相場:1000インプレッションあたり500円~3,000円程度

商品・サービスの認知向上やブランディングが目的の場合におすすめ。他の課金方法に比べると低コストで出稿できます。

 

CPC(Cost Per Click:クリック課金)

「CPC」:広告がクリックされた回数に応じて課金される

単価相場:1クリックあたり40円~100円程度

CPCは、広告表示が多くてもクリックされない限り費用がかからないのがメリット。 自社のWebサイトや商品の購入ページにユーザーを誘導したいときにおすすめの方法です。Instagramのアナリティクスを使って、広告経由で訪問したユーザーの動きを分析し、ターゲティングやクリエイティブを改善していきましょう。

 

CPV(Cost per View:再生数課金)

「CPV」:動画広告が視聴された回数に応じて課金される

単価相場:1再生あたり4円~10円程度

CPVは、動画広告が10秒以上視聴された場合や最後まで閲覧した場合などの条件の元に課金されるため、関心のあるユーザー層に対して費用をかけ、効率的に広告を運用することができます。

動画は商品の使い方や開発ストーリーなどを詳しく伝えることができるので、商品・サービスの認知向上につながりやすく、共感や信頼感なども得やすいでしょう。

 

CPI(Cost Per Install:アプリインストール課金)

 「CPI」:広告を通じてアプリがインストールされた時に課金される

単価相場:1インストールあたり100~250円程度です。

CPI広告は、アプリのインストールを促進するのに適していますが、インストール後のユーザーの行動にも注目することが重要です。例えば、アプリ内課金の誘導や継続利用を促す施策を同時に実施することで、単なるインストール数の増加にとどまらず、エンゲージメントの長期的な向上につなげることもできるでしょう。

 

Instagram広告で成果を出すポイント

Instagram広告で成果を出すポイント3つを参考に、高いパフォーマンスを実現しましょう。

 

ターゲットを絞り込みすぎない

先述した通り、Instagram広告はターゲティングの詳細設定が可能のため、特定のユーザー層に絞り込みすぎてしまうことがあります。しかし、最初からターゲットを過度に限定してしまうと、広告のリーチ数が大幅に減少し、十分なデータを収集できなくなる可能性があります。その結果、Instagramの自動最適化機能が十分に機能せず、広告のパフォーマンスが低下してしまうことも。

そのため、広告配信の初期段階ではできるだけ広範囲なターゲティングを設定し、十分なデータを蓄積することが重要です。収集したデータを分析しながら、効果的なターゲット層を見極め、段階的に精度を高めていくことで、より最適な広告運用が可能になります。

 

A/Bテストを実施する

Instagram広告はMeta広告マネージャを活用し、A/B テストを実施することができます。複数のクリエイティブを用意し、それぞれの反応を比較することでクリエイティブを最適化しましょう。

A/B テストを実施する場合は、目的を明確にしましょう。クリック率やCV率など、何を基準として反応を見るかによって改善の仕方が変わるからです。Instagram広告のA/B テストは迅速に結果が出るので、画像やフォント、レイアウトなど、どの変更が1番効果的か短期的に最適化できるのが強みです。

A/Bテストを繰り返し実施することで最適な広告が把握でき、Instagram広告のパフォーマンスを最大化することができます。

 

インサイト機能の活用

Instagramをビジネスアカウントへ切り替えると無料で利用できるインサイト機能があります。このインサイト機能を活用することで、Instagram広告を視聴したユーザー数や属性、訪問時間、エンゲージメントなど、さまざまなデータを把握することが可能です。

インサイト機能を活用することで、「どのような人に広告が見られているのか?」「何時頃に広告が視聴されているのか?」といった傾向を読み取れます。ターゲットへの最適な配信時間やクリエイティブも把握できるでしょう。

Z世代のSNS活用の特徴は?

マイナビのマーケティング広報ラボでは、Z世代の新社会人を対象にSNSの利用実態を調査! SNSを利用している時間帯や、各SNSでどんな情報カテゴリーを調べているのか、Web広告への感じ方など、インサイトを詳しく分析しています。

参考記事:SNS上での情報収集と広告に対する感じ方 ~新社会人編~

 

まとめ

Instagram広告の種類や出し方、費用など、広告運用に必要な基礎知識を中心にまとめました。広告運用は気軽に始められますが手間もかかるため、支援サービスを利用するのも一つの手です。マイナビでもSNS支援サービスを幅広く展開していますので、お気軽にご相談ください。

 


マイナビのSNS支援サービス

SNSマーケティング運用支援施策

マイナビでは、高校生や大学生、社会人層などを対象としたメディアのほか、自社でSNSも複数運営。各メディアごとに登録会員も所属しており、ユーザーのインサイト分析をもとにしたコンテンツマーケティングを強みとしています。

SNSのアカウント立案や広告施策、インフルエンサーのキャスティング、コンテンツ制作など幅広く運用をサポートしていますので、お気軽にご相談ください。

SNS運用ならマイナビ!

 

エモ消費とは? Z世代の心を動かすポイントや消費行動の変遷を解説

消費行動は時代とともに変化し、市場に大きな影響を与えます。東日本大震災やコロナを経て、消費者はこれまでとは異なる価値観を持つようになったと考えられています。

今回は「エモ消費」について取り上げ、概要や消費行動の変遷について詳しく紹介。また「エモ消費」の特徴をふまえたマーケティングのポイントについても解説していきます。

エモ消費とは

まずは「エモい」の意味と、エモ消費について解説します。

 

「エモい」とは

「エモい」とは、心が揺さぶられたり、感情が高まったりしている状態を表す形容詞です。「emotional(エモーショナル)」を語源としており、に響いた時深く感動した時など、言葉では言い表せない“特別な感情”を表現する際に使われるようになりました。

「エモい」という言葉は『三省堂 辞書を編む人が選ぶ「今年の新語2016」』に入選したことをきっかけに、広く知られるようになりました。2016年以前も一部で使われていましたが、同賞により多くの人々に認知され、Z世代を中心に感情の共有に欠かせない表現となっています。

 

エモ消費とは

エモ消費は、コラムニストの荒川和久氏が提唱した概念で、「理屈では説明できないが、心のままに突き動かされてしまう消費」のことを指します(出典:エモ消費『好き』が『しあわせ』を拡散する)。商品・サービスに対して、「楽しい」、「ワクワクする」などといったポジティブな感情が購買動機になり購入後の精神的満足度も重視されているようです。

Z世代の特徴は?

エモ消費の中心にいるZ世代は、他の世代とは異なる価値観を持っていると考えられています。彼らの特徴と、次世代にあたるα(アルファ)世代についても合わせてチェックしましょう! 

参考記事:Z世代、α世代「α(アルファ)世代」の特徴とは? Z世代との違いや価値観を徹底解説

 

エモ消費の具体例

エモ消費に共通するのは「楽しい」、「ワクワクする」、「なつかしい」などといったポジティブな感情を起点に消費が生まれるところ。消費を通じて、仲間と共感しあったり、精神的な満足に結びついているのが特徴です。

SNSで話題のスイーツを食べに行く

話題のスイーツを食べ、自らもSNSで発信する

 

推し(アイドルやアーティスト、アニメキャラなど)の誕生日を祝う

推しのイメージカラーの服を着たり、小物を身に着ける。
仲間で集まり、豪華な装飾をしたり、ケーキや推しの好きな食べ物などを食べる。

 

・フィルムカメラ、昔のデジタルカメラで撮影する

あえて手間のかかるフィルムカメラで撮影し、自分で現像する
昔のデジタルカメラで画質を落とし、雰囲気のある写真を撮る

 

・古着を着る

リバイバルファッションとして着こなす
一点ものの古着を着て、独自のオシャレをする

 

エモ消費の重要性

続いては、エモ消費が重要視されている理由を理解しましょう。

 

エモ消費が注目される理由

エモ消費は2010年以降に見られるZ世代を中心とした消費行動と考えられています。

購入前の情報収集

エモ消費の起点とされる2010年代以降はモノが大量にあふれ、Web上で簡単に口コミなどの情報収集が可能になり、自分に合うものを見つけやすくなったことが背景にあります。そのため商品・サービスを選ぶ上で、事前に情報収集することが日常になりました。

そのような状況の中、消費者は価格や機能性、ブランド自体には魅力を感じにくくなり、商品・サービスの背景にあるストーリーや価値観などを重視して、共感できるものを選ぶ傾向に。そのため消費者から共感を得ることが購買につながると考えられています。

SNSでの影響力

また、エモ消費が広がる背景にはSNSの普及も関係しています。SNSを通じて、共通の趣味や価値観を持った人と簡単につながることができるようになり、好きなものに没頭することに幸せを感じやすくなっています。Z世代は高い情報発信力を持ち、市場への影響も大きいことからも注目されています。

 

エモ消費と消費行動の変遷

1970年代以降の消費行動の変遷

エモ消費と消費行動の変遷

1970年頃の「モノ消費」から2020年頃の「ヒト消費」まで、消費行動の変遷を一覧でまとめました。時代や社会的背景によって人々の価値観も変わり、消費行動も変化していきます。これらの消費行動の変遷を把握しましょう。

 

「モノ消費」1970年頃~1990年頃

モノ消費

モノ消費とは、商品・サービスを購入し、所有することを重視する消費行動を指します。1970年代から80年代にかけての消費傾向で、商品・サービスそのものに魅力を感じ、人より新しいものや特別なものを所有したいと思う傾向です

1950年代半ば以降の高度経済成長期により、生活必需品をそろえることから始まり、家電製品や自動車など新しくて便利なものを購入し、物質的な豊かさを求める動きが広がりました。そこから高級品やハイブランドなど、ステータスを満足させる精神的な消費に変化していきます。

合わせてチェック!

時代に沿った消費行動を見ていく上で、各世代の特徴も把握しておくことが大切です。団塊の世代からα(アルファ)世代まで、おさえておくべきポイントを詳しくまとめています!

参考記事:【各世代の特徴一覧】価値観の違いや効果的なマーケティング方法を比較

 

「コト消費」1990年代後半頃~2000年代頃

コト消費

コト消費とは、どこかに行く・何かをするなど「体験」に価値を見出す消費行動を指します。1990 年代後半から2000年代にかけての消費傾向で、非日常の体験が重視されているのが特徴です。

1990年代初頭のバブル崩壊後、日本は長引く不況に突入し、モノに対する執着が薄れる一方で「体験」に価値を見出す人々が増加しました。海外旅行や国内観光、スポーツジム、料理教室、ヨガやマッサージなどのリラクゼーションサービス、さらにはテーマパークやフェスなどの体験型レジャーが人気を集めるようになりました。

当時は就職氷河期とも重なり、少しでも良い企業に就職するためのスキルアップが求められ、資格取得やビジネススクール、英会話スクールなどの学びに投資する人も増えました。こうした流れの中で、コト消費はさらに活発化し、経験を積むこと自体が価値を持つという考え方が定着しました。

 

「トキ消費」2010年頃~

トキ消費

トキ消費とは、「その時」「その場」でしか味わえない特別な体験を楽しむ消費行動を指します。2010年以降にみられる消費行動の1つとされ、博報堂生活総合研究所が提唱しました。

具体的には、野外フェスやコラボイベント、オリンピックやスポーツ観戦、ハロウィン仮装イベントなどが該当します。

SNSの普及により、個人的な体験が数多く共有される中で「その場の感動や熱狂を共有したい」、「自慢できる特別な体験をしたい」という欲求が強まったことも、トキ消費が加速した要因でしょう。

 

「イミ消費」時代:2010年頃~

イミ消費

イミ消費とは、商品・サービスの機能面だけではなく、社会貢献や文化的価値などを重視する消費行動を指します。この概念は、ホットペッパーグルメ外食総研エヴァンジェリストの竹田クニ氏が提唱し、2011年の東日本大震災以降、傾向が強まっていると考えられています。

具体的には、フェアトレード商品やふるさと納税、クラウドファンディングなどが該当します。「この商品は環境に優しいか?」、「自分が購入することで社会貢献につながるか?」、「このブランドの理念や活動に共感できるか?」などの付加価値により、商品を選ぶことが該当します。

商品やサービスを購入することで、自分自身だけでなく、他者や社会、未来によい影響を与えることに意義を見出しているのが特徴です。

 

「エモ消費」時代:2020年頃~

エモ消費

先述しましたが、コラムニストの荒川和久氏が提唱した概念で、「理屈では説明できないが、心のままに突き動かされてしまう消費」のことを指します。2020年頃からの消費行動と考えられています。

エモ消費をわかりやすく説明すると、自分の好きなモノ・コトにお金や時間をかけ、幸せを感じるこです。モノを所有することが目的ではなく、モノを通じて自分らしさ(自身の価値観)を表現し、感情が豊かになることにも重点を置いています。

 

「ヒト消費」時代:2020年頃~

ヒト消費

ヒト消費とは、「人」の持つ魅力やストーリーに価値を見出す消費行動を指します。単なる商品・サービスの購入ではなく「特定の人物を応援したい」、「特定の人物と関わりを持ちたい」という気持ちが消費行動につながるのが特徴です。

具体的には、推しが愛用する商品の購入や応援するためのグッズ購入、聖地巡礼(好きな作品にまつわる場所への観光)、ライバーへの投げ銭などが該当します。

2020年代からのコロナ禍では、対面でのイベントや直接の交流が制限される状況を経験しました。その結果、「誰と一緒に、どのように楽しむか」という要素が重要視されるようになり、ヒト消費が注目を浴びるようになりました。

Z世代のお金の使い道は?

マイナビのマーケティング・広報ラボでは、Z世代の大学生を対象にお金事情についてアンケート調査を実施。お金を稼ぐ方法や目的、使い道などを調べ、何にお金をかけているのか詳しく分析しました。

参考記事:一人暮らし大学生のお金事情を調査! 働き方や生活・趣味にかけるお金の内訳など詳しく解説

 

エモ消費の特徴とマーケティング戦略ポイント5つ

エモ消費を押さえた上で、どのようなマーケティング戦略を考えていけばいいのでしょうか。ここではZ世代の特徴とともに戦略ポイントを紹介します。

 

1.ビジュアル重視

デジタルネイティブでSNSも使いこなすZ世代には、商品などのビジュアルも大切な要素の一つです。

Z世代は自己表現の一部としてSNSでの発信をしている傾向がありますし、“SNS映え”を意識したビジュアルや魅力的なコンテンツは共感が集まりやすくなります。SNSで最新のトレンドや人気のコンテンツを分析し、参考にするのも一つの方法です。

合わせてチェック!

“SNSネイティブ”とも言われるZ世代は、SNSの活用や使い分けのスキルも高いのが特徴。主要SNSの利用率や利用時間から消費行動まで詳しくまとめています。

参考記事:Z世代のSNS利用率は? 情報収集・使い分けの特徴も徹底解説

 

2.自己表現

エモ消費では、商品・サービスを購入・所有することで自分の感情や価値観を表現し、自己表現の一部としても捉えているのが特徴です。そのため、アレンジを加えたり自分らしさを出せるような要素を組み込むことも大切です。

例えば、ドリンクに好みのトッピングを加えてオリジナルドリンクに仕上げることができたり、色や素材を選んでオリジナルのスニーカーを作れるサービスなどがあげられます。自分の好みに合わせてカスタマイズできることが自己表現になり、満足度を高めます。

 

3.ブランドストーリーや理念

企業の理念やブランドストーリーを伝え、消費者からの共感を得ることも大切です。

例えば商品開発のきっかけや開発者の想い、商品づくりへの理念やこだわりなど「なぜこの商品が生まれたのか?」、「商品が誕生するまでどのような苦労をしたのか?」という背景をしっかりと説明することで、消費者の共感や感動を得やすくなります。

他社との差別化や企業への好感にもつながるため、印象に残るブランドストーリーを発信しましょう。

 

4.パーソナライズされた情報

パーソナライズされた情報は、消費者の心に響きやすく有効でしょう。

例えば、誕生日に特別限定クーポンを送ったり、購入履歴に基づくおすすめアイテムの紹介、商品購入後に見れる限定コンテンツなどがおすすめです。ユーザーの興味関心や過去の行動に合うパーソナライズされたコンテンツは関心も高く、満足感も得られやすいでしょう。

 

5.体験型アプローチ

エモ消費への戦略として、体験型アプローチも欠かせません。実際に体験をすることで、消費者の感情が動きやすく、強い印象を残すことができるでしょう。

例えばカフェで飲む一杯のコーヒーでも、店員さんがコーヒーの豆を挽き、丁寧にドリップしている過程が見える「体験型」の方が、購入後の満足度は高められるでしょう。ポジティブな体験をすることで、リピートにもつながりやすく、企業への好感や信頼も得やすくなるのがメリットです。

 

まとめ

エモ消費とは、感情的な高まりや精神的満足度を重視した消費行動のことを指します。商品・サービスに対して消費者にどのように共感してもらうかが重要で、SNSの普及からもエモ消費の影響が広がってきています。今回紹介したポイントを参考に、マーケティング戦略を考えましょう。

 


Z世代の認知拡大に! マイナビのキョーソウPROJECT

キョーソウPROJECT

マイナビのキョーソウPROJECTは、Z世代の認知拡大・新規顧客化を狙いとしたプロモーション施策です。企業からの課題に対し、Z世代のメンバーがアイデアを提案、企画書として仕上げます。

プロジェクトを通して、企業の理念や商品・サービスに込められた思いを伝えることも可能。Z世代のリアルな声を反映できる新しいプロモーション施策です。

キョーソウPROJECTを見る

バズマーケティングとは? 効果的な戦略と4つのポイント、成功事例を解説

「SNSの投稿をしているけど、フォロワーが増えない」、「アカウントの認知をもっと上げたい」などと悩んでいませんか?  「バズマーケティング」の手法も、認知を上げるための一つの方法です。

この記事では、バズマーケティングの概要から代表的な戦略について詳しく解説。また成功ポイントや具体的な事例についても紹介していきます。

バズマーケティングとは

まずは、バズマーケティングについて詳しく解説します。類似した手法と比較し、それぞれの違いについても理解をしましょう。

 

バズマーケティングの概要

バズマーケティング

バズマーケティングとは、SNSや口コミなどによる情報拡散を活用して、短期間で商品やサービスの認知拡大を狙うマーケティング手法です。企業が話題になりそうなコンテンツを戦略的に作成し、ポジティブな内容広めていくのが特徴です。

バズとは英語の「buzz」が語源で、「ざわつき」や「人々が群れて噂になる」状態のこと。バズるは「SNSで話題になること」を意味します。

 

「バズマーケティング」と「バイラルマーケティング」の違い

バズマーケティング

バイラルマーケティング

バイラルマーケティングも、ユーザーの口コミやSNSなどによる情報拡散を利用して、認知拡大を狙うマーケティング手法です。バイラルは英語の「viral」で、ウイルスのように自然と広がっていく状態のこと。ユーザーの自発的な情報拡散により、自然に広がっていくのが特徴です。

バズマーケティングとバイラルマーケティングの違いは、情報拡散のされ方。バズマーケティングは企業が積極的に情報拡散を促す一方で、バイラルマーケティングは、自然な口コミを活かして、情報が広まっていくものです。

バズマーケティングは「企業が情報拡散の仕掛けまでを考える手法」と捉えると理解しやすいでしょう。

 

「バズマーケティング」と「インフルエンサーマーケティング」の違い

バズマーケティング

インフルエンサーマーケティング

インフルエンサーマーケティングは、企業から依頼されたインフルエンサーが商品やサービスなどについて情報発信をし、認知拡大を狙うマーケティング手法です。

バズマーケティングの手法の1つがインフルエンサーマーケティングで、両者とも企業が情報拡散を仕掛けている点が共通点

バズマーケティングはさまざまな人から派生して情報拡散するのが特徴ですが、インフルエンサーマーケティングは、企業が依頼したインフルエンサーを起点に情報拡散されていくのが違いです。

 

バズマーケティングのメリット・デメリット

続いては、バズマーケティングのメリットとデメリットをそれぞれ見ていきましょう。

メリット

・短期間での認知向上
・情報の信用性

短期間での認知向上

バズマーケティングの大きなメリットは、拡散力の高さです。あらかじめSNSの即時性や拡散力を活かした戦略を立てているので、うまくいけば情報が瞬く間に広まり、認知向上や購買促進など爆発的な効果を生み出します。

またSNSの広告掲載は一定のコストがかかりますが、リポストやいいね、シェアなどで二次拡散された場合はコストがかかりません。そのため、比較的低コストで認知拡大を狙うこともできるでしょう。

 

情報の信用性

バズマーケティングは、口コミにより情報拡散されることで、ウィンザー効果も得やすい傾向。ウィンザー効果とは、当事者が発する情報よりも、第三者が発信した情報の方が信頼されやすいという心理的効果のことを指します。

企業が自社の商品やサービスのメリットを発信するよりも、ユーザーが「この商品はここが便利!」、「こういう活用方法もできる!」などと発信した方が、消費者目線の情報で信用も得やすいでしょう。企業が消費者のリアルな声を集め、商品開発や改善に活かすこともできます。

合わせてチェック!

商品やサービスの認知拡大を狙う上で、UGCの活用も欠かせません。UGCのメリットや増やす方法、事例についてポイントを詳しく解説しています。

参考記事:インスタグラムのUGCとは? 効果や増やす方法、事例を徹底解説

 

デメリット

・効果が短期的
・情報のコントロールができない

効果が短期的

バズマーケティングの影響力は大きいですが効果は短期的で持続させることは難しいということを理解しておきましょう。SNSはリアルタイムで大量の情報が流れているため、一時的に多くの注目を集めることはできても、ユーザーの興味や関心は、次々と移り変わっていきます。

公式サイトにバズを生んだSNS投稿を掲載するなど、何らかの形でコンテンツを再利用するのも有効でしょう。一方で、長期的な効果を見込むには、他のマーケティング手法や別のアプローチが必要になります。

 

情報のコントロールが難しい

バズ狙いのコンテンツでも、注目されないことは多々ありますし、どのように情報拡散されていくかをコントロールするのは難しいでしょう。

また、SNSはあらゆる人が利用しているため、企業側の意図とは異なる形で、ユーザーに情報が伝わってしまうことも。そのため、予期しない炎上を引き起こす可能性があります。炎上は大きな損失になりますし、過去の投稿まで遡られて誹謗中傷を受けることもあります。炎上対策も十分にしておきましょう

 

バズマーケティングの主な戦略5つ

バズマーケティングで用いられる、主な5つの戦略について紹介します。

 

1.キャンペーン

X(Twitter)やInstagram、TikTokなどSNSでのキャンペーンは、バズマーケティングに非常に適しています。SNSのキャンペーンはユーザーにとって気軽に参加できますし、いいねやフォロー、リツイートなど特定のアクションを参加条件にすれば、短期間で情報拡散も見込めるでしょう。

プレゼントキャンペーンの際には、コメントをするとプレゼントの当選確率がアップすることを明記しておけば、ユーザーの声を集めることも可能に。応募して当選結果がすぐに届く「インスタントウィン」も、ユーザーがより気軽に参加できることから人気の手法です。商品やサービスの無料トライアルキャンペーンもおすすめです。

 

2.インフルエンサー

インフルエンサーは、特定分野で大きな影響力を持っているのが強みです。すでに一定数のフォロワーがいますし、彼らと共通の趣味趣向を持っているため購買にもつながりやすい傾向も。インフルエンサーは、強力な宣伝になる可能性が高いのがメリットでしょう。

一方で、商品やサービスのターゲット層に合ったインフルエンサーを選出するのが重要。またインフルエンサーに仕事を依頼する際は、投稿に必ず【PR表記】が必要となります。表記ルールを正しく理解し、ステルスマーケティングにならないように注意しましょう。

10代女子に人気のインフルエンサーは?

今最も10代女子に影響力のあるインフルエンサーを【ライフスタイル】、【商品レビュー】、【大食い】の部門別に紹介! 最新トレンドをチェックしましょう。

参考記事:【2024年10月版】10代女子が選ぶインフルエンサーランキング

 

3.口コミ・コメントの活用

SNS投稿やキャンペーン施策を用いて、口コミを募集するのも一つの手です。例えばクイズや診断型のコンテンツは、ユーザーがコメントをしやすく、結果をシェアする傾向もあるので、口コミも集まりやすいでしょう。気軽に楽しんでもらいながら情報拡散もできます。

口コミやコメントのほか、シェアなども参加条件に入れておくと、より多くのユーザーに広めることができるでしょう。

 

4.画像・動画の活用

SNSにおいてビジュアルコンテンツはバズりやすい傾向のため、画像や動画を活用するのもおすすめです。ユーザーの興味や関心を惹きやすいのはもちろん、商品の魅力も伝わりやすいと言えます。

また、画像や動画を活用する際は商品紹介だけでなく、ユーザーに自分もやってみたい!」、「真似してみたい!」と思ってもらえるかが重要です。独自の活用方法やアレンジレシピなど、魅力的なコンテンツを作成しましょう。

 

5.オリジナルハッシュタグ

商品名やブランド名などに関連するオリジナルハッシュタグを作り、ユーザーには指定のハッシュタグを付けた上で投稿をするように促すのが大切です。SNSで自社や商品に関する投稿を検索しやすくなりますし、特定のコンテンツの拡散にも役立つでしょう。

先述したキャンペーン企画や口コミ募集する際には、オリジナルハッシュタグを付けて投稿してもらうように呼びかけてください。

ジャンル別人気ハッシュタグ

Instagramでは、情報を効率よく広めるためにハッシュタグの活用が欠かせません。オリジナルハッシュタグと一緒に人気ハッシュタグも取り入れましょう。

参考記事:【2024年】Instagramの人気ハッシュタグは? 業界別トレンドもチェック

 

バズマーケティングの成功ポイント4つ

バズマーケティングの成功ポイント

ここでは、バズマーケティングを成功させる4つのポイントをご紹介します。

 

トレンド

バズマーケティングでは、トレンドを取り入れることが非常に重要です。人気のネタや話題になっていることは人々の関心を惹きやすく、情報拡散されやすい傾向だからです。

SNSのトレンドから、どのようなキーワードがトレンドになっているか、最新の話題をリアルタイムで把握することができます。また人気ハッシュタグ話題のフレーズなどを活用するのも有効です。トレンドを取り入れることで、コンテンツをさらにブラッシュアップできるでしょう。

 

親和性の高いインフルエンサー

インフルエンサーを起用する場合は、自社の商品やサービスと親和性の高い人を起用しましょう。親和性の高い人を選ぶことで、情報の価値を高められたり、共感や信用にもつながったりと、大きな効果を見込むことができます。

まずはどのようなターゲット層に訴求するかを決めましょう。年齢層や趣味趣向など、細かく設定するのが重要です。その上で、インフルエンサーがどの層からの支持を得ているのか、詳しく分析するのがおすすめです。適切なインフルエンサーを選ぶことで、自然な形でプロモーションできます。

 

マルチチャネルで展開

SNSは使い分けされる傾向があり、それぞれユーザー層が異なるのが特徴です。例えばYouTubeは幅広い年齢層が利用している一方で、TikTokは10代~20代の若年層の利用率が高い傾向。マルチチャネルで展開することで、より多角的にアプローチし情報拡散できます。

またTikTokで話題になったコンテンツが、X(Twitter)でもさらに拡散されるということも。SNSは相乗効果生まれやすいため、マルチチャネルでの展開をおすすめします。

自社に合うSNSは?

SNSは、サービスの特長やメインユーザー層もそれぞれ異なり、ユーザーがどのように使い分けをしているのか把握するのが重要です。有名SNSをチェックしましょう!

参考記事:【2024年版 有名SNS一覧】17種類の特長と使い分け方を紹介

 

有益な情報発信

バズマーケティングには、ユーザーにとって有益な情報を届けることはもちろん、新しい気づきがあったり、「他の人にも教えてあげたい」と思えるようなシェアしたくなる情報であることが大切です。定期的に発信しユーザーとの信頼性を高めましょう

例えば、企業の最新技術や開発秘話なども独自性のある有益な情報ですし、差別化を図ることができます。体験レポートやレビューなども、ユーザーに役立つ情報でしょう。企業やブランドのブランディングにもつながります。

 

バズマーケティングの成功事例

KATE「リップモンスター」

KATE「リップモンスター」

出典:「TikTok for Business」

カネボウ化粧品「KATE(ケイト)」のリップモンスターは、2021年にTikTokで大きな反響を集め、販売開始から約1年で累計出荷数350万本を突破。数々のベストコスメを受賞しました。

リップモンスターは、つけたての色が長時間持続する、保湿と色持ちを兼ね備えた高発色口紅。TikTokでは人気クリエイターを起用し、マスクを外し音楽に合わせてポーズをとるたびに唇の色が次々と変わる、斬新なコンテンツを投稿しました。

動画はコロナ禍でもメイクを楽しみたい!」というユーザーの気持ちにマッチ。影響を受けた多くの人からも、リップモンスターを使った“鮮やかリップ”を披露する動画が続出。リップの色も「欲望の塊」や「ラスボス」、「2:00AM」など、SNSに載せたくなるキャッチーなネーミングで、話題を集めました。ユーザーの共感を集め、真似したくなるコンテンツが、成功につながっています。

 

大塚製薬「ファイブミニ」

大塚製薬「ファイブミニ」

出典:「TikTok for Business」

大塚製薬の「ファイブミニ」は、2021年にTikTok広告で若年層からの反響を多く集め、動画の視聴回数は2000万回超え、売上も倍増となりました。

「ファイブミニ」は、おなかの調子を整える特定保健用食品で、食物繊維を手軽においしく摂取できる飲料。TikTokでは若年層に気のインフルエンサーを起用し、ファイブミニを飲んだ感想や、お腹の調子の変化をレビューしてもらいました。

動画は便秘やダイエットに悩むユーザーから多くの関心が寄せられ、「どこで買えるの?」、「いつ飲めばいいの?」など、コメントを通じた交流も次々と派生。商品の効果だけでなく、アレンジレシピも広まり、大きな反響に。親和性の高いインフルエンサーに発信してもらうことで、興味喚起につながりました。

 

森永製菓「BAKE(ベイク)」

森永製菓「BAKE(ベイク)」

出典:森永チョコレート公式X(Twitter)

森永製菓の焼きチョコ「BAKE(ベイク)」は、2019年に「ベイクを買わない理由100円買取キャンペーン」を実施。2日で4万件を超える応募が集まり、キャンペーン終了後も多くの反響を集めました。

森永チョコレートのX(Twitter)公式アカウントにて、「かつてのアイドル、焼きチョコ『ベイク』が何をしても売れず、絶望しています。。」と、同キャンペーンについて呼びかけ。このツイートに対し、「自虐的でおもしろい!」「応援したい!」などと話題になり、情報拡散されました。

また「ベイクを買わない理由を書くと、Amazonギフト券100円で買い取ります」というユニークな企画にも魅力を感じてもらえ、拡散につながったようです。同キャンペーンで消費者のリアルな声を集めることに成功し、2021年にリニューアル発売されました。

 

まとめ

バズマーケティングとは、ユーザーの口コミなどによる情報拡散を活用して、認知拡大を狙うマーケティング手法です。今回紹介したように、インフルエンサーやキャンペーンなど、さまざまな手法と組み合わせることができるので、商材に合わせて戦略を考えていきましょう。

 


マイナビのSNS支援サービス

SNSマーケティング運用支援施策

マイナビでは、高校生や大学生、社会人層などを対象としたメディアのほか、自社でSNSも複数運営。各メディアごとに登録会員も所属しており、ユーザーのインサイト分析をもとにしたコンテンツマーケティングを強みとしています。

SNSのアカウント立案や広告施策、インフルエンサーのキャスティング、コンテンツ制作など幅広く運用をサポートしていますので、お気軽にご相談ください。

SNS運用ならマイナビ!

 

インスタグラムのUGCとは? 効果や増やす方法、事例を徹底解説

Instagramは写真や動画を共有して楽しむSNSですが、企業と消費者をつなぐマーケティングツールとしても活用されています。その中でも、重要視されているのが「UGC」です。

今回はInstagramのUGCを取り上げ、UGCの重要性や効果、集める手順まで詳しく紹介。またUGCを増やす方法やポイント、具体的な活用事例も解説します。マーケティング強化する際に、参考にしてみてください。

インスタグラムのUGCとは

インスタグラムのUGCとは? 効果や増やす方法、事例を徹底解説

InstagramのUGC

UGC(User Generated Content)とは、「ユーザーが自ら、商品・サービスなどに関して投稿したコンテンツ」のことを指します。商品の写真レビュー口コミなどが該当し、商品の紹介や活用方法、実際に使ってみた感想・意見が含まれます。

Instagramでは、フィード投稿、リール動画、ストーリーズなど、写真や動画で、さまざまなUGCが投稿されています。UGCを見て、かわいいバッグに一目ぼれしたり、便利なアイテムに興味を持ったりなどと「私も欲しい!」、「使ってみたい!」と感じ、消費につながりやすいのが特徴です。

Instagramは、ファッションやグルメ、インテリアなどライフスタイル系の情報が好まれる傾向他のSNSと比較すると、独自のオシャレな世界観が反映されたUGCで、商品の魅力が伝わりやすいのもメリットです。

 

InstagramでUGCが重要な理由

SNSの普及により、消費者の購買行動モデル「VISAS」へ変化していると考えられています。

SNS普及後の購買行動モデル「VISAS」

SNS普及後の購買行動モデル「VISAS」

まずは、購買行動モデル「VISAS」を詳しく解説していきます。

購買行動モデル「VISAS」

Viral(口コミ)          :商品購入者が口コミ(レビュー)を発信する

Influence(影響)   :口コミ情報から、商品・サービスに興味を持つ

Sympathy(共感)    : 共感が生まれる

Action(行動)             : 商品・サービスを購入する

Share(共有)              : 商品・サービスの口コミ(レビュー)を共有する

購買モデル「VISAS」で注目すべき点は、口コミが起点になっていることです。消費者は、まず口コミで商品の存在を知り、影響を受けます。そこから共感が生まれ、購入に結びついています。さらに購入したものを自らも口コミを発信しシェアしています。

 

従来の購買行動モデル「AIDMA」「AISAS」との違い

AIDMA

AISAS

従来の購買行動モデル「AIDMA」や「AISAS」は、まず【Attention(注意)】から始まり、広告などを通して商品・サービスが【認知】されることが起点となります。その後【Interest(興味)】を持って、消費へとつながる流れでした。

一方で、SNS時代の購買モデル「VISAS」は、口コミが起点になっているのが大きな違いです。他のユーザーの口コミを参考にして商品の購入を検討し始める人が多く、自らも購入後に口コミを発信するのが特徴。UGCは循環して、拡散していくと考えられています。

合わせてチェック!

購買行動モデル「VISAS」をもとにした、Instagramマーケティングの主な5つの手法を徹底解説!  戦略や成功ポイント、事例など、知っておきたい基本情報を網羅しています。

参考記事:【2024年】Instagramマーケティングの最新戦略とは? 成功事例と実施の流れを解説

 

InstagramのUGCの効果

InstagramのUGCの効果

InstagramのUGCには、主に3つの効果が得られると考えられています。詳しく見ていきましょう。

 

幅広いユーザーへリーチ

Instagramの投稿は基本的にフォロワーにしか届きませんが、UGCはあらゆるユーザー層から作られるため、投稿したユーザーのフォロワーやその先のフォロワーにもリーチが可能に。つまり企業アカウントをフォローしていない新規層にも情報を広めることができます。

また、エンゲージメントの高い投稿はアルゴリズムによって拡散されやすく、さらに多くのユーザーに届く可能性があります。

 

ユーザーの意見を商品へ還元

UGCはユーザーからのリアルな意見や要望を反映しているため、企業が想定していなかった活用アイディアや消費者の潜在ニーズを発見する手助けとなり、ネガティブな意見も商品の改良に役立ちます。UGCを分析することでユーザーへの理解が深まり、商品開発においても消費者の本音を自然に集めることができます。

 

信頼性の向上と親近感の高まり

UGCはユーザーが自らの意志で情報発信しているため、通常の広告よりも親近感があり、信用されやすい特徴があります。商品の購入を検討しているユーザーは、実際に購入した人のリアルな意見を参考にしたいと考えるので、UGCを企業のホームページや広告のクリエイティブに活用するのも効果的です。

信用して見ているSNS投稿は?

マイナビ マーケティング・広報ラボ「情報収集についてのアンケート」

マイナビ マーケティング・広報ラボ「情報収集についてのアンケート」より:18-20歳の学生/n=160件/2023年11月22日~2023年12月31日

 

マイナビのマーケティング広報ラボでは、新大学生を対象に、SNSでの情報収集の仕方を調査! X(Twitter )では、美容情報の信頼度が高く、一般人の投稿も約3割が信用して見ていることがわかりました。そのほか、SNSを使う時間やアカウントの使い分けについても詳しく調べています。

参考記事:SNS上での情報収集と広告に対する感じ方~新大学生編~

 

インスタグラムのUGC生成を促す手順

では実際にInstagramのUGCが生成されるには、どのような手順で進めればよいのでしょうか。4つのステップで紹介します。

インスタグラムのUGC生成を促す手順

1.アカウントを作りこむ

 まずは、Instagramのビジネスアカウントを作成し、ターゲットを設定します。色調やフォントなどトンマナを統一し、ブランドの世界観を魅力的に構築しましょう。UGCは循環して拡散するため、フォロワー数を増やすことが重要。ユーザーとのコミュニケーションを積極的に行い、フォロワーを増やしていきましょう。

 

2.オリジナルのハッシュタグを作成

ユーザーがUGCを投稿しやすくするために、ブランド名や商品名を含むシンプルで覚えやすいオリジナルのハッシュタグを作成しましょう。ハッシュタグを使ったキャンペーンを実施することで、UGCを促進することができます。

 

3. ユーザーの投稿を探す

商品名や企業名のハッシュタグ、またはオリジナルのハッシュタグを定期的に検索してUGCを見つけましょう。関連するハッシュタグが付けられている投稿や、コメントをくれたユーザーの投稿もチェックしてみるのも一つの手です。

 

4.UGC掲載の可否を確認

UGCを見つけたら、リポストの許可を投稿者から得ます。UGCの著作権は投稿者にあるため、必ず許可を取ることが重要。また、UGCを利用する際はクレジットを付けるなど、引用元を明記しましょう。

 

インスタグラムのUGCを増やす施策4つ

インスタグラムのUGCを増やす施策4つ

UGCを見つけられたら、増やす機会を作りましょう。施策を4つ紹介します。

 

リポストの活用

リポストは、自身のアカウントで、他のユーザーが投稿したコンテンツを再投稿することです。特定の投稿に共感・同意している時や、情報を広めたい時に使われる機能です。リポストは、ユーザーからは親近感がわき、コミュニケーションも活性化します。

また企業アカウント内で、ユーザーからの投稿(UGCをリポストする旨を表記して、投稿を募るのもおすすめです。リポストされることで、投稿者も自身のアカウントが幅広くリーチされるメリットがあります。先述した通り、リポストする場合は、事前に投稿者への許可をとりましょう。

 

イベントの開催

イベントを開催してUGCを増やす方法もあります。イベント参加者が「情報をシェアしたい」と思う、プレミアムな体験を提供することが大切です。

例えば、現地でのリアルイベントの場合、写真映えするフォトブースを設置し、「#イベント名」など指定のハッシュタグを付けて投稿するようにPRしたり、フォトコンテストを開催して投稿を盛り上げるのも一つの手です。

 

ユーザー参加型キャンペーンの実施

アカウント開設後の初期は、ユーザーが気軽に参加できるキャンペーンを実施しましょう。アカウントのフォローやいいねだけで参加できるものや、「#企業名_キャンペーン」や「#企業名_チャレンジ」など、オリジナルハッシュタグを付けた投稿を促せば、UGCが集まりやすくなります。

またコストはかかりますが、サンプリングキャンペーンも効果的。ユーザーは気になる商品を実際に試すことができますし、企業側は実際に商品を使った直後のUGCを集めることができるため、リアルタイムで有益な情報が得られ、情報拡散も見込めます。

主要SNSの使い分け方は?

SNSのキャンペーンはユーザーも参加しやすく、応募を集めやすいのがメリット。SNSごとに年齢層や特徴があるため、ターゲットに合わせて使い分けるのが成功の秘訣です。主要SNSの年齢層や最新の傾向について詳しくまとめています。

参考記事:【2024年版】主要SNSの年齢層を比較! 利用率や特徴、最新の傾向は?

 

インフルエンサーとのコラボレーション

インフルエンサーは、フォロワーからの信用が厚く、購買への影響力も大きいのがメリット。インフルエンサーに商品をPRしてもらうのも効果的ですし、コラボ商品の発売は、注目度も増し購買にもつながりやすい傾向です。

インフルエンサーを起用する場合は、彼らの個性を活かしたクリエイティブを尊重することが大切です。コアなファンが彼らのコンテンツに共感したり、模倣することでUGCも増えやすくなり、拡散が見込めます。インフルエンサーに長期間PRを依頼したい場合は、ブランドアンバサダーとして任命するのも有効です。

インフルエンサーに仕事を依頼するときは、投稿に必ず【PR表記】が必要になるので注意しましょう。

 

インスタグラムのUGCの活用事例

最後に、InstagramのUGCの活用事例4つを参考に、戦略ポイントをおさえましょう。

 

「日の出自炊部」:サンプリング×UGC

出典:日の出みりん公式Instagram


出典:日の出みりん公式Instagram

出典:日の出みりん公式Instagram

日の出みりんは、公式Instagramにて「日の出自炊部」を立ち上げ、料理好きな人をメンバーに招待しました。オリジナルレシピと日の出調味料のセットをプレゼントし、料理が楽しめる機会を創出。オリジナルレシピや商品を使って料理を作ってもらい、料理の写真をInstagramに投稿するよう呼びかけました。

独自のハッシュタグ「#日の出自炊部 〇期生」のもとに、調理風景やアレンジを加えた料理、こだわりの盛り付け写真など、多くのUGCが集まりました。メンバー内での交流が盛り上がり、エンゲージメントも向上。実際に商品を使う機会を提供したことで、ブランドのファン化にもつながりました。

詳しくチェック!

マイナビのマーケティング・広報ラボでは、キング醸造の「日の出自炊部」Instagram施策について、より詳しく記事でまとめています。参加者のリアルな声や成功ポイントをチェックしましょう。

参考記事:Instagramでファン化・コミュニティ形成×キング醸造

 

カルビーフルグラ:キャンペーン×UGC

出典:カルビーフルグラ公式Instagram

出典:カルビーフルグラ公式Instagram

カルビーのザクザク食感のグラノーラ「フルグラ」では、Instagramの公式アカウントにて定期的にキャンペーンを開催して、UGCを増やしています。

「#私のフルグラの大正解」のハッシュタグキャンペーンでは、フルグラのおすすめの食べ方について投稿を募集しました。賞も用意されたコンテスト形式で、抽選でプレゼントが当たる特典。フルグラを使った色とりどりのメニューや、子どもが笑顔で食べている様子など、さまざまなUGCが作られ、見ているだけでも楽しく役立つコンテンツが集まりました

既存のファンだけでなく、新規層にもフルグラのアレンジの仕方が魅力的に伝わり、購買促進にもつながっています。

 

Canon「EOS M」:リポスト×UGC

canon eosm公式Instagram

出典:canon eosm公式Instagram

Canonのミラーレスカメラ「EOS M」シリーズは、快速・快適・高画質で、手軽に美しい写真を撮影できるのが特徴。Instagramの公式アカウントでは、同カメラで撮影した写真を「オリジナルハッシュタグ+機材名」で募集し、UGCで運用しています。

UGCを用いた投稿には、さりげない日常を切り取った写真がメインで掲載されており、親近感が湧きやすく、UGC投稿ハードルも下がるのがメリット。また実際に撮影された写真を見ることができ、カメラの性能の良さをより魅力的に伝えることに成功しています。フォトコンテストも開催され、ファンの支持を得ています。

 

ジョンソンヴィル:模倣したくなる投稿×UGC

出典:ジョンソンヴィル公式Instagram

出典:ジョンソンヴィル公式Instagram

出典:ジョンソンヴィル公式Instagram

ジョンソンヴィルのInstagramの公式アカウントでは、ソーセージを使ったオリジナルレシピを投稿。週末のブランチ、アウトドア、おつまみなど、ニーズに合わせたメニューや、ハロウィンやクリスマスなど季節イベントに合わせた盛り付けアレンジなど、幅広く紹介しています。

オシャレで映えるお手軽メニューが、ユーザーの心をつかみ、公式の投稿を参考に「作ってみた!」と模倣するUGCが増加。ストーリーズでUGCを積極的に紹介したことで、さらにUGCが増えました。ユーザーのニーズに合った模倣したくなる投稿興味喚起させ、UGCを促しています。

 

まとめ

InstagramのUGCは、オシャレな世界観を活かして商品やサービスの魅力が伝わりやすい投稿が多く、ユーザーの興味喚起や購入につながりやすいのがメリットです。今回ご紹介したように、いろんな活用の仕方があるので、ぜひ参考にしてみてください。


マイナビティーンズUGC企画

マイナビティーンズUGC企画

マイナビでは、マイナビティーンズの会員として女子高校生が所属しており、トレンド感の高い彼女たちのリアルな声を集めてプロモーションに活用することができます。

 

また女子高校生に刺さるタレント、インフルエンサー、YouTuberなどのアサインも可能。お気軽にご相談ください。

若年層向けの施策はマイナビ!

 

【まとめ】10代女子が選ぶ! 好きなキャラクターランキング

マイナビのマーケティング・広報ラボでは、キャラクターランキングを定期的に発表しています。

10代女子の好きなキャラクターや人気の要素・その年のトレンド傾向を徹底調査! 実際に購入しているキャラクターグッズやコラボ商品、今後流行しそうな注目のキャラクターまで深堀りしています。

最新トレンドと10代女子のインサイトがわかる、キャラクターランキング記事を一覧で紹介します。

人気キャラクターランキング 記事一覧

【2025年版】

2024年から2年連続で首位のキャラクターは? 10代女子のグッズ購入きっかけや、欲しいコラボ商品など消費行動も調査!

 

 

【2024年版】

キャラクターの口調を真似た話し方も、10代女子の間でトレンドに!高校生の活発な消費傾向もチェック!

 

 

【2023年版】

アニメきっかけで、キャラクターを好きになる傾向! キャラクターの推し活事情も解説

 

 

【2022年版】

圧倒的に「可愛さ」重視! 10代女子がキャラクターアイテムで本当に欲しいものを調査

 

 

【2020年版】

キャラクターグッズは「ディズニー」が人気!人気の要素も徹底分析

 

キャラクターマーケティングとは? 効果と成功ポイント、事例を解説

広告や商品のパッケージなど、さまざまなシーンでキャラクターを見かけませんか? かわいいキャラクターたちに目を惹かれ、興味を持つこともありますよね。キャラクターにはどのような効果があるのでしょうか。

今回は、キャラクターマーケティングの概要、既存とオリジナルキャラクターの違い、得られる効果について詳しく解説。キャラクターの作り方や戦略ポイント、成功事例についても紹介しています。

キャラクターマーケティングとは

キャラクターマーケティングとは

キャラクターマーケティングとは、商品・サービスの認知向上や購入促進のために、特定のキャラクターを活用して行う、マーケティング手法のことです。主に、”既存の人気キャラクター”もしくは”オリジナルキャラクター”を活用する、2パターンの方法があります。

キャラクターには、それぞれ特徴的な見た目や個性的な性格、オリジナルストーリーなど、独自の世界観が作りこまれています。消費者との接点も作りやすいため、幅広い年齢層をターゲットにする際におすすめの手法です。キャラクターの魅力で注目を集め、ブランド認知を広げます。

また、オリジナルキャラクターに人気が集まれば、ライセンス収入など知的財産として収益化することも可能です。

10代女子のトレンドは?

マイナビのマーケティング・広報ラボでは、10代女子が選ぶトレンドランキングを発表! ヒト・コト・モノ・コトバ・ウタの5ジャンルにわたって、最新の人気傾向を紹介しています。2024年は、モノ部門に「エスターバニー」のキャラクターがランクインしました。

参考記事:【2024年】10代女子が選ぶトレンドランキングを発表!

 

キャラクターマーケティングの効果

キャラクターマーケティングの効果

キャラクターマーケティングでは、大きく3つの効果が得られると考えられています。

認知向上

キャラクターは視覚的なインパクトが強く「かわいい!」「気になる!」などと、自然に興味・関心を持ち、記憶に残りやすくなります。

人気キャラクターを起用すれば、ファンからの注目度も高く、購買が高まる傾向も。一方で新規のオリジナルキャラクターも興味を持ってもらえれば、ブランドの認知にもつながりますし、他社との差別化にも活かせるでしょう。SNSで話題になれば、さらなる認知度アップも期待できます。

 

共感・メッセージ性

キャラクターには、それぞれ特徴があり、性格やオリジナルストーリーなどが作りこまれています。そのため消費者が感情移入し、共感を集めやすいのがメリットです。キャラクターへの愛情が深まれば、SNS上でファンが情報発信し、拡散されていくでしょう。

また本来、企業の理念やブランドのコンセプトなどは伝わりづらいものですが、キャラクターが「メッセージ」として伝えることで、消費者の心に響きやすくなることもあります。キャラクターと情緒的なつながりを持つことで、共感を得やすいことが利点です。

 

SNSでの情報拡散

SNSでは、趣味趣向の合う人と気軽につながることができるのが特徴です。キャラクターとSNSは相性がよく、ファンの口コミによるバイラル効果も見込めるでしょう。

例えば、マンガやアニメなどの人気キャラクターとのコラボレーションは、ファンの間で情報が拡散され、短期間で多くの人にリーチすることができます。またコラボ商品を購入したファンが、SNS上に写真や動画を投稿したりなどと、UGCも作られやすくなります。ファンの情報拡散によって、認知向上が期待できます。

 

SNSの使い分けは?

マイナビのマーケティング・広報ラボでは、新社会人のSNSでの情報収集の実態を調査! X(Twitter)で「推し」の情報を調べるという人は約7割ということがわかりました。そのほかYoutubeやInstagram、TikTokなどでも、よく調べる情報・発信する情報を詳しく深堀りしています。

参考記事:SNS上での情報収集と広告に対する感じ方 ~新社会人編~

 

キャラクターマーケティングの比較

キャラクターマーケティングの比較

キャラクターマーケティングには、既存キャラクター、オリジナルキャラクターを使用する2つの手法があります。それぞれの強みを見ていきましょう。

 

既存キャラクター

既存キャラクターは、すでにファンが存在するため、認知拡大高い集客力が見込めるのが最大のメリット短期間で効果を得たい場合にはおすすめです。

一方で、既存キャラクターを使用する場合は、ライセンス契約料を支払わなければなりません。ライセンス契約料はキャラクターによって金額差があり、使用には期限や制約が設けられている場合が多いです。例えば、キャラクターの性格を改変する行為はNGで、使用するセリフやシチュエーションなど、厳しくチェックが入ることもあります。

 

オリジナルキャラクター

自社でオリジナルキャラクターを作ると、イベントやキャンペーン、SNSの投稿など、あらゆるシーンで活用できるのがメリット。既存の人気キャラクターと比較すると集客力はやや劣るかもしれませんが、キャラクターが浸透すれば徐々に効果も出るでしょう。

また、キャラクターのデザインなど、制作時に一定のコストは発生しますが、既存の人気キャラクターを使用する場合よりも、予算は調整しやすいでしょう。キャラクターが人気になれば、グッズやライセンス収入などで収益を得ることも可能です。

 

オリジナルキャラクターを作る、3つの戦略

オリジナルキャラクターを作る、3つの戦略

続いては、オリジナルキャラクターの作る手順を紹介していきます。

 

ターゲット分析

キャラクターデザインに入る前に、まずはメインのターゲット層を決めます。年齢や性別、ライフスタイルなどを見極め、好みや関心・ニーズを把握しましょう。どのようなターゲットを対象にするかを定めてから、キャラクターのビジュアル、性格、バックストーリーを作るのが大切です。

また、人気のキャラクターを調査するのもおすすめです。どんな点が魅力なのか、どこに親しみを感じているのか、人気の理由を入念に分析しましょう。インタビューやアンケートを実施して、消費者に直接意見を聞くのも効果的です。 

 

目的の明確化

ターゲットが決まったら、次はキャラクター作成の目的を明確にしましょう。目的によって、キャラクターのデザインや活用の方向性が変わるので、主軸を定めます。

例えば、新規顧客の獲得が目的の場合、インパクトのあるビジュアルやユニークな性格など、印象に残りやすい要素を考えるのが重要。キャラクターを作成したら、イベントや広告、SNSなどで積極的に露出を増やし、認知を広げます。

一方で、顧客ロイヤルティの強化が目的の場合、感情移入しやすいキャラクター作りがメインになり、オリジナルストーリーを描き、感情的なつながりを考えるのが大切。キャラクターが完成したらコミュニティを作り、積極的に交流してファンを増やしていきます。

 

ストーリー性

キャラクターに対して「好き!」「応援したい!」などと、ポジティブな感情を抱いてもらうためには、ストーリー性も重要な要素です。オリジナルストーリーを持たせることで、キャラクターの存在感が増します。

ストーリーを作る場合は、ターゲット層をふまえて、キャラクターの性格を設定します。例えば、キャラクターの成長を物語として描くのも一つの方法です。誰もが経験したことのある出来事や悩みごとなどは、共感が生まれやすいでしょう。

 

キャラクターマーケティングの成功ポイント

キャラクターマーケティングの成功ポイント

キャラクターマーケティングを成功させるためのポイントは4つあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

ターゲット層・商材との親和性

ターゲット層・商材との親和性は、マーケティングの成功を左右する要素です。例えば、人気キャラクターとブランドのコラボは、ファンからの支持が集まりやすく、ブランドロイヤルティを高めるのにも有効です。また商品と親和性があるキャラクターを活用すると、ブランドメッセージを効果的に伝えられるでしょう。

一方で、親和性を欠いてしまうと、ブランドのイメージが変わったり、一貫性が損なわれてしまうことも。またキャラクターのファン側からも反感が生まれ、炎上するリスクもあるでしょう。キャラクターとの調和を考え、配慮しましょう。

 

差別化

多くの企業でキャラクターが作られていることからも、独自のキャラクターで他社と差別化することが成功のポイントです。競合や他社の人気キャラクターを事前に調べ、独自性をどのように打ち出していくのか考えましょう。

キャラクターは、見た目や性格、ストーリーなど、ユニークな個性が魅力の一つ。キャラクター設定をしっかり練り、印象に残るように活用ができるように工夫しましょう。

 

マルチチャネルでの展開 

キャラクターを活用する場合は、マルチチャネルで展開し露出を増やしましょう。イベントなどで直接交流するのも効果的ですし、SNSもそれぞれユーザー層が異なるためX(Twitter)やInstagramなど使い分けたり、多様なチャネルを使って、消費者との接触機会を最大化するのが大切です。

キャラクターは、幅広い層にアプローチしやすいのがメリット。そのため、消費者との接点を増やし、ファンを地道に増やしていくのが有効です。既存の人気キャラクターを活用する際は、使用範囲の制限があるため注意しましょう。

合わせてチェック!

主要SNSにはそれぞれ特性があり、ユーザー層にも違いが表れています。各SNSの年齢層や利用目的などを把握することで、適したSNSを見つけましょう。

参考記事:【2024年版 有名SNS一覧】17種類の特長と使い分け方を紹介

 

顧客とのコミュニケーション

キャラクターは、企業と消費者とのコミュニケーションを活性化してくれる存在です。コミュニティを作ったり、キャンペーンを実施したりすることで、消費者とのつながりをさらに深めることもできます。

例えば、オリジナルのハッシュタグをつけてキャラクター商品の写真を投稿するキャンペーンを開催すれば、UGCが増え、認知向上にもつながります。キャラクターの名前を募集したり、クイズやプレゼントキャンペーンなども人気です。コミュニケーションが増えることで、ファンの愛情も深まるでしょう。

 

キャラクターマーケティングの注意点

キャラクターマーケティングの注意点

キャラクターマーケティングに取り組む上で、注意点もあります。

差別化とキャラクターの改変

現代では、キャラクター市場は飽和状態で、差別化しづらい面も。新しくオリジナルキャラクターを作る場合は、期待する効果が出るまで時間がかかることもあります。複数チャネルで露出を増やしていき、長期的な目線で戦略を考えていきましょう。

また人気キャラクターは、ファンがSNSで情報発信してくれるのがメリットですが、悪い情報も瞬く間に拡散されます。人気キャラクターを起用する場合は、キャラクターの改変だけでなく、イメージや世界観も崩さないようにファンへの配慮も大切です。

 

キャラクターマーケティングの成功事例4つ

人気のキャラクターを作る際に悩んだら、成功事例を参考にしましょう。ここでは、キャラクターマーケティングの成功事例を4つ取り上げ、ポイントを解説します。

 

1.「ちいかわ」SNS発の人気キャラ

出典:「ちいかわ」公式サイト

出典:「ちいかわ」公式サイト

「ちいかわ」は、イラストレーターのナガノ氏がX(Twitter)で「なんかちいさくてかわいいやつ」として公開したSNS発のキャラクター。2020年にX(Twitter)の単独アカウントでマンガ連載をスタートし、現在ではフォロワー数370万人以上の人気を集めています。

ちょっぴり泣き虫だけど優しい性格の「ちいかわ」と、友達のハチワレ、うさぎ、など個性豊かなキャラクターたちの日常が描かれます。彼らは仕事で生計を立てており、試練が出てきたり、資格取得を目指して失敗したりなどと、現実の厳しさに直面することも。現実感のあるストーリーと、不器用だけどがんばる姿に共感が生まれています。

X(Twitter)のマンガを起点に、オリジナルグッズや書籍化、アニメ化と、短期間のメディアミックスで認知拡大し、ファンが増大。「日本キャラクター大賞」2022年、2024年を受賞しています。

 

2.「キウイブラザーズ」メッセージ性を活かした人気キャラ


出典:「ゼスプリ インターナショナル ジャパン」公式サイト

出典:「ゼスプリ インターナショナル ジャパン」公式サイト

ゼスプリのオリジナルキャラクター「キウイブラザーズ」は、キウイをもっと知ってほしいという想いから誕生。キウイの鮮やかな断面図をモチーフとしたデザインを用い、それぞれの性格や特技、座右の銘などもある個性的なキャラクターを作りました。

「キウイブラザーズ」を起用したTVCMでは、キウイのフルーツとしての魅力をアピール。キウイは甘くて栄養価が高く、ヘルシーであることをアニメーション、ダンス、インパクトのあるキャッチフレーズで効果的に訴求。ユーモアあふれるストーリーで描き、応援したくなるキャラが人気の秘訣です。

「キウイブラザーズ」がTVCMで人気を集め、売上は上昇。HPでは、キャラクターの紹介や過去CM・ウェブ動画などが公開され、SNSLINEスタンプの配信などと幅広く展開。オリジナルグッズが当たるキャンペーンも毎回大きな反響が出ています。

 

3.「くまもん」地域振興を支える人気キャラ

出典:くまモンランドオフィシャルサイト

出典:くまモンランドオフィシャルサイト

「くまモン」は、2011年の九州新幹線全線開業をきっかけに制作された、熊本県のPRマスコットキャラクター。「熊本県の営業部長兼しあわせ部長」として、熊本県のプロモーションなど、さまざまな活動を展開。「ゆるキャラグランプリ2011」の受賞をきっかけにファンが拡大し、国内だけでなく海外からも愛されています。

「くまモン」は、著作権料が無料であることが特徴。デザインはグッドデザインカンパニーの水野学氏が手がけており、黒・白・赤のシンプルな色構成や輪郭線がないことで、んなデザインにも組み込みやすいのが魅力です(商用利用には熊本県の許可が必要で、デザイン使用規定など条件等アリ)。

これまで、各地で名刺の配布を行ったり、地域の小学校の体育館を爆走したり、仏大使公邸でいたずらをしたりなどと、ユニークな活動でファンを魅了。一方で「くまモン」には行動指針があるため、一貫性を保っています。キャラクター設定と活用のしやすさをうまく生かし、ファンを拡大しています。

 

4.「バスボンくん」商品の特性を活かした人気キャラ

出典:「バスボンくん」公式サイト

出典:「バスボンくん」公式サイト

山崎産業は家庭用清掃用品「バスボンくん」に、あざらしをモチーフとしたオリジナルキャラクターを取り入れました。

「バスボンくん」はソフトな繊維の毛が特徴で、洗剤を使用しなくても汚れやヌメリを落とせる便利グッズ。家財を傷つけずに、家中のお掃除をサポートします。このような商品の特徴をわかりやすく伝えるために「バスボンくん」が生まれ機能面を魅力的に打ち出しました。

商品パッケージにバスボンくんを載せたところ、ユーザーからは「パッケージがかわいくて剥がせない」、「ふわふわ毛を触ってみたい!」と話題に。SNS上で多くのUGCが作られると、さらに注目を集め、購入促進にも成功しています。

 

まとめ

キャラクターマーケティングは、視覚的インパクトが大きく、消費者と接点を作りやすいのが特徴。キャラクターの性格や特徴、ストーリーを活かせば、共感を呼び、ファンとして長期的な関係性を築くことも可能に。情報拡散されやすい面でも、キャラクターを活用するメリットは大きいようです。

 

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大学生女子の「推し活」実態調査

SNSをビジネス活用するには? 選び方から成功のポイントまで解説

SNSは日常のコミュニケーションツールとして、人々の生活に定着しつつあります。今後はビジネス面においても、SNSの活用はさらに重要になるでしょう。

今回は、SNSをビジネス活用する際のメリット・デメリット、成功ポイントを詳しく紹介。SNS選定の方法も解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

SNSの利用者数の推移と予測

日本のソーシャルメディア利用者数の推移および予測

日本のソーシャルメディア利用者数の推移および予測

出典元:総務省『令和6年版 情報通信白書』

総務省のデータによると、国内のソーシャルメディア利用者数は、2019年より増加傾向が続いています。コロナ禍に「家族や友人の近況を知りたい」、「人とつながっていたい」という人が増えたことや、在宅中心の生活により、幅広い年代層でSNSが使われるようになったことが要因でしょう。

また今後のSNS利用者は、1憶580万人(2023年)から、1憶1,360万(2028年)まで増加するとの予測も。SNSがコミュニケーションツールとして定着し、さらにゆるやかな増加が見込まれていることがわかります。

主要SNSのユーザー層は?

幅広い年代層に使われているSNSですが、主要SNSにはそれぞれ特性があり、ユーザー層にも違いがあります。各SNSの年齢層や利用目的なども把握しましょう!

参考記事:【2024年版】主要SNSの年齢層を比較! 利用率や特徴、最新の傾向は?

 

SNSのビジネス活用状況

社外に向けたSNSの活用状況

出典:帝国データバンク「企業におけるSNSのビジネス活用動向アンケート」

出典:帝国データバンク「企業におけるSNSのビジネス活用動向アンケート」

帝国データバンクのアンケート調査によると、SNS上に企業のアカウントを持ち、社外に向けた情報発信(広報・販促)ツールとして「活用している」企業の割合は、約4割でした。

業界別で見ると、個人消費関連の業種小売、飲食店、旅館・ホテル、娯楽サービス、教育サービス)は「活用している」割合が約75%と一番高く、小売業でも約7割サービス業では約半数(約48%)が活用。一般消費者を対象とした「BtoC」企業の多くが、SNSを活用していることがわかりました。

活用しているSNS媒体(複数回答)

出典:帝国データバンク「企業におけるSNSのビジネス活用動向アンケート」

社外に向けたSNS活用の目的(複数回答)

出典:帝国データバンク「企業におけるSNSのビジネス活用動向アンケート」

出典:帝国データバンク『企業におけるSNSのビジネス活用動向アンケート』

SNS活用している企業のうち、実際に使っている媒体(複数回答)を聞いてみると「Instagram」(21.0%)がトップで、「Facebook」(17.4%)「LINE」(16.5%)と続きました。

またSNS活用の目的は、「会社の認知度・知名度の向上」(67.6%)がトップ。次いで、「商品・サービスのプロモーション」(59.2%)、「会社や商品等のイメージの向上」(42.4%)、「顧客とのコミュニケーションの促進」(41.2%)という結果でした。SNS別で利用目的を見ても、「LINE」や「YouTube」以外の媒体はすべて「会社の認知度・知名度の向上」が1位でした。

調査の結果から、SNSをビジネス活用している企業は、「Instagram」で画像や動画などの視覚的コンテンツを使って、会社の認知度を上げるのが主流のようです。

 

SNSビジネス活用のメリット5つ

SNSをビジネス活用するメリットとして、主に5つ紹介します。

メリット

・ブランディング
・認知度向上
・ユーザーとの交流
・UGCの創出
・分析

ブランディング

SNSは企業のブランディングにも活かせます。ブランドの方向性をもとに【ロゴ、メインカラー、サブカラー、フォント、グラフィック】などを決め、投稿コンテンツに統一感を持たせましょう。投稿でブランドイメージを構築しておけば、情報発信する度にブランディング効果を期待できます。

またフォロワーはブランドに興味を持っている潜在層も含まれるので、投稿で定期的に商品の魅力に触れることで、新規顧客につながりやすいのもメリット。既存顧客ともSNS上で長期的な関係性が作りやすいでしょう。

 

認知向上

SNSは幅広い世代の人が利用しており、投稿がシェアされることで自然な形で拡散が可能に。多くのユーザーにアプローチし、企業やブランドの認知向上に期待できます。

コンテンツをバズらせる方法には、チャレンジ企画やキャンペーン、コンテストの実施、影響力のあるインフルエンサーとのコラボレーションなどがあります。SNSの拡散力によって短期間で認知拡大を狙えることも利点です。

ハッシュタグの活用方法

SNSでの拡散を狙うためには、ハッシュタグの活用が重要。Instagramのハッシュタグを付けるメリットや最適な個数、注意すべきポイントなどを詳しく解説します。

参考記事:最適なInstagramハッシュタグの数は? 探し方から付け方まで徹底解説

 

ユーザーとの接点

SNSでは双方間コミュニケーションで、企業とユーザーと接点を持つことができます。顧客と交流を深めれば、商品や企業に対しても好意を持ってもらえるきっかけになるでしょう。人は接触回数の多いものに好意を抱く傾向があるため、SNSを活用してファンやコミュニティを作るのにも向いています。

企業の発言は、さまざまな人が見ているので、投稿への返信コメントなど、誠意をもって対応することが大事です。

 

UGCの活用

UGCとはユーザーにより作られたコンテンツのこと。SNS上に投稿された商品の写真やイラスト、口コミ・商品レビューなどが該当します。

UGCはユーザー目線での商品紹介になるので、企業側が思いつかなかった目新しい活用方法や付加価値などが生まれやすいのがメリット。またユーザーにとって自身と似た家族構成や好みが合う人の意見は参考になりやすく、購買意欲高められます。

 

投稿の分析

主要SNSのビジネスアカウントにはアナリティクス機能があり、インプレッション数、クリック数、フォロワー数、コメント数などをのデータをリアルタイムで閲覧することができます。

つまり「プロモーションの反響はどうだったか?」「どのような投稿の反応が良いのか?」を分析し、反響の多い投稿の共通点や法則を見つけることができます。データ分析して短期間でPDCAを回すことで、より多くのエンゲージメントが獲得しやすいでしょう。

 

SNSビジネス活用のデメリット

デメリット

・炎上リスク
・SNS運用の手間

SNSをビジネス活用する上で、気を付けておくべきデメリットもあります。

 

炎上リスク

SNSには炎上リスクが常にあり、企業の言動がSNS上で物議を醸し、思わぬ形で拡散されることもあるので注意が必要です。

これまでにもSNSの投稿内容やプロモーションの文言、社員の言動など、数々の炎上が起こってきました。企業側の不適切な発言や対応などが問題視され、SNSで拡散されると大きな議論を巻き起こします。対応を間違えれば会社の信頼を失うだけでなく、事業の停止に迫られてしまうほど大きな影響が出ることもあります。

これまでの炎上のケースを理解して、細心の注意を払わなければなりません。SNS運用のルールを作成したり、ーシャルメディアポリシーを策定して備えておきましょう。

 

運用の難しさ

SNS運用を始めてみたものの、日々の投稿ネタが尽きてしまったり、分析の仕方がわからなかったり、思うようにフォロワー数が増えなかったりと、成果に悩むこともあるでしょう。先述した通り、企業とユーザーが直接交流できるのはメリットですが、ユーザーからの質問やメッセージの返信など手間がかかる作業も多々あります。

SNSは運用を継続するのが難しく、労力もかかります。日々の運用が負担になってしまっている場合は、SNS運用代行会社の利用もおすすめします。

マイナビのSNS運用支援

「SNS担当になったけど、何から始めていいかわからない」、「リソースが無くて更新頻度があげられない…」などと、悩みに合わせて運用支援ができます。ブランディングからプロモーションまで幅広くサポートできます。

 資料SNSマーケティング運用支援施策

 

主要SNS 6つのビジネス活用とポイント

SNSをビジネスで活用するためには、それぞれの特性を理解することが重要です。各SNSの特徴とビジネス活用する際のポイントについて解説します。

主要SNS6つのビジネス活用とポイント

 

LINE

国内のSNSユーザー数1位で、約9,700万人(2024年3月末時点)が利用。全世代にユーザーがおり、日常のコミュニケーションに欠かせないツールでしょう。

自社の公式アカウントに登録してくれた「友だち」に対して、プッシュ通知で即時に届けたい情報やクーポンを配信できるのがメリット。LINEは1日に何回も開く人が多いため、メッセージは比較的読まれやすい傾向です。

また連携した顧客管理システム(CRM)を使って、セグメント配信や、メッセージの開封率やリンクのクリック率、クーポンなどの利用率も把握可能。これらのデータを使って、どのような情報を配信すれば喜んでもらえるのか戦略を考え、1to1コミュニケーションが取れることが利点です。

 

YouTube

国内ユーザー数2位の7,120万人(2023年5月時点)が利用する動画共有サービスで、全世界で見ると約25億人の利用者数。幅広い年代層が娯楽や教養として楽しんでいます。

動画のジャンルは多種多様ですが、購入品レポートやレビュー動画なども人気。企業はオフィスツアーや社員インタビュー、商品開発の秘話などを取り上げるのもおすすめです。

動画1本作成するのにはコストも時間もかかりますが、テキストや画像と比較するとユーザーの印象に残りやすいのが特性。動画の視聴数を増やすために、人気YouTuberやインフルエンサーとコラボしたり、広告を出稿するのも一つの手です。定期的に発信することでファン化もしやすいでしょう。

 

X(Twitter)

X(Twitter)はリアルタイムでの情報配信と、拡散性が強みです。140文字以内のつぶやきや最新情報の収集を通じて、コミュニケーションを取り合っています。

X(Twitter)の特性は、RP(リポスト)機能。RP機能によって、他人の投稿も自身のタイムラインに共有することができるため、短期間での拡散性があります。拡散が続くとトレンド入りし、さらに多くの人に見てもらうことができます。

即時性・拡散力が強いことから、ビジネス活用する際には新商品の発売情報やイベントの実況、キャンペーン企画などがおすすめ。投稿を拡散させたい場合は、トレンドのハッシュタグを使用したり、RPキャンペーンを開催したりするのも効果的です。

合わせてチェック!

X(Twitter)の広告は種類も豊富で、活用しやすいのがメリット。選び方や成功させるためのポイント、注意点など、詳しく解説しています。

参考記事:X(Twitter)広告の出し方は? 種類と選び方、設定方法まで詳しく紹介

 

Instagram

Instagramは画像や動画を使って、製品やサービスの魅力を直感的に伝えることができるのが特徴。ビジュアル重視のオシャレな世界観で、女性ユーザーに人気の傾向です。

Instagramでは、画像だけでなく、リール投稿やストーリーズ、ライブ配信など、さまざまなコンテンツを投稿可能です。

ユーザーはハッシュタグ検索で欲しい情報を探すため、ハッシュタグの付け方や人気のタグの活用など、戦略を立てるのが大切です。また購入につながりやすい点も強みで、インフルエンサーを活用した購入促進も有効です。

 

Facebook

実名登録制のため、情報の信頼度が高く、他のSNSと比較して炎上しにくいのが特性です。

Facebookの投稿は画像と文章がメインで、グループ機能を使えばコミュニティを作ることもできます。グループ内の公開範囲は自由に選べ、ファイルや写真などの共有も可能。会員サイトのように、限定イベントを実施したり、特別なお得情報を配信したりするのもおすすめです。

広告はターゲティングオプションが豊富で、属性に基づいて配信できるため、適切なターゲット層にアプローチできます。

 

TikTok

若年層に人気のショート動画系SNS。ユーザーはスクロール画面から偶然流れてきた動画で情報収集するが大きな特徴で、高いバイラル効果をもっています。

TikTokでは撮影から編集、投稿までアプリで行え、誰でもクオリティの高い動画を簡単に作れます。トレンド性が強いため、TikTok内で流行の音楽気のチャレンジ企画ンフルエンサーやTikTokerとのコラボによって、短期間で高いエンゲージメントを生み出せるでしょう。

インフィード広告や、ブランデッドハッシュタグチャレンジなど、ユーザーが自然にコンテンツに触れる形式の広告が好まれます。

 

SNSビジネス活用の成功ポイント6つ

SNSをビジネス活用して成果を出すためのポイントは6つあります。知識として入れておきましょう。

 

1.インフルエンサーとのコラボ

インフルエンサーは魅力的な情報発信を得意とし、フォロワーからの信頼や消費への影響力も大きいのが特徴。インフルエンサーに商品レビューやコラボ商品を依頼すれば、ターゲット層に対して効果的にアプローチでき、認知拡大や販売促進の効果が狙えます。

インフルエンサーとのコラボをする際は、広告であることを隠すステルスマーケティングにならないように気をつけましょう。

 

2.ユーザーとのコミュニケーション

SNSでは、ユーザーとのコミュニケーションを楽しみましょう。企業とユーザーが直接コミュニケーションを取れるのはSNSのメリットですし、「いいね」やメッセージのやり取りなどで認知され、親近感や信用も生まれます。

ユーザーとの関係性を築くことで、投稿にも反応してもらいやすくなり、エンゲージメントも高められます。商品への意見やコメントなどももらえるようになれば、新商品の開発にも活かせるでしょう。

SNSのアルゴリズムにより、ユーザーからの反応があるコンテンツが優先表示される傾向。エンゲージメントを高めるためにも、ユーザーとのコミュニケーションを積極的に取りましょう。

 

3.一貫したブランドメッセージ

ブランディング効果や認知拡大を狙いたい場合は、一貫したブランドメッセージを発信し続けましょう。ブランドコンセプトをもとに【ロゴ、メインカラー、サブカラー、フォント、グラフィック】などを決めて、統一感のある投稿をしましょう。

SNS上には大量の情報があふれているため、投稿ごとにイメージが変わると、認知されづらくなることも。一貫したブランディングをすることで、認知されやすくなりファン化にもつながります。

 

4.明確なターゲット設定

SNSを運用する際は、必ずターゲットを設定した上でコンテンツを配信するのが重要です。ターゲットを定めるときは、「ペルソナ」を細かく設定しましょう。

ペルソナとは、年齢・性別・家族構成・趣味・ライフスタイルなど、顧客プロファイルのことを指します。ペルソナを作成しておくと「どのような情報を好むか?」、「どのようなクリエイティブに興味を示すか?」が押さえられて、エンゲージメントが高められやすくなります。投稿への反応を見ながら、「ペルソナ」を微調整していくのも有効です。

 

5.データ・競合分析

SNSはリアルタイムで、データを分析して改善することが大切です。アナリティクス機能を見れば、インプレッション数・クリック数・フォロワー獲得数・コメント数などが把握可能。データ分析をすることで、投稿内容や投稿タイミングなど改善できます。

また、競合分析することも重要です。競合他社の配信日時や頻度、人気投稿の内容を分析し、運用の参考にしましょう。

有名SNSもチェック!

SNSは複数組み合わせて活用することで、異なるターゲットにアプローチしたり、効果をさらに高めることもできます。主要SNSのほか、チェックしておきたい有名SNSを詳しく紹介しています。

参考記事:【2024年版 有名SNS一覧】17種類の特長と使い分け方を紹介

 

6.シェアしたくなるコンテンツ

SNSで成果を得るためには、ユーザーがシェアしたくなるコンテンツづくりも欠かせません広告配信するよりも効果的に投稿を拡散することができます。

ユーザーがシェアしたくなるのは、トレンド感のある話題のコンテンツ、日常生活に役立つライフハック系コンテンツ、かわいい・面白い・感動系などの共感コンテンツ、自己表現につながるコンテンツなど心理的に働きかける必要があります。見ていてポジティブな内容になるようにしましょう。

 

まとめ

SNSの利用者は増え続け、今後もゆるやかに増加していくと予想されています。各SNSの特性やビジネス活用のポイントを把握して、ビジネスアカウントを作成してみましょう。運用の手間や投稿内容に悩んだら、運用代行を利用するのもおすすめです。


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